今週のビルボードチャート~9/1(Hey! Say! JUMP、back number、緑黄色社会)


 Hey! Say! JUMP「群青ランナウェイ」が首位獲得。CD売上約23万枚、大体定石通りの比率ですが、ラジオオンエア3位というのが目をひきます。前作「ネガティブファイター」より2万枚多い初動枚数です。2位が=LOVE「ウィークエンドシトロン」、こちらは約12万枚売り上げたCD売上がポイントの9割近くを占めています。

 先週1位のJO1「REAL」は12位、同じく2位のBE:FIRST「Shining One」は9位。思ったほどランクダウンはしていません。JO1は2週目もCD売上が高く一定のストリーミングもあり、BE:FIRSTはYoutube再生数1位という強みがあります。ストリーミングはBE:FIRSTの場合キャンペーン分もまだ加算されているので多少割り引く必要ありますが、それでも高い順位をキープしています。あとは今週10位のポイント数が今年1番低いようなので、その分順位が繰り上がってる状況であるのも確かです。上位はこの2曲とSixTONES「マスカラ」millennium parade×Belle「U」が順位を下げて、それ以外はほとんど繰り上がってる状況です。あとはYOASOBI「ラブレター」が16位→25位、Ado「会いたくて」が27位→63位と新曲がロングセラー中の作品の影に隠れている現象が起きているのも少し気になります。

1位 Hey! Say! JUMP「群青ランナウェイ」


 ジャニーズ事務所が新進気鋭の作曲家・ミュージシャンに楽曲提供を受けるのは昔からのことです。21世紀以降は外国からの楽曲提供も増えましたが、今回Hey! Say! JUMPの新曲は9月1日にメジャーデビューするバンド・NEEのくぅが楽曲提供。関ジャムやAWAなどでもイチオシアーティストとして取り上げられた経歴がある方々です。

 MVは実写で踊るシーンですが、イラストテイストのMVの方がしっくり来るようなサウンドです。近年の同人系で多い傾向にある早口&シリアス系のメロディーを、ジャニーズのグループが歌うという絵が何より新鮮です。これまでとは違う形のカッコ良さが表現できているのは、とても素晴らしいことです。

 フルコーラス公開ではありませんが、ラストがフェイドアウト程度で収まるのは数年前にいくつかあったパターンですね。DA PUMP「U.S.A.」はこのタイプです。ジャニーズがここまで公開するようになったと考えるか、まだこの状況で留まっていると考えるのかは、個人の捉え方次第ということで…。

4位 back number「水平線」


 ここ数週間は新曲が多い週が続いていたので取り上げていませんでしたが、今週はちょうど新曲の少ないタイミングなのでしっかり紹介します。

 配信開始は8月13日ですが、Youtubeでは昨年8月18日からフル公開されました。彼らの故郷である群馬県開催のインターハイが中止になったことをきっかけに作られた楽曲で、公開のタイミングは開会式が予定されていた日だったようです。

 back numberの最大の長所は何と言っても清水依与吏が描く歌詞です。「恋愛ソングの伝導師」と一時期は個人的に命名していましたが、恋愛を筆頭とする感情表現がデビュー当時から一貫して優れています。この曲は明確なテーマと意図がYoutubeの説明にも記されていることもあって、余計に感情移入しやすい楽曲になっています。メロディーやアレンジをありふれた内容に仕上げているからこそ、一つ一つの言葉がより胸の中に入ってくる楽曲になっています。

 back numberのシングル曲はドラマ・映画主題歌が多い分、聴いていて制約を感じさせる部分が稀にあります。ただオリジナルアルバムを1枚でも聴いたことある人ならば、清水さんの表現能力が尋常ではないことは理解して頂けると思います。この曲は本来のback numberの良さと清水さんの人柄が一番良い形で表れている曲ではないかと思います。ロングセラーも納得の出来、「青い春」や「クリスマスソング」以上の代表曲にまで成長する可能性もありそうです。

44位 緑黄色社会「LITMUS」


 テレ朝系ドラマ『緊急取調室』主題歌、Youtube動画再生数は2週間で200万以上。先日執筆した紅組歌手予想でも30位に入れました。世間的にはともかく、Youtubeやストリーミングの再生数的にはもう完全にブレイクしているバンドです。

 「Mela!」など彼女たちはリズミカルな楽曲の印象が多く再生されている印象ですが、この曲は思いっきり歌い上げるバラードです。MVでボーカル・長屋さんの歌う姿はTHE FIRST TAKEを見ているかのようです。ですが音的に印象に残るのは鍵盤の音で、peppeさんがキーボードを弾く姿はこの曲調でも見ていて小気味良さを感じます。

 美しい歌声は感情も豊かで素晴らしいですが、個人的にはサビの音の動きを音程通りに歌うのがかなり難しそうな曲に聴こえました。カラオケで歌うには最大の関門、ライブ的にはここを正しい音程でうまく出せるかどうかが調子のバロメーターになるかもしれません。配信も含めた現場、あるいはテレビ出演などで歌う際には注目ポイントになりそうです。特にこういった歌い上げるバラードは発声がより重要になるので…。

 

 

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