第67回(2016年)NHK紅白歌合戦~その1~

 今回はグランフロント大阪ナレッジシアターで8K映像体験という形で、いつもよりもかなり高繊細・高音質な画像で見ることができました。デジタルテレビとは違うカメラを使っているため、映像のアングルも通常のテレビとは違います。平成初期の紅白ではアナログテレビ版とハイビジョン版、2つの映像が残る形でしたが、今はそれがデジタルテレビ版と8Kテレビ版に進化したといったところでしょうか。今回はそこで見た紅白の様子もレビューします。

 

オープニング

 今回は和服姿の両組司会・有村架純相葉雅紀が舞台裏で話す場面から始まります。元気よく相葉さんが挨拶、有村さんが案内。直後しばし2人のやり取り。少し言いづらそうな言葉を、紅白司会の先輩・相葉さん進行のもと練習。「初出場のKinKi Kids」「視聴者審査員の皆さま」を有村さんに言わせたところ「俺よりうまい」とコメント。2人が握手して、そのまま舞台に向かいます。なお向こうでは出場歌手がスタンバイ中、紅組歌手の面々が見えます。香西かおりmiwa乃木坂46のメンバーが通路にあるカメラに向かって手を振っています。

 舞台は変わってNHKホールの外から中継。夫婦という設定でタモリマツコ・デラックスが入口に到着します。

警備員「入場整理券はお持ちですか?」
マツコ「お父さん昨日持っていくって言ったじゃないのよ、酔っ払いながら俺が持っていくって怒ったじゃない私のこと」
タモリ「言わないよ俺、探してよ」「ちょっと待ってください」
しばし入場券を探した後、
マツコ「だって私持ってきてないもん今日!お父さんが持ってくるって言ったから私持ってきてないのよ。なんだったっけあれ?」
タモリ「言われてるんですよ、ふるさとキャラバン
マツコ「ふるさとキャラバンじゃないってなんか、なんとか調査員みたいなやつだよ」
タモリ「出口調査?」
マツコ「出口調査じゃないよ、普通の観覧じゃないんですよ」
タモリ「呼ばれるんですけども」
マツコ「だから入らないとまずいんですよ、今日」
警備員「お持ちでないと入場できないんですよ」
マツコ「…四角四面なことばっかり言うんだよNHKがこうやってあんたお父さんホントに」

 どうやら入場整理券を忘れた模様です。一応ふるさと審査員として呼ばれているようですが、警備員曰くそれがないと入場できないとのこと。この2人なら顔パスでもいけそうな気もしますが、NHKホールの警備は厳重です。とりあえず2人して入場券を探します。

 画面がNHKホール内に切り替わると同時に、ホールの観客は一斉にペンライトを上に挙げて左右に振ります。有村さんが登場して大歓声、相葉さんが登場して黄色い歓声。2人で元気に開会宣言。「第67回NHK紅白歌合戦、スタート!」

 オープニングテーマは鷺巣詩郎作曲の「Fly into the Sun」。今回は第31回以来、36年ぶりになる客席を通る形の入場行進。ただ大人数グループの出場歌手も増加している関係上、1階席を通るのが半分、舞台裏から登場するのが半分といったところのようです。

 客席から登場したのは順番に紅組が松田聖子Perfumeいきものがかり乃木坂46(橋本奈々未・西野七瀬・白石麻衣)坂本冬美AIAKB48(指原莉乃・渡辺麻友・松井珠理奈・山本彩)天童よしみPUFFY西野カナ欅坂46(平手友梨奈・長濱ねる・菅井友香)大竹しのぶ石川さゆり。先頭にいる聖子さんは、風船が装飾されたプラカードを持っています。

 白組が星野源X JAPAN (YOSHIKI, ToshI)TOKIORADIO FISH(NAKATA, SHINGO)桐谷健太THE YELLOW MONKEYKinKi KidsゆずRADWIMPSV6郷ひろみ五木ひろし。こちらの先頭プラカード担当は源さん、2回目の出場にして大抜擢です。

 画面では全歌手のテロップが右から左にスクロールされています。これもまた第33回以来34年ぶり(第31回以前は下から上のスクロール)。一組ずつ入場順に出場歌手が総合司会・武田真一アナによって読み上げられます。

 司会者がそれぞれ挨拶するとともに、今回のテーマ「夢を歌おう」を紹介。いつもならここからすぐトップバッターの紹介ですが、今回はゲスト審査員10人がこのタイミングで登場(普段は放送前に紹介した後で、本番開始の際には審査員席に着席しているという形)。こちらもまずは金色の文字で名前のテロップが流れています。席は舞台に近い方から大谷翔平新垣結衣…といった順番ですが、テロップはあいうえお順の表記でした。

 そして今回はこれまた、武田アナの紹介によると25年ぶりに視聴者代表の審査員復活。ふるさと審査員として、4組8名に参加して頂くという紹介なのですが、まだ2人来ていない様子です。紹介されると同時に、”ふるさと審査員”と書かれたのぼりを持った係員がなぜか横に立つ形になります。本来なら空席があるのは大変まずいはずですが、ここで進行を止めるわけにはいかないのでそのまま進めます。台本にもそう書いてあるようなので…(ビジョンにある段取りのセリフがはっきりと映像に映ってます)。

 

(ウラトーク)
 ウラトークチャンネルの担当は3年連続、バナナマン設楽統日村勇紀。進行は橋本奈穂子アナウンサー。ここまではいつも通り(橋本アナは3年ぶり)ですが、今回は初っ端からもう1人登場しています。その主は、すっかりウラトークのゲストでおなじみになったT.M.Revolutionの西川貴教「本選に出れないことなんて、全く気にしてない!」と西川さんが話した途端、タモリとマツコのパートに画面が入ります。

 「何これ?」「夫婦みたいな設定なの?」「当たった人たちなの?」「どういうことこれ?」「こういうことなの?」「なんか紅白新しくない?始まり方が」「この警備員の人誰なんだ?」「NHKホールの会場のお客さんたちもなんかキョトンとしてるもん」ウラトークの面々にもどう出てくるかは知られていないようです。実況という名のツッコミを設楽さん連発してます。

 のべつもなく初っ端から喋りまくる面々ですが、一応オープニングが始まると同時に橋本アナがウラトークチャンネルの内容をサクッと紹介。先頭が源さんという所にまずは大興奮。やはりバナナマンの2人は身内同然の乃木坂46に注目、「こっち向いて!」と何度も声をかけます。出場歌手を見つけてはどんどん喋ったり声援入れたりしています。目の前に起こることを視聴者と同じようにチャチャを入れる自由な雰囲気は、今回も継続のようです。

 なおPUFFYが登場した場面では以下のやり取りが発生しました。
「あ、PUFFYだ」
「あ、もうそれ触れなくて大丈夫です」
「そっか、PUFFYとそうだ、なんかあったな」
「なんかあったけど、強く頭を打ちますから。記憶をなくします」

 武田アナ登場のシーンでも、
「武田さんがワッと入ってきた!」
「えっ、武田鉄矢さん?」
「違うわ」「ウソでしょ」
「たけ”た”なんです」

 ゲスト審査員が登場する場面は、今回2階にもステージがあるから場所が移動したという説明がありました。ちなみにバナナマンの楽屋は草刈さんの隣だったらしいです。

 

(解説)
・ファーストショットはステージに向かう通用口の前からになりました。これは客席に向かう扉の前から中継した第58回(2007年)に近いスタイルです。司会の練習をするような台本も同じでした。ただ当時の白組司会・笑福亭鶴瓶のように、頭頂部から放送開始されたわけではありません。

・タモさんとマツコさんについては、神出鬼没な形で出演すると予告はされていましたが、具体的な内容は本番まで知らされていない形でした。ウラトークの実況でも分かる通り、困惑した方が非常に多かったのではないかと思います。このコントが今回の紅白歌合戦で、随時取り込まれる形になりました。

・客席からの入場行進は36年ぶりの演出です。ただ第31回(1980年)までのように出場歌手全員が客席から登場するのは難しかったようで、紅白各23組中13組ずつを回す形に落ち着きました。

・都庁からの中継出演となるTOKIOは、NHKホールはオープニングのみ参加となります。一方前半で中継出演する椎名林檎はオープニング不参加。当然熊本にいる氷川きよしや横浜にいる福山雅治、ロンドンの宇多田ヒカルは参加していません。

AKB48乃木坂46欅坂46は一部メンバーのみのオープニング出演です。AKB48は当時15歳で、時間帯的にメインのステージに出演できない田中美久矢吹奈子が一緒に参加しています。舞台端の方にいる坂道グループ2組はそれぞれ8名のみの参加でした。

・これ以前の紅白はほぼ全てステージ正面に審査員席が設置されていました(1967年・第18回のみ2階席だったようですが)。出場歌手以外でも変化が非常に大きかったこの年の紅白歌合戦ですが、セット面では2階ステージ設置と審査員席が一番の変化だったように思います。なおオープニングでゲスト審査員入場の演出が入るのは、第44回(1993年)以来23年ぶりでした。

・25年ぶりの視聴者代表審査員というアナウンスがありましたが、その第42回(1991年)では無作為抽出による全国600世帯の視聴者モニターによる電話調査でした。全国各地からNHKホールに来てもらって審査をする「一般審査員」の採用は、第40回(1989年)が最後になっています。

・ふるさと審査員はホームページなどの事前応募が特に無く、視聴者にとっても本番になって初めて分かった演出です。観覧客から更に抽選か何かしらの形で選ばれたのか、あるいはエキストラを招集したのかどうかは分かりません。なお客席観覧は毎年2人1組での応募なので、3組6名の選出を考えるとおそらく当日抽選の結果この席を引き当てたというのが実際のところではないかと思われます。

白1(全体1):関ジャニ∞(5年連続5回目)

・2002年結成、2004年デビュー 第63回(2012年)初出場
・31~35歳・7人組
・タイトル:「ズッコケ男道~紅白で夢を歌おう~」
・楽曲:「ズッコケ男道」(2007/4/11 シングル)
  詞:上中丈弥(THEイナズマ戦隊) 曲:ピエール
・歌唱前テロップ:初トップバッター 紅白みんなとド派手に
・演奏時間:2分24秒

 曲紹介前から会場には大きな歓声。それもそのはず、今回は2階席に設置されたルーフステージから登場。1階席後方から死角になるのは難点ですが、2階席や3階席の前方にとっては極めて近い場所で、1階席前方よりかえって出場歌手の動きが臨場感を持って伝わるような構成になっています。衣装は大倉忠義錦戸亮横山裕が白色のスーツに蝶ネクタイ、あとの4人は紅色の同じ衣装。白組なのに紅色の比率の方が高いのは、女性へのさりげない優しさでしょうか。村上信五が音頭を取る形で、トップバッターの演奏が始まります。

 冒頭サビが終わって早速階段を通ってメインステージに移動、そこのMC担当は横山さんと安田章大。カメラショットも忙しなく、どさくさ紛れに?ウラトークチャンネルで盛り上がる様子も映ります。今回はアリーナ公演・大規模フェスでもよくあるタイプのビジョンが投入されていますが、このショットは通常テレビとも8Kとも違う別のカメラのようです。1階席ではオープニングで登場した出場歌手がそのまま残って、ステージを盛り上げます。

 白組サイドではTOKIOが独特の動きで一緒に踊ります。国分さんは関ジャニ∞の3人以上に目立っている様子。一方紅組サイドは早速ゲスト審査員席、特に大谷翔平選手に絡みまくってます。彼の膝に乗っかる村上さん、それを見て思わずすいません!と謝る丸山隆平。舞台をセンターに移して、直後ソロパートの渋谷すばるは相変わらず美声でマイペース、錦戸さんには相葉さんが肩を組むツーショット。サビの手の振りは出場歌手だけでなく司会者も一緒に。有村さんはともかく、武田アナが手を振るシーンはかなり貴重な光景ではないかと思われます。左側を見ると欅坂46の中に堂本剛が同じ色の衣装でうまいこと紛れています。会見ではたまたま似た衣装だったようですが、本番は後日談によるとNHKと光一くんのプロデュースのもと練られた細かい企画だったようです。長濱ねるが紛れ込む剛さんに指をさしてツッコミを入れる良い仕事。

 よく見ると手を振っていない方や真顔になっている方もいたり、既に舞台裏に退いていると思われる方もいたり。こういうところも紅白らしくて良いと思います。というわけで1コーラス半の歌唱時間はかなり短かったですが、非常に密度高く盛り上がるステージを展開していました。

 

(ウラトーク)
 会場の歓声について橋本アナが解説。西川さんは欅坂46の横にいる堂本剛に注目します。引きの映像で一同ジックリ観察。「剛さん手の握り方も一緒ですよ」

 「ブンブン!」「イェイイェイイェイ!」最初からいつも通りに西川さん熱唱。日村さんが呆れる中で、設楽さんは今回のウラトーク席の横がラジオ放送席であることを紹介。「ラジオの人たちって、見て。歌の時ってちゃんと静かにしてる」橋本アナは「実況の隣りにいるサポートのアナウンサーが、西川さんが歌い始めた瞬間一瞬チラッとこっちを見ました」ですが西川さんは仕事なので、サビも全力で熱唱します。

 「振り切ってこーぜ ほら タイミング「違うわ!」そりゃポケットビスケッツだと日村さんがツッコミを入れますが、正しくはブラックビスケッツです。楽しい雰囲気のウラトーク、西川さんは紅白に予定調和がないと話していた偉い人の会見を見て「安心して最後までいようと思っています」と宣言。

 

(解説)
・ジャニーズ事務所所属のアーティストが白組トップバッターを務めた例はこれ以前に12回ありますが、その全てが後攻でした。したがって今回ジャニーズ13回目のトップバッターにして、初めて先攻を務める形になります。

・テロップのデザインが変わり、丸みが少し強調されるようになっています。また曲前テロップでは一言紹介が3年ぶりに復活しました。右上に常時表示されていたLIVE表示もこの回はなく、シンプルな画面になっています。

・2階席のステージが第55回(2004年)以来、12年ぶりに復活しています。またステージ床面のCGと1階ステージに通じる階段通路が今回初めて設置されました。

関ジャニ∞はこの年も「罪と夏」「パノラマ」「NOROSHI」がオリコンCD週間1位を獲得しますが、選曲されたのは2007年のヒット曲でした。この年以降、特にジャニーズ事務所所属歌手はその年CDがヒットしていても紅白で過去曲を歌うケースが目に見えて多くなっていきます。

・大多数の歌手がノリノリでステージに参加していますが、この後早い段階でバックダンサーとして登場する乃木坂46は着替えのため不参加。E-girlsもすぐ後のステージに登場するので既に移動しています。あとは髙橋真梨子RADWIMPSが不参加の様子でした。

紅1(全体2):PUFFY(初出場)

・1995年結成、1996年デビュー
・41~43歳・2人組 東京都町田市・大阪府寝屋川市出身
・タイトル:「PUFFY 20周年紅白スペシャル」
 楽曲1:「アジアの純真」(1996/5/13 シングル)
 楽曲2:「渚にまつわるエトセトラ」(1997/4/16 シングル)

  詞:井上陽水 曲:奥田民生
・歌唱前テロップ:20周年記念 誰もが知ってるあの大ヒット曲をメドレーで

・演奏時間:2分19秒

 デビュー20周年で初出場。「どんなパフォーマンスを見せてくれますか?」由美「どうします?」亜美「まあ、みんなで盛り上がれる曲を」意味もなく由美さんが亜美さんに質問を投げる台本が、PUFFYらしさをうまく表しています。世代交代が進んだと言われている今回の紅白ですが、センターに聖子・さゆり・五木・郷といった大ベテランを配置する辺りは相変わらずの風格と緊張感を感じさせます。

 よくよく考えるとPUFFYだけでなくこの曲を作った・彼女たちをプロデュースした奥田民生の曲が紅白で演奏されるのも今回が初めて。ユニコーンでもソロでも出場してない上に、石川さゆりへの提供曲も紅白で歌われていません。そういう意味でも、20年前の歌ではありますがかなり新鮮。逆に言うと、20年前に初出場していたらやはりトップバッターで歌われていたのかなと妄想する部分もあります(もっとも裏番組出演以前に、由美さんが骨折してたのでどちらにしても辞退の可能性は高かったですが)。

 先ほど歌った関ジャニ∞の面々は白組側一番端に陣取り、村上さんがカメラ目線ショット。SEKAI NO OWARINakajinが口ずさんだり、miwaが周りにいるアイドル以上の笑顔でノリノリだったりの光景が目に入ります。武田アナもしっかり口ずさんでます。歌が切り替わるところでさゆりさんと聖子さんが2人して笑顔で手を振っていますが、これはビジョンで自分たちが映るショットになったからなのだとか。

 「渚にまつわるエトセトラ」では由美さんが丁寧にゲスト審査員席に挨拶して歌います。審査員は手拍子ですが、一番奥にいる村田紗耶香だけはお馴染みのサビの手の動き。出場歌手も概ね拳を突き上げる振りですが、TOKIO周辺の面々は両手をパーにして、良い意味でふざけています。こちらも大変盛り上がった濃い内容ですが、時間にすると思いのほか短め。出場歌手が減っても、前半の演奏時間はやはり例年通りなのでしょうか。

 

(ウラトーク)
「PUFFYどっちが好き?」
「言いづらい!どっちかと言ったら吉村さんの方かな…」
「西川さん、盛り上がってねちゃんと!」「他のアーティストと差別しちゃダメだよ」
「わかってるよ、変な汗かいてるけど」
「(歌い出しの歌詞について)どういう意味なの?どういう意味なの?」
「陽水さんに聞いて!」
「ラジオの人が睨んでるよ」
「いま渡邊アナウンサー(ラジオのサポート、おそらくあゆみさん?)と目合いましたがね…ずっと見てますよ」
「(全力というよりヤケで)あえて吉村さんの方歌ってます!」
…というわけで、完全にPUFFYの声が聴こえないくらい西川さんが熱唱してます。「ヤケクソで歌ってる感じがするw」歌唱後「あとでLINEするよ!」ちなみに西川さんと由美さんが離婚したのは14年前のことです。

 

(解説)
・PUFFYはデビュー20周年のタイミングで初出場になりました。ウラトークで言及もありましたが、T.M.Revolutionとは同じソニー系列がかつデビュー日が全く同じという関係です。

・直接的ではありませんが、このステージは期せずして元夫婦の共演という形になりました。さすがに同じ画面に映ることはなかったですが、第26回(1975年)・第27回(1976年)の藤圭子前川清といった前例は一応あります。

奥田民生はこのタイミングで提供曲が紅白初歌唱、大物ミュージシャンですが紅白歌合戦にはあまり縁がありません。ただNHKに縁がないわけでは決してなく、近年は『チコちゃんに叱られる』のエンディングテーマ「叱られたい!」を担当しています。

・「アジアの純真」は1996年のデビュー曲、「渚にまつわるエトセトラ」は1997年リリースの4thシングルです。どちらもキリンビバレッジ発売の清涼飲料水「天然育ち」のCMソングでした。「これが私の生きる道」「サーキットの娘」を含めた初期4枚のシングルが、PUFFYで最も売れていた時期の作品になります。

白2(全体3):AAA(7年連続7回目)

・2005年結成、デビュー 第61回(2010年)初出場
・28~34歳・7人組
・楽曲:「ハリケーン・リリ、ボストン・マリ」(2006/5/31 シングル)
  詞・曲:真島昌利
・歌唱前テロップ:ライブで一番人気の歌 皆さんもタオルの準備を
・演奏時間:2分1秒

 紅白各1組終わったところで、武田アナが視聴者投票の手順を説明。今回は1対戦ごとの投票で、その積み重ねで審査結果が分かるということです。

 舞台後ろ、出場歌手たちの後ろではスタッフが慌ただしく動いてます。そんな中で登場したAAAの7人は今回2年ぶりに白組からの出場。ですので「去年紅組じゃなかった?」と言われます。西島隆弘が一応その旨説明した後に、「リバーシブルアーティストですね」と有村さんのお言葉。その上手さに思わず勝手に2人でハイタッチ(カメラでは映っていなかったですが)。今回はライブで一番盛り上がる曲を選曲したということで、出場歌手にも客席にもタオルが配られます。デザインを見る限り、これは11月の東京ドームワンマンで販売されたマフラータオルのようです。

 イントロで末吉秀太與真司郎が煽った後すぐに、1階ステージ全体に7人が散らばります。上手側、またまたゲスト審査員(特に大谷選手)が出場歌手に絡まれています。そちらで歌うのは浦田直也と末吉さん。”ジャンプします”と指示するのはセンターにいる宇野実彩子、歌うのが西島さんで一緒にいるのが與さん。白組側は日高光啓伊藤千晃がいますが、ソロパートがないせいかあまり映っていません。特に日高さんは普段ラップパート担当なので、そういう意味で考えると今回ちょっと損してる形でしょうか。あと伊藤さんは年明け結婚発表とともにグループ脱退ということで、女性メンバーは宇野さんだけになってしまいました。リバーシブルアーティストと言いつつも、女性メンバーが1人だけになるとすると今後の出場は白組でほぼ固定されそうです。

 話はそれましたが、こちらもステージが一体になって盛り上がる良いステージでした。ただ1コーラス半は相変わらず短いです。7年連続紅白出場でなおかつ東京ドームワンマンを埋めるくらいの集客力ですから、そろそろ後半でじっくり時間を取って歌わせてあげてもいいのではないかと思うのですが。

 

(ウラトーク)
 真後ろには客席。橋本アナを筆頭に一同後ろに向かって本気で謝罪。

 ルーフステージについて、「このさ、バーがさ、邪魔じゃね?」「電飾があるじゃん?あれが眩しい」「ちょうど目線の高さ」急に苦情めいたツッコミが続出。ちなみにバーは安全のための手すりとして設けられたそうです。

 「宇野ちゃんすげえセクシーじゃない?」「肩出まくりだよ」「抗議がきちゃうんじゃない?」一方の西川さんは男性メンバーについて後輩目線。ちなみにAAAが所属した側の勝率は7割だそうです。

 事務所の先輩・X-GUNの西尾さんが大好きだということで、ピコ太郎の出演も含めて喜んでいるだろうなぁと語る設楽さん。回すタオルがぶつかるかもしれないということについては橋本アナ「いいですよ、バンバンぶつけてください」。ライブでどう盛り上げるかをしっかり解説する西川さんが、うるさいことを除いてかなり有能でした。ウラトーク席はイヤホンが抜けたり、一緒に勝手に歌ったりタオルのホコリも舞っていたりするようで、色々大変な様子です。

 

(解説)
・「ハリケーン・リリ、ボストン・マリ」は2006年にリリースされた7枚目のシングルです。7人で7回目の紅白ということが選曲理由の1つだったようですが、発売当時は後藤友香里を含めた8人組でした。

・当時のCDセールスは決して高くありませんでしたが、AAAのライブ定番曲として必ずと言っていいほどセットリストに含まれる楽曲です。タオル回しの演出もコンサートでは恒例、それを紅白歌合戦に持ち込んだ形のステージでした。

・紅白の時点では発表されていませんでしたが、この時伊藤千晃は既に結婚妊娠中。年明け12日にそれを公表、3月31日にはグループも卒業。芸能活動はその後もソロで継続、これまでアルバム1枚・ミニアルバム2枚を発売しています。

・AAAの紅白歌合戦出場はこの年が一旦最後になります。2019年に浦田直也がコンビニでの暴行容疑で無期限謹慎処分後に脱退、その後は5人組としての活動になっています。

・2020年以降新曲発表はストップしていますが、11月からドームツアーが開催される予定でした。ただあいにくの状況で伸び伸びになり、最終的には2021年11月から振替開催。その後は一旦活動休止して、しばらくはそれぞれが展開しているソロワークがメインとなっています。

西島隆弘Nissyとして活動、2022年~2023年にかけてドームツアーを開催するほどの高い集客力を誇っています。宇野実彩子もソロ歌手として活動中。そして日高光啓SKY-HIとしても著名ですが現在はプロデューサーに社長業も展開。自身が立ち上げたBMSGからは、第73回にBE:FIRSTを紅白に送り込んでいます。

・なおウラトークではAAAのステージでX-GUN・西尾季隆の名前が3年連続で登場。1990年代のボキャブラブームで知名度を上げたコンビですが、その後はやや伸び悩む形になりました。ちなみにX-GUNとAAAの関係性はデビュー当初から深いようで、ツアーレポート番組のレポーターも務めているらしいです。

・この年は冒頭3組連続で過去曲のステージになりました。トップバッター同士が過去曲という例は第56回(2005年)にありますが、3組連続となるとこちらも紅白史上初めてとなります(当初から懐メロメインで作られた第40回(1989年)の前半は除きます)。

紅2(全体4):E-girls(4年連続4回目)

・2011年結成、デビュー 第64回(2013年)初出場
・18~29歳・19人組
・楽曲:「DANCE WITH ME NOW!」(2016/2/10 アルバム『E.G. SMILE -E-girls BEST-』)
  詞:michico 曲:T.Kura michico
・歌唱前テロップ:女子中高生の憧れ キレキレのユニゾンダンス

・演奏時間:2分4秒

 AmiのMCから曲が始まります。メインステージにある階段とセットにメンバー19人がスタンバイ、そこから降りる形になるので最初のサビを歌う間に出場歌手は舞台裏に移動。時間にして30秒。見事な速さです。衣装はアメリカと民族衣装を融合させたような感じでしょうか。

 今回も「E」「g」「i」「r」「l」「s」のパネルを持ったダンサーが登場、3組あるのでこれが6文字18人。それ以外でも液晶パネルを持ったサポートが登場します。1枚ずつパネルを持ったダンサー38名はラストで整列、38枚のパネルで一体のLED映像を映し出す形になりました。

 歌もそうですが、素晴らしかったのはやはりラスト40秒のダンスパートでしょうか。メンバー全員がダイナミックな振り付けを完璧にこなす様は、まさにプロフェッショナルといった趣。特に引きの映像が中心の8Kではダイナミックな動きが従来のテレビ以上に伝わりました。紅白出場は4回目ですが、その中でもベストのパフォーマンスだったのではないでしょうか。

 

(ウラトーク)
 セットについて触れる設楽さん。今回は大きいかまくらをイメージしているようです。「真ん中大仏が出てくるんですよね、この後ね」とボケて一同ツッコミ。パネルを見て「EGGって書いてあるのかな?」今年も絶好調のようです。

 舞台上どこまでがE-girlsなのかという話題になり、後ろは違うという話に。「後ろはまた違うガールズでしょ?」「C.C.ガールズだ!」「ギリギリガールズとかいるのかな?ひとり霊感強い子がいてね」訳の分からないトークになっています。LEDパネルについても「どこから電源を供給しているのか」「後ろに四角い電池入れるのかな?」「単3?単2?」「単5?」こんな話題を入れつつも、迫力あるダンスにはカッコ良いという感想で一致していました。

 

(解説)
・「DANCE WITH ME NOW!」はシングル曲ではなく、この年発売のベストアルバム『E.G. SMILE -E-girls BEST-』に収録された新曲です。シングルではないアルバム曲が選曲される例は過去にもありますが、ベストアルバムでの新曲が紅白で披露されたのは初めてでした。

・冒頭MCも担当したDream Amiは、この年ソロ活動を積極的に展開します。特に4月に発売された「トライ・エヴリシング」はディズニー映画『ズートピア』の日本語版主題歌として、配信中心に大ヒットしました。またE-girls内グループのFlowerもこの年ベストアルバム発売、「やさしさで溢れるように」のカバーが大きな話題になっています。

・ただE-girlsの人気はやや横ばいになり始めた時期でもありました。そこで翌年6月にE.G.familyを発表してメンバー再構成。Dreamは活動終了してE-girlsからも卒業、E-girls自体も大きくメンバーを改編して11人グループとして再出発します。翌年も紅白歌合戦は連続出場するので、以降の推移は次のステージのレビューで書くことにします。

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