第69回(2018年)NHK紅白歌合戦~その3~

チコちゃんに叱られる×紅白(前半)

 付き添いの岡村隆史と一緒にチコちゃん登場。やはりホールの入口でひっかかって遅くなったみたいです。岡村隆史が白組司会、チコちゃんが紅組司会としてあらためて挨拶。ネットには自分たちが紅白司会で決まっていたと岡村さん言い張りますが、状況を察するチコちゃん。「この人アホなんです」「ネットに書いてあることを全部本当だと思ってるんです」

 痺れを切らした白組司会の櫻井さんが質問を求めます。「なんで紅白歌合戦は紅白なの?」「めでたいから」「ボーっと生きてんじゃねーよ!」。お馴染みのCG&決め台詞に会場大拍手。その答えは、「初代ディレクターが剣道部だったから」。わざわざ紅白のために、これまた番組でお馴染みの「NHKたぶんこうだったんじゃないか劇場」まで作られています(語り:森田美由紀)。

 タイトルは「紅白歌合戦 誕生物語」。近いうちに放送する音楽番組のひな型は決まっていましたが、タイトルに悩む音楽部の近藤積ディレクター(演:岡村隆史)。上司(演:鶴見辰吾)に早くしろと催促されます。必要以上に丸めた台本で叩こうとしますが、そのたびに防御します。男女に分かれて対戦するというのはこの時点で決まっていたみたいです。そして叩いた上司に向かって近藤Dが一本。「紅白戦では負けなしでした」「紅白戦では負けなし…」。もし剣道部で無ければ違うタイトルだったかもしれないですね、と話を締めます。なおラストに紹介された映像は現存している中で最も古い1963年、第14回のものでした。

 ちなみに少し補足すると、舞台は1945年。当時は紅白歌合戦の”合戦”の部分がGHQの許可が降りず、やむなく「紅白音楽試合」として同年12月31日に放送された経緯があります。紅白歌合戦の第1回は1951年1月3日放送ですが、原型は既にこの時点で出来上がっていました。

 というわけで、この答えは「検討もつかなかった」と話す白組司会の櫻井さん。どっちが司会、相応しいか分かりましたよね?という岡村さんの質問には、迷いなく「櫻井くんとすずちゃんです」と即答。しっかりオチがつきました。

 

(ウラトーク)
 画面に並ぶチコちゃんコンビを見て、「岡村さんとチコちゃんが大体身長同じくらいですか」「チコちゃんの方が大きいくらい」「リハ終わって裏行ったらチコちゃんグッタリ座ってましたよ」「やめなさい」。岡村さんを見て、「芸人の先輩が出てると嬉しいですね」としみじみ話す場面もありました。

 「さっきから#ウラトークであまりコメント来てないですね」「今30くらいですって」。明らかに前回のバナナマンより少なく、前年直美さんが担当した楽屋トークでもトレンドにあがっていたので、一同が焦り始めます。チコちゃんの例のCGには、話している最中にもしっかり反応。

 富澤さんがまだ反応の少なさを引きずっている中、次に読み上げられたメッセージは「ウラトーク席、面積とって狭いけど、寒いこの時期は温まるね!」。同じようなtwitterメッセージに、一同完全にガッカリ。次に読み上げたコメントは「twitter、さっきの事故でざわついてる」「ウラトーク席にドーナツ差し入れしなくちゃ」。というわけで、例のゼロカロリー理論を安倍総理のモノマネも交えて披露する伊達さんでした。

 

(解説)
・『チコちゃんに叱られる!』はこの年4月からレギュラー放送開始、金曜20時の人気コンテンツになっています。こちらもすっかり紅白でお馴染みになりました。VTRは鶴見辰吾が紅白初出演、ナレーションの森田美由紀アナは第44回(1993年)に総合司会を担当しています。

・岡村隆史は2006年・第57回でゲリラ的な形の出演がありますが、NHK番組代表として堂々と出演したのは今回が初めて。なお12年前の紅白出演についてはこの記事でまとめています

・ネットに書いていることが全部本当ですという設定のもと登場した岡村さんですが、当の本人はこの2年後にネットで大炎上しました。したがって現在この設定を使うのはやや難しそうです。

・ゼロカロリー理論は前年から言い始めた伊達さんの持ちネタで、この年MONKEY MAJIKとコラボした「ウマーベラス」にもしっかり反映されました。Youtubeで1000万再生を突破するヒット曲になりましたが、歌手としては惜しくも選ばれませんでした。ただサンドウィッチマンはこの年以降3年連続紅白出演で、すっかり常連ゲストになっています。

紅5(全体11):天童よしみ(22年連続23回目)

・1970年デビュー 第44回(1993年)初出場
・1954年9月26日生 大阪府八尾市出身
・タイトル:「ソーラン祭り節2018 ~どさんこver.~
 楽曲:「ソーラン祭り節(2012/9/5 シングル)…6年ぶり2回目
  詞:水木れいじ 曲:若草 恵
  Sax:武田真治 振付:EBATO
  踊り:小林航太 村雨辰剛 YOSAKOIソーラン北海道・東京学生合同「旭」
・歌唱前テロップ:カーリング銅メダリストと「ソーラン祭り節」
・歌唱中テロップ:YOSAKOIソーラン×ロコ・ソラーレ×武田真治

・演奏時間:2分3秒

 平昌五輪で活躍したカーリング娘のVTRが流れます。その間にロコ・ソラーレ(本橋麻里・藤澤五月・吉田夕梨花・吉田知那美・鈴木夕湖)のメンバー5人が登場。横にいる岡村隆史が勝手に司会者のように振る舞ってます。流行語にもなった「そだねー」、出川哲朗にうまいこと振ってみてと内村さんが無茶ぶり。結果、最初からなぜか自分で「そだねー」と言ったり、チコちゃんに「そだねー」と答えられたりするなどやはりグダグダ。岡村さんにもしっかりツッコまれていました。チームを代表して本橋さんが、「オリンピックの時に応援してくれた皆さんのために、故郷北海道まで元気を届けたいと思います」と力強くコメント。「そしてみんなで筋肉体操で話題になった武田真治さんが筋肉とサックスで盛り上げます」と紹介する広瀬さん。通常ではあり得ない文章に、他の司会陣特に岡村さんがツッコミを入れます。

 イントロで曲紹介するパートですが、台本が見えなかったのか何か指示があったのか読めない漢字があったのか、広瀬さんが思いっきり言葉を詰まらせてしまうハプニング。上手側ではロコ・ソラーレが大きな団扇を持ったり鳴子を振ったりして笑顔で応援、下手側では筋肉体操の3人が腕立て伏せしたりスクワットしたりしています。舞台袖では司会陣と、チコちゃんや岡村さんも一緒に踊ります。舞台にはYOSAKOIソーランのダンサーが大量、客席通路にまで溢れています。ソーラン節自体は過去の紅白で様々な形で何度も歌われていますが、よく考えるとYOSAKOIソーランが入るのはこの曲のみ(一応前回歌唱時もバックにいました)。ただこれだけ前面に出たのは初めてです。

 武田真治は第54回にゲスト審査員として出演していますが、紅白のステージでサックスを演奏するのは初めて。ただまさかこんな姿で演奏することになるとは、当の本人も想像だにしていなかったのではないでしょうか。ツッコミどころは多くありつつも、意外と終わってみれば天童さんが一番存在感を出していた形だったような。圧倒的な歌唱力に最後の「そだねー!」もバッチリ、お見事でした。

 

(ウラトーク)
 伊達さんはカーリング娘が日本に帰ってきた当日に日テレの駐車場で遭遇、写真撮ってくださいとお願いされて撮影したそうです。ウラトーク席を見てくれることを期待しますが、「こっち、少しも見てねぇや」「失敗した時だけ見られますけどね」「そだねー」。直後ワイプが来て手を振ります。チコちゃんのそだねーには、「俺の方が先に言ったからね」とひそかに勝ち誇ってます。

 ステージは武田真治に総ツッコミ。「めちゃくちゃふざけてる」「今日の中で一番ふざけてますね」。直美さんが完全にツボに入ってます。「この人はどこからどこまでがふざけてるんですかね?」「あの3人だけでしょうね、ふざけてるのは」「何なのあのダンス」「あれはいるんですかねぇ?」「いらねぇだろ」。一応武田さんは北海道出身という、雨宮アナのフォローが入ります。

 サックスを見て「音が出てないんじゃないですか?」「(イヤホン外すと)出てました。歌声かき消すくらいの音です」、しまいには「天童さんの前被るくらいやっちゃってますよ」「天童さんの歌聴きたいんだよこっちは」「ガチャガチャしてんなあ」。ただラスト、なんだかんだで「がんばれ北海道!」とエールを贈る伊達さんは流石でした。

 

(解説)
・女子カーリング日本代表として平昌五輪に出場したロコ・ソラーレは、日本のカーリングで五輪初の銅メダルを獲得しました。なお本橋麻里は五輪を最後にチーム運営に専念、現在のロコ・ソラーレは彼女に代わって石崎琴美が加入。このチームで2022年北京五輪の出場権も既に得ています。

武田真治は第54回(2003年)ゲスト審査員で、15年ぶりの紅白出演。この年8月に5分番組『みんなで筋肉体操』出演、4日間だけの放送でしたがSNSで相当話題になりました。「筋肉は裏切らない」の言葉は新語・流行語大賞の候補にまでなり、その後も数回新シリーズを放送。再放送の回数も相当多く、YouTubeにも公式でアップされています。

・民謡の「ソーラン節」を筆頭に、ソーランがタイトルに入る楽曲が紅白で歌われるのは通算8回目。氷川きよし「きよしのソーラン節」に伊藤多喜雄「TAKIOのソーラン節」、他に北島三郎「ソーラン仁義」もあり。ただやはり一番ネタ色強いのは第11回(1960年)で歌われた森繁久彌「フラメンコ・ソーラン節」ではないかなと思われます。

・北海道をテーマにしたステージは、この年9月6日に起きた北海道胆振東部地震の被災者にエールを贈るという意味合いもありました。本橋さんのコメントでも触れられていましたが、ステージ後には武田真治もウラトークでしっかりメッセージを残していました。

・ちなみにこの年足を運んだ観客の証言によると、決めポーズの後に天童さんは相当な勢いで武田真治に抱きついたようです。そしてその態勢のまま、武田さんが天童さんを抱っこして一緒に舞台袖に向かったらしいです…。

白5(全体12):Suchmos(初出場)

・2013年結成、2015年デビュー
・26~29歳・5人組
・楽曲:「VOLT-AGE」(2018/6/20 アルバム『THE ASHTRAY』)
  詞:YONCE 曲:Suchmos
・歌唱前テロップ:サッカーW杯の感動を再び!
・歌唱中テロップ:ロシアの興奮再び 2018NHKサッカーテーマ
・演奏時間:3分34秒

 2018FIFAワールドカップ・ロシア大会のVTRが流れます。日本代表は今回8年ぶりに決勝進出を果たしましたが、代表キャプテンを務めた長谷部誠(私にとっての平成ソング:Mr.Children「終わりなき旅」)がここで登場。試合前は選手それぞれがイヤホン、トレーニングではスピーカーで聴いていて、スイッチが入るとみんなで大合唱になることもあるようです。今回演奏されるSuchmosの楽曲の印象は「熱い歌」とのことでした。

 「クサくて汚ねえライブハウスから来ましたSuchmosです、よろしく」と歌前にボーカル・YONCEが挨拶。バックの映像は勿論FIFAワールドカップ・日本代表の名場面が中心です。

 確かに本開催中、盛り上がりに欠けるという批判は多く見られましたが、スタジオ生演奏のライブとなると全く別。フツフツと湧き上がるようなグルーヴィーな演奏と、YONCEを中心とした熱狂的なパフォーマンス。理屈抜きでものすごくカッコ良い、この一語で全てが説明出来るようなステージでした。個人的には文句なしに、前半のベストアクトとして挙げたいです。

 

(ウラトーク)
 「Twitterでウラトークがあるから一人ぼっちの年越しも寂しくない」、ようやくまともなメッセージが読み上げられました。この後ゲストに武田真治が来るのかなという話題、「今のところ来なくていいですよね」「来られてもねえ」「サックス吹かれても、という」「罵詈雑言しか浮かびません」、3人ともボロカスに言っています。あとはMCトークの時の声量に注意しようという話題、ただ個人的な印象では間違いなく前年までより大きいです。引き続きTwitterからのメッセージ、「サンドウィッチマンのお2人は、一生あの宣材写真なんですか?」。実際はつい最近変えたそうです。

 Suchmosのステージが始まると一旦こちらの話題に。多く届いた差し入れで、サンドウィッチマンはお菓子をもらったそうです。会場にいる高齢者のペンライトの動きが曲のノリと合っていない、今回の倍率が815倍などと話した所で武田真治が本当に登場します。

 「武田さん、なんでそんなことになっちゃったんですか?」「僕もよく分からないんですよ」「よく分からないまま突っ走る時期ってあるのかな、って」。ここ最近については、「自分の健康維持ぐらいの企画なので、恐縮する限りです」。その筋肉には、実際に上腕二頭筋を触った直美さんがビックリするほど。

 震災では武田さんの地元・札幌の実家も停電。電気系に強い父親が車のエンジンに繋いで一晩過ごしたという話も披露します。「もっと大変な思いをされてる方もいたと思うので、一生懸命やったつもりなんですけれども、茶化してるみたいになっちゃって」「思いってやっぱり、先に言葉にするべきでしたね」と、先ほどのステージについて若干後悔している様子でした。

 

(解説)
・今回のゲスト審査員と一部の歌手にはテロップに「私にとっての平成ソング」が併記されています。長谷部誠選手が挙げた「終わりなき旅」は1998年、日本がFIFAワールドカップに初めて進出した年の大ヒット曲です。

・その長谷部選手は2006年に初めて日本代表に選出、2018年までプレーします。選手としては現在も現役で、ドイツのブンデスリーガでプレーするのは2023年で16年目となりました。

・「VOL-TAGE」は2018年~2019年、NHKサッカー中継テーマソングとして起用されます。これまでの中継に起用されたテンション高い曲調とも、「STAY TUNE」「808」など自身の代表曲とも異なる曲調で新たな引き出しを提示した1曲ですが、当初違和感を覚えたというリスナーも一部いたようです。

・Suchmosは2019年のアルバム『THE ANYMAL』以降制作ペースが落ちます。ベース担当のHSUが体調不良のためアジアツアーも中止、その後2021年に活動休止を発表。復活が待たれるところでしたが、残念ながらHSUさんは2021年10月に逝去されたことが発表されています。

白6(全体13):純烈(初出場)

・2007年結成、2010年デビュー
・32~47歳・5人組
・楽曲:「プロポーズ」(2018/2/14 シングル)
  詞・曲:幸 耕平
・歌唱前テロップ:スーパー銭湯ライブ再現?「プロポーズ」
・歌唱中テロップ:初紅白!スーパー銭湯アイドル
・演奏時間:2分2秒

 初出場の純烈をVTRで紹介。全国のスーパー銭湯を中心に活動してきた彼らは近すぎるファンサービスが特徴。ファンにはもはや病院・ドクターとまで言われているようです。メンバーを代表してリーダーの酒井一圭がコメント、「本当に今日はまさに夢が叶った日で、ここが紅白か…って感じでね、本当に感慨深いです。11年間諦めなくて、本当に良かった」と語ります。自身もスーパー銭湯が好きという安藤サクラ(楽しみな歌手:五木ひろし)「夢がありますね」とコメント。

 スーパー銭湯仕様のセットに転換、両脇後ろでは50~70代くらいと思われる女性の方々が団扇を持ちながら応援。サビではメンバーそれぞれがファンのいるエリアに移動して、文字通り近すぎるファンサービスを見せまくっています。1コーラス半で演奏時間はやや短めですが、良い内容でした。ちなみにバックの女性の方々は本当の純烈ファンなのだそう。「旦那さん方はそれぞれ家でテレビをご覧になってるということですね」と、歌い終わりに内村さんのツッコミが入りました。

 

(ウラトーク)
 サックスについてはサンドの2人が話す通りうるさいかなという懸念が本人にもあったようですが、リハーサルで「いいのいいの、もっと吹いて、私を高めて」という言葉を天童さんから頂いたようです。「一番言われたい言葉なんですよ」と力説していましたが、「言われる機会あります?」と直美さんからツッコミが入りました。「完全に声を消してたんでね」の伊達さんの意見には、「二度と言わないで」と返します。

 「スベってませんでした?」と尋ねる武田さん、おおいにボケつつも大筋はスベってなかったと一応返してます。

 純烈のステージについて、後ろにいる方々は本当のファンという情報が雨宮アナから入ります。「武田さんは行かなくてもいいんですか?」「服を着れるなら向こうに行けたいぐらい」

 「こんなに薄着で人前に出たのは初めて」「こんな大舞台で、スタイリストはつけないでいいですこちらで用意しますと局の方に言われて」「赤いタンクトップってのがなかったみたいで、よく見てください、誰かが赤く染めてくれたんです」、武田さんの強烈なエピソードが次々に出てきます。ちなみによさこいダンサー120人のうち80人くらいは飛行機で北海道から来たとも話していました。

 

(解説)
純烈の結成は2007年。酒井一圭の呼びかけでメンバー5名が集まり、紅白歌合戦出場を目標として2010年にメジャーデビュー。全国各地を営業で回り、少しずつ支持を増やしていきます。

・6人組のグループでしたが2016年に1人が脱退。その後「愛でしばりたい」がヒット、さらに「プロポーズ」も大ヒットして念願の紅白初出場に至りました。

・ファンの歌声を録音してステージで流したのは第65回(2014年)のももいろクローバーZの例がありますが、実際のファンをステージに呼び込んだのは彼らが初めてです。

・この後のウラトークでも触れていますが、純烈は紅白終了後すぐ健康センターに出向いて凱旋ライブを開催。草加・厚木・相模原の3ヶ所を立て続けに回ったようです。

・晴れて5人での初紅白になりましたが、放送直後に。友井雄亮のスキャンダルが雑誌で報じられます。協議の結果、記者会見を開いて潔く芸能界引退。明快な対応もあってグループに痛手はほとんどなく、翌年以降も人気は継続します。同時期に起こったNGT48のスキャンダルにおける運営の対応とは、まさしく対照的な結果になりました。

紅6(全体14):あいみょん(初出場)

・2015年デビュー、2016年メジャーデビュー
・1995年3月6日生 兵庫県西宮市出身
・楽曲:「マリーゴールド」(2018/8/8 シングル)
  詞・曲:あいみょん
・歌唱前テロップ:配信チャートでロングヒット「マリーゴールド」
・歌唱中テロップ:今年 配信チャートで軒並み1位
・歌手名テロップ付記:私にとっての平成ソング:浜田雅功と槇原敬之「チキンライス」

・演奏時間:2分24秒

 こちらもVTRで本人の紹介。最新の週間配信サービスでは1位・2位・5位、胸に刺さる歌詞が支持されているという内容。その語感の良さに、内村さんが何度もあいみょん!と叫びます。確かにリハーサルでも落ち着いた様子が記事で報じられていましたが、本番になると「少しドキドキしてきました」とコメント。紅組司会の広瀬すず、このタイミングで舞台袖に登場した乃木坂46白石麻衣・生田絵梨花・松村沙友理も大ファンのようです。

 ギター演奏のみでサビを歌った後、前奏を経て1コーラスラストサビ繰り返し。衣装は紅組らしく?赤色で統一されてます。表現性豊かな歌詞もさることながら、アルトの声質が響き渡る彼女の歌声も唯一無二。今年トップクラスに支持された楽曲を見事に歌い上げます。あらためて聴くと本当に名曲、VTRでも紹介された「君はロックを聴かない」「今夜このまま」も大人気。おそらくは2019年、その後もしばらくの間、毎年紅白で見られる存在になるのではないでしょうか。

 

(ウラトーク)
 北海道に向けて武田さんがエール。「2018年は本当に色々なことが大変だったと思います。ただ本当に前を向いて進んでいけば道は開かれると思います」「僕も2018年、こだわり捨てたら色々道が開けてきたんです」「進み続ければいいこともあると思います」「是非前に前に進んで頂きたい」

 「もう帰れということですか」「あえてもう少しいてやろうかと思うんですけども」「僕そういう白い目で見られるの怖くないんです」写真撮影して退席。3人には早く帰ってくださいと終始言われていました。

 あいみょんのCDジャケットを作っているのは中学の同級生と、直美さんが話してます。「ただ赤い衣装を見ると武田さん思い出してしまう」「やめてください」、まだ武田さんに引きずられています。「(武田さんに)スベってると言った時本当に一回右目ピクってなってました」

 ペンライトの動きを合わせた所で、純烈酒井一圭小田井涼平がゲストに登場。「凄かったねー」「飲まれた」「何やったか記憶ない」「感動する時間もなく」との感想を述べています。

 

(解説)
・「君はロックを聴かない」「愛を伝えたいだとか」が発表された前年の時点で彼女の名前は話題になっていましたが、一躍有名にしたのはやはりこの年8月発売の「マリーゴールド」でした。タイアップは特に無く、ストリーミングで再生が多くなった結果大ヒットという非常に理想的な形のブレイクです。

・「マリーゴールド」の次にリリースした「今夜このまま」も大ヒット、翌年も「ハルノヒ」をはじめとして順調にヒットしますが、なぜか紅白出場は無し。後日談を聞く限り辞退でもなさそうなので、その年の紅白担当の方針に大きな疑問を感じた一つにもなりました。

・DAOKOにとっての平成ソングは「ここでキスして。」、あいみょんにとっては「チキンライス」。両者ともリアルタイムでは年齢一桁だった時の曲になりました。「チキンライス」は2004年に『HEY! HEY! HEY!』から生まれたヒット曲、歌う2人は尼崎・高槻出身で関西色強めです。

紅7(全体15):水森かおり(16年連続16回目)

・1995年デビュー 第54回(2003年)初出場
・1973年8月31日生 東京都北区出身
・タイトル:「水に咲く花・支笏湖へ ~イリュージョンスペシャル~」
 楽曲:「水に咲く花・支笏湖へ」(2018/3/20 シングル)
  詞:伊藤 薫 曲:弦 哲也
  イリュージョン:メイガス プリマベーラ 振付:EBATO 踊り:プランチャイム
・歌唱前テロップ:世界一のイリュージョン 何が起きるか!?
・歌唱中テロップ:世界一のイリュージョニストとコラボ

・演奏時間:2分25秒

 世界一のイリュージョニスト・北海道出身のメイガスをわざわざVTRで紹介。その横には嵐のメイガスと言われて久しい?マジック好きの二宮和也も登場。今回の楽曲は北海道なので、そこが水森さんと一番の共通性なのでしょうか。語感がいいので、また内村さんがメイガス!と連呼します。なおこれまた北海道が舞台になる来年の連続テレビ小説『なつぞら』もここで紹介。映像はこの瞬間が初出しのようです。

 イリュージョンが主体なので今回の衣装はごく普通の白いドレス。十数年前普通に歌っていた時よりも地味です。1コーラス披露後に間奏でテーブルに横になり、クロスが掛けられます。テーブルを引いて、メイガスがクロスにくるまれた水森さんを持ちながらパフォーマンス。それを開けると、中には何もありません。というわけで、消えた水森さんは花柄のドレスに替わって下手側舞台袖から登場。4回に1回の確率で失敗するという話もありましたが、無事成功しました。良かったです。歌い終わってから内村さんはまた「メイガス!」と何度も叫んでいました。

 ただ紅白のイリュージョンは美川憲一がプリンセステンコー演出のもと、ド派手な衣装と演出で過去何回もやってます。それと比べるとやはり凄さという意味では、もう少しといった部分もありました。

 

(ウラトーク)
 ファンのみんなに「あの方々に支えられてここまで来ましたからね」「終わってから涙が止まらない」「袖はけたらスタッフ全員泣いてました」「ちゃんと見たかったなあ」「さっきまで武田真治さんが来てて、ずっとうるさくて…」「武田真治さんのせいであんまりちゃんと見てないんですわ」。一方純烈の2人によると「でも袖ではめっちゃ励ましてくれて…」。このエピソードを聴いて2人かなり後悔している様子でした。

 純烈の2人によると水森姉さんは練習でアザだらけ。ステージを見てビックリしています。「人が歌ってる時にこうやって喋れるって凄いですね」と新鮮にビックリしています。純烈の2人は人が歌う時に喋っちゃいけないと自然に思うそうですが、「演者は全部見えているんです、もう本当に心強い」とも話してます。

 メイガスを見て「マギー審司さんじゃないですよね?」とも話していますが、イリュージョンには一同おおいにビックリ。「ひょっとして最初の人、サザンの原坊さんやったんちゃいます?」と、酒井さんがナイスコメント。

 

(解説)
・この年紅白に突如出現したメイガスは北海道出身。『JAPANCUP 2018マジシャン・オブ・ザ・イヤー』『日本奇術協会特別賞』受賞を引っ提げての登場です。紅白以前からバラエティーや情報番組など散発的に出演がありましたが、一般知名度が高くなったとしたらやはりこの紅白ではないかと思われます。

・二宮さんがマジック好きなのかどうかはファンにとって周知の事実かもしれませんが、個人的には初耳でした。ちなみに去年の12月に、俳優人生を変えた本として『カードマジック事典』を番組で自ら紹介していたらしいです。

・今回のご当地ソングは支笏湖、新千歳空港の近くにある湖が舞台です。北海道を舞台にするのは第55回(2004年)の「釧路湿原」以来14年ぶり、都道府県が重なるケースは16回目にして初となりました。

白7(全体16):Sexy Zone(6年連続6回目)

・2011年結成、デビュー 第64回(2013年)初出場
・18~24歳・5人組
・タイトル:「カラクリだらけのテンダネス ~2018紅白ver.~」
 楽曲:「カラクリだらけのテンダネス」(2018/12/5 シングル)
  詞:EMI K.Lynn 曲:原 一博 踊り:白A
・歌唱前テロップ:映像イリュージョン「カラクリだらけのテンダネス」
・歌唱中テロップ:映像イリュージョンに挑戦!
・演奏時間:2分25秒

 セクシーカラクリイリュージョン、平成最後のセクシー。相変わらず彼らのキャラはブレがありません。映像とパフォーマンスが両立しているステージはリハで見る限り、二宮さん曰くシャープ。

 こちらの方はあまり驚かせるステージではなさそうですが、動きとセットはかなりよく考えられている印象で、演出と振付を合わせるのが非常に大変そうです。凄いというよりは感心させるステージと言う方が正確です。歌はともかく踊りに関しては間違いなくプロと言えるSexy Zone。彼らをはじめとする、踊りを主体とするジャニーズだからこそ実現できたステージなのは間違いなさそうです。

 

(ウラトーク)
 「健康センターやん普通にここ」「足湯やったら最高やけどね」と思わず言ってしまうウラトーク席の雰囲気。小田井さんは大阪から実家の両親がこちらに来ていて、妻のLiLiCo含めた家族一同でテレビを見ている模様。LiLiCoさんには伊達さんが、芸能界で一番好きな顔は自分だと直接言われたそうですが、小田井さんを見て「全然似てないじゃないですか」とクレーム。ちなみに家でLiliCoさんは「伊達さ~ん!」とテレビを見るたびに声援を送っているそうです。このウラトークについては「今確実に聴いてます、聴いてくようにと言ったので」だそうです。

 2019年の抱負を2人に尋ねます。年が明けると夜中の3時から、紅白終わって早々この衣装のまま健康センターを3ヶ所回る予定なのだとか。「手の届く範囲で活動していきたいので、お客さんの」と話す純烈の2人はここで退席。同時にウラトークがようやくトレンド入りしたようです。

 

(解説)
・白Aは2002年に仙台で結成されたパフォーマンス集団。こちらも2011年以降各バラエティー・情報番組で散発的に出演しています。紅白歌合戦は初担当となりました。

・Sexy Zoneは5人組ですが、この年11月に松島聡が突発性パニック障害の療養のため活動休止。4人でのステージになっています。2020年8月に復帰しますが、同じ年の12月に今度はマリウス葉が活動休止。そのまま2022年12月にグループを卒業、芸能界も引退する形になりました。

・この年限りで一旦紅白の連続出場が途切れますが、その理由には5人が揃わない状況という面もあるのかもしれません。現在は4人組ですが、リリースされる新曲はデビュー当時と比較して格段に進化を遂げています。

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