気になったステージだけピックアップする形にします。基本的には、新しい曲や普段見られないステージのパフォーマンスがどうだったか、を書くようにしたいですね。

Ms.OOJA「真夜中のドア」

 昨年の年末、ストリーミングでランク急上昇して話題になったナンバーですね。原曲の松原みきさんは2004年に若くして亡くなっていますが…。1979年11月リリース、オリコン調べで約10万枚、当時の年間ランキングだとおそらく150位前後くらいの水準のヒット。同時代に流行した似た系統の歌手は大橋純子、八神純子、竹内まりやといったところ。ニューミュージックの中でも、より都会的なセンスでカジュアルな趣のある路線で、1979~1980年辺りだとそういう音楽が一番好まれた時期でした。作詞・三浦徳子に作曲・林哲司という顔ぶれはもう1980年代的なコンビで、楽曲発表当時だと売り出し中の若手といった趣。同時期に手掛けた楽曲は三浦さんが「みずいろの雨」、林さんが「SEPTEMBER」。特に林さんは80年代菊池桃子や杉山清貴などのヒット曲を多く手掛けています。1979年当時で考えると時代を少し先取りした楽曲で、それ故に好評ではありましたが知る人ぞ知る、という感じの曲で推移していった印象もあります。
 説明が長くなってしまいました。番組でこの曲を歌ったのは数多くカバー曲を歌っているMs.OOJAオリジナルはあまりヒットしていないですが、表現力に長けている歌い手であることは2013年に生のステージを見た時に感じたこと。久々に映像を通して聴いた感想は、すっかり大人の雰囲気が似合う歌手になっている、ということ。この曲が持つ特性と、歌い手自身のキャラクターが非常に合っているステージでした。また、キーボードの音が耳に残るバンド演奏や照明演出も大変上品で、とても癒されました。2021年の当番組においても名ステージとして、来年の年始に振り返られる内容になるような気がします。

森口博子「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」「君を見つめて-The time I’m seeing you-」


 私がテレビを見始めた時の森口さんは思いっきりバラエティタレント。歌手としてのイメージはほとんどなく、6年連続紅白歌合戦に出場していた時は共演者からも疑問の声が挙がるほどでした。ただ当時のパフォーマンス、そして年を経て現在の歌声を見てあらためて感じることは、歌手としての基礎体力の高さ。あとルックスも思ったほど変わっていないので、裏で相当研鑽しているということが容易に想像できます。あとは今回の選曲でも分かる通り、ガンダムという縁に恵まれたことも大きいですね。デビュー当時の「水の星へ愛をこめて」はまだしも、その6年後に関してはおそらく森口さんだから選んだという信頼はあったはずで…。タレントとしてよりも、歌手として現在評価されていることが何より素晴らしいと、あらためて感じさせるステージでした。

真田ナオキ「恵比寿」


 レコード大賞最優秀新人賞、前のレコード会社で2016年にデビューしているので新人と言っていいのかどうかはさておき、曲は個人的にものすごく好きなんですよね。ダミ声、と称すのが正しいかどうかは分かりませんがインパクト強いですし、歌い出しも1回聴けば憶えられるレベルに完璧な内容で。妙にふざけているような感じも、師匠譲りで素晴らしいじゃないですか。この声でこの曲でなんとなくカッコ良いと思えるステージは、なかなか出来ることではないと思います。紅白の演歌枠も狭き門になりましたが、状況次第では誰かと入れ替えてでもこの人が選ばれて欲しいという気持ちになり始めています。新曲も、大ヒットして欲しいですね…。

川崎鷹也「魔法の絨毯」


 曲の感想は先月こちらの記事で書きました。歌前トークで感じた人となりについては、終始リラックスしていて笑顔で話している、ただ落ち着きはあまりなさそう、好青年風といったところでしょうか。あと当時の彼女に向けて作った曲ですが、それが今の奥さんということも話していました。
 トーク中の笑顔がそう見えたせいもありますが、弾き語りメインのパフォーマンスで見ると、「くだらないの中に」辺りを歌っている星野源さんと印象が重なります。大変素晴らしい歌ですが、男性ソロボーカリストが売れやすい傾向にある今だからこそブレイク出来た印象もあります。これが20年くらい前だったら、もしかすると知る人ぞ知る名曲レベルで大衆的には埋もれていたかもという気持ちにはなりました。サウンドやメロディー、歌声よりも歌詞でアピールするタイプのミュージシャンにも見えたので、次の作品以降の展開がどうなるかという興味もあります。ロングセラーではありますが、結局ビルボードではずっと25位を超えない推移でもあるんですよね…。カラオケでは現在7位で、かなり歌われているようではありますが。

セットリスト

・坂本冬美「夜桜お七」
・Ms.OOJA「真夜中のドア」
・森口博子「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」「君を見つめて-The time I’m seeing you-」
・乃木坂46「僕は僕を好きになる」
・坂本冬美「ブッダのように私は死んだ」
・長山洋子「あの頃も 今も~花の24年組~」
・真田ナオキ「恵比寿」
・川崎鷹也「魔法の絨毯」