第73回(2022年)NHK紅白歌合戦~その2~

 

紅4(全体7):LE SSERAFIM(初出場)

・2022年結成・デビュー
・16~24歳・5人組 ソウル特別市・鹿児島県・大阪府出身
・楽曲:「FEARLESS -Japanese ver.-」(2022/12/
14 配信)
  詞・曲:SCORE(13), MEGATONE(13), Supreme Boi, BLVSH, JARO, Nikolay Mohr, “hitman”bang, ONEYE, Josefin Glenmark, emmy kasai., Kyler Niko, Pau, Destiny Rodgers
  日本語詞:Kanata Okajima
・歌唱前テロップ:13の国と地域でチャート1位獲得!
・歌唱中テロップ:世界で話題のデビュー曲
・演奏時間:2分18秒
・会場:101スタジオ

 スタジオから櫻井翔が進行、初出場の5人にインタビュー。ワイプで「ANTIFRAGLE」のMVが流れる中、ナレーションによると注目はサビの目隠しダンスとのことです。そのままNHKホールにいるSaucy Dogにもインタビュー、ボーカル・石原慎也の祖母の話を引き出します。

 天井からのショットから始まるカメラワーク、メンバーのアップと引きのショットがバランス良く映っています。スタジオからの披露になったのはやや惜しい所ですが、その分照明演出に力が入っています。少しクールな雰囲気の楽曲を含めて、日本・韓国というアジア圏を超えたグローバルなアーティスト感も出ていたでしょうか。数年後にはそれこそBTSのように欧米圏でも知名度を得る可能性が十分にある彼女たち、そういう意味では後年何度も繰り返し振り返られる大変貴重な映像になるのかもしれません。

ウラトーク

 引き続き緑黄色社会の4人がゲスト出演、今度はpeppeさんに話を振ります。「前にいらっしゃった審査員の方々が口ずさんでくださったり」「(それを見て)うそ~、となんて」「羽生結弦さんがラララって歌ってくださってて、ちょっとビックリしました」。一方小林さんは「僕ずっと知り合い誰か見に来てないかなって見てたんですけど、誰もいなかったですね」、3人から余裕ですねとツッコまれています。仲の良いSaucy Dogは、「緊張してる」「いつもこんな顔してない」とコメントしてます。

 ステージ開始と同時に緑黄色社会の4人は退席。隙のないLE SSERAFIMのダンスを見て、杉浦アナは「今年いちばん聴きました」とコメント。長田さんは4歳の息子がYouTubeでハマっていたようです。「特に女性の出場者の皆さんが、LE SSERAFIM会いたいってアンケートにありましたね」と、同業者からの人気も高い模様。

 後半は「餅とか食うのかな?」と素朴な疑問から、「餅って一個のパワーでかいですからね」「でも、トッポギとか食べるんじゃない?」。一時的に思わぬ展開になりましたが、終盤は再び画面を楽しむモード。「これ私、帰ったら録画でちゃんと見よう」、仕事もあるのでやはり集中は出来ないようです。

白4(全体8):Saucy Dog(初出場)

・2013年結成、2017年デビュー
・28~29歳・3人組 島根県・高知県・奈良県出身
・楽曲:「シンデレラボーイ」(2021/8/25 アルバム『レイジーサンデー』)
  詞:石原慎也 曲:Saucy Dog
・歌唱前テロップ:ストリーミング再生数3億突破!
・歌唱中テロップ:今年大ヒット!切ないラブソング
・演奏時間:2分15秒

 スタジオでのパフォーマンスが終わってからすぐに演奏開始、イントロ無しですぐに歌から入ります。バンドメンバーの3人以外には誰もいないシンプルな演出、照明は夜をイメージしたような暗い空間からサビで明るくなる王道っぷりです。それだけに、ボーカル・石原慎也の気持ちがこもった歌唱が普段の歌番組以上に胸に響くステージになりました。

 高い歌唱力・優れた発声にエモーショナルな感情まで含まれる歌声は、ボーカリストとしての能力の高さが証明されています。具体的な情景が浮かぶ歌詞や、ギター・ベース・ドラムの演奏も絶品。2023年以降も人気バンドになることは間違いなく、10年後にはそれこそ今のback numberみたいな絶対的存在になる可能性もありそうです。そういう意味ではLE SSERAFIM同様、こちらも長い期間に渡って振り返られる機会が多い貴重なステージになるでしょう。

ウラトーク

 「歌に入るとやっぱりスイッチがまた変わるんですね」。チョコプラもネタに入るとスイッチが変わるという返しに「勿論そうですね」「ネタはネタなので」、もっとも「たまにネタ始まってもずっと緊張してる時ありますけど」というのが実際の所のようです。

 石原さんの「ヘーイ!」に思わぬ反応、「楽しそう」「全然違うでしょうね」と呟きます。「親御さんとかむっちゃ喜んでるだろうなぁ」「親孝行だよ」。チョコプラもウラトーク配信を親孝行と考えているようですが、松尾さんは「父親にも31日何してんだ?って言われたから、紅白出るって言って、ウラトークとかは一切言わないでとりあえず紅白出るだけって言ってある」と微妙に盛って伝えている様子でした。

白5(全体9):山内惠介(8年連続8回目)

・2001年デビュー、第66回(2015年)初出場
・1983年5月31日生 福岡県糸島市出身
・タイトル:「恋する街角~きつねダンスRemix~」
・楽曲1:「The Fox」(2013/9/2 配信)
  詞:Christian LØchastØer / Bárd Ylvisáker / Vegard Ylvisáker
  曲:Nicholas Boundy / Mikkel S. Eriksen/ Tor Erik / Hermansen / Christian LØchastØer / Bárd Ylvisáker / Vegard Ylvisáker
・楽曲2:「恋する街角」(2008/10/1 シングル)…2年ぶり2回目
  詞:下地亜記子 曲:水森英夫
・歌唱前テロップ:ヒャダインによる”きつねダンスRemix” 乃木坂46&ファイターズガールが踊る!
・歌唱中テロップ:北海道がつなぐ奇跡のコラボ
・演奏時間:2分30秒

 きつねダンスの大流行が振り返られるVTR。札幌ドームで踊りに興じる姿、北海道出身の大泉洋金川紗耶がTikTokで踊る映像も紹介されました。ということで、司会者の2人もキツネ耳を装着。環奈さんを見て「かわいいじゃないですか~、俺」と話す大泉さん、その後は曲紹介に至るまで漫才のようなやり取りが繰り広げられます。「キツネキツネですね、まああの来年はキツネ年だからちょうどいいぐらいですかね」「そんな年ないんですよ、来年ウサギ年なので」。喋りだけでなく間の使い方まで完璧、キツネ耳も似合っている環奈さんが完全に場を掌握しています。

 山内さんが登場する前に、乃木坂46の6人(山下美月金川紗耶梅澤美波久保史緒里与田祐希秋元真夏)とファイターズガール「The Fox」に乗せてきつねダンス。司会者2人も踊ってます。Ylvisの出演が実現しなかったのは惜しい所ですが、ノルウェー出身なのでこればかりは仕方がありません。歌詞テロップは無し、もっとも全くもって意味のない言葉が並ぶだけなので実際はあっても無くても…と言った所でしょうか。

 「The Fox」を一節踊った所で階段上から山内さんが挨拶をしながら登場。エレクトロな編曲に「The Fox」の歌声が要所要所で入る変わったアレンジですが、NMB48が参加した第64回(2013年)の「浪花節だよ人生は2013」と比べれば意外に違和感はありません。

 間奏で観客を煽り、一列になった中央で一緒に踊る山内さん。リハーサル記事でのコメント通り、心からこの空間を楽しんでいる様子がうかがえました。もしかすると自身のコンサートあるいは新しいファイターズ本拠地の始球式に呼ばれて再びこのアレンジの「恋する街角」を披露する機会はあるかもしれません。

 バックの映像はすすきのをイメージしていますが、店名は”Cafe KITSUNE” “狐倶楽部” “すなっく きつね” “狐庵”という具合。面白い映像ですが、こんなキツネばかりが並ぶ夜の街には個人的にあまり足を運びたくないと心の底から思いました。

ウラトーク

 急に驚きの声を挙げる3人。鈴木雅之が挨拶に訪れたようです。「頑張って歌ってきます」と一言コメント、リクエストに応えて?「あーん、どんだけ~」と全力でIKKOのモノマネする松尾さん。それに対して「出番前にね、どんだけ~って言っちゃうかもしれない」とジョーク。この登場は予定に全く入っていないサプライズでした。

 動揺が隠せない3人、あまりの出来事に最初は「パンサーの管さん来たかと思って」とのこと。この場所はホール向かって右手の所から出てすぐ、歩いて30秒くらいで着く場所らしいです。ステージは凄いコラボの一言。終盤はゲスト登場、Saucy Dogの3人がここから加わります。

紅5(全体10):日向坂46(4年連続4回目)

2015年結成、2016年デビュー 第70回(2019年)初出場
・13歳~26歳・32人組(ステージ参加は20名)
・楽曲:「キツネ」(2019/7/17 シングル「ドレミソラシド」)
  詞:秋元 康 曲:原田雄一
・歌唱前テロップ:衣装も「キツネ」SPパフォーマンス
・歌唱中テロップ:衣装もきつね!紅白スペシャル
・演奏時間:2分12秒

 カメラが切り替わり、日向坂46のメンバーは1階席中央で1列に並ぶフォーメーション。メンバー全員がキツネ耳を装着、初っ端から自分たちのライブと同様に会場を煽っています。駆け足でステージに向かうメンバーの面々、大泉さんはそれぞれハイタッチ。環奈さんは『かぐや様は告らせたい2』で共演した影山優佳と、大きなハートのポーズを一緒に作っています。

 マイクは全員オンで生歌パフォーマンス、要所要所で何度も会場を盛り上げる完全ライブモードのステージでした。20人が一斉にジャンプする振付も迫力あり、シングル表題曲ではないものの過去3回以上に印象的な内容だったように思います。階段上にはファイターズガールだけでなく先ほど歌っていた山内惠介も金色の衣装のまま中央で一緒にダンス、引きの絵でもかなり目立っています。そのためすかさず大泉さんからツッコミあり、パフォーマンス後に「池に落とした金歯のよう」と例えられていました。

 ゲスト審査員の村上宗隆選手にコメントを求めます。ステージ終了後は若干真顔気味の表情でしたが、「憶えやすい振付で」「すごく可愛かったです」「特に耳がいい感じで」と笑顔で話しています。

ウラトーク

 Saucy Dogの石原慎也はやはりかなり緊張していた模様、歌ってみた感想は「声出るかなぁと思っていたんですけど、無事歌えました。おばあちゃんにも届けれたんじゃないかと」「楽しかった」。秋澤さんも「楽しかったです」の感想。楽屋でポケモンのカードを広げていたというTwitterの呟きについては、松尾さんが若干呆れ気味にツッコミ。

 もっともカードはメンバーだけでなく、マネージャーやヘアメイクも一緒にやっていたそう。「それにお金使っちゃったって」、その仲の良さにチョコプラの2人は舌を巻いてます。せとさんも「結構あっという間で、緊張する間もなく」「いつものライブのような感じ」とコメント、目の前のゲスト審査員については「みんな口ずさんでくださってて」「嬉しかった」とのことでした。

白6(全体11):JO1(初出場)

・2019年結成、2020年デビュー
・20歳~27歳・11人組
・楽曲:「無限大」(2020/3/4 シングル『PROTOSTAR』)
  詞:KZ / B.O / B.EYES
  曲:KZ /  Nthonius / B.O / Kim Seung Soo
・歌唱前テロップ:デビュー曲「無限大」を披露!
・歌唱中テロップ:一糸乱れぬシンクロダンス
・演奏時間:2分7秒

 デビューから6作連続1位、Favorite Asian Artist受賞(2022 MAMA AWARDS)の実績がVTRで振り返られます。歌前トークは全員揃って定型の挨拶、ただ代表して喋る豆原一成「JO1という名前だけでも憶えてもらって、帰れ…」という具合で相当緊張している様子。そんな中、彼らの応援に白木善次郎(ロバート秋山)「ういっす、ういっす」と挨拶しながら登場。世界初のプロのTORIMAKIと紹介する環奈さん、たださすがに大泉さんはツッコミを連発。丁寧にTORIMAKIについて説明する白木さん、JO1とも縁はあるそうでメンバー全員が彼に向かって挨拶。「紅白なんて年に1度の取り巻きイベントだからね」というのは司会者2人も同調。ただ「これだけ時間がない紅白で呼ぶ人ですか、この人」との言葉どおり、スタッフは巻きの指示で腕をグルグル回し続けている様子。なかなか止まる様子がない白木さんですが何とか制止、そのまま曲紹介もしてもらいます。


 星が光る夜空をイメージした映像演出が、11人のシャープな動きをより映えさせています。 激しい振付ですが意外と静と動の対比も大きく、メンバーそれぞれの表情も読み取りやすい考えられたフォーメーションになっているように見えます。これがデビュー曲であると考えると、そこに至るまで相当なプロセスがあったことがよく分かります(実際オーディションから見ていた人なら十分理解はしていると思いますが)。メンバーは勿論ですが、JO1の魅力を最大限に引き出したような演出・カメラワークも見事でした。

 Twitterでは彼らの名前を出すたびに尋常ではない反応を毎回頂いていますが、その熱いファンの応援が続く限りはしばらく紅白歌合戦でも毎年のように見られる顔になりそうです。

ウラトーク

 石原さんは大泉さんが好きなよう。「壇上に上がられた時に、誰よりもはしゃいでました」「北海道のね、バラエティをされてるじゃないですか。それが本当に好きで、もう5周くらいしてますね」と大汗をかきながら話してます。推しのお笑い芸人は「チョコレートプラネットさんです」、本当かどうかは不明ですがYouTubeも見ていて、ウラトークで喋れることも楽しみにしていました。秋澤さんはお笑いだとジャルジャルが一番好きだそうです。

 普段一緒の舞台に立たない共演者も多い彼ら、ミチミチに並ばされている芸能人はなかなか見れないというトーク。特に郷ひろみの体力と35回の出場回数に脱帽していました。35回も出られるかという話題に、「何か不祥事起こさないように」と秋澤さん。さすがにそこは「なんでそれ限定なんすか。いい曲出して頑張ろうのモチベーションじゃないんですか」と石原さんがツッコミを入れています。

紅6(全体12):milet(3年連続3回目)

・2019年デビュー 第71回(2020年)初出場
・生年月日非公表 東京都出身
・楽曲:「Fly High」(2021/11/30 配信
)…2年連続2回目
  詞:milet 曲:milet / TomoLow
・歌唱前テロップ:「Fly High」NHK交響楽団Orchestra Ver.
・歌唱中テロップ:羽生結弦 さらなる高みへ
・演奏時間:1分59秒

 羽生結弦中心に振り返られるVTR、明けにはスポーツ番組の司会も豊富な櫻井翔中心の進行になります。移動中だけでなく、練習中にもこの曲を聴いていたと話す羽生さん。

 ステージはオーケストラアレンジで、閉会式で歌っているのに近い雰囲気です。かなりの量のドライアイスが床に舞っていました。後ろのスクリーンは前半雪の結晶のイメージ映像、中盤以降は羽生さんの演技のハイライト。舞台袖でその彼が曲を口ずさむ場面も映りました。前回に続いての熱唱ステージですが、演奏時間は少しだけ短くなっています。

ウラトーク

 年始は休みを取るという3人ですが、ここで退席。「夢のような時間でした」とあらためてコメントします。

 時間の早さに驚くチョコプラの2人、本編も怒涛なので忙しないという感想を残してます。あとは鈴木雅之サプライズがまだ尾を引いている模様。北京五輪の話題は、長田さんが典型的なオリンピックにわかだそう。「終わったらもう急に興味無くなりますから」と言うぐらいです。当然羽生さんの演技も見ていて、1年に1回の賞レースと比べると半端なく大変だと長田さんが力説していました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました