第73回(2022年)NHK紅白歌合戦~その3~

 

紅7(全体13):NiziU(3年連続3回目)

・2020年デビュー 第71回(2020年)初出場
・17歳~21歳・9人組
・楽曲:「CLAP CLAP」(2022/7/13 配信)
  詞:KENTZ / Trippy
  曲:Trippy / Charlotte Wilson (THE HUB) / Frankie Day (THE HUB) / THE HUB 88
・歌唱前テロップ:会場も テレビの前も #みんなでクラップ
・歌唱中テロップ:みんなで手をたたこう!
・演奏時間:1分51秒

 3回目の出場ですが、9人が歌前トークに参加するのは初。紅白シェア企画「#みんなでクラップ」を説明した後にスタンバイ。審査員コメントは2年前の紅白でも大ファンだと話していた黒柳徹子、若々しさとかわいい部分が好きということです。その後の鈴木雅之もここで紹介、前回の「め組のひと」を歌う大泉さんに櫻井さんが「違う、そうじゃない」と返す台本ですが、環奈さんの高笑い以外は静寂の空間が生まれたため思わずお辞儀。直後に拍手と大泉さんの高笑いが加えられました。

 サビは視聴者から寄せられたダンス映像がスクリーンに映りますが、全体を通して見ると目まぐるしくフォーメーションが動く振付。ダンスも歌も「Make you happy」と比較して格段に難度高いですが、司会者は大泉さんを除いて元アイドルなのでサビの振付はバッチリ決まっていました。パフォーマンス中に映る徹子さんはさすがに踊るのは難しいとしても、手拍子は早いテンポによく合っていてやはり楽しそうです。89歳という年齢を考えると、驚異的なことです。

 演奏時間1分51秒は短いですが、構成は1コーラス半。投稿されたダンス動画の数も多く、時間に対する内容の濃さが極めて高かったのは言うまでもありません。

ウラトーク

 先ほどの鈴木雅之のサプライズ、「もしかしてあれ、なんかメッセージ」「IKKOさん出てくるみたいな…」と変な深読みをしてます。そこはさすがに相方からツッコミが入りました。

 「皆さん頑張ってください…」「いいですね」「みんなの歌が、揃って聴こえるのは、すごく嬉しいことです」「これがワタクシ、NiziUのプロデューサー・J.Y.Parkです」「紅白で見るNiziUと、普段のNiziUでは全然違います」「何が一番違うかというと、一番年末に見れるという所が、すごくレアです」「パフォーマンスじゃなくて、この紅組にいるNiziUというのは、一年に一回しか見れません」「あと何があるか分かりませんが、今いるここの周りがバタバタしてきました」、終始J.Y.Parkになりきる松尾さんでした。

白7(全体14):鈴木雅之(3年連続5回目)

・1980年デビュー、1986年ソロデビュー 第42回(1991年)初出場
・1956年9月22日生 東京都大田区出身
・楽曲:「違う、そうじゃない」(1994/1/12 シングル)
  詞:朝水彼方 曲:中崎英也
・歌唱前テロップ:発表から28年 SNSで話題!「違う、そうじゃない」
・歌唱中テロップ:往年の名曲が今年SNSで話題に
・演奏時間:2分20秒

 曲が切り替わる瞬間、スクリーンは高級感溢れるシャンデリアを貴重とした映像にスッと切り替わります。右手をスイングしながら登場して熱唱、下段ステージではギター・キーボード・管楽器などのバックバンドもダンディーに決まっています。類稀なメロディー感覚とリズム感と歌声、言うことなしの完璧なステージでした。大泉さんも、ここで初めて「ブラボー!」を発動させています。

 SNSでの話題は2022年に限ったことではなくずっと前からで、そこはタイトル通り「違う、そうじゃない」とツッコミたい所でしたが、THE FIRST TAKEについては確かに2022年。ただそれを抜きにしてもこの曲は1990年代を代表する名曲で、紅白で披露されるだけでも非常に嬉しい話です。ベテラン枠の常連になりつつありますが、ステージは3年連続抜群の内容。次回の紅白でも可能ならば、無条件でそのまま選出されて欲しいところです。

ウラトーク

 先ほどサプライズ登場した鈴木さんですが、その流れで?松尾さんが歌い出しで「どんだけ、どんだけ~」と歌唱。まさに「違う、そうじゃない」という状況でしたが、ここで三山ひろしDJ KOOがゲストに登場。すごく大きなけん玉を持参しています。KOOさんは「Yeah! EZ DO DANCE!」「masquarade!」「今日は寒い夜だから!」と妙にハイテンション。

 鈴木さんはKOOさんにとって「サングラス先輩」。サングラスの一番の師匠はタモリさん。木根尚登やMr. マリックも先輩だそうです。ただグラサンの人は下があまりいないようで、「いまだからKOOさんの下に来てるのは、8.6秒バズーカぐらいじゃないですか」という話になりました。鈴木さんの歌唱後、まぼろし~とキツネのポーズを取る部分にも注目しています。

白8(全体15):BE:FIRST(初出場)

・2021年結成・デビュー
・16歳~24歳・7人組
・楽曲:「Shining One」(2021/8/16 配信)
  詞:栗原 暁(Jazzin’ park) / SKY-HI
  曲:☆Taku Takahashi / 栗原 暁(Jazzin’ park) / SKY-HI
・歌唱前テロップ:紅白のために新たに振り付けたSPダンスに注目
・歌唱中テロップ:紅白だけのSPダンス
・演奏時間:2分6秒

 VTR後、7人揃って歌前トーク。ダンス世界大会で4度優勝したことが映像でも紹介されたSOTAが代表してコメント、「今年の集大成ということもあって、何かレベルアップした自分たちを見せたいなということで、間奏の部分をグレードアップさせてきました」と話します。また、環奈さんはRYOKIが大泉さんを大尊敬していることを紹介。ベタ褒めされた後に「嬉しいなRYOKIくん…」「俺のことオヤジって呼んでいいよ」と嬉しそうにコメント。もっとも、「オヤジ!頑張るよ」と呼ばれた後は、「実際言われると恥ずかしいな」とコメントしてます。

 やや暗めの照明とレーザー光線は、先ほど初出場のステージに立ったJO1と共通。間奏でSPダンス披露は、SKY-HIも所属していた第61回(2010年)のAAAを彷彿とさせます。間奏に入った時の静寂は、第68回(2017年)の三浦大知以来の緊張感がありました。デビュー以来ずっと感じ続けたダンス・歌唱はともにハイレベルですが、冒頭のコメント通り見るたびに最高を更新する貪欲さも感じさせます。堂々の初出場でした。大泉さんも2ステージ連続で「ブラボー!」発動、初出場のステージではあまりないことです。

 彼らもSNS人気が非常に高いので、余程のことがない限り紅白も連続出場になるはずです。あるとすればそれこそ、海外で大ブレイクして日本の大晦日のスケジュールが空かない時なのかもしれません。

ウラトーク

 「今大会もやはり、けん玉に挑戦されるということで」「皆さんの想いを乗せて、しっかり決めたいと思います」。普通のインタビューとして進行していますが、明らかに歌番組のそれではありません。プレッシャーについては「歌のプレッシャーも勿論あるんですけど、今回はしかも北島三郎さんに頂いた1曲ですから」「御大の想いもありますし、北島さんに作って頂いた衣装で歌いますから」「さらに、純金のけん玉でですね…」と話します。三山さんの持つけん玉はなんと2kg、進行の3人がその重さに驚いています。ダンベルを持つような状況で、「失敗すると切れます」という物。それには「なんでギネス記録の時に、こんなハードル上げるんですか」とのツッコミが入ります。

 ステージはBE:FIRSTSOTAも出演するそうですが、先ほどけん玉検定の1級に合格。同じく1級合格の緑黄色社会穴見真吾にも2級指導員として本日立ち合ったとか…。そんな話をしている際に見慣れない方が登場。久保地弘馬(ロバート秋山)が鳥取からやって来た、とのことです。

紅8(全体16):SEKAI NO OWARI(4年ぶり6回目)

・2007年結成、2010年デビュー 第65回(2014年)初出場
・36歳~37歳・4人組
・楽曲:「Habit」(2022/4/28 配信)
  詞:Fukase 曲:Nakajin
  踊り:郷ひろみ、JO1、SixTONES、NiziU、乃木坂46
  振付:パワーパフボーイズ
・歌唱前テロップ:めくるめく展開に注目!「Habit」紅白SPパフォーマンス
・歌唱中テロップ:紅白だけのSPパフォーマンス
・演奏時間:3分3秒

 ウラトークスタジオに中継が繋がります。現在ゲストとして出演しているのは三山ひろしDJ KOOのけん玉コンビ。その横にいる見慣れない学生服姿の人物は、鳥取から来た中学生応援部長の久保地弘馬(ロバート秋山)「つーなーげー!」「のーせーろー!」と必死の雄叫び。先ほどの取り巻きの方にソックリなどとツッコまれると、思春期の目と評される表情になっています。横の2人もひたすらけん玉に興じているような濃さなので、キャラが渋滞している状況です。大泉さんが呆れ、環奈さんは大笑い。櫻井さんはとりあえず、台本通りそのまま進行します。

 続いてはセカオワ、TikTok総再生25億回突破などの実績をVTRで紹介されます。曲紹介ではFukaseがいないことを心配してますが、櫻井さんはそのまま進行。ついでにレコード大賞受賞の実績も盛り込みます。

 ステージにいないFukaseはメイク中。イントロが始まり、歌い出しはここからパフォーマンス。ヘアメイクはそのまま取り巻きのようにダンサーとして合流、目の前はウラトークスタジオなのでそこにいる6人は大喜び。そのまま移動しながらダンスを交えて歌唱、上手側の入り口から舞台に入場します。

 1番サビではキレのあるダンサーとパフォーマンス、間奏後にダンスも踊れる出場歌手4組が合流。画面左側から乃木坂46SixTONESNiziUJO1と並んでいます。司会者3名も下手側エリアで一緒にダンス、大泉さんのジャンプがやや高め。なお乃木坂のメンバーは以下の10名が参加していました。

 途中からはSixTONESのエリアに郷ひろみも合流。キャッチーながらも複雑な動きを要する振付ですが、67歳とは言えキャリア豊富なので動きはバッチリ。パフォーマンス後に櫻井さんや大泉さんもビックリしています。大人数のパフォーマンスはやはり壮観で、レコ大受賞も合わせてまさに前半のハイライトと評すべき名ステージでした。

 パフォーマンス終了後の審査員コメントは吉田都「楽しく見させて頂きました」「郷ひろみさんの踊りも見られるとは」と笑顔で話します。

ウラトーク

 「そう言われても思春期なんで!」と、オンエアが降りてから叫んでます。「あんまり言わない」「自分で思春期なんか言わないから」としっかりツッコミを入れられています。Fukaseさんがいないという本編ですが、ウラトークでもカメラの衣装が妙に派手になったことに注目。

 ウラトークの目の前に登場するFukase、中学生の応援にも熱が入ります。「キャラ大渋滞ですよ、もう!」と思わずツッコミ、杉浦アナも大変そうです。久保地さんにインタビューすると「あれ本物なんですか?」「これは緊張しました、僕は芸能の関係の人を見るのが初めてなので!」「(DJ KOOを見て) TRFの方ですよね?」「悲しみのキスは?ですよね。いかないけど」。ただあまりにニッチ過ぎる部分にツッコむと「ウエ~ン!」と大号泣。進行役の3人が完全に困っている様子です。

 出場歌手が加わるHabitダンスは久保地さんも参加しますが、無茶苦茶な踊りになっているようです。「位置が違う!位置が違う!」「ちょっと違うのよ」、しょうがないので応援してもらうと「うーたーえー!」「のーせーろー!」「ゴー!ゴー!ゴー!」という具合。極めてカオスなことになっていました。

白9(全体17):三浦大知(3年ぶり4回目)

・1997年デビュー、2005年ソロデビュー 第68回(2017年)初出場
・1987年8月24日生 沖縄県出身
・楽曲:「燦燦」(2022/4/12 配信)
  詞:三浦大知 曲:UTA, 三浦大知
・歌唱前テロップ:朝ドラ名場面とともに「燦燦」
・歌唱中テロップ:「ちむどんどん」主題歌
・演奏時間:2分19秒

 主題歌を務めた連続テレビ小説『ちむどんどん』のVTR後、主演の黒島結菜が登場。演じた感想を話します。大泉さんは『鎌倉殿の13人』で撮影スタジオが隣り、沖縄料理の匂いが印象的だったようです。主題歌についても、この曲に支えられたこと・ここで聴けるのが幸せですとコメント。そのまま彼女がステージも紹介。

 大きなスクリーンでは『ちむどんどん』の名場面が流れますが、それ以外は一切人がいません。過去3回は大勢のダンサーを引き連れた踊るステージだったので、それとは非常に対照的です。また今回の紅白はここまでダンサブルなステージが多くを占めていたので、余計に対照を成しています。

 ダンス以外でも以前から高く評価されている歌唱力ですが、体全体を使って歌う姿もまた胸を打つものでした。前日は日本レコード大賞で最優秀歌唱賞を受賞しましたが、そちらのステージもまた生涯のテレビパフォーマンスにおけるベストアクトと言って良い物だったと思います。紅白はそれと比べると時間が短い印象でしたが、この2日にピークを合わせていたのは間違いのないこと。堂々の歌唱でした。タイアップなどに関係なく、次回以降もまた紅白で見たい歌手の一人です。

ウラトーク

 三山さんとDJ KOOはここで退席。久保地さんも「頑張ってください」と一旦コメントしますが、具体的な指示はない模様。というわけで「じゃあ残ります」「すごく居心地が良いので」「本当に裏行くとマジな取り巻きがいたので」。ちなみに取り巻き専門業者に関しては「すごい裏ではシュンとしてました静かに。あんなこと言っちゃったもんだから」「本当の取り巻きに顔合わせらんないから」「マジ取り巻きには勝てませんマジで」とのコメント。なお部員は全員辞めてしまって現在1人、そんな流れになったのでまた泣いてしまいます。ただ実際のところかなり探り探りの様子。「白髪の渋めのオジさんが…」、とりあえずこちらも退席。「楽しんでね残りの紅白」と優しく声をかける杉浦アナが良い仕事しています。

 久保地くんはDJ KOOとの相性が良くないと分析しながら、三浦さんの歌声に一旦癒されます。いつの間にか前半も終了間近、時間の早さに驚いていました。歌唱力の高さに羨ましがる松尾さん、「長田さんは歌うまいからいいけどさ…」と三浦さんどころか相方にまで嫉妬しています。長田さんはダンスも「吉本の養成所のダンスの授業首席で卒業してる」、たださすがにこれは「やめろ!」「世界中のダンスの授業の中で一番下の下のダンスの授業なんだあれは」とツッコミ。もっとも長田さんが芸達者であることは間違いなく、「僕らコンビ組んで卒業公演ネタやらしてもらえなかったから。長田が他で出過ぎて」「ネタ以外で色々選抜入っちゃって」「本末転倒な」と当時を振り返っていました。

紅9(全体18):IVE(初出場)

・2021年結成・デビュー
・15~20歳・6人組
・楽曲:「ELEVEN -Japanese ver.-」(2022/9/
19 配信)
  詞:SEO JI EUM 日本語詞:SUNNY BOY / CANCHILD
  曲:PETER RYCROFT / LAUREN AQUILINA / RYAN S.JHUN
・歌唱前テロップ:世界を魅了したデビュー曲「ELEVEN -Japanese ver.-」
・歌唱中テロップ:新世代ガールズグループ
・演奏時間:2分47秒

 大泉さんの娘がハマっているという彼女たち。VTRではMV総再生5億回突破の実績を紹介、しっかり数字でアピールしています。歌前トークは定型の挨拶あり。「振付の中にセブンダンスというポイント振付がありますので、是非注目して欲しいでござる」。SONGSで大泉さんに、変な日本語の使い方を教えられた様子です。あと「そこどけ」というのも教えたみたいです。なおメンバーのうちレイは愛知県名古屋市出身なので、実際にちゃんとしたフォローは裏でしっかり行われているものと思われます。

 韓国というよりもインドを意識したようなイントロ、楽曲はどことなくエスニックな雰囲気でK-POPでも少し異質な雰囲気があります。当然厳しいレッスンを受けているので手足の動きはシャープですが、それ以上に一つ一つの動きのしなやかさに目がいきます。LE SSERAFIMもそうでしたが、仰向けから起き上がる振付は日本のグループだとあまり目にしない動きのような気がします。あとは歌詞に占める英語の割合がやや高め、いずれは欧米でも大活躍することを楽曲制作の時点で意識していることも感じます。

 2022年はダンスミュージックの新顔が紅白歌合戦にも多く登場した1年ですが、いずれも日本や韓国といった1国2国だけでなくもっと広い世界での活躍を視野に入れているように見えます。紅白歌合戦は日本以外でも全世界で放送されている番組ですが、彼女たちの活躍が番組そのもののステータスを更に上げる可能性もありそうです。

ウラトーク

 「白い衣装の方が多いですね」と切り出す杉浦アナ。振り返るとNiziUもLE SSERAFIMもそうだったので、何かあるのかなという雰囲気になります。その後はメンバーの肌に注目、松尾さんは「朝起きて、俺の肌と入れ替わってたらどう思うかな」と世にも恐ろしいことを口走っています。

 じっくりパフォーマンスを見る3人。「長田さんもこのダンスなら」「いや、これぐらいだったらもう全然長田さんいけると思いますよ」「(即答で)無理だよ」「多分長田さん一番真ん中で踊れますよ」「踊れねぇわ」。松尾さんどころか、杉浦アナも長田さんが踊れる前提で話しているのが面白いです。

 チョコプラのウラトークは視聴者から好評の声が。YouTubeの視聴者は開始時8000人、この時点では28000人が閲覧している様子。これには3人も驚きと感謝の声を挙げていますが、久保地くんの絶叫は会場にも聴こえていたんじゃないのかという心配もしていました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました