第71回(2020年)NHK紅白歌合戦~まとめ~

 この「まとめ」という記事も毎年書いています。基本的には項目ごとにあれこれ書く形にしていますが、年ごとに書き方を大きく変えた年もあります。シン・ゴジラの第67回は一斉座談会まで開いて各所から意見を聞く形にしました。前回の第70回は問題点が非常に多かったので、とにかくそれをどんどん書いていきました。さて今回。例年以上に紅白歌合戦を題材にした記事がweb上で多く、そのほとんどが好評価の内容です。個人としても今回は相当出来が良い部類になります。ただ第69回の時にも書きましたが、こういう年こそ課題が生まれるものです。そして大体の場合翌年の出来は良くありません。

 コロナ禍ということもあって例年とは違う形での紅白歌合戦を作る必要があり、2021年は2021年で東京国際フォーラムというNHK外部の施設で行う形になるので、有観客に戻ったとしても無観客にならざるを得ない状況としてもまた大変舵取りの難しい紅白歌合戦になります。そこで今回は、「次回以降も継続して欲しいこと」「次回以降改善して欲しいこと」「要検討」の3項目に分けて、それぞれ考えてみました。

次回以降も継続して欲しいこと

司会者の人選

 紅組司会の二階堂ふみ、白組司会の大泉洋、どちらも悪い評判はほとんど見られませんでした。私から見てもそれは同様で、特に二階堂さんは最初のショットが映った瞬間に頼もしい姿。大泉さんの暴走を制し、様子を見てしっかり自分の担当に入ることが出来る司会ぶりはまさしく流石の一言でした。段取り以外にもファッション、ステージ中に映り込む全力でその場を楽しむ姿。これだけ好感を持てる司会者もなかなかいなかったような気がします。

 大泉さんは予想通り無駄に喋りすぎる場面もありつつ、決める時はしっかり決める司会っぷりで、こちらも流石の内容。内村さんは言うことなし、今回は桑子アナも前半終了時以外は大きなミスなく良い仕事をしていました。

 ただ今回留意しないといけないのは、司会者が例年より司会をしやすい環境にあったということ。例えば内村さん一つを取っても、これまでの紅白ではLIFE!のキャラクターに早替えする場面が多々あって、相当慌ただしそうでした。今回そういった物がなく衣装替えも余裕がそれなりにありそうで、一つ一つの段取りに集中しやすい状況だったと思います。一つあったとすれば各スタジオ間の移動ですがそれも1往復程度で、多くはありません。そういう意味では有観客になって例年通りの紅白でどうなるのか、それもこの2人で見たいという気持ちになります。

 二階堂さんには是非、沖縄出身の先輩・仲間由紀恵と同様にしばらく紅組司会で起用し続けて欲しいです。2023年の大河ドラマで、主演できそうな題材があれば嬉しいのですが(時代劇はどうしても女性主役が難しいので…)…。大泉さんは2022年の大河出演が決定しているので、続投はほぼ間違いないでしょう。心配なのはやはり4年連続の内村さん。アナウンサーだけでも何とかなるポジションとは言え、すっかり紅白の顔となったこれまでの内村さんの紅白における貢献度は極めて高いです。オファーがあっても引き受けてくれるかどうかが、やはり心配です。

 

曲間のすっきりとした雰囲気

 今回の紅白歌合戦で一番感じたのは、曲間に人が少ないと随分見やすいということ。過去の紅白、喋る場面がなくても意味なく舞台袖に出場歌手が登場するケースは、特に平成中盤で多々見られました。ここ何年かは少しずつスッキリしてきましたが、それでもゲスト審査員の席が舞台上に移設してからはやはり画面はザワザワ落ち着いていなかった気がします。また曲間の時間そのものが今回は前回より短い印象で、ダラダラしていると感じさせる場面がありませんでした。ここは次回以降も、是非継続して欲しい点になります。

 トリとその前は紅組側白組側それぞれ全歌手が集まり、それが当たり前で恒例と思い込んでいましたが、いざ今回のようにそれが無くなって喪失感があったかというと、正直あまりありません。むしろよりステージが映えたと言っても良かった気がしています。さすがにオープニングやエンディングの蛍の光は全員集まった所が見たいですが(「蛍の光」をこういった形で残したのは最高でした)、それ以外は何もトピックスがなければ出来る限り司会者のショットのみで良いのではないでしょうか。余程落ち着いた雰囲気が求められない世相になればまた話も変わってきますが…。

ステージのすっきりとした雰囲気

 これはもう郷ひろみのステージで思いっきり顕著になりました。結局今の視聴者が求めているのは「歌」を重点に置いたステージで「演出」はその次。ただ全部が全部そうする必要は当然なく…。これに関しては要検討の所でも書いていきます。

 

両組トリは原則1曲フルコーラス

 メドレーが絶対ダメとまでは言いませんが、1曲フルコーラスで歌ってくれる方が圧倒的に見ていてスッキリしました。フルコーラス歌ってくれるのは、カットによって起きる余計なストレスを全く生じさせないという意味にも置き換えられます。一歩間違えるとあっさりした内容になる、と考えがちですが、今現在トリで選出すべき歌手にそういった人は存在しません。当面この方針でいって欲しいです。

 

フルコーラスも多い後半の演奏時間

 2分半に縮めたステージやメドレーは別としても、後半はかなりの数がフルコーラスもしくはそれに準ずる形の構成だったような気がします。さすがに嵐の10分半は特例と考えるべきですが、3分~4分、良ければ5分くらいの尺が今後少しずつ当たり前の状況になっていって欲しいですね。

セット、照明

 無観客を決めたことでセットを思い切って大きくしましたが、これは次回以降も継続して良いと思います。と言いつつも次回はNHKホールでないので、どこまで大胆に出来るかどうかは分からないですが…。

 視聴者目線で考えると、ステージを大きく使える方がダイナミックに演出出来て、爽快感も大きかったです。どちらにしても観客募集は相当な狭き門、客数を減らしても個人的にはそこまで大きな問題ではないと考えます(毎年応募している方には非常に申し訳ないですが…)。ただ客席の椅子のライトは無観客でしか出来ないので、それだけは必然的に今回限りにならざるを得ないように思います。

 

オーケストラスタジオ

 このスタジオでのステージは全て良かったです。次回は難しいかもしれませんが、NHKホールに戻った次々回以降はまた恒例で何組かやって欲しいです。本当はホールに持ち込むのが一番良いのですが、転換する舞台が大きくなっていることを考えると難しいですね…。

 

NHKティーザーの追加

 放送終了後、Youtubeには紅白ステージの30秒動画がNHK公式でアップされました(全てではありませんが)。Twitterの公式アカウントでもいくつか見ることが出来ます(Superflyあいみょんはそちらのみで見れる形です)。恒久的ではないと思いますし、1月7日の見逃し配信が無くなった後は非公開になる可能性も高そうですが、どんなステージをやっていたか簡単に振り返るには大変有用です。既に紅白に限らずNHKではその試みが進んでいるのでおそらくその方針でいくとは思いますが、是非次回以降も恒例となってほしいです。

 これに際して、第71回NHK紅白歌合戦各ステージ・ティーザー再生数比較と題した記事も作成しました。もし良ければそちらも是非ご覧ください。

 

審査方法

 今回は出場歌手や曲目が発表された限り、データ上では紅組圧倒的有利の形でした。そして実際の投票も紅組圧勝でした。これがどこまで組織票を排除出来たかは分からないですが、長く見ていた視聴者に投票権が大きいのは理に適っています。ひとまず最終審査を続ける場合は、この方法継続で良いのではないでしょうか。有観客の場合特定の歌手のファンが多い時もありますが、一応最初から最後まで見る形には必然的になるので、次回観客が加わっても同じ形で集計すればいいのではないかと思います。

次回以降改善して欲しいこと

音関係の色々、審査員ルーム

 映像は比較的上手くいっていましたが、音響はなかなかそうもいかなかったようです。101スタジオはなかなか歌いにくそうに見える場面もあり、時々音割れも発生していたような…。審査員ルームはより顕著だったようで、特に今回ウラトークチャンネルも同席していたので音の調整もかなり大変そうでした。審査員ルームは本当に今回ならではの措置なので、有観客に戻った暁には即ホール内に戻して欲しいと思います。一方ウラトーク席はあくまで視聴者目線で、過去のホールでも周りの観客からクレームがあったり出演者からうるさいという目線を頂いた場面もあったので、これは今回みたいに別スタジオでやっても特に問題無さそうな気はしました。

 音響に関しては間違いなくスタッフ間でも反省点として共有していると思います。この難しさは次回も継続されること間違いなしなので、今回の音響担当は可能な限り次回も続投でいった方が良いような気がします。

 

水森かおり、三山ひろしのステージ

 名指しで申し訳ないですが、この2組は企画が決まった時点で批判が大変多く、本番が終わっても変わらず多かったです。お祭り感も紅白の名物ですが、今回強いて言えばこれだけしかその要素がないのにあれだけ言われるということは、もう無くしてもいいということだと思います。天童よしみの腹筋太鼓もそうでしたが、こちらはまだ音楽に直結しているのとSnow Manへの同情があったので少しはそれが少なかったような気がします。

 水森さんは本編でも書きましたが、これは紅白というより本人のあまりに代わり映えしない楽曲方針に起因する部分もあります。そこが変わらないとああいう演出をせざるを得なくなるというのが実情でもあるような気がします。ただヒットに関しては毎年確かな結果を残しているので、それをもって落選させるという選択肢はありません。難しいところです。水森さん本人は基本ノリが良くてどういう企画でも引き受けてくれるとは思うのですが、スタッフがそれに甘え過ぎているような気もしないではなく…。ただ本来の支持層に好評の声が多ければやはり継続の方向になるかと思うので、そこが鍵になるでしょうか(ネット上での批判はほぼファンでないのが分かるので)。

 三山さんの場合はどちらかと言うと本人の意思が強いような気がします。けん玉を絡めたステージは継続でもいいのですが、毎年1人ずつ増やしてギネス更新はあまりにもワンパターンでそれで出場回数を増やされても…という印象なので、そこは本当に変えて欲しいです。毎年参加してくれるけん玉有志の皆さんの絆は伝わりますが、紅白の企画的に考えると本当に「もういい」の一言に尽きます。また今回は曲順も嵐、LiSA、髭男と続く形で、その後がYOASOBIなので1度流れが切れた状態になりました。3組でしっかりとした流れが出来たので、一度インターバルを設けるという考えだったかもしれませんが、個人的には正直ここの曲順が勿体なかったという印象もあります。

 前年好評だった企画は次の年でも引き継がれることが多く、今回だと氷川きよし純烈がそれに当たると思います。限界突破×サバイバーは確かに前回よりパワーアップしていました。次回に期待したくなる気持ちも分かります。純烈もリモコンで視聴者参加という企画はしばらく続きそうな気がします。ただ同じ様な企画・演出が3年4年と恒例になると、変え時が難しくなってズルズルいってしまいます。今までの紅白でもこういう事例はかなりありました(というより進行中の物も多いです)。出来る限り今後は、ピークでスパッと切る勇気も持って欲しいと思っています。

ソーシャルディスタンス

 もちろん今回はそうすべき状況だったので当然必要でしたが、そうでなければやはり撤廃して欲しいです。紅組(白組)勝利の瞬間や「蛍の光」は、やっぱり従来通りの方が私は好きです。

 

ステージづくりの一環で、客席の前にも物を設置する

 JUJUのステージなどでありました。今回に限って言えば全く問題ないですが、有観客でそれは止めた方が良いと思います。もっともそれはスタッフも考えていると思いますが…。あと同様に360度回転するカメラワークもありましたが、これは本当に止めた方が良いような気がします。見ていて目が回りました。

 

放送時間

 ここは意見が分かれると思いますが、10代の出場者の多さを考えると午後9時開始は論外です(今回NiziUが後半トップで出演してはいましたが)。7時15分から7時半に戻った体感は、15分開始だと余裕がない、30分開始だと始まるまで少し長いといったところでした(あくまで個人の感想です)。そうなると自分としては7時20分開始が理想なのかなという気はしてます。

 あとは前半7時半開始で8時55分スタートは史上初でした(過去7時半開始の場合は9時20分もしくは25分でニュース)。企画が思い浮かばなければ放送時間短縮、も分かるのですが、各21組になってから割を食っているアーティストもいくつか出ている印象なので、あと各1組くらいは枠を増やしてもいいような気はしてます。特別ゲストを呼ぶのもいいのですが、出場歌手で事足りるなら本来呼ぶ必要もないはずなので…。

要検討

前半の演出

 前回よりもかなり改善はされましたが、やはり後半と比べると演奏時間などあらゆる面でクオリティーが落ちている印象が強いです。演歌・ジャニーズ・大人数アイドル…、なんだか視聴率が取れなかったりアンチの多そうな方々を左遷かと思えるくらいに回していた印象でした。後半より前半を豪華にする必要はないですが、もう少しバランス良く出来ないのかな…とは毎年思います。前半でも後半でも紅白歌合戦出場歌手であることは間違いないのですから…。

 

賑やかな演出と応援ゲスト

 関ジャニ∞などのジャニーズ勢、それからGENERATIONSの応援ではEXITも登場していましたが、こちらは多少好評・不評の声はあれど後々の紅白記事ではほとんど振り返られていないような気もします。好評の声はほとんどがシンプルな演出のステージで、例外は氷川きよしぐらいでしょうか。Perfume東京事変でさえも、出来は良いように見えましたがややスルーされ気味な印象もあります。紅白は4時間以上の番組で、全てを聴かせるステージにするよりは多少賑やかな物が入る方がメリハリが出来て良いと思うのですが、後者の作り方をもう少し考える必要はあるかもしれません。そしてもう少し、後者が見直される世の中になって欲しいようにも思います。

 

ダンサーと合唱

 上の項目とも重なりますが、案外ステージに合唱団がいなくても大量にダンサーがいなくても何とかなるということが今回分かってしまいました。もっともエンタメ業界が大変な状況であることを考えると、この紅白という出番が無くなったことは彼ら彼女たちにとって非常に大きな損失です。出場歌手たちだけでなく、こういった裏の出演者にとっても紅白歌合戦という舞台は大きなチャンス。これに関しては、ちょっと自分の中で結論を出すことが出来ません。

 

VTRの内容と比率

 VTRは前回ほどではないとは言え、やはり後半は多い印象もありました。ただ、不必要なほどに長尺なものは少なく、また今回の雰囲気だとVTRの方が演出的に合っていた部分も多かったです。Twitterをしながら見ていると、VTRの部分で呟きに集中出来る、という面もありました。今回みたいに多少余裕のある台本であれば、VTRはこれくらい入っても問題ないような気はします。どうしても世相的にコロナなど見ていて暗い気持ちになる、という声もありましたが、さすがに今回ばかりは仕方のない面もあります。いまやその年のヒット曲だけでなく世相を映すのも、紅白の役割になっているので…。

 

リモートでのスペシャルアドバイザー

 今回で言うと北島三郎さんの役割。紅白OBとして度々繋げていて、次回やるとしたら黒柳徹子さん辺りだと思うのですが、どうでしょうか。とある記事で見る限りここで視聴率はガクンと落ちていますが、若者~現役世代メインになって紅白で見る目当てが少なくなった高齢者にとっては欲しい時間帯だったのかもしれません。サブちゃんの発言と、各ステージの出来が良かったので問題は全く無かったですが…。

 

特別枠と企画ステージ

 どれくらいの比率で回すかは今回も課題のまま、というより永遠の課題になりそうですが…。

 ディズニーコーナーは8時45分くらいの時間帯で前半最高視聴率を記録、広い世代ウケを考えるとこういったディズニー・アニメ・Eテレ系企画は今後も継続で間違いないと思います。

 出場歌手を発表する前の時点で何枠どれくらいの人が呼べるか企画をどうするかは絶対に考えているとは思うのですが、出場歌手のステージ時間を削るのは本末転倒なので、そこは何とかして欲しいところです(今回は曲間を短くするくらいでほぼ何とかなった印象でしたが)。

スタジオの中継をどれくらい残す?

 今回は無観客なので、ホールの熱気についてはほぼ考える必要がありませんでした。したがってこういった演出は積極的に取り入れることが出来ます。ただスタジオでもライブ会場でも本来の有観客だとスクリーンを通してビジョンで見る形、今回のような比率だとやはり高いように見えます。とは言えスタジオではホールで出来ない演出も可能で、舞台転換の時間は本来もう少し余裕があっても良く、そうなると有観客に戻しても案外これくらいの比率でもいいのでは?という印象にもなります。もっとも上でも挙げた通り音響でかなり苦労していた印象もあるので、そうなるとスタジオは出来る限り使用しない方が良いと考えるのも自然でしょう。中継を増やしたことで予算がかえって増えた、という記事もあるようです。ここは視聴者目線だけで考えるのは限界があるので、内部でじっくり検討して頂きたいです。

 なお収録を含めると今回、企画も入れた全47組中101スタジオは10組(うち後半7組)、オケスタジオは4組(同後半2組)、中継は3組(同後半2組)でした。

 

収録のステージ

 ディズニーコーナーや玉置浩二他、今回は出場歌手のステージでもいくつかありました。終始LIVEという文字表示がなかったので、事前・事後の報道がない限りどれがそうなのかは推定の域を得ないので当初のレビューでも明記はしませんでした。個人的には生で歌って頂く方がどう考えても嬉しいのですが、収録は収録のメリットがあることもまた確か。難しいところです。

 

紅組白組の分け方

 男女別が一番分かりやすいというのは以前から書いていますが、そうは言っても曖昧な事例は既に出てきているわけです。第56回の和田アキ子ゴリエ、第58回の中村中、「恋音と雨空」を歌った時のAAAなどなど。男性が紅組司会をしている例も、第58回の中居正広がそうですが、1950年代の時点で宮田輝アナウンサーがやっています(もっとも当時は客席から直でヤジが挙がりましたが)。ここまでジェンダーの議論が進み、出演者側もパフォーマンスで表現していて、どちらにも属さない特別枠が続出している現状を考えると、確かに必ずしも絶対に男女別にする必要性は微塵もありません。ただそれまで回を重ねた第71回までの総合成績に照らし合わせた上で考える必要があるかな、という程度です。

 さてもし男女別にしない場合、どう分けるのが理想でしょうか。地域別・事務所対抗など色々考えられますが、個人的には出場歌手を一括で発表して、曲順発表時点でくじ引きみたいなので決めても良いのではないかと思ってます。組で分けることにそもそも意味を感じないとすれば、毎年変わっても、なんなら色を変えちゃっても良いのではないかとも思います。ただこういう選び方が続くとあまりにも男性もしくは女性に出場者が偏る年も絶対に発生するので、そこがやや難しいところ…。ただ部屋数も限られている楽屋のことを考えると、さすがに大部屋を男性女性混合にするのはあり得ないはずなので、そうなると何度議論を重ねても、結局男女別が一番やりやすいのかもしれないとも感じてるところではあります。

 

最終審査の有無

 確かに大晦日紅組白組に分かれてわざわざ大きい番組でチーム対抗戦する意味はありません。どちらが勝とうと世の中の大勢に影響はない、と大昔から番組内でも多々言われています。しかしこれも以前から書いていますが、最終審査が無くなれば”合戦”でなくなる以上、「紅白歌の祭典」辺りに番組名を変えて回数もリセットする必要があります。大晦日にこういった音楽番組が無くなる可能性はゼロだと思いますが(今もし無くなると音楽業界どころか経済的に負の影響が半端なく出ます)、対抗戦をどうしても無くして欲しいという人が余程圧倒的に増えない限りは、そのまま継続で良いのではないでしょうか。

 以上です。今回は無観客で開催される初めての紅白、これまでとは変わらざるを得ない部分が続出だったので、スタッフの大変さは今までと比べ物にならないものだったと推察します。それもあってか、司会者や出場歌手をはじめとする出演者もその思いを汲んで、例年以上にチームで番組を盛り上げよう、良い番組を作り上げよう良いステージを作ろうという雰囲気が画面からもおおいに伝わってきました。そういう意味では、大変素晴らしい紅白歌合戦を見ることが出来ました。

 どういった回でも課題は絶対にあるもので、見直して可能な限り拾いあげて、次回以降に繋げて欲しいという気持ちで毎年まとめを書いてます。ただ根底には今回の紅白を作り上げた出演者とスタッフ、そして何より現在非常に大変な状況である音楽業界・エンタメ業界へのリスペクトを持つことが一番重要ではないかと考えます。2021年、どういった年になるかは分かりませんが、2020年より良い年であって欲しいと思うのは全員の共通認識。そして紅白歌合戦も、こういう年だからこそ出来た新しい発想は続けて欲しいとは言え、やっぱりみんなで盛り上がる絵と自然な形で生まれる歓声は欲しいです。

 第72回は49年ぶりとなるNHKホール以外での紅白歌合戦、有観客に戻るとしてもまた新しい紅白になります。もちろん、ヒット曲の顔ぶれも大きく変わります。2019年の大晦日時点で東京五輪延期を予期していなかったように、今の時点で2021年大晦日がどうなるかはまだまだ分かりません。ただ出来れば、2019年以前のようなライブなどが当たり前に各所で行われる世の中で、2020年の新しい要素も含めた2021年らしい紅白歌合戦を、次の大晦日に見ることが出来ればと思っています。

 これで第71回NHK紅白歌合戦の記事はラストになります。ここまで読んで頂いた読者の皆さん、本当にありがとうございました。また2021年も、是非よろしくお願いします。

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