紅白名言集解説・42~青春とは~


 今回は名言集ツイートの中でも反応が高い傾向がある、石川ひとみさんの紅白についてちょっと紹介。

1981年の石川ひとみ

 荒井由実作詞・作曲、三木聖子さんが5年前に歌った「まちぶせ」が大ヒットして紅白歌合戦初出場を果たした石川さん。芸能人としては人形劇『プリンプリン物語』の実績が既にあって知名度も高かったと思われますが、レコードの大ヒットは10枚目のこのシングルでようやく大ヒットという形でした。1978年にデビュー、同期の石野真子は既に一時代を築いた後結婚引退しようという段階。女性ソロアイドルというカテゴリで考えると、かなり遅咲きかつ異例のブレイクという形になりました。

 紅組司会の黒柳徹子は、当時紅白以上にTBS『ザ・ベストテン』の司会でお馴染み。番組ではスポットライト出演から8月6日に初登場。合計9週にわたってランクイン、年間ランキングでも21位に入りました。

 ツイートであげた青春とは…のくだりは、当時ベストテンで恒例だったやり取り。スポットライトでまずは披露、その後もランクインするたびに恒例のやり取りになりました。気がつけば他の出演歌手も巻き込む大芝居にまで発展したこともあったとか…。

紅白歌合戦のステージ

 紅組2番手として登場した石川ひとみさん。「皆さん、プリンプリンです」と早速徹子さんが呼びかけます。局は違いますが、青春とは…のくだりもツイートで紹介したように披露させられます。ただでさえ初めての紅白を前に緊張しているのに細かいやり取りも多く、なかなか大変そうでした。

 ステージで終始泣きながら歌う場面は、おそらく当時の視聴者なら誰もが記憶に残るシーンだったのではないかと思います。紅白でこれだけ涙を見せたのは、1985年の森昌子が圧倒的トップですが、歴代でも1998年最後の方で泣いてしまった安室奈美恵に並ぶくらいかその次くらいの領域で涙を見せていたような気がします。それを考えると、よく歌唱前に青春とは…を完璧に披露できたなぁという印象もあります。ただ涙で歌えなくなった場面はなく、何とか頑張って歌い切ったという形ではありました。

 次年度は『レッツゴーヤング』の司会にも抜擢されましたが、ヒットは「まちぶせ」以降続かず紅白出場はこの1回限り。ただ根強い人気は健在のようで、Twitterでもこの呟きがしばしばファンにいいね!されています。「まちぶせ」は後年何度となく歌番組で披露されていますが、穏やかで美しい表情は年令を重ねてもそのまま。そこから垣間見える人柄がおそらく、長く支持を得ている最大の要因であるとともに、着実に仕事を重ねた結果紅白出場に繋がった理由でもあるのかなという気がします。

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