演奏時間&構成表 3(第41回・1990年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
19(紅10) 紅後半1 |
Game | 宮沢りえ | 3分10秒 3コーラス |
4分36秒 3コーラス |
20(白10) 白後半1 |
お祭り忍者 | 忍者 | 3分8秒 1コーラス半 |
4分43秒 2コーラス半 |
21(紅11) 紅後半2 |
ピンクレディー・メドレー | ピンク・レディー | 4分0秒 | |
S.O.S. | 0分58秒 Aメロ+サビ |
2分40秒 2コーラス |
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渚のシンドバッド | 0分40秒 冒頭+サビ |
2分32秒 冒頭+2コーラス |
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ウォンテッド(指名手配) | 0分31秒 冒頭+A・Bメロ |
3分22秒 冒頭+2コーラス |
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2年目のジンクス | 1分42秒 冒頭+1コーラス |
5分0秒 冒頭+2コーラス |
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22(白11) 白後半2 |
さよなら人類 | たま | 4分47秒 3コーラス+Cメロ |
5分35秒 3コーラス+Cメロ |
23(紅12) 紅後半3 |
おどるポンポコリン | B.B. クィーンズ | 3分4秒 2コーラス半 |
3分11秒 2コーラス半 |
24(白12) 白後半3 |
スーダラ伝説 | 植木 等 | 4分32秒 | 10分44秒 15曲 |
スーダラ節 | 0分49秒 1コーラス |
2分49秒 3コーラス |
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無責任一代男 | 0分35秒 2コーラス |
2分34秒 6コーラス |
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ドント節 | 0分35秒 1コーラス |
2分16秒 3コーラス |
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だまって俺について来い | 0分29秒 1コーラス |
2分21秒 3コーラス |
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ハイそれまでョ | 1分6秒 1コーラス |
3分20秒 3コーラス |
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スーダラ節 | 0分50秒 サビ繰り返し |
2分49秒 3コーラス |
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25(白13) 白後半4 |
Wブッキング | 郷ひろみ | 3分15秒 2コーラス+サビ |
4分48秒 3コーラス+サビ |
26(紅13) 紅後半4 |
イマジン | EVE | 3分22秒 2コーラス |
3分7秒 2コーラス(原曲) |
27(白14) 白後半5 |
もしもピアノが弾けたなら | 西田敏行 | 2分50秒 1コーラス半 |
3分48秒 2コーラス |
28(紅14) 紅後半5 |
恍惚のブルース | 青江三奈 | 2分59秒 2コーラス |
3分37秒 3コーラス |
29(白15) 白後半6 |
ソング | アレクサンドル・ グラツキー |
3分50秒 2コーラス |
4分29秒 2コーラス |
30(紅15) 紅後半6 |
津軽あいや節 | 福士りつ | 2分51秒 1コーラス |
(作品によって異なる) |
各ステージ・補足
後半戦トップバッターは、当時17歳にして国民的女優となった宮沢りえ。ドラマでのセリフ「ぶっ飛び」が流行語になりましたが、「Game」はその主題歌でした。芝浦にあるビルの屋上から中継、バスタブの中で歌う彼女は、まさに”ぶっとび!”を体現していました。全体ではカットされた部分もありましたが、歌はフルコーラスです。(ステージレビュー→紅白名言集解説・29~もはや放送事故~)
ジャニーズ事務所からこの年デビューした忍者は、美空ひばりの「お祭りマンボ」を新しくアレンジした「お祭り忍者」で初出場。レコ大最優秀新人賞受賞直後の出演でした。2番はカットですがそれ以外は終盤の一部分以外歌唱あり、ラップに限りなく近い早口パートは珍しい歌詞テロップ3行表示でした。
前回の紅白で大好評だったピンク・レディーは2年連続でメドレー、曲目をガラリと変えました。キーボード中心で新しくアレンジされた「SOS」に始まり「渚のシンドバッド」「ウォンテッド」、最後は当時未発表曲だった「2年目のジンクス」。冒頭3曲は1コーラスにも満たない短さで、実質的には新曲のプロモーションに近いステージでした。ただ肝心の「2年目のジンクス」は諸事情により発売中止、CD収録は1993年のベストアルバムまで待つ形になります(サブスク未配信)。
空前のバンドブームに湧いた1990年。紅白歌合戦にはあまり反映されていませんが、「さよなら人類」が大ヒットしたたまだけは例外でした(本人たちは辞退の意向だったようですが)。レーベルに請われてという立場もあって、ステージはシングルよりも長いオリジナルヴァージョンをフルコーラス生演奏(イントロと中盤Cメロ一部カット、テンポ若干速め)。なお他の場面は不参加、それどころか本番中に芝居を見に行ったという具合だったらしいです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(1990年代編前半))
この年放送開始した『ちびまる子ちゃん』の「おどるポンポコリン」が大ヒットしたB.B.クィーンズは、3分台の曲ということもあって完全フルコーラスでした。バンドメンバーも登場していますが、演奏は事前録音中心でほぼアテブリです。もっとも音源と異なる部分は、やはり今くるよ師匠が変な衣装で前を横切った際に歌詞が飛んだ場面だったでしょうか…。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(1990年代編前半))
「スーダラ伝説」は植木等、ハナ肇とクレージーキャッツのヒット曲が15曲続くメドレーですが、この年11月にシングルとしてリリースされています。「スーダラ節」「無責任一代男」「ドント節」と続く流れは音源と同様、その後8曲目の「だまって俺について来い」を経て14曲目の「ハイそれまでョ」からラストの「スーダラ節」に続きます。多少アレンジは違うものの、ベートーヴェンの第九とマッシュアップする部分は音源通り。たださすがに演奏がストップしてコミカルなオチに行き着く展開は、ライブならではの内容でした。
吉本芸人の騒がしい応援に松平アナが振り回される中間審査を経て、攻守交代後のトップバッターは5年ぶり出場、ニューヨークから帰ってきた郷ひろみ。この年リリースの「Wブッキング」を、サングラス(冒頭のみ)・マント姿でダンサブルに歌います。1番と3番とラストサビ、3分台のステージです。紅白で不倫をテーマにした曲は他にもありますが、サビ最初に”不倫したい”とド直球で歌う歌詞はなかなか見られる物ではありません。
3人組コーラスグループ・EVEはジョン・レノンの「イマジン」を歌唱。フルコーラス後にハーモニーで聴かせるパートが追加、そのため演奏時間は原曲超えしています。
西田敏行はこの年の白組司会。9年前のヒット曲「もしもピアノが弾けたなら」を歌おうとする所で、海外からのパフォーマーであるジョージ・カールのコミカルなショー開始。変な小道具を多数持ち出して、結果5分間居座りました。観客から笑い声も起こる楽しい内容でしたが、中盤以降に全く余裕が無くなる進行を考えると時間の使い方に疑問が生じます。ステージは紅組司会・三田佳子とのツーショットで歌う心温まる内容。1コーラス+サビの歌唱、ピアノを弾く羽田健太郎は間奏でクラシック曲を織り交ぜるアレンジを加えていました。
青江三奈はこの年逝去した作曲家・浜口庫之助を追悼して、初出場の時に歌った「恍惚のブルース」を24年ぶりに紅白で歌います。松本英彦のサックス演奏が、楽曲にさらなる大人の香りを演出しています。歌は1番と3番の2コーラス歌唱。間奏やアウトロは原曲と全く異なるアレンジ、演歌よりもジャズと言った方がしっくり来る雰囲気でした。
紅白では初、結果的には唯一となったソビエト連邦からの出場、アレクサンドル・グラツキーはギター弾き語りのステージでした。「ソング」は当時の社会主義体制を痛烈に批判した内容、後世からだと翌年の崩壊を預言しているようにも見えます。
福士りつは青森県民謡の「津軽あいや節」、この曲が歌われるのは第31回の金沢明子以来10年ぶり。もっともこの曲は歌より津軽三味線演奏パートがメイン、歌詞テロップの表示はたった2行。気がつけば終わった、という印象もあるステージです。なお津軽三味線を演奏する山田千里は彼女の夫、青森県でライブハウスを夫婦で経営していました。
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