紅白名言集解説・22~国民的バンドの紅白初出場~


 音楽・野球評論家で、ラジオやテレビのパーソナリティーも務めているスージー鈴木氏にリツイートされたことで、非常に反応が大きくなったこの呟き。というわけで本日の記事はそのままこれをピックアップ。1979年、第30回NHK紅白歌合戦に初出場したサザンオールスターズの曲紹介です。

 サザンオールスターズがデビューしたのは1978年「勝手にシンドバッド」。ザ・ベストテンのスポットライト出演は今でも伝説に残る暴れっぷりで、(おそらくは)それをきっかけに大ヒットしましたが、デビュー年であることと当時彼らがカテゴライズされていたジャンル・ニューミュージックの3枠が早々に確定していたこともあって、出場はならず。次のシングル「気分しだいで責めないで」が期待したほど売れず、翌年思い切った路線変更という意味も込めてリリースされた「いとしのエリー」は、ザ・ベストテンで7週連続1位獲得するなど堂々の大ヒット。同じく1979年に大ヒットしたさだまさしやゴダイゴとともに、ニューミュージック代表という意味合いを込めて初出場となりました。「いとしのエリー」はここで書くまでもないラブソングですが、曲紹介にある「ユニーク」という言葉はおそらく前年の、「勝手にシンドバッド」のイメージを含めての内容だと思います。山川アナのリズミカルな言葉選びと喋りもまた、当時の紅白歌合戦を象徴しています。

 ステージに登場した6人はジャンパーにGパンを基調としたラフなスタイル。メンバーの年齢は当時23歳~25歳。1段高く設置されたドラム・キーボード・パーカッションが立つ舞台には「SASS」の文字があります。メンバーにもそれぞれソロショットがあるのですが、不思議なことになぜかギターの大森さんだけそれが無し。彼が独立するのは2001年なので、まだまだ先の話ですが…。白組の曲順はツイスト→サザン→さだ→ゴダイゴ、対戦相手の紅組の曲順は岩崎宏美→大橋純子→金沢明子→金田たつえ。サザンVS大橋純子以降はニューミュージック対決ではなく初出場対決、あえて全く異なるジャンルの組み合わせにした形ですね。番組の流れとしても、この辺りから一気に勢いづきました。ゴダイゴの後が、先日こちらの記事で紹介したヒデキのヤングマン→ジュディ・オング「魅せられて」。1979年の紅白で、特に勝負をかけた時間帯です。

 1979年に多忙を極めたサザンオールスターズ、翌年はレコーディングに専念ということでテレビ出演を一旦減らします。次の紅白出演は大反響を呼んだ1982年「チャコの海岸物語」に1983年「東京シャッフル」、その後は長年の辞退を挟んで2014年ライブ中継、2018年の伝説のステージに続きます。ソロでは桑田さんが2010年と2017年、原坊が1991年に出演しています。計5回、ソロを含めると8回の紅白出場ですが、残した足跡は明らかにそれ以上の物があります。当然botに登録した数も多いので、また別で機会を設けて紹介する予定です。楽しみにしてください。

タイトルとURLをコピーしました