歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第42回・1991年その4)

演奏時間&構成表 4(第42回・1991年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
36(紅17)
紅後半7
流恋草香西かおり2分46秒
2コーラス
4分16秒
2コーラス半
37(白17)
白後半7
師匠鳥羽一郎2分18秒
2コーラス
4分26秒
3コーラス
38(紅18)
紅後半8
離愁…秋から冬へ松原のぶえ2分46秒
2コーラス
4分34秒
3コーラス
39(白18)
白後半8
花(すべての人の心に花を)喜納昌吉3分44秒
2コーラス+サビ2
7分2秒
3コーラス+サビ
40(企4)交響曲第40番より 第1楽章N響室内合奏団5分38秒7分30秒~8分台
(音源により異なる)
41(紅19)
紅後半9
People森山良子3分40秒
1コーラス半
4分59秒
2コーラス
42(白19)
白後半9
ムーン・リバーアンディ・ウィリアムス3分34秒
2コーラス
2分43秒
2コーラス
43(紅20)
紅後半10
舟唄八代亜紀3分39秒
2コーラス+ラスト
4分21秒
2コーラス半
44(白20)
白後半10
愛しき日々堀内孝雄3分4秒
2コーラス+ラスト
4分24秒
2コーラス半
45(紅21)
紅後半11
時の流れに身をまかせテレサ・テン3分7秒
2コーラス
4分9秒
2コーラス半
46(白21)
白後半11
奇跡~大きな愛のように~さだまさし4分41秒
冒頭+2コーラス
6分48秒
冒頭+2コーラス
47(紅22)
紅後半12
冬化粧小林幸子3分6秒
2コーラス
4分42秒
3コーラス
48(白22)
白後半12
どんなときも。槇原敬之3分33秒
2コーラス
5分7秒
2コーラス+サビ
49(紅23)
紅後半13
会いたい沢田知可子3分46秒
2コーラス
4分53秒
2コーラス+サビ
50(白23)
白後半13
ガラス越しに消えた夏鈴木雅之3分37秒
2コーラス
5分17秒
2コーラス半

各ステージ・補足

 香西かおりは「流恋草」が大ヒット、デビュー4年目で念願の紅白初出場。ただ曲紹介は交換司会という演出で、紅組司会の浅野ゆう子ではなく白組司会の堺正章が担当。当時としては大変珍しい光景です。歌は間奏・アウトロ短めの2コーラス。J-POPと比べると、演歌は構成が大変安定しています。

 というわけで鳥羽一郎の曲紹介は浅野ゆう子が担当、彼女見たさに白組歌手がゾロゾロ集まってくるという演出でした。歌は「師匠」と書いて”おやじ”、鳥羽さんの紅白では珍しい海と無縁の曲です。1番と3番の2コーラス、間奏大幅カットで演奏時間はかなり短め。(ステージレビュー→紅白歌合戦・鳥羽一郎の軌跡

 間を置かず始まったステージは松原のぶえ「離愁…秋から冬へ」。丹後半島を舞台にしたご当地ソングです。1番と3番の2コーラス、こちらは間奏のカットは少なめでした。

 平成前期の紅白で繰り返し歌われた「花(すべての人の心に花を)」、最初の歌唱はその元祖・喜納昌吉とチャンプルーズでした。1980年の発表ですが、全国に広く知られたのはこの時期です。歌唱パートは1番と3番、時折沖縄の方言を混ぜてのパフォーマンスになっています。

 N響室内合奏団によるモーツァルトの曲の演奏、この年は没後200年にあたる年でした。ソ連崩壊や皇太子妃殿下との結婚、千代の富士関の引退など映像では1991年の様々な出来事が振り返られています。交響楽団がクラシックの名曲を紅白で本格的に演奏したのは、これが唯一。

 N響の演奏は、出場歌手のステージでも続きます。各1組ずつ、紅組は森山良子の「People」。1964年にバーブラ・ストライサンドがヒットさせた曲で、1971年に自身もシングル曲としてカバーしています。伸びのある歌声で、思いっきり聴かせる大熱唱ステージでした。3分40秒と比較的長い演奏時間ですが、歌い出しパートはカットされています。

 白組はアメリカから来日したアンディ・ウィリアムスの「ムーン・リバー」。1962年の映画『ティファニーで朝食を』主題歌です。この手の曲は昭和の紅白だと菅原洋一が数回歌っていましたが、平成になると海外から本物を呼べるのが強みになっています。N響オーケストラバックで指揮者も海外から来日、原曲よりもはるかに長い演奏時間のアクトでした。

 N響演奏のステージ後は歓声による中間判定、したがって光GENJIXめあての若い女性ファンが多い白組が優勢でした。このコーナーを境に第42回紅白は第2部と第3部に分かれますが、便宜上ここでは第3部も第2部として扱うこととします。

 第3部は名曲から始まります。まずは第30回紅白の大トリを飾った八代亜紀の「舟唄」。18回目の出場で、初の過去曲歌唱でした。ややテンポ速めの演奏ですが、12年前には歌えなかった最後の”ルルル…”も入っています。ただサビ繰り返しは無いので、惜しくもフルコーラス歌唱ではありませんでした。

 堀内孝雄はこの年もヒット曲ありですが、この年は1986年の日本テレビ時代劇、紅白の裏番組だった『白虎隊』の主題歌「愛しき日々」を紅白初歌唱。2コーラスありますがサビは1回のみ、そのため1コーラスちょっとにも聴こえる構成です。あまり紅白向きの曲ではないように思いますが、その後も2度選曲されています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・堀内孝雄の軌跡

 「愛しき日々」と同じ年に発表された「時の流れに身をまかせ」、テレサ・テンは5年ぶりの紅白出場でした。既に体調は決して良くなかったようですが、それでも4年後に若くして亡くなるとは当時全く想像できなかったものと思われます。歌唱構成は5年前と同様ですが、間奏のカットが無かった分演奏時間は8秒長くなっています。

 さだまさしはこの年発表の「奇跡~大きな愛のように~」、放送当時は車のCMソングとしてお馴染みの曲でした。過去3回同様演奏時間は長いですが、この回はラストに歌われる冒頭パートや間奏の一部がカットになっています。

 吉本新喜劇メンバーによる約2分の余興で場を繋いだ後、小林幸子のステージが始まります。衣装の後ろに見えるピアノ線、1番を歌い終わった後に体が宙を舞って、そのまま3番を歌います。紅白歌合戦で宙吊り状態で歌う歌手は、この年の彼女が初めてでした。後年ほどではないですが、編曲もこの年はアウトロが若干大仰になっています。

 そんな幸子さんに対抗するのは、ごく普通のスーツ姿で歌う槇原敬之でした。この年の大ヒット曲で、後年にも長く語り継がれている「どんなときも。」をキーボード演奏スタイルで歌唱。ただサビ以降に入るチアリーダーのパフォーマンスと掛け声は、曲紹介で強調された”普通”とは程遠いものでした。間奏を少し短くした2コーラス、演奏時間はヒット曲に相応しい長さになっています。

 続いての沢田知可子「会いたい」も、この年を代表する大ヒット曲。特にカラオケで女性によく歌われていました。ピアノの鍵盤をそのまま柄にした、妙なデザインの衣装で歌います。こちらもしっかり2コーラス、ただ間奏はほとんどカットされていました。2コーラス目のサビは本来の2番ではなく、ラストサビの歌詞が採用となっています。

 バラードが続きます。鈴木雅之はグループ時代から約10年、ヒットと比べてやや遅めの紅白初出場でした。ベストアルバム『MARTINI』リリースの影響でしょうか、歌は1986年のソロデビュー曲「ガラス越しに消えた夏」。2コーラス、サビはこちらも2番ではなく繰り返しがあるラストサビの歌詞でした。

 

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