歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第42回・1991年その5)

演奏時間&構成表 5(第42回・1991年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
構成
フル再生時間
構成
51(紅24)
紅後半14
炎情歌 川中美幸 2分45秒
2コーラス
4分7秒
2コーラス+サビ
52(白24)
白後半14
応援歌、いきます 細川たかし 2分52秒
2コーラス
4分19秒
3コーラス
53(紅25)
紅後半15
悲しみの訪問者 ケー・ウンスク 2分23秒
1コーラス+サビ
4分40秒
2コーラス+サビ
54(白25)
白後半15
泣かせ雨 森 進一 3分15秒
2コーラス
5分8秒
3コーラス
55(紅26)
紅後半16
火の国の女 坂本冬美 2分47秒
1コーラス+サビ2
4分30秒
2コーラス+サビ2
56(白26)
白後半16
おしどり 五木ひろし 3分5秒
2コーラス
4分50秒
3コーラス
57(紅27)
紅後半17
港唄 石川さゆり 2分45秒
2コーラス
4分12秒
3コーラス
58(白27)
白後半17
北の大地 北島三郎 3分25秒
2コーラス
4分59秒
3コーラス
59(紅28)
紅後半18
あの鐘を鳴らすのはあなた 和田アキ子 3分48秒
2コーラス+サビ
3分35秒
2コーラス+サビ
60(白28)
白後半18
昴-すばる- 谷村新司 4分35秒
2コーラス半
4分32秒
2コーラス半

各ステージ・補足

 川中美幸は新婚のステージでした。「炎情歌」は2コーラスとサビの構成、紅白は原則通りの2コーラス歌唱です。ただ間奏はほぼカットでした。

 細川たかしはキリンビールのCMで大量オンエアされた「応援歌、いきます」を歌唱。1番と3番、終盤は白組歌手が生ジョッキ片手に全員集合する演出がありました。23年後の再歌唱時は食品サンプルでしたが、この時はビールか麦茶かは不明ですがちゃんとした飲み物を持参。中には一気飲みを披露する人もいたようでした。

 ケー・ウンスクは「悲しみの訪問者」、この時期は完全に韓国だけでなく日本を代表する実力派演歌歌手です。ただイントロから1コーラスまで1分48秒かかるこの曲、残念ながら2コーラスではなく間奏無しの1コーラス半でした。したがって演奏時間はかなり短いです。

 森進一は聴かせる演歌「泣かせ雨」。1番と2番の2コーラス、間奏・アウトロほぼカット無し。紅白でのキャリアは確かに大きく異なりますが、ケー・ウンスクと比べるといささか歌割りが不平等な気がしてなりません。

 坂本冬美は4回目の出場でついにトリ2つ前進出。熊本の女を描いた情念演歌「火の国の女」を歌います。2コーラスではなかったものの間奏あり、ラストのサビは2回繰り返し。もう1度紅白で聴きたい平成演歌を代表する名曲ですが、今のところ再歌唱の機会はありません。

 五木ひろしは夫婦をテーマにした歌謡曲「おしどり」。1970年代~1980年代ほど目立ってはいませんが、この曲もCDセールス的には大ヒットした1曲です。1番と3番の歌唱。(ステージレビュー→紅白歌合戦・五木ひろしの軌跡

 石川さゆりは細川さん同様、CMソングの「ウイスキーが、お好きでしょ」が話題になった年でした。ただこちらは正統派の「港唄」を選曲、1番と2番を優しく説得力のある歌声で聴かせます。

 北島三郎はレコード大賞を受賞した「北の大地」を熱唱。この時期は既に自身の作曲のシングル中心ですが、「北の大地」は星野哲郎・船村徹の鉄板コンビです。1番と3番の歌唱、紙吹雪だけでなく迫力ある男声合唱もすっかりお馴染みになりました。カット無しの間奏にも、別格級の貫禄を感じさせるステージです。

 幾度となく紅白で歌われることになる和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」ですが、初歌唱はレコ大最優秀歌唱賞の1972年ではなくこの年でした。原曲はパワフルなボーカルが印象的ですが、このステージは特にAメロに関して言うと優しく包み込むような歌声という形容もしっくりきます。この年再レコーディングされていますが、演奏は1972年版とも新録とも異なる紅白ならではという内容でした。(ステージレビュー→紅白名言集解説・10~怪我を押してのトリ~

 大トリは谷村新司の「昴-すばる-」、13年ぶりに演歌と異なるトリ対決となりました。もちろんフルコーラス歌唱、アウトロはトリ仕様でやや長め。間奏だけは若干カット気味でしたが、それでも演奏時間は原曲超え。ただ4年前の紅白と比べると、3秒短い結果になっています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・谷村新司の軌跡

第42回(1991年)・まとめ

演奏時間ランキング(企画コーナーは除外)

順位 曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
1 21(紅10)
紅前半10
王将一代 小春しぐれ 都はるみ 6分15秒
2 46(白21)
白後半11
奇跡~大きな愛のように~ さだまさし 4分41秒
3 60(白28)
白後半18
昴-すばる- 谷村新司 4分35秒
4 33(紅16)
紅後半6
オペラ座の怪人 サラ・ブライトマン 4分21秒
5 13(紅6)
紅前半6
VERNISAGE
~ELIZABET~
ライマ 4分14秒
6 9(白5)
白前半5
十番街の殺人
ダイアモンド・ヘッド
パイプライン
ザ・ベンチャーズ 4分6秒
7 34(白16)
白後半6
MASK ’91 少年隊 4分4秒
8 30(白14)
白後半4
Silent Jealousy X 4分0秒
9 59(紅28)
紅後半18
あの鐘を鳴らすのはあなた 和田アキ子 3分48秒
10 49(紅23)
紅後半13
会いたい 沢田知可子 3分46秒
48 51(紅24)
紅後半14
炎情歌 川中美幸 2分45秒
48 57(紅27)
紅後半17
港唄 石川さゆり 2分45秒
50 14(白7)
白前半7
酒場 冠 二郎 2分40秒
51 25(紅12)
紅後半2
想い出の九十九里浜 Mi-Ke 2分38秒
52 17(紅8)
紅前半8
冬の華 大月みやこ 2分34秒
53 11(白6)
白前半6
そして、神戸 前川 清 2分33秒
54 53(紅25)
紅後半15
悲しみの訪問者 ケー・ウンスク 2分23秒
55 16(白8)
白前半8
女のかぞえ唄 吉 幾三 2分22秒
56 37(白17)
白後半7
師匠 鳥羽一郎 2分18秒
57 26(白12)
白後半2
さそり座の女 美川憲一 2分16秒
58 2(紅1)
紅前半1
ときめいて 西田ひかる 2分3秒

 さすがに10分以上のステージはなかったですが、この年も都はるみが堂々の6分台。4分以上のステージも多いですが、前回よりは減少しています。短い方はこの年も演歌中心、そもそもフルが短いためステージも短いというケースもあります。全ステージ平均は第1部が3分13秒、第2部が3分20秒、56ステージの平均は3分17秒でした。

複数曲歌唱のステージ

曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
曲数
9(白5)
白前半5
十番街の殺人
ダイアモンド・ヘッド
パイプライン
ザ・ベンチャーズ 4分6秒
3曲
23(紅11)
紅後半1
どうにもとまらない
狙いうち
山本リンダ 3分24秒
2曲

 この年の複数曲ステージは2組、いずれも過去曲です。前年まで2年連続ピンク・レディーでこの年は山本リンダ、結果的に3年連続阿久悠・都倉俊一コンビのメドレーが続く形になっています。

過去曲/カバー曲のステージ(新曲が含まれるメドレー除外)

曲順 楽曲 アーティスト 発表年 演奏時間
構成
9(白5)
白前半5
十番街の殺人
ダイアモンド・ヘッド
パイプライン
ザ・ベンチャーズ 1964年
1965年
4分6秒
3曲
10(紅5)
紅前半5
ラヴ・イズ・オーヴァー 欧陽菲菲 1979年
2分46秒
1コーラス
11(白6)
白前半6
そして、神戸 前川 清 1972年 2分33秒
2コーラス+サビ
20(白10)
白前半10
時代おくれ 河島英五 1986年
3分29秒
2コーラス
21(紅10)
紅前半10
王将一代 小春しぐれ 都はるみ 1988年
(大和さくら)
6分15秒
2コーラス+浪曲
23(紅11)
紅後半1
どうにもとまらない
~狙いうち
山本リンダ 1972年
1973年
3分24秒
2曲
26(白12)
白後半2
さそり座の女 美川憲一 1972年
18年ぶり2回目
2分16秒
2コーラス
31(紅15)
紅後半5
色づく街 南 沙織 1973年
18年ぶり2回目
2分53秒
1コーラス半
33(紅16)
紅後半6
オペラ座の怪人
(The Music of the Night)
サラ・ブライトマン 1986年 4分21秒
2コーラス
34(白16)
白後半6
MASK ’91
(仮面舞踏会)
少年隊 1985年
5年ぶり2回目
4分4秒
1コーラス
39(白18)
白後半8
花(すべての人の心に花を) 喜納昌吉 1980年 3分44秒
2コーラス+サビ2
41(紅19)
紅後半9
People 森山良子 1964年
(バーブラ・ストライサンド)
3分40秒
1コーラス半
42(白19)
白後半9
ムーン・リバー アンディ・ウィリアムス 1961年 3分34秒
2コーラス
43(紅20)
紅後半10
舟唄 八代亜紀 1979年
12年ぶり2回目
3分39秒
2コーラス+ラスト
44(白20)
白後半10
愛しき日々 堀内孝雄 1986年 3分4秒
2コーラス+ラスト
45(紅21)
紅後半11
時の流れに身をまかせ テレサ・テン 1986年
5年ぶり2回目
3分7秒
2コーラス
50(白23)
白後半13
ガラス越しに消えた夏 鈴木雅之 1986年 3分37秒
2コーラス
59(紅28)
紅後半18
あの鐘を鳴らすのはあなた 和田アキ子 1972年 3分48秒
2コーラス+サビ
60(白28)
白後半18
昴-すばる- 谷村新司 1980年
4年ぶり2回目
4分35秒
2コーラス半

 56ステージ中過去曲は19、前年の20/58より割合は低くなっています。第2部中盤、22時台にやや固まっていました。一方終盤はトリ以外、ほぼこの年発表の演歌で固められています。

フルコーラス歌唱(間奏・アウトロ・フェイドアウトは除く)

曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
構成
フル再生時間
構成
7(白4)
白前半4
TAYO NA (COME ON) スモーキー・マウンテン 2分58秒
2コーラス半
3分14秒
2コーラス半
11(白6)
白前半6
そして、神戸 前川 清 2分33秒
2コーラス+サビ
2分55秒
2コーラス+サビ
25(紅12)
紅後半2
想い出の九十九里浜 Mi-Ke 2分38秒
2コーラス
2分48秒
2コーラス
27(紅13)
紅後半3
Eyes to me Dreams Come True 3分40秒
3コーラス+サビ
4分1秒
3コーラス+サビ
29(紅14)
紅後半4
花咲く旅路 原 由子 3分31秒
3コーラス
3分51秒
3コーラス
31(紅15)
紅後半5
色づく街 南 沙織 2分53秒
1コーラス半
2分53秒
1コーラス半
32(白15)
白後半5
愛は勝つ KAN 3分45秒
1コーラス半
4分7秒
1コーラス半
42(白19)
白後半9
ムーン・リバー アンディ・ウィリアムス 3分34秒
2コーラス
2分43秒
2コーラス
59(紅28)
紅後半18
あの鐘を鳴らすのはあなた 和田アキ子 3分48秒
2コーラス+サビ
3分35秒
2コーラス+サビ
60(白28)
白後半18
昴-すばる- 谷村新司 4分35秒
2コーラス半
4分32秒
2コーラス半

 フルコーラスは10ステージ。過去曲が多い中で、「Eyes to me」「愛は勝つ」の存在感が光ります。短い曲だから自然にフルとなる、というケースがやや目立ちました。

 

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