歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第47回・1996年その3)

演奏時間&構成表 3(第47回・1996年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
30(白15)
白後半5
夢一夜南こうせつ3分27秒
2コーラス
4分18秒
2コーラス+サビ
31(紅15)
紅後半5
オリビアを聴きながら杏里3分58秒
2コーラス
4分39秒
2コーラス+サビ
32(白16)
白後半6
浪漫 -ROMAN-憲三郎&
ジョージ山本
3分9秒
1コーラス+ラスト
5分35秒
2コーラス
33(紅16)
紅後半6
笑いじわ瀬川瑛子3分5秒
2コーラス
3分42秒
2コーラス
34(白17)
白後半7
北国夜曲美川憲一2分39秒
2コーラス
4分2秒
3コーラス
35(紅17)
紅後半7
視線森口博子3分8秒
冒頭+1コーラス半
4分27秒
冒頭+2コーラス半
36(白18)
白後半8
いいわけシャ乱Q 3分2秒
冒頭+1コーラス+サビ
4分42秒
冒頭+2コーラス+サビ
37(紅18)
紅後半8
越後情話小林幸子3分20秒
2コーラス
4分45秒
3コーラス
38(企1)男はつらいよ出場歌手全員1分48秒
2コーラス
3分20秒
2コーラス+サビ+台詞2
39(紅19)
紅後半9
この道由紀さおり・
安田祥子

2分57秒
4コーラス
2分35秒
4コーラス
40(白19)
白後半9
北帰行小林 旭2分34秒
3コーラス
2分40秒
3コーラス
41(紅20)
紅後半10
Mother和田アキ子
3分40秒
2コーラス
4分33秒
2コーラス+サビ
42(白20)
白後半10
案山子さだまさし4分30秒
2コーラス半
4分49秒
2コーラス半

各ステージ・補足

 第2部各4組終わったところで、出場歌手による『Shall we ダンス? ショー』を開催。男女ペアの社交ダンスが43秒、「恋のマカレナ」に乗せたダンスが43秒。あっという間に終了しました。なお社交ダンスはこの年映画『Shall we ダンス?』が大ヒットを記録、同年から放送されたバラエティ番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』の恒例企画になっていました。「恋のマカレナ」は1993年発表の曲ですが、この年に世界的ヒットとなっています。

 新曲メインの進行から一呼吸置いて、今度は1978年発表曲対決となります。南こうせつはソロ転向後最大ヒット曲の「夢一夜」。羽田健太郎がピアノ演奏なので、そのアレンジがやや勝る形になっています。フルコーラスでも良いところでしたが、ここでは2コーラスで止める形になりました。

 杏里はデビュー曲「オリビアを聴きながら」、紅白出場は7年ぶりです。3回目の出場ですが、この曲に限らず紅白でバラードを歌うのは初。バンド編成の2コーラス、原曲より少しゆったりのテンポになっています。発表から18年経っていることもあって、全体的に原曲と異なる雰囲気です。歌以外の変更点は特に多め、歌もタメの部分が増えています。間奏はほぼ無しでした。

 憲三郎&ジョージ山本は民放のバラエティ番組発のヒット、この時期辺りからこういったパターンの紅白出場が増え始めました。1コーラスがかなり長いので、構成は1番と最後の繰り返し部分のみ。ただノリさんは完全にサブちゃんそのものといった歌唱で、会場に強い爪痕を残したステージであることは間違いありません。

 憲三郎に対抗ということで?紅組は6年ぶり復帰の瀬川瑛子「笑いじわ」。「命くれない」を歌っていた頃には想像できないポップな曲で、ユニークなダンサーに早替え演出までついています。ヒットという点ではやや疑問符のつく選出でしたが、ステージのインパクトは抜群でした。

 例のごとく衣装対決、この年からこれを見るために歌手陣も舞台袖に集まり始めるようになります。美川憲一が歌う「北国夜曲」は本来ノーマルな旅情演歌ですが、歌以外の部分は勿論のこと歌の部分の編曲も原曲と違う雰囲気に聴こえます。間奏は仕掛けのセッティングのために用意された全く違う内容の演奏、2番では光で照らされるさそり座などが描かれたカーテンを広げる演出でした。なお歌は1番と3番の歌唱です。

 衣装対決の真っ只中に組まれた森口博子「視線」。完全に災難としか言えない曲順でしたが、かなり力を入れた美術セットと早替え含めた衣装の工夫で良いステージを作り上げていました。冒頭~1番に、間奏を含めたCメロ~ラストサビの編成。

 シャ乱Qはこの年も文句なしの大ヒット曲「いいわけ」ですが、衣装対決に参戦という触れ込みでかなりド派手なパフォーマンスになっています。派手というより身を削っているという方が正しい形容で、とにかく紅白史上に残る壮絶なステージでした。歌は冒頭~1番~間奏~ラストサビ。1番直前の叫びはややカットされていました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史

 小林幸子の「越後情話」は、イントロ前の時点でオリジナルの音楽が加えられています。特徴的なイントロ・間奏のメロディーは一応原曲にもある内容ですが、あの衣装なので迫力が桁違いに聴こえます。1番と3番の歌唱。この年は超特大の雪の結晶が間奏で登場、ここ数年ほど奇抜では無かったものの、量産不可能な衣装(というより装置)であることは変わりありません。

 渥美清が逝去したこの年、追悼企画として「男はつらいよ」全員合唱がありました。ラストサビの歌詞を2番サビに組み込む形の2コーラス、五木ひろし石川さゆりなどのソロパートも用意されています。なお生前の渥美さんは紅白歌合戦応援ゲストの常連、1960年代は映画『男はつらいよ』公開前年の第19回(1968年)までほぼ毎年のように出演していました。

 由紀さおり・安田祥子は童謡「この道」をフルコーラス。前半は塚田佳男のピアノ演奏のみ、後半はストリングス追加で半音上げのアレンジでした。

 小林旭の「北帰行」は1961年発表。この曲も非常にシンプルな構成で、童謡みたいな雰囲気です。原曲が2分40秒なので、平成の時代に歌うとすれば当然フルコーラスになります。3番は転調して半音上げ、ラストでかなりタメを入れるアレンジでした。

 和田アキ子はこの年発表の「Mother」、亀渕友香主宰のVOICE OF JAPAN参加のゴスペル風アレンジ。1番Aメロ前半は合唱のみがバック、後半でパイプオルガン追加、それ以外の演奏はサビ以降の参加でした。間奏・アウトロもアカペラのみのアレンジ、構成は2コーラス。2番サビ終盤は1番繰り返しのフレーズに変更されています。

 さだまさしの「案山子」も自身と石川鷹彦のギターのみ、非常にシンプルな編曲のステージでした。例のごとくこの年もフルコーラス、贅沢な内容に仕上がっています。

 

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