歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第47回・1996年その2)

演奏時間&構成表 2(第47回・1996年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
17(企1)ドラえもんのうた出場歌手複数0分54秒
1コーラス
2分57秒
3コーラス
18(白9)
白前半9
抱きしめて前川 清2分28秒
1コーラス+サビ
4分27秒
2コーラス+サビ
19(紅9)
紅前半9
夢日記大月みやこ3分20秒
2コーラス
4分36秒
2コーラス+サビ
20(白10)
白前半10
夜の無言森 進一3分49秒
2コーラス
4分51秒
2コーラス+サビ
21(紅10)
紅前半10
好きになった人 ’96都はるみ3分16秒
3コーラス
3分23秒
3コーラス
22(白11)
白後半1
SHAKESMAP3分35秒
2コーラス
4分19秒
2コーラス半
23(紅11)
紅後半1
Don’t wanna cry安室奈美恵3分27秒
冒頭+1コーラス半
4分38秒
冒頭+2コーラス
24(白12)
白後半2
Another Orion藤井フミヤ 3分3秒
1コーラス+サビ
4分56秒
2コーラス+サビ
25(紅12)
紅後半2
I’m proud華原朋美3分34秒
冒頭+1コーラス+サビ
4分43秒
冒頭+2コーラス
26(白13)
白後半3
田園玉置浩二3分34秒
2コーラス+サビ
3分40秒
2コーラス+サビ
27(紅13)
紅後半3
あなたに逢いたくて
~Missing You~
松田聖子
3分43秒
1コーラス半
5分31秒
2コーラス半
28(白14)
白後半4
浪漫飛行米米CLUB4分1秒
2コーラス半+サビ
4分10秒
2コーラス半+サビ
29(紅14)
紅後半4
Can’t Stop Fallin’ in Loveglobe4分29秒
2コーラス半
5分48秒
2コーラス半

各ステージ・補足

 この時期のテレビ朝日は21時まで『大晦日だよ!ドラえもん』の放送が恒例でしたが、それを待っていたかのように組まれたのが『ドラえもん』のミニコーナー。この年に原作者の藤子・F・不二雄先生が逝去、その追悼の意味を込めての企画でした。桑野信義松田聖子中居正広のかなり無理があるコスプレ、特にスネ夫役の中居さんはその格好のまま宙吊りにされています。「ドラえもんのうた」の歌唱に参加したのは、TOKIOJUDY AND MARYウルフルズなどの若手が中心でした。

 曲紹介でスベリ散らかして動揺する(演技をみせた)前川清ですが、歌は直立不動の安定。「抱きしめて」はバラード調、1コーラスがやや長いため1番の後はすぐにラストサビに飛ぶ構成でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・前川清の軌跡

 大月みやこは渋く「夢日記」を聴かせます。2コーラス半構成の曲ですが、こちらは間奏もしっかり含めた2コーラス歌唱。

 森進一シャ乱Qのメンバー提供の「夜の無言」、バンドスタイルのステージにサビで振付ありという新境地のステージでした。髪にメッシュまで入っています。2コーラス歌唱。ちなみに後にロック界で大活躍する2人の息子は一方が小学生、もう一方はまだ2歳です。

 第1部ラストは都はるみ「好きになった人 ’96」、過去曲のタイトルがアレンジされているケースは紅白史上初めてでした。12年ぶり、正式には28年ぶりの紅白披露になるステージはアレンジを大幅に変えたバンドスタイル。舞台をこれだけ動き回るはるみさんのステージもまた、過去の紅白で見られなかった新境地でした。言うまでもなくフルコーラス、出場歌手全員が控えている舞台袖・観客席ともに大盛り上がりです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・都はるみの軌跡

 この年から5人編成となったSMAP香取慎吾が19歳になったタイミングで堂々の第2部トップバッターを務めます。『SMAP×SMAP』の放送開始はこの年、国民的グループがさらに勢いを増していた頃でした。11月にリリースされて当時大ヒット中であった「SHAKE」を2コーラス。1番と2番の間はラストサビ前に入る長い間奏に変更、ステージの質をさらに上げる結果になっています。

 安室奈美恵は前年にも増して大ヒット、40分ほど前に日本レコード大賞を受賞したばかりの「Don’t wanna cry」を歌唱。バンドスタイルに海外からのダンサーやコーラスも連れた超豪華仕様。楽曲はやや不規則な構成ですが、紅白は冒頭~1コーラスフルと後半転調してからフルの2部構成。アムラーというファッションが流行語になった年ですが、ステージは歌手としての凄さを最大限に見せる素晴らしい熱唱でした。

 藤井フミヤは自身が出演したドラマ主題歌として大ヒットした「Another Orion」を1コーラス+サビ。間奏が原曲より短くなっています。一応3分台のステージですが、もう少し長く聴きたい所でもありました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・藤井フミヤの軌跡

 華原朋美はこの年大ヒットした「I’m proud」、小室哲哉がピアノ演奏で参加しています。編曲はそのピアノと弦楽器がメイン、シングルとは大きくアレンジが変わっています。その内容は大変きらびやかでゴージャス、小室さんの彼女に対する力の入りようが伝わってくる内容でもありました。歌は冒頭+1コーラス+2番サビ以降、ただ2番サビ前半部は後半高くなるメロディーで前半の歌詞を歌う構成。そこだけは普段の歌番組とも異なっていたので、初めて聴いた時に少々の違和感はありました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・華原朋美の軌跡

 玉置浩二はこの年歌にドラマに大活躍、大河ドラマもありましたが「田園」は自身が出演したドラマ『コーチ』の主題歌でした。TOKIOのメンバーと笑顔で楽しく歌うステージ、その姿は1980年代とも近年とも異なる印象ですが、歌の上手さはどの時代でも不変です。最後でかなり派手に歌詞を間違えましたが、ステージは完全フルコーラス。

 松田聖子はこの年デビュー17年目でしたが、「あなたに逢いたくて~Missing You~」は1980年代のどのシングルよりも多くCDを売り上げたミリオンセラーになりました。ここ2年の傾向でいくとフルコーラスあるいはトリも考えられた所でしたが、結果的には紅組後半3番手。歌もフルではなくテレビサイズの1コーラス半となっています。

 米米CLUBは翌年の解散が発表済、この年最初で最後のテレビ出演でした。一旦のラスト紅白として選んだ曲は「浪漫飛行」、結果的には3年連続歌唱になっています。2番が終わってからの間奏時にMCあり、メンバー全員がギリギリまで客席に近づいて石井さんを舞台から落とすハプニングが発生しました。完全フルコーラス、ただ全員のラストの動きを見ても分かる通り演奏は生ではありません。(ステージレビュー→紅白歌合戦・米米CLUBの軌跡

 globeはこの年アルバム歴代売上新記録を更新、「DEPARTURES」か「Can’t Stop Fallin’ in Love」か迷う所でしたが結果的には後者を選曲。冒頭のイントロとラップパート、あとは2番歌唱後の間奏がそれぞれ半分ずつになっています。ただ大きくカットされる部分は無く演奏時間は4分台。最新ヒットJ-POPコーナーを締めるに相応しいステージになりました。

 

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