演奏時間&構成表 3(第51回・2000年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
32(紅15) 紅後半1 |
SEASONS | 浜崎あゆみ | 3分36秒 2コーラス+サビ |
4分21秒 2コーラス+サビ |
33(白15) 白後半1 |
STAY AWAY | L’Arc~en~Ciel | 3分4秒 1コーラス半 |
4分0秒 2コーラス半 |
34(紅16) 紅後半2 |
THANK YOU 4 EVERY DAY EVERY BODY |
鈴木あみ | 2分57秒 2コーラス+ラスト |
5分4秒 2コーラス半 |
35(白16) 白後半2 |
Chicken guys | 野猿 | 3分19秒 冒頭+1コーラス半 |
4分59秒 冒頭+2コーラス半 |
36(紅17) 紅後半3 |
LOVE 2000 | hitomi | 2分54秒 冒頭+2コーラス |
4分26秒 冒頭+3コーラス |
37(白17) 白後半3 |
箱根八里の半次郎 | 氷川きよし | 2分44秒 2コーラス |
4分51秒 3コーラス |
38(企4) | 未来を開こう 21世紀スペクタクル |
SMAP (プレゼンター) |
5分9秒 | |
タイムマシンにおねがい | 鈴木あみ 花*花 モーニング娘。 |
1分1秒 1コーラス |
4分14秒 2コーラス |
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鉄腕アトム | 伍代夏子 藤あや子 SMAP 他 |
0分38秒 1コーラス |
2分29秒 3コーラス |
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夜空ノムコウ | SMAP |
0分53秒 サビ |
4分34秒 冒頭+2コーラス |
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39(紅18) 紅後半4 |
あなたのキスを数えましょう ~You were mine~ |
小柳ゆき | 3分20秒 1コーラス半+サビ |
5分44秒 2コーラス半+サビ |
40(白18) 白後半4 |
東京ホテル | 美川憲一 | 3分22秒 2コーラス |
4分28秒 3コーラス |
41(紅19) 紅後半5 |
あなたに逢いたくて ~Missing You~ |
松田聖子 | 3分32秒 1コーラス半 |
5分31秒 2コーラス半 |
42(白19) 白後半5 |
シクラメンのかほり | 布施 明 | 3分32秒 1コーラス+サビ |
4分34秒 2コーラス |
各ステージ・補足
第2部トップバッターは前年よりも更に大ヒットした浜崎あゆみ。月9ドラマ『天気予報の恋人』主題歌のバラード「SEASONS」を歌います。大きなスカートに大きな帽子は、さながら貴婦人のようでした。専属バンドに生のストリングス隊も加わる豪華さです。歌もイントロ・間奏はいずれもカットされた箇所があったものの、歌詞に関して言えばフルコーラス。2000年を代表するヒット曲に相応しい内容でした。
L’Arc~en~CielはMVにおけるラストのダンス部分が話題になった「STAY AWAY」ですが、ステージはいつにも増してロック色強めの雰囲気です。ロックに馴染みのない人から見ると態度が悪いようにも感じるアクトでしたが、その紅白らしく無い所もまた魅力的。1コーラス歌唱後、間奏カット無しでBメロから始まる3番に移行。最後のCメロで叫ぶように締めて挨拶無く去るアクトでしたが、色々思う所はあったのかもしれません。シングル・アルバムとリリース連発だったこの年までと違い翌年以降は活動を一旦セーブ、紅白の出場も10年後まで待つ形になります。
舌が噛みそうになるタイトルの「THANK YOU 4 EVERY DAY EVERY BODY」ですが、曲自体も鈴木あみの歌唱能力を大きく超えるような内容でした。低音が下がり切らず高音も上がり切らずで大変な状況ですが、そもそものメロディーライン自体無理があるように聴こえます。歌は2コーラスですが1番はサビ前半、2番はAメロ前半という具合に細かくカット。2番サビからそのままラストのCメロに移行。なお事務所との関係がこじれたため翌年以降しばらくは歌手活動どころではなく、紅白だけでなくテレビ歌番組の出演自体数年間があく形になります。
野猿はボーカル4名がこの年読売ジャイアンツを優勝に導いた長嶋茂雄監督、ダンサーは1人を除いてシドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子、1人だけ青い柔道着を身につけた田村亮子(こちらも金メダリスト)に扮しています。いずれもこの年ゲスト審査員、本人を前にしての格好で3人とも大ウケしていました。歌の方も特にノリさんは長嶋監督の口癖”ですね”を要所要所で連発、タカさんはCメロで”代打淡口!”というアドリブあり。構成はおそらく他の歌番組と同じ1コーラス半歌唱ですが、こういったパフォーマンスをしたのは間違いなくこの紅白だけのはずです。
hitomiは小室哲哉プロデュースで1990年代後半もヒットしていましたが、大きく話題になったのは高橋尚子が走る前に聴いていたという「LOVE 2000」でした。歌は冒頭サビ+1番+3番、イントロや間奏など歌以外のカットは多め。バンドのサポートメンバーや管楽器隊もステージに加わる演奏です。
氷川きよしはデビュー1年目から大ヒット、平成の演歌で最初からこれだけヒットしたのは彼だけです。芸名の名付け親であるビートたけしが志村けんを連れて股旅を題材にしたミニコント(約1分30秒)、内容もウケも当時の紅白においては他と比較にならないほど上々でした。歌は1番と3番を2コーラス(間奏・アウトロは短め)、早くも観客席からもコールが入る人気ぶり。長く紅白歌合戦の常連になることを期待させるステージでしたが、実際20年以上の連続出場が現実になっています。
20世紀最後の紅白ということで、21世紀の未来をテーマにした企画コーナーがSMAPメインで進行。紅組歌手3組による「タイムマシンにおねがい」(歌詞は1番Aメロ+サビ1回目)のパフォーマンスから始まりますが、明らかに過去をモチーフにしたステージづくりで演奏中断。そこからSMAPの21世紀はこんな感じという触れ込みでダンスタイム。アトムやウラン、お茶の水博士が登場して「鉄腕アトム」(イントロアレンジあり)、当時開発されたばかりのロボット・ASIMOも登場。フィナーレはなぜか「夜空ノムコウ」(歌い出し+ラストフレーズ)、出場歌手の持ち歌が企画コーナーで披露されるのはこれが初めてです。賑やかで楽しい内容でしたが、よく分からないと言われればよく分からないコーナーでもありました。
この年多かったJ-POP初出場組のラストを切るのは小柳ゆき、直前にゲスト審査員・木村佳乃が楽しみにしているというコメントまで求められる破格の扱いでした。歌はCD・カラオケなどあらゆる指標で大ヒットした「あなたのキスを数えましょう~You were mine~」、圧巻の歌唱を見せつける内容です。もっとも同時期にブレイクした歌唱力の高い女性歌手は非常に多く、ある意味多くのテレビ出演を一手に担う形になった彼女は人気歌手としての寿命を大きく縮めることにもなります。ステージは間奏無しの1コーラス半でサビ繰り返し有り、アウトロのカット多めですが歌唱時間はやはり3分台を記録しました。
美川憲一は例年前置きでハードルを上げますが、この年は不祥事があった関係でやや控えめな曲紹介でした(というよりゲストで登場した浅野温子とのやり取りがメイン)。もっともステージはオリエンタルな雰囲気で前年同様舞台から消えるイリュージョンショー、脱出後はもう何回目になるのか分からない宙吊りスタイルの歌唱でした(龍に乗りながら歌うという演出)。1番と3番の歌唱ですが編曲は例年通り原曲と大きく異なる内容になっています。
多くの名曲がある松田聖子ですが、この年はまだ4年前に歌ったばかりの「あなたに逢いたくて~Missing You~」を歌唱。オープニングSEとして、この年リリースの「20th Party」サビが流れます(計測時間からは除外)。間奏フルの1コーラス半歌唱は4年前の紅白と同様、ただラストはまさかのフェイドアウトで終わる編曲でした。
布施明は「シクラメンのかほり」、紅白での歌唱は3回目ですがギターを弾かずに歌うのは初めてです。全体的にかなり字余り気味に元のメロディーとずらしての歌唱、確かに当時過去曲メインの番組ではこの曲を披露する機会が非常に多い印象でした。ただ歌唱力はやはり抜群、ラストは歌い上げずに18秒も息継ぎのないロングトーンで締めています。構成は過去2回と同様ですが、テンポが遅い分歌唱時間はやや長くなりました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・布施明の軌跡)
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