演奏時間&構成表 3(第31回・1980年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
37(白19) | チャンチキおけさ | 三波春夫 | 2分1秒 3コーラス |
3分11秒 3コーラス |
38(紅19) | 三百六十五歩のマーチ | 水前寺清子 | 2分37秒 2コーラス |
2分57秒 3コーラス |
39(白20) | 味噌汁の詩 | 千 昌夫 | 2分50秒 2コーラス+台詞3 |
3分46秒 2コーラス+台詞3 |
40(紅20) | 波止場通りなみだ町 | 森 昌子 | 2分38秒 2コーラス |
3分58秒 3コーラス |
41(白21) | 夫婦酒 | 村田英雄 | 2分29秒 2コーラス |
4分1秒 3コーラス |
42(紅21) | 酔心 | 青江三奈 | 2分9秒 2コーラス |
3分27秒 3コーラス |
43(白22) | 恋月夜 | 森 進一 | 2分19秒 2コーラス |
4分10秒 3コーラス |
44(紅22) | とまり木 | 小林幸子 | 2分15秒 2コーラス |
3分24秒 3コーラス |
45(白23) | ふたりの夜明け | 五木ひろし | 2分36秒 2コーラス |
3分49秒 3コーラス |
46(紅23) | 雨の慕情 | 八代亜紀 | 2分54秒 2コーラス |
3分32秒 2コーラス半 |
各ステージ・補足
三波春夫が歌う「チャンチキおけさ」は、発表から23年経ってようやくの紅白初披露でした。3コーラスのフルコーラスですが演奏時間はかなり短め、間奏ほぼカットかつ演奏テンポ速めです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・三波春夫の軌跡)
水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」も1968年・1969年の紅白で歌われず、発表から12年でようやくの初歌唱でした。バトントワリングとブラスバンドの演奏でオリジナルのイントロが40秒追加、退場時のアウトロも約15秒追加になっています。歌は1番と3番のフルコーラスでテンポ速め、この時点で既に語尾は上ずり気味の歌唱になっていました。
千昌夫は台詞メインの演歌「味噌汁の詩」を歌唱。ほとんどコミックソングのようにも聴こえる楽曲ですが、歌詞のテーマはおふくろの味。歌パートはフルコーラス、台詞は冒頭と締めが一部カットされていました。(ステージレビュー→紅白名言集解説・67~おふくろの歌・ふるさとの歌~)
森昌子は1番と2番を歌唱。終盤の曲順がいよいよ板につくようになりました。
村田英雄はこの年も間奏で、「この酒は勝利の酒だ!」と柄杓に入った酒(おそらく中身は水)を飲むパフォーマンス。1番と3番の歌唱でした。
青江三奈も酒をテーマにした演歌です。1番と3番を歌唱。
森進一は「新宿・みなと町」と同じ制作陣の「恋月夜」の1番と2番を歌唱。ジャンルとしては演歌のはずですが後ろにいる白組歌手陣はゴーゴーダンスを踊る始末、言うまでもなく演奏テンポは原曲より速めです。
小林幸子は2回目の出場にしてトリ前という大抜擢、「おもいで酒」に続く大ヒットとなった「とまり木」を歌います。1番と3番の歌唱、まだまだ衣装は青いドレス姿でノーマルです。
五木ひろしは「ふたりの夜明け」を2コーラス、1番と3番の歌唱でした。トリということで、アウトロが少し長めの紅白オリジナルになっています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・五木ひろしの軌跡)
2年連続の大トリは八代亜紀「雨の慕情」、この年は日本レコード大賞も受賞する文句無しのヒットでした。サビでは後ろにいる紅組歌手だけでなく白組歌手や観客席も巻き込む大合唱、言うまでもなくこの年は紅組が優勝しています。1番と2番の歌唱、間奏と最後の繰り返しはカットでした。
第31回(1980年)・まとめ
演奏時間ランキング
順位 | 曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 |
1 | 15(白8) | 防人の詩 | さだまさし | 4分23秒 |
2 | 9(白5) | サンタマリアの祈り | 西城秀樹 | 3分3秒 |
3 | 16(紅8) | 恋人よ | 五輪真弓 | 3分1秒 |
4 | 35(白18) | 風雪ながれ旅 | 北島三郎 | 2分59秒 |
5 | 46(紅23) | 雨の慕情 | 八代亜紀 | 2分54秒 |
42 | 23(白12) | 愛よその日まで | 布施 明 | 2分4秒 |
43 | 33(白17) | ほたる草 | 細川たかし | 2分2秒 |
44 | 37(白19) | チャンチキおけさ | 三波春夫 | 2分1秒 |
45 | 22(紅11) | 南風 | 太田裕美 | 2分0秒 |
46 | 3(白2) | 哀愁でいと | 田原俊彦 | 1分46秒 |
この年もさだまさしは4分台のステージ。意外とベテラン勢に短いステージが多い年でした。ただ全体的にステージ時間が長くなっていて、平均は2分31秒。第23回以来、初めて2分30分超えを果たしています。
フルコーラス歌唱(間奏・アウトロ・フェイドアウトは除く)
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
2(紅1) | ROBOT | 榊原郁恵 | 2分27秒 2コーラス半 |
3分22秒 2コーラス半 |
37(白19) | チャンチキおけさ | 三波春夫 | 2分1秒 3コーラス |
3分11秒 3コーラス |
平均演奏時間は長くなりましたが、フルコーラス歌唱は少なくなっています。1970年代前半と比べると3分~4分以上の曲が多くなり、過去曲以外で2分台の曲は「哀愁でいと」のみでした。
テンポアップが目立ったステージ
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
2(紅1) | ROBOT | 榊原郁恵 | 2分27秒 2コーラス半 |
3分22秒 2コーラス半 |
3(白2) | 哀愁でいと | 田原俊彦 | 1分46秒 2コーラス+サビ |
2分46秒 2コーラス+サビ繰返 |
4(紅2) | 青い珊瑚礁 | 松田聖子 | 2分11秒 冒頭+1コーラス+サビ |
3分41秒 冒頭+2コーラス |
6(紅3) | ハートで勝負 | 石野真子 | 2分28秒 冒頭+1コーラス半 |
3分37秒 冒頭+2コーラス |
7(白4) | 贈る言葉 | 海援隊 | 2分36秒 2コーラス |
4分4秒 2コーラス半 |
12(紅6) | 摩天楼 | 岩崎宏美 | 2分21秒 1コーラス半 |
4分9秒 2コーラス半 |
26(紅13) | 夢枕 | 研ナオコ | 2分19秒 2コーラス |
3分35秒 3コーラス |
29(白15) | ポートピア | ゴダイゴ | 2分50秒 2コーラス |
4分42秒 3コーラス |
36(紅18) | 大阪しぐれ | 都はるみ | 2分19秒 2コーラス |
4分2秒 3コーラス |
37(白19) | チャンチキおけさ | 三波春夫 | 2分1秒 3コーラス |
3分11秒 3コーラス |
38(紅19) | 三百六十五歩のマーチ | 水前寺清子 | 2分37秒 2コーラス |
2分57秒 3コーラス |
43(白22) | 恋月夜 | 森 進一 | 2分19秒 2コーラス |
4分10秒 3コーラス |
歴代の紅白では第28回に次いでテンポアップの演奏が多く、特にアイドル中心の前半は凄まじいことになっていました。後半も演歌でテンポが速くなる事案が発生。ただ演出方針がガラリと変わる翌年以降、そういったステージは少なくなります。
バンドスタイルのステージ
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
7(白4) | 贈る言葉 | 海援隊 | 2分36秒 2コーラス |
4分4秒 2コーラス半 |
11(白6) | TOKIO | 沢田研二 | 2分46秒 1コーラス半+サビ |
4分39秒 2コーラス+サビ繰返 |
13(白7) | 大都会 | クリスタルキング | 2分38秒 冒頭+1コーラス+ラスト |
4分54秒 冒頭+2コーラス半+ラスト |
14(紅7) | パープルタウン | 八神純子 | 2分52秒 1コーラス半 |
4分10秒 2コーラス半 |
17(白9) | ダンシング・オールナイト | もんた&ブラザーズ | 2分36秒 2コーラス+サビ |
3分58秒 3コーラス+サビ |
19(白10) | 魅惑・シェイプアップ | 内山田洋と クール・ファイブ |
2分27秒 1コーラス半 |
3分31秒 2コーラス |
29(白15) | ポートピア | ゴダイゴ | 2分50秒 2コーラス |
4分42秒 3コーラス |
1970年代は沢田研二以外決して多くなかったバンドスタイルのステージですが、1980年代以降はソロ歌手でも専属バンドを持ち込むケースが多くなります。本格的に見られるようになるのは翌年以降ですが、とりあえずこの年から新たにデータ化してみました。前年はジュリーとゴダイゴ・サザン・ツイスト・さだまさしの5組だったバンドスタイルはこの年7組に増加。紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(まずは一括データ編の前編)を見ても分かる通り、第31回は昭和期で特にバンド勢のヒット・出場歌手が目立つ年でもありました。
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