紅白歌合戦・八代亜紀の軌跡~ステージ編(1973~1981)~

第24回(1973年)「なみだ恋」

ステージ

作詞:悠木圭子 作曲:鈴木 淳
前歌手:金井克子、菅原洋一
後歌手:ガロ、チェリッシュ
曲紹介:水前寺清子(紅組司会)

 初出場で嬉しい表情を隠せない八代さんに、応援団長・和田アキ子が三軒茶屋町内会の皆さんを案内。魚屋さん・お寿司屋さん・電気屋さんと紹介されます。「八代さんはしょっちゅうお見えになるんですか?素顔見たことあります?」とのっけからかなり失礼な質問を飛ばすアッコさんですが、商店街の人も「しょっちゅう見てます」とナチュラルに。化粧が濃い(実際はそう見えるだけらしいですが)とネタにされるのは、ブレイク当初からであることがよく分かる一幕でした。お祝いの寿司に花束、そこに白い花びらは一つもない様子。ひと通りやり取りを終えた所で、紅組司会・水前寺清子が曲紹介。

 「苦節七年、女ひとり自らの手で掴んだこの晴れの舞台。男性軍の皆さん、意地を捨てて泣いてください。初出場、「なみだ恋」八代亜紀さん!」。

 「世田谷区 三軒茶屋 八代亜紀 応援団」と書かれた赤い幟を持って、商店街の方々が八代さんの初出場を見守ります。1番を歌い終わった後に、花屋と思われる方々が慌てて八代さんに花束を渡す一幕もありました。上京して7年、メジャーデビュー3年目。マイクを持つ右手は震え気味、初出場の感激が全身の表情・動きから伝わるパフォーマンスでした。ギラギラの光り物が目立つ衣装、これに関しては当時から力を入れている様子です。

応援など

 ステージ衣装は光り物が目立っていましたが、歌手席用の衣装は清楚な緑色のドレス。この回は団体の応援が少ない年なので目立った場面は少なめですが、翌年の干支に因んで佐良直美と一緒に虎の子を抱くシーンがありました。

 

第25回(1974年)「愛ひとすじ」

ステージ

作詞:川内康範 作曲:北原じゅん
前歌手:天地真理、内山田洋とクール・ファイブ
後歌手:五木ひろし、ザ・ピーナッツ

曲紹介:佐良直美(紅組司会)

 読売ジャイアンツ・長嶋茂雄が「巨人軍は永遠に不滅です」の言葉を残して引退したのが1974年。そのまま翌年監督に就任しますが、長嶋さんから届いた電報を紹介した後に演奏が始まります。「燃える男・長嶋監督は野球ひとすじ。そして八代さんは「愛ひとすじ」」。やや薄い茶色にファーのような生地が加えられたドレスは、まるでチョコレートケーキのような衣装です。

 「愛ひとすじ」をシンプルに2コーラス、大ヒット曲ですが演奏時間は2分12秒と短めでした。ただ後年3番の歌詞冒頭のフレーズが放送禁止用語化されたため、サブスクどころか後年の全曲集にさえほとんど収録されていません。幸いこのステージは1番と2番の歌唱なので、後年の再放送も特に問題無しでした(サブスクも2コーラスのライブ盤は解禁済)。

応援など

 オープニングは水色のドレスで入場。直前に歌唱賞を受賞した日本レコード大賞に出演していますが、移動にはなんとか間に合っています。

 その後は黄色いドレスにお召し替え。チェリッシュ「恋の風車」では大きな風車を出場歌手がそれぞれ手で持って回す応援演出ですが、偶然にも八代さんが回す風車は衣装と同じ黄色でした。

 この年の中間審査は餅つきのパフォーマンスがありました。八代さんは他の何人かの紅組歌手と一緒に、着物に着替えて客席に餅を配っています。

 着物から本番のステージを経て、終盤~エンディングは辛子色のドレス姿。冒頭がレコ大と同じ可能性もありますが、紅白歌合戦のために5着衣装を用意したという形になっています。

 

第26回(1975年)「ともしび」

ステージ

作詞:悠木圭子 作曲:鈴木 淳
前歌手:梓みちよ、フランク永井
後歌手:春日八郎、いしだあゆみ

曲紹介:佐良直美(紅組司会)

 「命のともしびは消えても、愛のともしびは永遠に消えることはありません。それが女なのです。「ともしび」、八代亜紀さんの熱唱をお聴きください」

 前回歌った時のドレスを真っ白にしたような衣装で登場。非常に悲しい情感溢れる歌詞を歌う、八代さんの歌唱力が最大限に発揮されている名曲です。ただ歌割りは1コーラスとラストパートのみで些か短め、冒頭からいきなりクライマックスに飛ぶような構成になっています。時間が押して2コーラスが1コーラス+αにカットされた可能性もありそうな雰囲気でした。演奏開始の前置き無し、ちょっと慌ただしい状態でのステージでもあります。

応援など

 オープニングの衣装は藤色。ちょうど総合司会・相川浩アナがマイクの前で進行している後ろに映っています。

 その後は赤いジャージ姿で登場。ダウン・タウン・ブギウギ・バンドで初出場した宇崎竜童の奥様・阿木耀子登場サプライズのお手伝い。一緒の出番は梓みちよ伊東ゆかりちあきなおみという大先輩だらけ、3回目の出場にしてもう重鎮に近い扱いとなっています。

 前回紅白初登場のラインダンスはこの年から人数倍増、八代さんも参加となります。「八代亜紀さんはこのダンスの練習をして、足が痛くなってしまいました。難しいもんですねぇ~と言っておりました」と、テレビ実況でコメントが紹介されていました。その僅か6分後に森山良子「歌ってよ夕陽の歌を」の応援で再登場、照明で色が分かりづらいですがしっかり衣装も替えています。

 

第27回(1976年)「もう一度逢いたい」

ステージ

作詞:山口洋子 作曲:野崎真一
前歌手:フランク永井、(中間審査)、森 進一
後歌手:加山雄三、二葉百合子

曲紹介:佐良直美(紅組司会)

 「終盤戦、紅組女性軍が自信を持ってお送りします。心の底から女の悲しさを歌い上げる八代演歌を、今年もまた大晦日の宵、あなたに捧げます。「もう一度逢いたい」、八代亜紀さんです」。

 24組が4ブロックに分かれているのが当時の紅白の流れですが、この年の八代さんは紅組最終ブロックトップバッターでした。肩の出るピンクのドレス。日本レコード大賞最優秀歌唱賞ですが、テンポはイントロから明らかに原曲より速めです。

 ラインダンスで出払っているため、紅組歌手席は空席だらけの寂しい状況。そんな中でラインダンス不参加の都はるみ水前寺清子和田アキ子がすぐ後ろに立って一緒に応援。八代さんも間奏時に後ろを向いて応えています。終盤には早々に着替えを終えたいしだあゆみも合流しました。

 2コーラスあるいはそれに満たない短めのステージが続いていましたが、この年は堂々の3コーラス。紅白歌唱曲以外もヒット曲連発、いよいよ紅組の顔になってきたと思わせるには十二分の名ステージでした。演歌の要と言われるコブシも回りに回り、”小気味良さ”という一言では到底足りない内容です。

応援など

 都はるみが大賞、八代さんが最優秀歌唱賞を受賞したこの年の日本レコード大賞。入場行進に合流していないことを見越してでしょうか、この年オープニングは紅組あいうえお順の遅い方は全く映らずでした。最初に映ったのは歌手席応援、青い衣装です。

 佐良直美の曲紹介ではジーンズファッションショーが展開。「コットンの素材はツギハギのロングスカート、ウエスタンシャツ。胸にポイントの梅の刺繍をあしらってみました。後ろにもあるそうです」とこの年の紅組応援団長・仁科明子に読み上げられています。この衣装は早々に撤収、10分後には肩が出ているチャイナ風のドレスに着替えていました。

 この年も応援合戦など段取り多めですが、出番はアイドル系の若手と比べると多くはありません。ラインダンスも自身のステージ直前に組まれたため、不参加でした。

 エンディングは着物姿で参加。大トリの都はるみが歌い終わった後に、笑顔で拍手しているのが印象的でした。

 

第28回(1977年)「おんな港町」

ステージ

作詞:二条冬詩夫 作曲:伊藤雪彦
前歌手:都はるみ、森 進一
後歌手:五木ひろし、(エンディング)

曲紹介:佐良直美(紅組司会)

 「昭和52年紅白歌合戦、紅組の最後を飾るのは八代亜紀さんです。皆さま温かい拍手でお迎えくださいませ。八代亜紀さん、先ほど日本レコード大賞・最優秀歌唱賞の栄誉に輝きました」。

 「今年ともあと26, 7分でお別れでございます。新しい年、昭和53年が明るく楽しい年であることを心から祈って、軽快なテンポのある曲を選びました。八代亜紀さん、嬉しい歌い納めです。「おんな港町」」

 中央奥の花道から笑顔で手を広げながら颯爽と登場、左肩が出るマントつきの黒いドレスです。マイクが渡されますが当時はワイヤレスではなくロープ付き、誰かがうっかりコードを踏んでいたようで危うく本来の立ち位置に移動できないというハプニングが発生しました。これは後年の番組で森昌子が自白、本人すぐ気づいてコードを足から離し、歌い始めてすぐ本来の位置に移動しました。ピアスや指輪、手首だけでなくヘアバンドも光り物あり、詳しくは分かりませんが八代さんの紅白ステージは衣装だけでなく装飾品に相当な予算をかけていたとも言われています。2コーラス、速めのテンポで演奏時間2分21秒。演歌の女王と呼ばれていますが、歌詞を除くと演歌よりアップテンポのポップスに近い雰囲気のステージでした。

 この年は「おんな港町」「愛の終着駅」が同じくらいの大ヒット、選曲には相当迷ったものと思われます。結果紅白がトリで「おんな港町」、レコ大が「愛の終着駅」で最優秀歌唱賞。後者は15年後にあらためて紅白初歌唱となりました。

応援など

 この年のオープニングは前回と逆にあいうえお降順に中心から端にという立ち位置ですが、八代さんの姿はありません。2年連続日本レコード大賞最優秀歌唱賞、一番最初の移動に間に合ってないことを証明しています。これは大賞を受賞した沢田研二も同様です。トップバッターの桜田淳子が歌う21時10分頃には既に合流、歌手席最前列で応援する水色のドレス姿が映っています。

 紅組4組目、21時30分頃には西川峰子の応援に参加。赤い革ジャンとジーンズ姿で、南沙織石川さゆり他と一緒に踊ります。

 中盤のラインダンスは不参加でした。代わりに2組後、由紀さおりのステージで「紅組勝利決定 う、ふ、ふ。」と書かれて大きな布を広げる役目を任されます。一緒に出演したのはちあきなおみ青江三奈山口百恵でした。

 

第29回(1978年)「故郷へ…」

ステージ

作詞:池田充男 作曲:野崎真一
前歌手:青江三奈、春日八郎
後歌手:五木ひろし、(中間審査)、小柳ルミ子
曲紹介:森 光子(紅組司会)

 演歌不振と言われた当時としては異例の年、トリも山口百恵沢田研二とポップスからの抜擢。とは言え演歌一番手であることは変わらず、前年ともにトリだった五木ひろしとの対決が3ブロック目ラストに組まれます。これは前年でいうと小柳ルミ子「星の砂」・沢田研二「勝手にしやがれ」にあたる大ヒット曲対決です。演歌不振の影響はレコ大にも出ていて、10曲ある大賞候補で演歌から選ばれたのはこの「故郷へ…」だけでした。

 「夜の都会の片隅に、そっと生きてる女の夢は、笑顔で故郷(くに)へ帰ること。(ここで演奏開始)たったひとりで紅白をご覧になっている貴方に捧げます。「故郷へ…」、泣かせる演歌なら八代亜紀さんです」

 ムードたっぷりの曲紹介が、イントロの演奏とも非常に合っています。右肩を露出したドレスはマントありスパンコールあり、色合いこそ地味ですが当時の観点から見てもかなり派手な部類でしょうか。2コーラス、八代節が冴え渡る熱唱です。なお前回のハプニングを受けてでしょうか、このステージではコードが床まで伸びない準ワイヤレスのマイクを採用していました。

 この年はいくつかのステージで間奏に中継が挿入、あなたの”ふるさと”として紹介されたのは尾道。時刻は午後10時56分、海沿いを列車が走る映像でした。

応援など

 この年の紅白前半は歌手席を見渡しても映っている場面は少なめ。ようやく確認できたのは22時を過ぎてから、佐良直美「愛の消しゴム」のステージにおけるコーラス参加でした。和田アキ子「コーラス・ガール」にも同様に参加。それぞれ水色・金色のドレス姿です。

 一部ステージでは曲紹介の時に、前の曲順の歌手が対戦カードのプラカードを持つという演出が採用されています。中間審査を挟んで、次に歌う小柳ルミ子の曲紹介にもステージ衣装のまま登場。なお自身のステージでは青江三奈がプラカードを持っていました。なおエンディングはファー付きの別の衣装に着替えています。

 

第30回(1979年)「舟唄」

ステージ

作詞:阿久 悠 作曲:浜 圭介
前歌手:都はるみ、五木ひろし
後歌手:(エンディング)
曲紹介:水前寺清子(紅組司会)

 八代さんの代表曲として知られる「舟唄」。この曲は八代さん個人というより、演歌というジャンルそのものの代表曲として認知されている不朽の名作と言って良いと思います。

 「さあ、残るはただ1人になりました。白組五木演歌に対抗してこちら紅組は八代演歌をじっくりと聴いて頂きます。曲はもちろん「舟唄」。八代亜紀さん、どうぞ!」

 黒いドレス姿でゆっくりと登場。左手にロングスカートの裾を持ち、右手にはハンドマイク。冒頭カメラワークは2年前のトリとほぼ同じ、ゆっくりと中央前方の立ち位置に移動します。もちろん両サイドには、紅組白組の歌手全員が整列して出迎えます。客席から声援も多数。

 ”沖の鴎に~”で始まるダンチョネ節では、八代さんのアップと引きの舞台全景両方が映るカメラワーク。歌の間に一度紅組歌手側を振り向き、間奏でも同様に会釈。この動きに、往年の紅白歌合戦らしさを感じるのは私だけでないはずです。しみじみと歌い終わり、ささやかなエンディングアレンジとともにステージも終了。歌い切った後の笑顔に、八代さんらしさが溢れています。

 この映像は2年後、高倉健が主演した映画『駅 STATION』のラストで採用されました。むろん紅白の映像が映画で流用されるのは大変異例のことです。またこの年の紅白歌合戦は2回の中間審査ともに白組優勢・出場歌手の顔ぶれも白の方が豪華に見えましたが、最後の最後で紅組が僅差で優勝となります。紅組司会・水前寺清子のリーダーシップが後世にまで多くの出場歌手に語られていますが、大トリで歌う「舟唄」の力も大きかったのではないかと思われます。

応援など

 この年は久々にオープニングからしっかり参加。ステージ衣装でないにも関わらず、白いドレスにはスパンコールが入っています。総合司会の中江陽三アナが進行する後ろで、山口百恵森昌子に話しかける様子が映っていました。

 前半は安来節の応援に参加。太田裕美青江三奈島倉千代子渡辺真知子石川さゆりと一緒に、女踊りを披露しています。その後は佐良直美が歌う「世界は二人のために」のステージにコーラスで参加。ここではスカートが光り物になっていて、暗転の中で美空ひばりが歌った際にも後ろで目立っていました。

 

第31回(1980年)「雨の慕情」

ステージ

作詞:阿久 悠 作曲:浜 圭介
前歌手:小林幸子、五木ひろし
後歌手:エンディング
曲紹介:黒柳徹子(紅組司会)

 「舟唄」「雨の慕情」と、同じ1980年に発表された「港町絶唱」は、合わせて「哀憐三部作」と言われています。八代さんだけでなく、作詞の阿久悠に作曲の浜圭介さらにプロデューサーの小西良太郎に至るまで、業績を語る上で欠かせない作品となりました。

 「今年のレコード大賞、おめでとうございました八代亜紀さんです。歌手になって成功するまで決して故郷には帰るまいと、一番景色の美しいと思う瀬戸内海を船で神戸へ、そうして東京まで鈍行で。その時まで目の輝きはちっとも変わっていません。八代亜紀さん、「雨の慕情」です」

 花道の階段上に合唱団、さらに出場歌手全員が出迎える演出です。翌年以降ステージ演出が舞台一面を使う形になったので、こういった形で演奏が始まるトリはこの「雨の慕情」が最後になりました。松田聖子がマイクを渡し都はるみがエスコート、この年初出場の聖子さんは奇しくも35年後に八代さんに次ぐ紅組3人目の2年連続大トリ歌手となります。

 真っ白なドレスには無数の花飾り、髪や耳にも多くあしらわれています。「八代さんのこの衣装は花畑のイメージ、2万5000個の花を3日がかりで作りましてつけました」と間奏でテレビ解説がありました。Bメロで合唱が盛り上げ、サビでは紅組歌手・客席どころか白組歌手も加わって”雨雨ふれふれ”の大合唱。この時代の紅白歌合戦、客席を巻き込んでのステージは極めて異例のことでした。特に演歌ではほとんど唯一と言って良い事例ではないかと思われます。

 可能ならばもう1回サビが欲しいところでしたが、見事な大団円。言うまでもなくこの年も、紅組が2年連続優勝という結果になっています。

応援など

 晴れて日本レコード大賞受賞の八代さん、当然ながら入場行進には間に合っていません。紅組トップバッター・榊原郁恵「ROBOT」のステージで歌手席で応援している姿が確認できます。

 この年は宝くじ抽選会のルーレットで先攻後攻が決定する演出、トリか大トリかは番組開始時点でも決まっていませんでした。徹子さんが矢を放つスイッチ、白組司会・山川静夫アナが風車を止めるスイッチをそれぞれ押した結果白組先攻が決定。この瞬間、美空ひばり以来史上2人目の2年連続大トリが確定する形となりました。

 団体参加の応援が目立つこの年の紅白歌合戦、まずは紅組歌手12人による松づくしに参加。歯で団扇を咥えるショットが、はっきりとアップで映っています。

 後半はラインダンスよりも露出が少ないフレンチカンカンに参加。水前寺清子都はるみ青江三奈といったベテランも一緒ですが、振付は明らかにラインダンスより段取り多めかつ激しめ。八代さんも笑顔ではありますが、最後の動きは僅かにバテが出ている様子でした。なおその後復帰した歌手席応援は緑のイブニングドレス姿。普通の歌手なら文句無しにステージ衣装で使うような派手さです。

 

第32回(1981年)「うしろ影」

ステージ

作詞:山口洋子 作曲:北原じゅん
前歌手:都はるみ、森 進一
後歌手:五木ひろし、森 昌子
曲紹介:黒柳徹子(紅組司会)

 この年のトリ前は4組連続、都はるみ森進一五木ひろしと一緒にまずは登場。「あっきちゃん!」「ミヤコ!ミヤコ!」と、男性ファンが対抗するように声援を贈っています。少し肩を下げる八代さんが、かわいいリアクションを見せていました。

 本番は都さん、森さんが歌った後に「うしろ影」。「車いすの16歳の少女が、足でタイプを打って詞を送ってくれました。愛されてみたい、その詞をレコードにして少女に贈りました。トラックの運転手さんやその他たくさんの人から愛されている八代さんにはそういう一面も。「うしろ影」、お願いします」。この「愛されてみたい」は1977年に発売されたレコードです。

 八代節が冴え渡る演歌らしい演歌ですが、1970年代の一連のヒット曲と比べるとやや地味な曲でもあります。衣装も肩を出した黒いドレスでマント地無し、こちらも例年と比べてやや抑えめという印象もありました。

応援など

 オープニングは八代さん含む全員が赤ブレザーで登場。ただほぼ全員が下に白シャツを着てる中、八代さんは最初から金色のドレスを身につけている様子でした。ただ3分しかない紅組歌手全員の着替えでは赤ブレザーを脱ぐだけでなく、しっかりピンクのドレスに着替えています。

 中盤では紅組・白組歌手によるデュエットショーが組まれます。八代さんはこの年初出場・バリバリのアイドル近藤真彦とデュエット、ハイテンションに「いつでも夢を」を歌ってマッチを翻弄していました。一方後半の日本物ショーコーナーでは芸姑姿で「深川」を歌唱、和物歌謡ならではの節回しを存分に披露しています。「今年も紅組大勝利!」と、水前寺清子島倉千代子都はるみとともに口上も担当、9年連続出場はもう紅組で6番目に長いキャリアとなっています。

 

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