歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第45回・1994年その3)

演奏時間&構成表 3(第45回・1994年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
30(白12)
白後半5
夢酔い人細川たかし3分8秒
2コーラス
4分12秒
2コーラス半
31(紅12)
紅後半5
夜桜お七坂本冬美3分22秒
1コーラス+サビ
5分23秒
2コーラス
32(白13)
白後半6
途中下車山川 豊2分27秒
2コーラス
4分35秒
3コーラス
33(紅13)
紅後半6
恋慕川香西かおり
3分0秒
2コーラス
4分46秒
3コーラス
34(白14)
白後半7
HELLO沢田研二3分35秒
1コーラス半
6分11秒
2コーラス半
35(紅14)
紅後半7
花のワルツ藤あや子
2分55秒
2コーラス
4分14秒
3コーラス
36(白15)
白後半8
Rusty NailX JAPAN3分25秒
2コーラス+Cメロ
5分25秒
3コーラス+Cメロ
37(紅15)
紅後半8
Blue Rose工藤静香3分8秒
2コーラス半
4分41秒
3コーラス半
38(白16)
白後半9
恋するお店前川 清3分9秒
2コーラス
4分21秒
2コーラス半
39(紅16)
紅後半9
花のように鳥のようにケー・ウンスク
2分58秒
2コーラス+サビ
4分52秒
3コーラス+サビ
40(白17)
白後半10
おだまり美川憲一2分44秒
2コーラス
4分0秒
3コーラス+サビ
41(紅17)
紅後半10
雨の屋台酒小林幸子
2分54秒
2コーラス
4分14秒
3コーラス

各ステージ・補足

 細川たかしの「夢酔い人」は、白組歌手総出で小芝居などを演じるステージ。9年前の近藤真彦「ヨイショッ!」以来の全員集合ぶりで、ハシゴ芸もその時以来でした。明るい歌を2コーラス、観客席の皆さんにも両手を一緒に動かしてもらっています。

 坂本冬美の代表曲「夜桜お七」は、この年に発表されたヒット曲でした。個人的には紅白で初めて聴いたという記憶ですが、1回聴いただけでも耳に残るメロディーはやはり自然と後世に残る曲になるものです。ステップを踏みながら歌う姿は、確かにこれまでの演歌とは異なる新境地でした。構成は基本的にどの紅白でも同じ(ティッシュが入る歌詞→ラストサビに飛ぶ)ですが、初歌唱の年はアウトロのカット具合が大きめです。

 山川豊吉幾三が提供した聴かせる演歌「途中下車」を2コーラス、1番と3番を歌います。応援など特別な演出は何もない、ひたすら聴かせるステージでした。

 香西かおりは「恋慕川」と書いて”しのびがわ”と読む曲を2コーラス。「無言坂」ほどではありませんが、この曲もヒットしました。こちらも1番と3番の歌唱。聴かせる恋の演歌ですが、民謡出身であることを隠せない歌いっぷりがとても良いです。

 5年ぶりの紅白復活、沢田研二はこの年発表したばかりの「HELLO」をダイナミックに歌唱。バンドを引き連れての紅白はこの人が元祖、もちろんこのステージも生演奏でした。1コーラス半構成ですが、後半は1番の繰り返しではなく2番の歌詞でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・沢田研二の軌跡

 藤あや子はこの時期女性演歌トップクラスのCD売上、登場時の拍手も非常に大きいです。三拍子のリズムが心地良い「花のワルツ」の1番と3番を歌唱、ただ後ろのダンサーは高級なパーティーのようでした。

 X JAPANはこの年、東京ドームで開催されたワンマンライブ『白い夜』を終えてからの出演です。「Rusty Nail」はこの年の大ヒット曲なので、わざわざNHKホールに来て歌ってくれるだけでも非常にありがたい話ですが、こういう状況なのでサビはリップシンクのパフォーマンスでした。歌はCメロも含めた2コーラス。ライブの後に紅白というのはやはり色々と厳しいようで、翌年からの2年間は紅白に関して言うとお休みになります。

 工藤静香の「Blue Rose」は、歌だけでなくセクシーなへそ出し衣装に激しいダンスとありとあらゆる角度から魅せるステージでした。イントロは最初の静寂カット、ラストサビも前半の繰り返しカットですが、最大の見せ場である間奏~Cメロ~コーラスのセリフパートはノーカット。紅白だけでなく、彼女のテレビパフォーマンス史上でもベストアクトと言って良いかもしれません。

 前川清は相変わらずの直立不動、「恋するお店」を2コーラス。マイクを口から離す距離も長めです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・前川清の軌跡

 ケー・ウンスクは「花のように鳥のように」を歌唱。1番と3番、最後のサビ繰り返しも歌います。ラストは合唱演出もあって、原曲よりかなり盛り上がるアレンジでした。なおこの曲は現在でも作詞家として紅白歌唱曲1位を誇る阿久悠の提供曲ですが、新曲として披露されたのはこの曲が最後でした。

 ついに衣装が対決形式になったこの年の紅白歌合戦、2人が登場する前の司会者トークでわざわざ『ジョーズ』の音楽を流して雰囲気を高めます。先攻の美川憲一はキラキラした貴金属多数のド派手な衣装、バックに描かれた絵と不可思議なダンサーが異世界感を誘います。よりにもよって本人の持ちゼリフである「おだまり」をタイトルにするのが、余計にインパクトを放っています。1番と2番の歌唱後、最後は宙吊りになって「幸子、おだまり!」と捨て台詞。原曲はもう少しコミカルな雰囲気ですが、このステージではイントロ・間奏・アウトロ全面差し替えでした。

 なぜか叫び声やゴジラの鳴き声が入るSE、全く原曲の雰囲気の無いBGMが流れる中で登場した小林幸子は無数の青い球体ピラミッドの上で歌唱。1番が終わると、その球体がグルグル回ってドライアイスを噴出。あまりにもすごい仕掛けに開いた口が塞がらないどころか、東北地方ではこの対決中に地震まで起きる始末(速報テロップあり、3日前に起きた三陸はるか沖地震の余震)。タイトルは「雨の屋台酒」、原曲は大変ノーマルな演歌ですが紅白のステージはテンポも速め。1番と2番の歌唱ですが歌以外の演奏は完全差し替え、もはや別の曲と化している状況でした。

 

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