第66回(2015年)NHK紅白歌合戦~その3~

・特別企画「アニメ紅白」

 黒柳徹子の開会宣言のもと始まったアニメ紅白。前回は司会者コーナーの後ろでしたが、今回はメインステージのセットに映像が用意されています。両軍司会として登場したのは紅組がまる子(ちびまる子ちゃん)、白組がウィスパー(妖怪ウォッチ)。まる子にもイノッチにもジバニャンが良かったと言われるウィスパーは、不憫ですがなかなか美味しい役割です。

「ムーンライト伝説」(1993/DALI/小田佳奈子/小諸鉄矢/22年ぶり2度目)

 「白組に向かってお仕置きよ!」というセーラームーンの台詞とともにコスプレ姿で歌うのは渡辺麻友(セーラームーン/月野うさぎ)島崎遥香(セーラーヴィーナス/愛野美奈子)宮脇咲良(セーラージュピター/木野まこと)入山杏奈(セーラーマーズ/火野レイ)兒玉遥(セーラーマーキュリー/水野亜美)。いずれもAKB48のメンバーです(宮脇と兒玉はHKT48も兼任)。まゆゆは相当なアニヲタなので、この企画は相当役得だったのではないでしょうか。前回妖怪ウォッチで大活躍したラッキィ池田が振付担当。(50秒)

「めざせポケモンマスター」(1997/松本梨香/戸田昭吾/たなかひろかず/初)

 「いくぞ、ピカチュウ!白組勝利をゲットだぜ!」というサトシの台詞、「元気でチュウ!」というピカチュウの鳴き声とともに登場して歌うのは郷ひろみゴールデンボンバー。コスプレは鬼龍院翔→サトシ歌広場淳→ムサシ喜屋武豊→ナッシー。ピカチュウとともに登場したキャラクターはアチャモハリマロンポッチャマ。数多いるポケモンキャラクターですが、個人的にピカチュウ以外人気度がサッパリ分からないので、このモンスター選が妥当なのかどうかは不明。ちなみにピカチュウの紅白出演は第50回以来16年ぶりでした。(33秒)

 歌の合間にアニメキャラクターが立て続けに登場。「巨人の星」からは星飛雄馬「俺は今、猛烈に感動している!」何に感動しているのかと言うと「AKBのコスプレに猛烈に感動している!」思わず「そっちかーい!」とウィスパーとイノッチがツッコミ。「プリキュア」シリーズからはノーマルに紅組応援。こちらは「ハートキャッチプリキュア!」期の第61回以来5年ぶりの登場。
 「タイムボカン」からはドロンジョ、ボヤッキー、トンズラーが紅組応援。そこに「北斗の拳」ケンシロウ「紅組はもう負けている」という台詞とともに”北斗紅白百烈拳”を炸裂。ここは当然ながらケンシロウ勝利、まる子ガッカリ。
 「ゲゲゲの鬼太郎」からは鬼太郎が登場。目玉おやじ「妖怪代表として頑張るんだぞ!」とウィスパーにエールを贈ります。このやりとりを1分15秒で一気に処理。濃すぎます。

「翔べ!ガンダム」(1979/池田 鴻/井荻 麟/渡辺岳夫/初)

 「アムロ、白組いきまーす!」というアムロ・レイの掛け声とともにTOKIOが5人でサビを歌唱。歌い終わりに「ゲルググ!」「ズゴック!」とガンダム用語連呼で爪あとを残します。次に歌う出演者が少し首を傾げている姿を、引きの映像で確認できました。(25秒)

「残酷な天使のテーゼ」(1995/高橋洋子/及川眠子/佐藤英敏/初)

 「アニメ紅白、紅組、リフトオフ!」という葛城ミサトの掛け声とともに歌うは石川さゆりmiwa。親子のような2人です。両者とも黒を基調とした衣装ですが、さゆりさんのドレスが露出度高く身につけたファーもかなり高価そうに見えます。ただ2人一緒に歌う声は9割をmiwaで占めていた印象でした。(26秒)

「おどるポンポコリン」(1990/B.B.クィーンズ/さくらももこ/織田哲郎/25年ぶり2回目)

 E-girls大原櫻子のステージ。E-girlsは前年シングルでこの曲をカバー、大原櫻子は映画オープニングでこの曲を歌っています。センターに櫻子ちゃんを置くことでバランスを取る形。E-girlsのカバーはアレンジが軽すぎて個人的にあまりお薦め出来ない内容ですが、歌声は安定してます。一方大原さんはこちらでも、やや緊張が表に出ている歌声に聴こえました。(48秒)

「ゲラゲラポーのうた」(2014/キング・クリームソーダ/motsu/菊谷知樹/2年連続2回目)

 2年連続でキング・クリームソーダの面々がゲスト歌手として登場。マイコはまだしもゲラッパーは代替が効かないですからね。前回は赤でしたが、今回は金色の衣装で決めてきました。『妖怪ウォッチ』からはジバニャンフユニャンコマさんも2年連続出演、一方コマじろうUSAピョンは初紅白になるでしょうか。本来の主人公・天野ケータは映像のみで、やはり若干報われていないご様子。そして出場歌手も大集合。各々のステージで歌ってたメンバーの他にV6松田聖子Perfumeも加わります。ゲラゲラポーの振付はステージ上の面々だけでなく客席も一緒に。羽生くんや堺雅人もノリノリでやっております。さりげなく『忍たま乱太郎』の3人(猪名寺乱太郎・摂津のきり丸・福富しんべヱ)、そして鉄腕アトムも加わりました。もっともアトムの正体は樽美酒研二のようですが。(1分7秒)

「鉄腕アトム」(1963/上高田少年合唱団/谷川俊太郎/高井達雄/15年ぶり4回目)

「今の日本のお子さんたちみんな、今のアニメはアトムの子です!」という黒柳徹子の紹介のもと、V6を中心に全員合唱で締めました。綾瀬さんが樽美酒さんのアトムにバカウケしてます。郷さんのステージと時と同様に、思いっきりマイクに笑い声が入っています。(53秒)

 実に慌ただしくてゴチャゴチャしたコーナーでしたが、それを見越したのかラストはまる子・ウィスパーの挨拶の後にバカボンのパパがスクリーンに登場して「これでいいのだ」という一言で終了。そういえば赤塚不二夫周辺も『天才バカボン』が映画化されたり『おそ松くん』が『おそ松さん』としてリメイクされたりで、話題が多かった一年でした。それにしてもこれだけの量を約7分で詰め込むというのは、スタッフの腕としては凄いですが出来上がった作品としてはどうなのでしょう。ちょっと時間あたりの情報量が多すぎて、個人的には少し疲れてしまいました。

 

(ウラトーク)
 セーラームーンは久保田アナがちょうど世代で見ていたとともに、薄い紙を買ってイラストを写すのをマネしたと話します。ポケモンでは日村さんいじり。「日村さんもはじめポケモンだった」「去年はドブニャンという妖怪だったんですよ」と設楽さんが話してます。
 星飛雄馬のセリフにはさすがに「何言わせてるんだよ飛雄馬さんに」というツッコミが入ります。目の前のアニメーションを見てゆるく楽しんでいます。
 ガンダムはバナナマンがドハマリ世代、と話すところでなんとT.M.Revolutionの西川貴教が歌いながら登場。「行くところがあったんじゃないですか?」「ジムだけ行ってました」
 「初めてですよ、紅白でアテンドついたのは」「初めからいたかったのに、まだ出るなまだ出るなって。♪タッタタラリラ(大声)」「僕らの前の席だけみんなヘッドフォンなんですよ、僕対策なんじゃないかな、と」「(何かを指して)あれなんの妖怪なんだろ…」来て早々やりたい放題言いたい放題、テンションすごく高いです。その一方で、1つのステージに他局のキャラクターが一同に会するのは画期的ともあらためて話していました。「これゴッドタンで出てもいいってことですね?」「ダメですダメです」そのまま冗談半分でマジ歌選手権に来てくださいと出演交渉するバナナマンでした。

 

(解説)
・妖怪ウォッチは前年に大ヒットした作品ですが、この年12月19日に第2弾映画『妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』が公開されます。一方ちびまる子ちゃんも、12月23日に23年ぶりの映画版、『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』が公開されました。アニメ紅白でこの2作がメインになったのは、こういった事情が関係してのことだと推測します。

・「ムーンライト伝説」は第44回(1993年)以来22年ぶりに紅白歌合戦で歌われました。『美少女戦士セーラームーン』シリーズは1992年~1997年まで放送、2014年~2016年にも『美少女戦士セーラームーンCrystal』が放送されています。AKB48の5人が担当していましたが、おそらくこの年落選がなければ主題歌を担当したももいろクローバーZの出番だったのではないかと思われます。なお22年前の紅白でセーラームーン姿を披露したのは森口博子西田ひかる坂本冬美でした。

・ポケットモンスターは1996年発売のゲームソフトが一番最初で、1997年アニメ化で一気に国民的キャラクターになりました。「めざせポケモンマスター」は超ロングセラーを記録、CDシングル売上も100万枚を突破しています。第50回(1999年)の応援以来16年ぶりの紅白、その際に登場したのはピカチュウエレキングヒトカゲでした。

・『巨人の星』は「ゆけゆけ飛雄馬」が第43回(1992年)で鳥羽一郎山川豊兄弟が歌唱。第53回(2002年)の企画でもちょっとだけ映像で触れられています。プリキュアシリーズと『ゲゲゲの鬼太郎』は第61回(2010年)以来5年ぶり(本編レビュー参照)。『タイムボカン』『北斗の拳』は紅白初登場。ちなみに紅白の一コーナーで使う映像のためにわざわざアテレコをするのは今回が初です。

・ガンダムシリーズは名作アニメであるとともにヒット曲の宝庫ですが、紅白歌合戦で触れられた機会はこれまで全くありません。これ以前に主題歌が紅白で歌われたのも、『機動戦士ガンダムF91』の森口博子「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」があるのみです。

・エヴァンゲリオンも同様で、アニメも楽曲も紅白歌合戦で触れられるのはこれが初めてです。ちなみにこの年1997年公開の劇場版がブルーレイで発売開始されますが、新作についてはちょうど8年近く空いた新劇場版の間の空白期間でした。

・『ちびまる子ちゃん』が紅白で触れられるのは初めてですが、「おどるポンポコリン」はB.B.クィーンズの歌唱でしっかり歌われています。第41回(1990年)以来紅白では25年ぶりの披露でした。2010年代以降アニメのOPでカバーされることが多くなり、E-girlsの他にゴールデンボンバーももいろクローバーZもカバーしています。

・「ゲラゲラポーのうた」は2年連続の歌唱です。出場歌手とは違う企画で2年連続出演・歌唱されるのは史上初の出来事でした。

・「鉄腕アトム」は第40回(1989年)・第43回(1992年)・第51回(2000年)でも歌われています。第40回は手塚治虫追悼で歴代作品を合唱団の歌とパネルで表現、第43回はテレビ40年をテーマにした企画の締め、第51回は未来をテーマにした企画でSMAPとともにメインキャラクターとして登場しました。

・バカボンのパパが登場したのも紅白ではこれが初めてです。この年赤塚不二夫生誕80周年を記念して映画『天下バカヴォン~蘇るフランダースの犬~』が公開、また同年10月から放送された『おそ松さん』がアニメファン中心に大反響となり、現在まで新作が作られる長期ヒット作品になっています。

・前年大反響を呼んだ西川貴教のウラトークですが、この回ついにウラトークのみのゲストで登場する形になりました。第63回(2012年)のクリス松村やミッツ・マングローブの例もありますが、出場歌手経験のある歌手に関して言うとこれが史上初であり唯一のケースです。

μ’s(初出場/第66回/2010/15~17(24~31)) 「それは僕たちの奇跡」(2014/畑 亜貴/黒須克彦/初)

 というわけで、アニメコーナーからそのまま繋がる形でこのステージが始まります。「知らないお父さんもいらっしゃるかもしれませんけれども」というイノッチの文言が実に親切です。アニメ『ラブライブ!』から初出場、というわけでスペシャルアニメが作られました。と言っても内容は至ってノーマル。今回南條愛乃はステージ欠席という形ですが、絢瀬絵里の声としてはしっかり出演という運びになったようです。必要以上にぶりっ子ぶってるキャラクターは矢澤にこ(声:徳井青空)。素人目に見ると彼女が一番目立っているでしょうか。むろん本編ではもっとインパクト濃いキャラクターであることは特筆しておきたい所です。(35秒)

 歌パートは2期アニメーションのオープニングを実写で再現したような内容。衣装は当然として、立ち位置・フォーメーション・振付に髪型まで再現しています。さすがに髪の色だけはそうもいかないようですが。したがって演奏時間は大変短いです。
 ラブライバーにとっては当然ながら大興奮のステージですが、知らない人にはどう映ったのでしょうか。先ほどの企画コーナー以上に分かるような分からないような、という状況だったような気もします。ただ本職が声優という中でここまで踊りながら歌うというのは、やはり相当ハードであることだけは間違いありません。アニメ自体は実に良い作品なので、見てない人はこの機会にNHK Eテレで拝見してみてはいかがでしょうか。(1分31秒)

 

(ウラトーク)
 「西川さん、目の色が変わった?」「いやいや、仕事しないと!」「これスペースがあるからヲタ芸が打てないっていうね」「歌った方が、いやーでもなぁ…」
 オリジナルアニメが始まって3年生メンバーが出るシーンになると「9人目はここにいるよ!」「8人でね、南條さんの思いも込めてね、歌ってくれると思いますよ!」
 「サイリウムがそれぞれのメンバーのカラーに…」「うっちーはどこにいるの?」「オイ!オイ!オイ!オイ!」「あれうるさいな、やべぇ本領発揮してきたな」当然近くの席の方もこちらを振り向いている模様で、「どうもこんにちわ、どうもです~」と挨拶。
 「ラブライバーじゃないの?」と言われると3人ともあまり知らない、ということでコールを直々に伝授。オーイングは4人でやりますが「Chance for me! chance for you!」の部分はさすがに素人についていけるはずがありません。でも「やらなきゃ!」と西川さん力説してます。
 サビはコール無しでじっくり聴くのだそうです。衣装は紅白オリジナルと久保田アナが説明、「9人の思いが1つになってるからもう聴いていこう」と言った瞬間に終了、すぐさま「Yeah!!」と大絶叫。当然ながらカンペでは”お静かにお願いします”という指示が出てしまいました。

 

(解説)
・『ラブライブ!』が一番最初に世に出たのは2010年6月からの『電撃G’s magazine』連載、μ’sのデビューは同年8月で極めて早いタイミングです。当時のオリコンでは最高167位で売上400枚程度、デビュー当初はほとんど話題になっていません。

・その後漫画の連載開始・ライブ開催を経て2013年のアニメ放送&スマホアプリゲーム配信開始、知名度が大きく上がったのは概ねこの時期だと思われます。基準の一つであるオリコンCDランキングで初めて10位以内に入ったのも、2013年のアニメエンディングテーマ「きっと青春が聞こえる」でした。

・『涼宮ハルヒの憂鬱』や『らき☆すた』『けいおん!』など、2000年代中盤以降キャラクターソングのCDがヒットする例も珍しくなくなりましたが、このシリーズはアニメ主題歌だけでなく挿入歌やゲームアプリ関連のシングル・さらにグループ内ユニットの曲でランクインすることも極めて多く、2015年辺りになるとアニメファン以外にとっても無視できない存在になりつつありました。

・アニメシリーズは2013年と2014年に第1期・第2期がそれぞれ放送、2015年6月には劇場版アニメが公開。深夜アニメ劇場版としては異例の動員・興行収入を記録、これが紅白出場にも大きく繋がります。

・9人組ユニットですが、絢瀬絵里役を演じた南條愛乃は膝の不調によって出場辞退、8人でのステージになりました。ただ歌唱活動に関して言うと支障は無いので、自身がボーカルを務めるユニット・fripSideのカウントダウンライブには出演しています。当日は神奈川県民ホールから22時半開演でした。

・この時点でソロ歌手としても作品を発表しているのは新田恵海内田彩三森すずこ楠田亜衣奈久保ユリカは翌年2月デビューでした。飯田里穂Pileは逆に声優デビューがこの『ラブライブ!』で、特に飯田さんは2002年~2005年まで『天才てれびくん』のレギュラーでした。徳井青空はソロシングルこそありませんが、同時期に三森すずこなどと一緒にミルキィホームズでの活動も展開しています。

・μ’sは2016年3月31日・4月1日の東京ドーム公演で主だった活動は終了。その後イベントで1度復活、2020年には4年ぶりにシングルも発売しています。『ラブライブ!』シリーズはその後Aqours→虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会→Liella!と引き継がれて現在も継続中。最新作の『ラブライブ!スーパースター!!』は2021年7月からNHK Eテレで放送されています。

・ウラトークで西川さんが大暴走する場面は、現在でも各動画サイトで拡散されています。この年に限って映像配信があったので、それが余計に反響が大きくなる形になりました。

山内惠介(初出場/第66回/2001/32) 「スポットライト」(2015/喜多條忠/水森英夫/初)

 ここで毎年恒例になっている横浜からの中継、福山雅治が登場します。今回は会場の中ではなく外からの中継でした。イノッチの「おめでとうございます」のセリフは、デビュー25周年についてのようです。福山さんのコメントはそれを踏まえての抱負を述べる形でした。
 同じ九州出身という紹介のもと山内惠介が登場。真っ白な衣装です。今の気持ちは「♪嬉しか~」ということで。こちらも三山ひろし同様、観客席から家族の応援。こちらは彼に演歌を教えてくれた母親が登場します。
 下積みの頃はあえて連絡をとらなかった母、「本当に大変な時期もありましたけど、今日のこのよき日を迎えられて本当に幸せです。支えてくださった全国の皆様に感謝を込めてしっかり歌って下さい、応援してます」と、厳しくも温かいメッセージを贈ります。なお先ほどのラブライバーもそこそこの歓声が挙がっていましたが、彼に対する声援はそれ以上。ラジオ実況席付近に陣取っていたようで、ラジオで聴くと「惠ちゃん惠ちゃん惠ちゃんー!」というものすごい声をマイクが拾っていました。公式にどう呼ばれてるかは分かりませんが、今後は個人的にこの黄色い声援を浴びせる方々を”惠介ギャル”と名付けたい心境です。
 三山さんはすごく演歌らしい演歌でしたが、こちらは演歌というより歌謡曲の色の方が濃いでしょうか。初出場まで約15年、まさに苦労が報われたステージという印象で、歌い終わった後の目に涙が浮かびます。J-POPと比べると、演歌で紅白初出場はこれがあるから余計に味があるという気持ちになりました。(2分9秒)

 

(ウラトーク)
 「イントロ始まった瞬間に、こんなに前の人がこっち向くとは思わなくてちょっとゾッとしました」と話す西川さん。話が落ち着くと、福山さんに「ましゃだ。ましゃ!」と呼びかけます。こちらでは結婚の話題になり「あれ?肉まんを何かに例えてるんじゃない?」さすがのバナナマンも完全に呆れています。
 山内さん登場に「けん玉の人?」「けん玉じゃない方」。母親が映って「肌艶がいいですね」、ウラトーク席が後方に映る中でゲストとしてこちらに移動する様子が映ります。というわけで、ここから大原櫻子がゲストに加わります。
 初出場のステージを振り返りたい所でしたが、なんとこのタイミングでMCのバナナマンが退席。「毎回思うの、これゲストにここ任せてって…」と西川さんクレーム、大原さんも相当困惑しています。
 というわけで、出場歌手の目の前で初出場のステージに立ったことを、経験者の立場からトーク。「なんか独特ですよね。皆さん本当にやる前から応援してくださってたので、すごい気持ち良かったです」と話す大原さん。爽やかな衣装の色を西川さんが褒めてます。いい感じで進行する時に突然「スポットライト」を一緒する西川さん。ちなみにこのウラトークのために全部の曲を憶えたのだそう。やってることが往年の白組司会・鈴木健二と同じです。
 紅白出場発表が決まった時は「(家族は)ビックリしてました」、また「さっき携帯をチラッと見て、今まで見たことのない件数が来てて凄いなと思いました」とも話しています。

 

(解説)
・山内さんはデビュー15年目で初出場。氷川きよしとはデビュー1年違い、福岡県出身に加えて作曲家・水森英夫の門下生という所まで共通しています。オリコンに初めてランクインしたのが2006年の「船酒場」、TOP20入りが2009年の「風蓮湖」、TOP10入りが2014年の「恋の手本」でした。

・水森英夫の曲提供はデビュー曲「霧情」から現在までずっと続いています。現在まで紅白で35曲歌唱、紅白で披露された作曲家ランキングでも10位前後に入るようになりました。初歌唱は第44回(1993年)・天童よしみ「酒きずな」ですが、多くなったのはやはり氷川きよしが出場するようになった第51回(2000年)以降です。

・作詞の喜多條忠は1970年代の「神田川」が最も著名で、1970年代は演歌よりも歌謡曲・アイドルへの提供がメインでした。1970年代にポップスメインでも平成以降演歌中心に転向した職業作詞家・作曲家は他にも多数います。正しくはJ-POPのミュージシャン・シンガーソングライター台頭によって移行せざるを得なくなった形かもしれませんが…。

AAA(6年連続6回目/第61回/2005/27~33) 「恋音と雨空」(2013/岡村洋佑、日高光啓/岡村洋佑/2年ぶり2回目)

 2年ぶりの紅組からの登場ですが、これに関する言及は特に無し。デビュー10周年ですが、例年以上にぞんざいな扱いです。
 紅組らしく濃い赤色を基調とした衣装でしっかり決めています。ビジョンが目立つのと階段上で歌う演出以外はほぼ2年前と同じ。確かにAAAを代表する名曲ですが、これだったら普通に2015年の曲の方が多少新鮮な分まだ良かったのではないでしょうか。(2分3秒)

 

(ウラトーク)
 歌い出しから熱唱する西川貴教。「始まった、西川さんのライブ」「どれくらいの音量で歌われてたんですか」「(実際に歌う)」「みんな見てるw けっこうですねw」「譜割りが難しい」「すごい、ポイントまであるw」
 話題は紅組が勝ちたいという内容に移ります。来年の『真田丸』にちなんで、「武田といえば赤揃えですから。そういう意味では紅組なんか優勢なんじゃないかと思ったりしますけどね」、そのまま次の紅白で司会を狙うかの勢いで喋ってます。前回も久保田アナと西川さんと田中将大選手の3人で五木さんのステージを見るというエピソード、これを聴いて大原さんは笑いっぱなしです。

 

(解説)
・AAAは7回中2回紅組から出場していますが、2回とも歌唱曲は「恋音と雨空」です。デビュー10周年を迎えたこの年は7ヶ月連続を含めて8枚シングルを発表+ベストアルバム発売、シングルは50枚の大台に乗ります。新曲の多さを考えると、正直言ってこの紅白はまさかの選曲でした。

・ライブの方はこの年初のアジアツアー開催、さらに富士急ハイランドでの野外ライブも開催。アリーナツアーも開催され、こちらの方でも特に充実した一年になりました。

・浦田直也はこの後浜崎あゆみがカウントダウンライブしている国立代々木競技場第一体育館に移動、アンコールで「Dream ON」をコラボします。ただ会場が近いということもあって、紅白はエンディングまでしっかり参加しています(当初不参加と書いていましたが、後で見直すとアップがないだけで参加している様子でした)。

星野 源(初出場/第66回/2002/34) 「SUN」(2015/星野 源/星野 源/初)

 ウラトークチャンネルのバナナマンがステージに登場。毎年彼のラジオで歌を作ってくれるというくらいに繋がりが深いということ、そしてクモ膜下出血からの復活したことを視聴者にもあらためて伝えます。3年前は病室で紅白を見ていたという源さんは、「こういう場所に来れて本当に嬉しい」と話します。そして『LIFE!』繋がりでイカ大王も登場。「イカ大王だ、3年経ってやっと喋れるようになったぞ」、ですが曲紹介。「みんなで一緒に紹介しましょう、星野源さんで…」このタイミングでイノッチが「SUN」と揃える合図を作るために間を作りましたが、一人だけ「さ!」とフライングする様子がはっきりと映ってしまいます。
 「こんばんは、星野源でーーーす!」と高らかに挨拶、この一言でステージを一気に掌握。センス溢れる自作の楽曲を歌う表情は心底楽しそうな笑顔。ここまで満面の笑みを見せてくれるとこちらも自然に嬉しい気持ちになります。真っ白なチェックのスーツ姿でしたが、登場する8人の女性ダンサーも真っ白な衣装。曲にも大変マッチした踊りで、非常にクオリティの高いステージを見せています。初出場とは思えない余裕と初出場らしい初々しさを両立しているステージは、今回の紅白前半において間違いなくトップクラスの仕上がりでした。(2分1秒)

 

(ウラトーク)
 西川さんは星野さんと少し衣装が被っているそうです。曲紹介ではバナナマンと源さんの絡みではなく、イカ大王に注目してました。3年連続出場に、大原さんは「凄い」と話してます。
 「SUN」がどういう経緯で作られたかを軽く大原さんに紹介して、また歌い出す西川貴教。サビでは彼女も少し口ずさんでました。設楽さんがウラトークに手を振る様子を実況、この場面は引きの絵でも確認できました。ウラトーク席の感想は「もう贅沢すぎますね!」「ステージから見るお客さんのピンライトがすごい綺麗で」「こんなユルいんですね」と話してます。
 バナナマンの2人が戻ってきました。「源くんと10年くらい前から知り合いなんですよ」と話した後に、みんなしてサビを一緒に歌うウラトーク席になりました。なお本当は日村さんではなくマイケル・ジャクソンをイメージして作られた曲であること、この曲が元々誕生日ソングとして送られた際は”ひむら、ちかよるな”という歌詞だったというエピソードも歌終わりに披露。

 

(解説)
・星野源のソロ活動開始は2010年。早い段階で作品・ライブは評価を受けていましたが、2012年末のくも膜下出血で一旦影を落とす形になります。その後2014年復帰以降は再び飛ぶ鳥を落とす勢いで仕事量増加、このペースのまま現在にまで至っています。

・音楽活動のスタートとなったSAKEROCKは2000年に結成、同じグループには浜野謙太も所属していました。こちらはこの年6月の日本武道館公演を最後に解散。ちなみに事務所的には、この年3月にカクバリズムからアミューズへ移籍という形になっています。

・俳優業は2003年の『WATER BOYS』でデビュー、この時点で端役から主演一歩手前という立ち位置まで格を上げています。また『LIFE!~人生に捧げるコント~』にも2012年から出演、コメディアンとしての顔も既に顔をのぞかせています。

・ラジオはまだオールナイトニッポン担当前ですが、2010年以降『バナナマンのバナナムーンGOLD』には日村さんの誕生日の時期に毎年出演、そのたびに新しい歌を披露しています。「SUN」の元歌の誕生日ソングは2014年に作られたもので、そもそものタイトルも日村さんの「日」がモチーフになっています。

・「SUN」は自身初の連続ドラマ主題歌として大ヒットします。もっとも主題歌になったフジテレビ系ドラマ『心がポキっとね』は平均視聴率1桁、お世辞にもヒット作品とは言えない結果になりました。

・ちょうど12月にアルバム『YELLOW DANCER』が発売されたばかりの頃でもありました。各方面から非常に高い評価を受けた作品は、CDショップ大賞やミュージック・ジャケット大賞、さらにレコ大の優秀アルバム賞にも選ばれています。

・ようやく喋る場面が与えられたイカ大王ですが、前年プラカードを出し忘れたのに続いて今回もフライングでミス発生。3年連続出演ではありますが、なかなか順調とはいかない様子です。

島津亜矢(14年ぶり2回目/第52回/1998/44) 「帰らんちゃよか」(1996/関島秀樹/関島秀樹/初)

 「帰らんちゃよか」は、熊本弁で「帰ってこなくていいよ」という意味で、親がかける親心の言葉と島津さんが説明。本人も母にこのセリフを言われたことがあると話します。ちなみに綾瀬さんは広島から上京する時に母親に「いつでも帰ってきんさい」と言われたことで、東京で頑張れたのかなと明るく振り返っています。
 この人にも観客席からの歓声が大きく飛びます。演歌ファンにとっては希望の星というわけですが、この曲もまた演歌というよりフォークソングに近い曲調。照明を暗くして、全く何もないバックの中で大熱唱のステージでした。
 島津さんの歌の上手さは演歌ファン以外にも各所で知られているところですが、あらためて聴くとやはり圧巻。ものすごく響きの良い高音に熊本の言葉の温かさが加わって、彼女にしか作ることが出来ないステージを見事に作り上げていました。演奏時間を見ても、NHKスタッフが彼女にどれだけ期待を掛けているかがすごく表れています。演歌の良さというより、彼女自身の素晴らしさをそのまま伝えたようなステージでした。次回以降も紅白に呼んで頂きたいと、切に願います。(2分43秒)

 

(ウラトーク)
 「幕が上がった瞬間に音楽番組では見たことない景色が広がってて」「(郷さんのステージが)すごくて、大丈夫かなって思ってたんです」「(緊張を)顔に出さないの必死で」「手汗やばかったですよ」すごく緊張した大原さん初出場のステージの話題に再び戻ります。
 歌の方は島津亜矢の声にただただ酔いしれる内容でした。「もし来年やらしてもらうならこここたつにしてみかん置いてもらおう」ちなみにニコ動裏実況は本当にこのスタイルでした。
 話題は色々なゲストがウラトーク席に来るという内容に。その中でとにかく明るい安村について西川さんが言及。「何が悲しいってね、あの感じで楽屋に戻ってる姿がね、マジメじゃない根が。すっごいね、寂しいものを感じるね」

 

(解説)
・14年ぶりの紅白復帰、この年はカバーアルバム第3弾『SINGER 3』の発表がありました。後の紅白でも披露される「The Rose」「糸」は、このアルバムに収録されています。

・演歌ファンからの支持は以前から非常に高く、2005年に行われた『スキウタ~紅白みんなでアンケート~』ではその年の楽曲「大器晩成」がはがき7位・総合87位という支持を受けています。ただ紅白でオリジナルを披露したのは、初出場した第52回(2001年)の「感謝状~母へのメッセージ~」のみとなっています。

・「帰らんちゃよか」は1996年に熊本のローカルタレント・ばってん荒川が歌唱。その後2004年に島津さんがシングル曲としてカバーする形になっています。

・圧倒的な歌唱力は当初から評価されていましたが、”歌怪獣”と言われるようになったのはこの紅白出演後でした。以降オリジナルの演歌以上に、各番組でジャンルを問わずカバー曲を披露する場面が大幅に増加します。

ゲスの極み乙女。(初出場/第66回/2013/26~28) 「私以外私じゃないの」(2015/川谷絵音/川谷絵音/初)

 曲紹介にはSMAPとして楽曲提供を受けた草彅剛が登場。忘れられないフレーズが所々に入っていて憶えやすく、感情がノッていく曲でしたという感想を残します。曲を作るボーカル・川谷絵音も、頭に離れない曲というのは常に考えていると話しています。
 4人の顔の写真が無数に散りばめられた衣装が大変個性的です。このスタイルの衣装は紅白初ではないでしょうか。こちらも彼ららしい独自の世界観をしっかり作り上げていましたが、1番サビの歌詞を間違えたのは少し残念。コーラスはギターを持った女性が3名。黒のカジュアルな2人と比べて明らかにピンクのドレスの方が浮いていますが、どうやらその正体は記者会見から何度も名前を挙げていたぱいぱいでか美だったようです。寄ってくるカメラにもしっかりアピールしていました。NHK的に芸名が大丈夫かという問題がありますが、紅萬子の例もあるのでおそらくは問題ないと思います。次回出演する際はおそらくゲスだけでなく彼女の知名度も相当に上がるはずなので、歌前のトークも用意されるのではないでしょうか。(2分5秒)

 

(ウラトーク)
 セットの話。パルテノン神殿とピラミッドをイメージした今回のものは、「歴史を超えていく」「時空を超えるか未来遺跡」というテーマ・コンセプトがあるようです。
 衣装の話。記者会見の日に出場を聞くので、そこから本番に向けて約1ヶ月で作り上げたと話してます。西川さんも昨年は、舞台の中に持ち込んだセットをどこから出すか苦労した模様。そしてこのステージも衣装に注目という話で、「私以外私じゃない衣装ですって」。そのデザインには一同感心しきり。
 歌に関しては「(歌うには)こういう曲難しい」「アレンジ素晴らしいですよね」「色んな物が混ざっているんですけど、アプローチが面白いですよねやっぱり」西川さんがミュージシャンとしてしっかり解説してます。ただサビに入ると一節歌って「マイナンバーカード!はいありがとうございます。甘利さん!」忙しそうです。
 バンドは仲間がいるから心強い、ソロだと寂しいと話した後で、「でもその分ギャラは一人でもらえるんですよね?」と尋ねる設楽さん。「ちがうよ。僕たちは、夢と希望だけで生きているんだ。お金なんかよく分からない」「そうです、だからウラトークチャンネルだけにね来てくださるんですものね~」
 なお途中横を綾部祐二が通りかかります。先生のアシスタントとして、といつも通りのコメントでした。

 

(解説)
・ゲスの極み乙女。は2012年結成、その後バンドとしては異例の早さでメジャーデビュー、ブレイクします。「私以外私じゃないの」はコカコーラのCMソング、当時の甘利明経済再生担当大臣がマイナンバー制度PRのためこの曲に替え歌を披露したことが話題になりました。

・ボーカルの川谷絵音はこれ以前からindigo la Endを結成、メジャーデビューはゲスの極み乙女。と同日でした。その後ジェニーハイやichikoroも結成、1人でいくつものバンドメンバーを兼任している状況になっています。

・川谷さんは楽曲提供にも当初から積極的で、SMAPには「アマノジャク」「好きよ」「愛が止まるまでは」の3曲をこの時点で提供しています。それ以外にも夢みるアドレセンス、私立恵比寿中学、坂本真綾などジャンルを問わず、最近はMISIAにも提供しています。

・サプライズでタレントのぱいぱいでか美がコーラスで参加しています。リハーサルの会見で幾度も名前を出していたのは、これがフラグという形でした。当然両者には親交があり、この年6月のコンサートでもゲスト出演しています。彼女は独特の芸名と存在感・そしてこの名前に似つかわしくない?頭脳明晰さで現在も絶賛活躍中。

・この紅白出場までは右肩上がりの人気上昇ぶりで、翌年すぐに発売されたアルバム『両成敗』も大ヒットしたところでセンテンススプリング事案が発生。以降川谷さんは数年にわたり週刊誌に追われる存在となり、音楽活動にも大きな影響が発生します。したがって紅白歌合戦もこの年のみの出場になりました。

・とは言え類稀な才能はやはり確かなものがあり、バンド活動は現在も継続しているとともに仕事の幅も当時より確実に広がっています。この時期ほどではないとしても楽曲再生数はYoutube・ストリーミングともに十分多く、音楽ファンなど評価されるべき場所で確実に評価されているのは流石といったところ。

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