紅9(全体17):乃木坂46(6年連続6回目)
・2011年結成、2012年デビュー 第66回(2015年)初出場
・16~28歳・44人組
・楽曲:「Route 246」(2020/7/24 配信)
詞:秋元 康 曲:小室哲哉
・歌唱前テロップ:東京の夜を駆け抜けるオトナな乃木坂
・歌唱中テロップ:”東京の夜”を疾走する映像に注目!
・演奏時間:2分28秒
内村さんがオーケストラスタジオに残っているので、曲紹介は大泉さんと二階堂さんのツーショット。パフォーマンスする乃木坂46は齋藤飛鳥センターで44人全員集合、ステージが広い上に三段構造なのでメンバー間の距離は人数の割にそこそこ保たれています。ただカメラで抜かれるのはほとんど選抜メンバーで、階段上にいるメンバーはほぼどこに誰がいるのか分からない状況でした。大きなスクリーンで映る首都高速を走るような映像は迫力あって良かったですが、例年と比べて大きなトピックスがないため少しあっさりした内容だったような気もします。
(ウラトーク)
「さださんからこの前のど飴頂きまして、「あ、さだあめ」と書いていました」とちょっとした小ネタを話す伊達さん。すぐさま乃木坂46のステージ、TKサウンドはサンドウィッチマンも知らなかったようです。
「バナナマンさん見てるかな、あ、違う裏やってるんだ今日」「乃木坂のファンの方々、バナナマンさんがいいってここで絶対呟かないで!」。日向坂にはオードリー、サンドウィッチマンは欅坂。もっともサンドは「お兄ちゃんというよりオジキって感じですもんね」と言われてしまいました。
山里さんやサンドの世代だと、この曲とパフォーマンスはカッコ良いと映っているようです。「舞台でああいうレーザー入れたいよね」と思わず話す富澤さん。ただ漫才のどこに入れるんですかとツッコまれてしまいました。
(解説)
・秋元康プロデュースの女性アイドルグループが紅組前半トリになる曲順は史上初となります。配信限定シングルの選曲も坂道系では初、齋藤飛鳥センター曲の歌唱も初、あとは最年少メンバーのステージ参加も3期生加入後で初となりました。
・小室哲哉は2018年1月に引退を表明しましたが、秋元康他のオファーで2年3ヶ月ぶりの楽曲提供になりました。紅白で小室さん提供曲が披露されるのは第61回(2010年)以来10年ぶりとなっています。ちなみにセンターの飛鳥さんは小室さんのファンでもあるようです。
・当日のバナナマンはTBSで放送された『バナナマンのせっかくグルメ』MCで、完全に裏被りしていました。なお同番組には高山一実・生田絵梨花・久保史緒里がステージ終了後に生出演しています。
・堀未央奈、松村沙友理、大園桃子に高山一実や寺田蘭世など2021年も卒業が相次ぎました。生田絵梨花も大晦日をもって卒業、新内眞衣の翌年卒業も2021年のうちに決定しています。この年の8人のメンバー卒業は、2018年に並ぶ多さです。
白8(全体18):鈴木雅之(28年ぶり3回目)
・1980年デビュー、1986年ソロデビュー 第42回(1991年)初出場
・1956年9月22日生 東京都大田区出身
・楽曲:「夢で逢えたら」(1997/11/21 アルバム『CARNIVAL』)…24年ぶり2回目
詞:吉田美奈子/大瀧詠一 曲:大瀧詠一
・歌唱前テロップ:デビュー40周年 亡き母への思いを込めて
・歌唱中テロップ:逢えない人へ 歌で思いをささげる
・演奏時間:2分45秒
歌前トークあり。「夢で逢えたら」は大泉さんが好きな歌でもあるそうです。「皆さんをちょっとでも癒してあげる事が出来れば」「僕は今日音さんと逢えたので、とても癒されている」とコメントします。出場歌手発表の日に母親が亡くなられたという話もしておられました。アニメの主題歌も歌ったことも盛り込むなど、大泉さんはマジメなだけでなく上手さも見せる司会ぶり。
ハンドマイクではなくスタンドマイク使用で、バックには特に何も設けず1人で名曲を熱唱。紅白では24年ぶり、編曲のアレンジも随分変わり、歌い出しではサビパートが追加されました。約3分、鈴木雅之ワールドに浸れる素敵な時間だったと思います。ただ後ろ姿から無観客のホールを映すショットは、仕方のないことですがどうしても寂しい気持ちになります。1年でも早く、いや1日でも早く今まで通りライブを各所で行えることが当たり前の世の中に戻って欲しいです。
(ウラトーク)
「サングラス黒すぎませんか」「時々カンペ持ってるフロアDが映っちゃう」。「夢で逢えたら」は伊達さんもカラオケで何回も歌ったようです。スタンバイのシーン、「ちょっと緊張感ある感じが良いですよね」。
「一緒に歌っていいかな?」「ダメです(即答)」。そういえば今回のウラトーク、バナナマンの時と比べると一緒に歌ってるシーンはほとんどありません。山里さんは選曲時に起こった、Twitterでの「違う、そうじゃない」騒動にも言及しています。
サングラスの奥の目の表情を想像する3人。一瞬それを取りそうに見える手の動きに、富澤さんがいちいち反応。訳の分からない話になると、やはりゲスト審査員の目が…。無観客のホールの風景を見て、「本当にこの年は、ある意味思い出には残るだろうね…」と話す伊達さん。素晴らしいステージ、富澤さん思わずアンコールと一言。当然ツッコミが入りますが、一応過去に1度だけ紅白でそれは実現しています。
(解説)
・この年の鈴木さんはアニメ『かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』OPテーマの「DADDY! DADDY! DO!」が大ヒットしました。デュエットする鈴木愛理はもし出場していれば第58回(2007年)の℃-ute以来13年ぶりでしたが、残念ながらそれは叶わず。SNSでは選曲発表の際にアニメファンやハロプロファン中心に疑問の声が多く挙がり、鈴木さんのホームページで選曲の経緯を表明して沈静化したという結果になっています。
・「夢で逢えたら」は1976年に吉田美奈子が歌って以降数多くのアーティストにカバーされていますが、一般化したのは1996年のRATS & STAR再結成の際に歌った時ではないかと思われます。グループ時代の曲をソロで歌う例は、前川清や堀内孝雄など平成期の白組で頻繁に見られました。
・28年ぶりの紅白出場は極めて長いブランクで、なんと第63回(2012年)の舘ひろしに並ぶ白組最長記録になっています。紅組では第40回(1989年)の織井茂子、第64回(2013年)の髙橋真梨子が29年ぶりで最長となっています。特別出演を含めると、第65回(2014年)のサザンオールスターズが31年ぶりで最長です。
企画1(全体19):紅白ディズニースペシャルメドレー
内村さんも戻ってコーナー紹介。ウラトーク席から渡辺直美、そしてミッキーマウスも会場に駆けつけてくれました。BGMはお馴染み「ミッキーマウスマーチ」。若干時間も押しているのでしょうか、直美さんとのトークも一言で早々に紹介、東京ディズニーリゾートの映像に切り替わります。
King & Prince、乃木坂46「星に願いを」
・楽曲1:「星に願いを」…5年ぶり6回目
日本語詞:島村葉二 曲:Leigh Harline
・歌唱中テロップ:
・演奏時間:1分28秒
キンプリの5人と乃木坂46からは生田絵梨花、松村沙友理、与田祐希、梅澤美波、賀喜遥香が参加。シンデレラ城をバックに、ミッキーマウスにミニーマウス、ドナルドダックやデイジーダックにグーフィーやプルートというお馴染みのキャラクターが参加。ミュージカルのように踊ります。引きの絵がかなり多いカメラワークでした。
二階堂ふみ、氷川きよし「ホール・ニュー・ワールド」
・楽曲2:「ホール・ニュー・ワールド」…2年連続2回目
日本語詞:湯川れい子 曲:Alan Menken
・歌唱中テロップ:
・演奏時間:2分24秒
氷川きよしと二階堂ふみのデュエット。前回と日本語詞が大きく変わっています。今回は湯川れい子、前回はもりちよこ担当でした。
氷川さんが上手いのは誰もが分かっていることですが、二階堂さんの歌唱力が想像以上に高いです。彼女は歌手としても相当素質のある人と考えて間違いありません。声の出し方が優れていて、相当高い音程も裏声無しで出ています。いずれは映画でなく舞台・ミュージカルがメインの活動になりそうな雰囲気もあります。第66回の綾瀬はるかもそうでしたが、このディズニーコーナーも紅組司会に歌ってもらうことが一番の目的だったのかもしれません。
King & Prince、乃木坂46、渡辺直美「小さな世界」
・楽曲3:「小さな世界」…9年連続3回目
日本語詞:若谷和子 曲:Richard M. Sherman And Robert B. Sherman
・歌唱中テロップ:
・演奏時間:2分13秒
ラストはお馴染み「イッツ・ア・スモールワールド」。乃木坂46はメンバーが代わって齋藤飛鳥、山下美月、秋元真夏、遠藤さくら、久保史緒里といった面々。キンプリに、途中から渡辺直美も加わります。どちらかと言うと歌より、それぞれのパートでそれぞれの国をテーマにした間奏のダンスがメインのステージでした。ディズニーのキャラクターも完全大集合で、中では紅白で初めて登場する方もいるような…。最後は花火が打ち上がりました。
ディズニーショーは今後の紅白でまた何度もやるとは思いますが、現地からの映像パフォーマンスはそうそう見られない内容のように感じます。その意味では大変貴重な時間帯でした。
ディズニー企画終了後、二階堂さんの歌唱力を2人絶賛。ただ誉められて照れるポーズを撮ることが出来なかったのが非常に残念でした。おそらくスイッチングを担当したスタッフもその場で悔しがったのではないかと思います。
再び北島三郎とリモート中継。昔を思い出したということと、純烈の連中に紙をちゃんと食べるように言ってくださいとメッセージを残します。
(ウラトーク)
事前録りですが、その情報は伊達さんに伝わっていないみたいです。好きなディズニーキャラクター、伊達さんは特にいないようで「そうですね、ちょっと考えさせてください」、山里さんはデイジー、富澤さんはスティッチ。伊達さんはプルートの名前を分からず犬のやつ呼ばわりしています。
二階堂さんの歌声はウラトーク席でもうまいと大絶賛。「ああいうことできたらね、俺たちもあっち側にいるんだろうけど」と富澤さん。自分のルックスなら絶対貸してくれない、という具合で居酒屋トークを展開しています。
イッツ・ア・スモールワールドは、さんまさんが唯一泣いた曲なのだそうです。デイジーと一緒に登場する渡辺直美は「キャラクターみたい」「フォルム一緒だね」との評。どんどん登場するディズニーキャラクターショーに3人も大絶賛。童心に帰って楽しんでいました。
(解説)
・ミッキーマウスは過去6回紅白歌合戦に登場していますが、本拠地ディズニーリゾートからの出演は今回が初となります。これもコロナ禍の賜物なのかもしれません。もちろん生出演ではなく、無観客の時間帯での収録でした。
・紅組司会が歌うシーンは、第66回(2015年)の綾瀬はるかが井ノ原快彦と一緒に歌った時以来5年ぶりです。二階堂さんは朝ドラ『エール』最終回で「長崎の鐘」を歌唱、その時も美声がSNSで話題になりました。
・引きの絵で見る限り、登場したディズニーキャラクターは40近くにのぼります。3びきのこぶたや七人のこびとをそのまま人数に数えるかは議論が分かれそうですが、第63回(2012年)や第66回(2015年)が約30だったので史上最多であることは間違いありません。
白9(全体20):五木ひろし(50年連続50回目)
・1964年デビュー、1971年再デビュー 第22回(1971年)初出場
・1948年3月14日生 福井県三方郡美浜町出身
・楽曲:「山河」(2000/4/26 シングル)…20年ぶり2回目
詞:小椋 佳 曲:堀内孝雄
・歌唱前テロップ:50回連続出場の金字塔 大きな節目 万感の思いを込めて
・歌唱中テロップ:50回連続出場 大きな節目
・演奏時間:3分47秒
北島三郎と並ぶ史上最多出場、そして史上初となる50回連続出場達成。「皆様に支えられ辿り着いた50回連続出場。私にとっても大きな区切りとして万感の思いを込めて歌います」という五木さんのメッセージを大泉さんが代読して曲紹介。「区切りというとても重い言葉をおっしゃった五木さん。魂を込めた歌を届けてくださいます。五木ひろしさんで、「山河」」。
20年前よりも少しキーを下げて歌います。さすがに原曲のキーが相当高いのと、72歳という年齢を考えると仕方ないことであります。そして大トリではないこともあって間奏はカットされています。どうしても昔と比べると最大級の扱いが出来ない形になってしまってはいますが、声量自体は70歳を超えても大きく落ちてはいません。大熱唱です。往年の紅白のフィナーレらしいアウトロも追加されて、見事な内容でした。50回出場はあくまで区切りとして、最終的には美輪明宏が記録している80歳という最年長出場記録、そして前人未踏の60回出場まで到達して欲しいです。
曲後半では五木さんの紅白名場面が流れました。登場したのは以下の映像です。ちなみに4K8K映像でこの場面はなかったようです。
第22回(1971年)「よこはまたそがれ」:初出場
第25回(1974年)「浜昼顔」
第28回(1977年)「灯りが欲しい」:初の大トリ
第29回(1978年)「熱愛」
第32回(1981年)「人生かくれんぼ」
第33回(1982年)「契り」
第37回(1986年)「浪花盃」
第47回(1996年)「女の酒場」
第48回(1997年)「千曲川」:大トリ
第58回(2007年)「契り」:大トリ
前半のステージが終了して後半の見どころを紹介。NiziUと瑛人が楽屋ロビーでスタンバイ、NiziUはなわとびダンスのウォーミングアップ中。そして白組トリの福山雅治もNHKホールに登場。大泉さんのモノマネをテーマに内村さんが話を振りますが、時間がないので指示を見て桑子アナ大慌て。気付いた内村さん時既に遅し、結果かなり中途半端な状態でニュースに入ってしまいました。これもまた、2部制・前半後半に分かれてからは初めてのハプニングになります(意外と過去こういう終わり方はなかったので…)。
(ウラトーク)
歌い出しから一木ひろしの話題をチラッと。サンドウィッチマンは昔一緒に営業に行ったこともあるようです。チコちゃんもここから参加、五木さんはリモートで番組のゲストにも来てくれたようです。
「五木さんの素晴らしい所はどこですか?」と伊達さんがチコちゃんが質問しますが、「どういうこと?」「素晴らしいわね本当に」との返しで全く会話になっていません。五木さんの凄さを堪能しています。
過去映像のラインナップでは、チコちゃんが「全部マイクにNHKて書いてある」と小ボケ。富澤さんはまた一木ひろしの名前を出します。そんな2人を横目に、ステージを堪能する伊達さんと山里さんの2人でした。
(解説)
・連続出場して欲しいと書きましたが、2021年は出場歌手発表が行なわれる前の早い段階で紅白からの卒業を表明。50回の出場は北島三郎に並ぶ回数で、今後もこれが一つの目安になる可能性もありそうです。なお紅白で五木さんが作った記録はこちらの記事で触れた通り、多数あります。
・「山河」は2000年、20世紀最後の紅白歌合戦の大トリとして歌われた楽曲です。五木さんの平成の曲が紅白で複数回披露されたケースは、2年連続の「凍て鶴」「VIVA・LA・VIDA! ~生きてるっていいね!~」を除くとこの曲が唯一です。
・前半終了時に時間が無くて駆け足気味になるケースは何度もありますが、この回ほど締めが決まらなかったシーンは他にありません。時間調整の役を担う形の桑子アナに全てを負わせるのはやや酷ですが、総合司会としてはこれまで担当した方々と比べてミスが非常に目立つという印象です。