紅白歌合戦・岩崎宏美の軌跡~ステージ編(1982~1988)~

第33回(1982年)「聖母たちのララバイ」

ステージ

作詞:山川啓介 作曲:木森敏之、John Scott
前歌手:川中美幸、内山田洋とクール・ファイブ、(応援合戦)
後歌手:中村雅俊、森 昌子
曲紹介:黒柳徹子(紅組司会)

 「母性愛をテーマにした歌は初めて、でもこの曲で今まで歌謡曲を聴かなかった人が歌を聴いてくれるようになりました。NHKでこの歌を歌うのは初めてです。

 日本テレビの『火曜サスペンス劇場』エンディングテーマとして流れたこの曲は、当初レコード化される予定のない曲でした。視聴者からの反響が大変大きかったためフルコーラス制作とシングル発売が決定、これが自身最大のヒット曲になります。紅白では終盤ブロックのトップを飾る曲順、そして徹子さんの曲紹介にある通りNHKにおける初歌唱でもありました。これについては、民放でタイアップ中の曲はNHKで歌えないという事情があったようです(これ以前に紅白歌合戦で歌われたドラマ主題歌は全て放送終了後でした)。

 この年の衣装は黒色のドレス、少しシックな雰囲気です。バックは黒い緞帳が閉じた状態、サビ以降両側に開く演出となっています。スケールの大きい楽曲に合わせた内容ですが、あいにく例年の大晦日と比べて声の調子はかなり悪め。キーも原曲より少し下げています。テンポも若干速いでしょうか…。

 作曲の著作権問題の結果外国曲扱いになったため、レコ大はノミネート対象外で出演もしていません。ただ日本歌謡大賞や日本テレビ音楽祭グランプリは受賞、その他賞レースなどで年末はデビュー年以来の忙しさです。紅白のステージ単位だけで見ると、レコ大欠席は多少なりとも体調・メンタル・喉を休める結果になったと思われるので、本人にとっては渡りに船だったかもしれません(仮にノミネートされた場合、7年前の新人賞と同様細川たかしとのデッドヒートになることは確実でした)。

応援など

 オープニングの衣装は前年と同様赤いブレザー、あいうえお順ではなくランダムで千昌夫新沼謙治と手を繋ぎながら登場。総合司会の生方惠一アナには「紅組のマドンナです」と実況されています。

 その後はビートルズの曲を日本語詞で歌うメドレーショーに登場。所属している事務所の先輩・西城秀樹と「イエスタデイ」をムードたっぷりに歌います。

 デュエットソングコーナーは指名こそされていませんが、白いドレス姿で楽しむ姿が見られます。また紅白玉合戦というアトラクションでは、赤ジャージ姿で参加するシーンが映りました。

 エンディングはステージ衣装での参加でした。ボール投げの結果発表はこの年19対16でかなりの接戦、心配そうに勝負の行方を見守る表情がアップで抜かれています(結果は紅組の勝利)。

第34回(1983年)「家路」

ステージ

作詞:山川啓介 作曲:木森敏之
前歌手:(オープニング)
後歌手:西城秀樹、柏原芳恵
曲紹介:黒柳徹子(紅組司会)

 「第34回紅白歌合戦、それでは早速はじめることにいたしましょう。紅組が先攻でございます。去年の「聖母たちのララバイ」に次ぐ母性愛がテーマです。「家路」、岩崎宏美さんです」。選手宣誓から間髪入れずに演奏開始、ひな壇にいた紅組出場歌手が一斉に降りて岩崎さんを応援します。第32回~第37回までトップバッターは一貫して紅組先攻、河合奈保子早見優など若手アイドルのステージで出場歌手が一斉に踊る演出でしたが、この年は同じフォーマットでも人選と曲調が全く異なります。

 真っ白なドレスは大人の落ち着きも加わり、声の状態・体調も前年よりはるかに良さそうです。サビの高音やロングトーンは勿論ですが、歌い出しの低音に厚みが加わっているのが何よりも大きな強みになっています。

 当然ですがこの曲に振付は存在しないので、バックの紅組歌手は体を揺らしたり手を繋ぎながらの応援となっています。河合奈保子高田みづえなど、何人かの歌手は一緒にこの曲を口ずさんでいる様子でした。

 なおテンポはこの年も若干速めです。さすがに第29回や第31回ほど極端ではありませんが、意外とこの時期でも呪縛からは完全に逃れられない状況のようでした。

応援など

 「それでは女性軍のトップバッターです。歌唱力と母性愛に溢れる岩崎宏美さんです」。歌唱順に出場歌手を両軍司会が紹介するオープニング、トップバッターなので一番最初の登場です。

 トップバッターで歌唱後も、この年は見せ場が多いです。まずは前半各3組終了後の「ビギン・ザ・ビギン」、紅白全歌手が歌い踊るショーコーナーの歌い出しを担当したのは岩崎さんでした。このコーナーのファン的見どころを挙げるとすれば一般的には最初の歌唱、マニア的には両重鎮によるグダグダなエンディングに後ろで大笑いするシーンでしょうか(詳しくは三波春夫の記事を参照してください)。

 各6組終了後の「紅白俵積み合戦」は、黄緑色の和服での踊りを披露します。一緒に踊るのは森昌子小柳ルミ子都はるみなどの紅組常連勢、9年連続出場はこの時点で紅組21組中8番目の多さでした。

 岩崎さんはこの2つのショーの間にも出番がありました。紅組5番手・榊原郁恵のステージでダンスの応援、小林幸子八代亜紀河合奈保子杏里と一緒です。ここでは山本寛斎がデザインした赤と白の衣装、個性的な姿を見せています。

 後半の「日本の四季メドレー」は杏里高田みづえと一緒に登場。浴衣姿で「おぼろ月夜」を歌いますが、メインはみづえさんでした。

 エンディングはこの年着物姿で登場します。企画コーナーなど応援以外で着物を着るのはこの年が唯一、「蛍の光」ではアップのショットもありました。

第35回(1984年)「20の恋」

ステージ

作詞:康 珍化 作曲:財津和夫
前歌手:石川さゆり、(応援合戦)、菅原洋一
後歌手:大川栄策、森 昌子

曲紹介:森 光子(紅組司会)

 「今年で紅白出場回数が10回と言いますと驚かれる方も多いかと思います。それほどこの方の歌はいつもフレッシュ。年を追って充実する岩崎宏美さん、「20の恋」です」

 応援合戦を終えた後の終盤ブロック、トリ5つ前の曲順です。ちなみにこの年ラスト各5組は全員演歌、したがってポップス勢のトリを任される形になっています。

 黄緑色の光沢が入ったドレス姿で、やや暗めの照明をバックにバラードを歌います。「聖母たちのララバイ」「家路」と比べるとやや重めの雰囲気、これまでの歌唱曲と比べてもヒットはしていません(オリコン週間最高41位)。この年も「橋」が火サス主題歌でしたが、3年連続よりは別の路線の曲をという方針もあったでしょうか(そもそも「橋」のテレビ歌唱自体が当時少なかったとか…)。デビュー10周年記念曲「未完の肖像」もありましたが…。ただステージは重厚さに色気も加わった歌声が、大変聴き応えのある内容でした。

応援など

 デビュー当時とは完全に路線が変わり、対戦相手も菅原洋一となっています。オープニングでは腕を組みながら登場、「ただ全力で歌います!」とマイクの前でメッセージ。スパンコールが光る赤紫色と黒スカートのドレス姿がゴージャスです。どちらかというとサラッとしてるイメージが強い髪型は、この年巻きが入っていました(歌唱の際には全く違う形にまとめてます)。

 各5組ずつ披露後のショーコーナー「豊年こいこい節」では、早乙女姿でラインダンスっぽい振付のダンス。一緒に踊るメンバーは松田聖子河合奈保子中森明菜といった若手が大半、1970年代からの出場歌手は岩崎さんと高田みづえのみでした。中盤は紅組出場歌手全員で踊る水前寺清子「浪花節だよ人生は」にも参加。

 終盤~エンディングは薄いピンクのドレスを着ています。都はるみの引退ステージは、やはり涙を流していたようでした。

第36回(1985年)「決心」

ステージ

作詞:山川啓介 作曲:奥 慶一
前歌手:柏原芳恵、C-C-B
後歌手:山本譲二、中森明菜
曲紹介:森 昌子(紅組司会)

 「皆さん、ちょっと私の思い出話を聞いてください。高校3年生の時、彼女は私よりも2列前に座っていました。とっても頑張り屋で、ですからクラスの人気者でした。修学旅行に行った夜、私たちは、いつか一人前の歌手になるまで頑張ろうねって、励まし合いました。その彼女の登場です。(イントロが鳴り、2人で抱擁)デビューして12年目、このドラマチックな歌いぶりは、いまや紅組の大変頼れる存在になりました。岩崎宏美さん、「決心」!」

 この年の紅組司会は高校の同級生でもある森昌子。キャリアは昌子さんが3年先輩、というより彼女のデビューを見て刺激を受けたことが歌手を志すきっかけになったというエピソードがあります。紅白で揃って出場するのもこの年で11回目、じっくり見返すと歌手席や「蛍の光」で2人が横に並んでいる場面も複数回ありました。

 「決心」は当時では珍しい「夢狩人」との両A面シングル、カメリアダイアモンドのCMソングとしてヒットしました。このタイアップ曲が紅白で歌われるのは、髙橋真梨子「桃色吐息」に続いて2年連続です。また前年に所属していた芸映から独立、その後に初めて発表された新作でもありました。

 ロングヘアーの印象が強い髪は、この年バッサリ切ってショートカットになっています。眉毛を太くするなど、メイクも前年までと比べてかなりのイメージチェンジを図っている様子でした。タイアップの関係があるのかどうか分かりませんが衣装も装飾物がやや前に出ていて、特に両耳のピアスは非常に大きな円の飾りが目立っています。

 2コーラス歌唱、歌声は序盤6番手で出すには勿体ないほどの見事な内容でした。ステップを踏みながら歌う表情は、普段よりも笑顔が印象的で楽しんで歌っているように見えます。

応援など

 オープニングは山本譲二と一緒に登場。肩を出した黒いドレス姿です。そのままトップバッター・石川秀美の応援を経て歌手席に移動。

 中盤のハーフタイムショー『めでたづくしの澪つくし』は世話役の1人として登場。新婦のかをる役・沢口靖子をエスコートします。ここで一緒に登場するのは島倉千代子水前寺清子八代亜紀小柳ルミ子、岩崎さんもこの年は紅組6番目の出場回数です。かをるさんの花嫁衣装から袴姿への早替えを手伝った後に、「銚子大漁節」を歌唱。また、紅組歌手の大半がダンスで参加した島倉千代子「夢飾り」では手古舞姿を披露します。

 紅組司会の昌子さんはこの年トリも担当、ただ終始号泣してほぼ歌えなかったステージでもあります。本番で主にサポートしたのは鈴木健二水前寺清子ですが、歌唱後隣りにいたのはやはり同級生の岩崎さんでした。大トリで歌う森進一のアウトロで紅組にカメラを向けた際に、昌子さんと一緒に映っています。なおこの時の衣装は真っ白なドレスです。

第37回(1986年)「好きにならずにいられない」

ステージ

作詞:松井五郎 作曲:山川恵津子
前歌手:松田聖子、角川 博
後歌手:チェッカーズ、水前寺清子
曲紹介:斉藤由貴(紅組キャプテン)

 「歌手でいて良かったってピラミッドの前で歌っった時の笑顔が本当に美しかったですね。岩崎宏美さん、「好きにならずにいられない」ですどうぞ」。イントロ数秒ですぐサビなので曲紹介は冒頭のみ、テロップは曲名・歌手名同時表示でした。その後の間奏はテレビ実況が入ります。「エジプトでのコンサートとともに、今年は「屋根の上のバイオリン弾き」に出演したことも、宏美さんにとって大きなプラスになりました」

 三拍子のリズムを感情豊かに歌うステージです。真っ白なドレスはウエディングを思わせるような服装で、マイクにも白い花飾りがつけられています。ラストのサビで演奏を止める編曲は岩崎さんの美しい声が会場に響き渡る構成で、非常に聴き応えのある内容でした。

応援など

 オープニングは角川博と登場しますが、角川さんは辞退した歌手の代役で、本来は2年連続で山本譲二との対決になる予定でした。紹介の口上は「伸びやかな歌声でノックアウト!」、衣装はカジュアルな白スーツ+大きな帽子です。

 この年は体調があまり良くなかったとも言われていますが、歌だけでなく応援も本来の予定通り出演しています。研ナオコ「Tokyo見返り美人」のステージでは、小柳ルミ子八代亜紀小林幸子と一緒にセクシーな赤いロングドレス姿でダンスを披露。あと台に乗る要員ではありませんが、紅白サバイバルゲームでも赤ジャージになっていました。

 歌唱後は黒いドレス姿、また非常にボリューミーな髪型にセットし直しています。この年は小柳ルミ子も異常な大きさの髪型、演歌歌手が歌う後ろの歌手席で異彩を放っていました。

第38回(1987年)「夢やぶれて I Dreamed a Dream」

ステージ

作詞:岩谷時子 作曲:C.M.Schonberg
前歌手:八代亜紀、布施 明
後歌手:尾形大作、瀬川瑛子
曲紹介:和田アキ子(紅組司会)
ピアノ:羽田健太郎

 芸映からの独立後は歌手だけでなく、女優としての活動も目立つようになります。前年はテレビ実況の紹介にもあった通りミュージカル『屋根の上のバイオリン弾き』出演、この年はドラマ『男女7人秋物語』出演とミュージカル『レ・ミゼラブル』日本初演のファンテーヌ役が大きなハイライトでした。「最初の恋人達」「風の童話集」といったシングル曲でなく、ミュージカルの「夢やぶれて」を選曲できたのは、後から考えるとこの年の紅白歌合戦における大きなハイライトだったかもしれません。1960年代ならまだしも、前年までの紅白では考えられないことでした。

 「今年は5ヶ月の間、1つのミュージカルに打ち込みました。毎日が挑戦、毎日が勉強。彼女は1つ大きくなったみたいです。そのミュージカル、『レ・ミゼラブル』で歌った曲、「夢やぶれて」。岩崎宏美さんです」

 「天まで届く歌声」と呼ばれたキャッチフレーズが紅白歌合戦でもっとも当てはまるステージは、おそらくこの年を指すのではないかと思われます。光り物の入る黒いドレス姿は、多少派手ではありますが歌の世界観としっかりマッチしています。当然スクールメイツやPLレザンジュみたいなバックダンサーも無く、むしろ羽田健太郎のピアノが加わっているのでより音楽的な演出になっています。照明も暗闇からの朝焼けをイメージしたようなシンプルな演出でした。

 一節ごとに歌い上げる必要のある楽曲は、これまでの持ち歌とは比較にならないくらいの発声・声量を必要とします。ロングトーンになる箇所も、1個や2個ではありません。ただこのステージでは、全ての歌唱を全身全霊の気持ちも入れてバッチリ決めていました。演奏時間3分半は、他の13回と比べても圧倒的な長さです。2番手で歌うにはあまりにも早いですが、シャンソンを歌った布施明とともに序盤の2番手だからこそ番組の格調が上がる形にもなりました。

 『レ・ミゼラブル』はその後何度も上演され、日本でも屈指の人気を誇るミュージカル作品になっています。劇中歌は翌年の紅白でも、エポニーヌを演じた島田歌穂が「オン・マイ・オウン」を歌唱。

 「夢やぶれて」は2009年、オーディション番組におけるスーザン・ボイルの歌唱がYouTubeで大きな話題になります。世界各国からオファーがあったと思われる中で、大晦日の仕事として選んだのは第60回NHK紅白歌合戦。彼女によって22年ぶりに紅白で披露される形になっています(全編英語詞という違いはありますが)。

応援など

 オープニングは白いドレスで登場、紅組司会の和田アキ子とガッチリ握手。2番手なので、セレモニー終了後は速やかに着替えのため移動します。

 キラキラ光る柄の入ったステージ衣装ですが、歌唱後もしばらくはそのまま番組に参加。10年ぶりに余興として取り入れられた紅白連想ゲームにも、この衣装で参加していました。

 中盤は福井県の明神ばやしを叩くパフォーマンス、赤い法被に白鉢巻姿になっています。後半~エンディングは真っ赤なドレスに面積の大きい黒スカート、ステージよりも派手な格好での登場でした。

第39回(1988年)「未成年」

ステージ

作詞:山川啓介 作曲:三木たかし
前歌手:島田歌穂、タイム・ファイブ
後歌手:TM NETWORK、佐藤しのぶ
曲紹介:和田アキ子(紅組司会)

和田「宏美ちゃんは今月13日に結婚しました。そして苗字が変わりました。新しいお名前は?」
宏美「益田宏美です」
和田「おめでとうございます。そしてたった今、この紅白の舞台から、岩崎宏美ではなく益田宏美として歌います。おめでとう!(イントロ開始)今の心境をそのまま歌にしました。噛み締めて歌ってください。「未成年」、益田宏美さんです!」

 「未成年」は1988年12月16日に発売されたばかりの新曲、作詞は「聖母たちのララバイ」以来彼女の曲を手掛けることが多くなった山川啓介。制作段階で結婚は既に決定、曲の発表に合わせて入籍届を出したのではないかと思われます。作曲は「思秋期」「あざやかな場面」以来10年ぶりとなる三木たかし、それは宏美さんがようやく紅白で初めて彼の作品を歌うことも指しています。出場歌手発表時点で「岩崎宏美」だった芸名も、本番のテロップは「益田宏美」に差し替えられていました。

 ”名前が変わるとあなたに知らせた”、紅白本番での名義変更発表は歌い出しの歌詞を強く意識した物と思われます。青い光が印象的な照明と、肩を出した無地の青ドレス。至ってシンプルな演出は、曲の魅力を最大限に引き出した内容でした。結婚を祝福していることが容易に分かる歌詞も印象的です。前年の内容も含めて考えると、宏美さんには全盛期よりもラスト2回のシンプルな演出の方が合っていたかもしれません。

応援など

 ランダムに登場するこの年のオープニング、実力派の触れ込みで小柳ルミ子五輪真弓と一緒に登場。そういえば前年までに存在したオープニングの歌手名テロップがこの年廃止、もしかすると紅白で苗字が変わる宏美さんに合わせた措置だったのかもしれません。

 この年は中盤の出番まで応援出演などは無く、歌唱後の歌手席応援~エンディングくらいです。ステージ以外の衣装は年々派手になる傾向にありましたが、この年は一転してシンプルな黒い衣装です。「蛍の光」は後方の立ち位置でしたが、結婚祝福もあって終盤にワンショットが抜かれました。

おわりに

 平成以降の紅白歌合戦は未出演ですが、ファン以外から再出場のリクエストは毎年非常に多いです。歌手活動は現在も継続、昨年は新曲の発売もありました。2020年にはYouTubeチャンネルも開設、昨年からは野口五郎との合同コンサートも組まれています。5月から8月まで全国ツアーも開催、そういえば野口さんとは『レ・ミゼラブル』での共演もありました。

 どの時代の宏美さんも素晴らしいですが、今あらためて見返すとラスト2年が一番彼女のアーティスティックな部分を引き出していたような気がします。確かに平成以降は活動内容も変わって紅白選出というわけにもいかなくなったようですが、再出場の機会がここまで一度もないのはやはり勿体ないの一言に尽きます。2000年代には妹の岩崎良美との活動も展開、由紀さおり・安田祥子姉妹のような童謡での出場があっても面白かったように感じますが…。

 ちなみに宏美さんのイベントは2013年に一度西宮ガーデンズに足を運んだことがあります。美しい声は年を重ねても健在であるとあらためて感じましたが、当時それ以上に衝撃を受けたのは親衛隊の応援でした。黄色い鉢巻をつけて「ロマンス」のコールをしている姿は、今でも忘れることは出来ません。現在もfacebookでの発信継続中、彼らの応援がある限り宏美さんの人気は高いまま推移しそうです。

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