歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第43回・1992年その5)

演奏時間&構成表 5(第43回・1992年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
46(紅23)
紅後半14
白い海峡大月みやこ3分4秒
2コーラス
4分4秒
2コーラス+サビ
47(白23)
白後半14
劇場の前森 進一3分2秒
2コーラス+ラスト
3分51秒
2コーラス+ラスト
48(紅24)
紅後半15
つくしんぼ都はるみ3分19秒
2コーラス
5分3秒
3コーラス
49(白24)
白後半15
三都物語谷村新司3分55秒
2コーラス+サビ
4分13秒
2コーラス+サビ
50(紅25)
紅後半16
男惚れ坂本冬美2分42秒
2コーラス+台詞
4分1秒
3コーラス+台詞2
51(白25)
白後半16
終着駅五木ひろし3分21秒
2コーラス
4分48秒
2コーラス+サビ2
52(紅26)
紅後半17
ホテル港や石川さゆり3分18秒
2コーラス
5分38秒
3コーラス
53(白26)
白後半17
佐渡の恋唄細川たかし3分24秒
2コーラス+小唄
4分49秒
3コーラス+小唄
54(紅27)
紅後半18
愛、とどきますか和田アキ子3分31秒
2コーラス
4分44秒
2コーラス+サビ
55(白27)
白後半18
秋桜さだまさし3分46秒
2コーラス
4分18秒
2コーラス
56(紅28)
紅後半19
赤とんぼ
~どこかに帰ろう
由紀さおり3分29秒
4コーラス+ラスト
2分52秒
4コーラス+ラスト
57(白28)
白後半19
帰ろかな北島三郎3分54秒
3コーラス
3分29秒
3コーラス

各ステージ・補足

 大月みやこは自身最大のヒット曲、日本レコード大賞も受賞した「白い海峡」を歌唱。1コーラスの長い曲ですが何とか2コーラス、ただイントロ・間奏は相当に短くなっていました。

 森進一は野口雨情の詩に浜圭介がメロディーをつけた「劇場の前」、和服姿での歌唱です。間奏はカットありですが、歌の部分についてはフルコーラス。演歌ではありますが、曲の構成は一般的なそれと大きく異なっています。

 都はるみは師匠・市川昭介作曲の「つくしんぼ」、バラードにもやや近い聴かせる演歌です。1番と3番の歌唱。イントロが前ステージの演奏終了と重なる始まり方、相当時間が押していることがうかがえます。(ステージレビュー→紅白歌合戦・都はるみの軌跡

 谷村新司は6回目の出場にして、初めてその年の新曲を紅白で披露。「三都物語」はJR西日本のCMソングとして、特に近畿地方では知名度の高い曲でした。フルコーラス歌唱は引き続き継続、アウトロは短くなった代わりにトリ仕様の盛り上がりが加えられています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・谷村新司の軌跡

 坂本冬美は1番と3番、2回ある台詞は前半部の披露でした。アウトロがイントロと同じメロディーに変更、やや盛り上がる雰囲気のエンディングになっています。

 五木ひろしは玉置浩二が提供した「終着駅」、ほぼバラードと言って差し支えない楽曲でした。1コーラス終了時点で1分半を過ぎていますが、2コーラス歌えるのは22年連続出場ならではと言った所でしょうか。なお2回目のサビは2番ではなく、ラストで歌う箇所に飛ぶ構成です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・五木ひろしの軌跡

 石川さゆりは「ホテル港や」、観客席からのさゆりコールがしっくり来る本格演歌です。「天城越え」ばりの迫力がある名曲ですが、あまり高くなかったCDセールスを覆す知名度にならなかったのが惜しいところ。1番と3番の歌唱です。

 細川たかしは「佐渡の恋唄」、こちらは64週オリコン100位以内に入った大ヒット曲でした。1番と3番、さらに「佐渡おけさ」をベースにした民謡パートも披露。細川さんらしい聴かせるステージとなっています。

 和田アキ子の「愛、とどきますか」は、野口英世をテーマにした映画『遠き落日』主題歌でした。スケールの大きなバラードを、2コーラス歌いあげます。この曲もトリ仕様で盛り上げる形のエンディングでした。

 さだまさしは1977年山口百恵に提供した「秋桜」のセルフカバー。作曲家の服部克久がピアノ演奏でゲスト参加。完全フルコーラス、ステージ開始時~1番まではさださんが弾くギターのみの演奏でした。有名なピアノのイントロは、1番が歌い終わってから加わる形になっています。なお『私花集』収録のセルフカバーはギター演奏がベース。つまり言うと、さだまさしver.と山口百恵ver.をうまくミックスしたアレンジになっている形です。

 この年は歴代紅白で唯一、童謡がトリに選ばれています。第38回以降の6回でもう3回歌われていますが、由紀さおりが「赤とんぼ」で飾る形になりました。本来なら3年前と同様安田祥子との共演になるはずですが、当時の紅白はグループでトリが認められなかったので舞台に立つのは由紀さんのみ。最初の2コーラスをアカペラ、その後にハープの演奏が加わり、4コーラス目でお姉さんの歌声も入ります。全体的にはコーラス中心で楽器はよく聴けば入っていることが分かるという程度、限りなくアカペラに近い形で締めた紅組のラストでした。

 大トリは北島三郎「帰ろかな」、家族をテーマにしたこの年の紅白歌合戦に相応しい選曲です。同時に、中村八大追悼の意味が込められていたと言っても良いかもしれません。明らかに100人以上いる大合唱団をバックに、3コーラスをフル歌唱。第24回と同じく童謡「七つの子」の一節も1番の後に加わっているので、原曲との比較ではそれを完全に超える構成になっています。テンポはかなり速め、元々演歌とは全く異なる曲調ですが、ブルースを聴いている感覚もありました。マイクを離して歌うサブちゃんの声量が凄まじく、個人的には50回出場した紅白で最も歌で魅了されたステージでした。

第43回(1992年)・まとめ

演奏時間ランキング(企画コーナーは除外)

順位曲順楽曲アーティスト演奏時間
145(白22)
白後半13
君がいるだけで
~紅白バージョン~
米米CLUB5分44秒
243(白21)
白後半12
フェアウェル・メドレーチェッカーズ4分55秒
333(白16)
白後半7
紅(KURENAI)X4分28秒
434(紅16)
紅後半7
晴れたらいいね
~紅白バージョン~
Dreams
Come True
4分27秒
523(白11)
白後半2
替え唄メドレー
~紅白バージョン~
嘉門達夫4分13秒
621(白10)
白後半1
太陽のあいつ少年隊4分10秒
749(白24)
白後半15
三都物語谷村新司3分55秒
857(白28)
白後半19
帰ろかな北島三郎3分54秒
955(白27)
白後半17
秋桜さだまさし3分46秒
1054(紅27)
紅後半18
愛、とどきますか和田アキ子3分31秒
4510(紅5)
紅前半5
涙のバケーションMi-Ke2分34秒
4518(紅9)
紅前半9
愛の終着駅八代亜紀2分34秒
471(紅1)
紅前半1
スピード森口博子2分33秒
4828(紅13)
紅後半4
河内おとこ節中村美律子2分33秒
4927(白13)
白後半4
冠 二郎2分30秒
5035(白17)
白後半8
雪國吉 幾三2分28秒
5119(白9)
白前半9
さすらい小林 旭2分27秒
5212(紅6)
紅前半6
コーヒー・ルンバ荻野目洋子2分26秒
5314(紅7)
紅前半7
ボーイ・ハント
伊東ゆかり2分21秒
5438(紅19)
紅後半9
愛冠岬松原のぶえ2分12秒
5537(白19)
白後半9
兄弟船鳥羽一郎2分10秒

 チェッカーズのファンが大挙参加したこともあって白組の歴史的圧勝になりましたが、それ抜きにしても長いステージは白組にかなり偏ってます。また前半・後半の時間的格差も大きくなり、前半は光GENJIの3分25秒が最長でした。ただ元々が3分前後の曲も前半多かったことは考慮すべき事案かもしれません。全ステージ平均は第1部が2分46秒、第2部が3分17秒、55ステージの平均は3分6秒。前年より短くなってます。

複数曲歌唱のステージ

曲順楽曲アーティスト演奏時間
曲数
23(白11)
白後半2
替え唄メドレー
替え唄メドレー2
替え唄メドレー3(完結篇)
帰ってきた替え唄メドレー4
デュエット替え唄メドレー
嘉門達夫4分13秒
23曲
34(紅16)
紅後半7
決戦は金曜日
晴れたらいいね
Dreams
Come True
4分27秒
2曲
43(白21)
白後半12
ギザギザハートの子守唄
涙のリクエスト
星屑のステージ
I Love you, SAYONARA
Present For You
チェッカーズ4分13秒
5曲
45(白22)
白後半13
君がいるだけで
なんちゅうこと言うの
米米CLUB4分13秒
2曲

 「紅白バージョン」というサブタイトルを加える形で3組、さらに解散前ラストのチェッカーズで4組。第39回の光GENJI以来、4年ぶりに新曲がメドレーに含まれるようになりました。

過去曲/カバー曲のステージ(新曲が含まれるメドレー除外)

曲順楽曲アーティスト発表年演奏時間
構成
8(紅4)
紅前半4
なごり雪イルカ1975年
(かぐや姫/1974年)
3分24秒
2コーラス半
9(白4)
白前半4
神田川南こうせつ1973年
(かぐや姫)
3分7秒
2コーラス
12(紅6)
紅前半6
コーヒー・ルンバ荻野目洋子1961年
(西田佐知子/31年ぶり2回目)
2分26秒
1コーラス半
13(白6)
白前半6
東へ西へ本木雅弘1972年
(井上陽水)
2分41秒
2コーラス+サビ
14(紅7)
紅前半7
ボーイ・ハント伊東ゆかり1971年
(コニー・フランシス/1961年)
2分21秒
1コーラス+サビ
15(白7)
白前半7
高校三年生舟木一夫1963年
29年ぶり2回目
2分39秒
3コーラス
16(紅8)
紅前半8
こんにちは赤ちゃん梓みちよ1963年
23年ぶり3回目
2分35秒
1コーラス
17(白8)
白前半8
見上げてごらん夜の星をデューク・エイセス1963年
(坂本 九/23年ぶり3回目)
3分12秒
1コーラス
18(紅9)
紅前半9
愛の終着駅八代亜紀1977年2分34秒
2コーラス
19(白9)
白前半9
さすらい小林 旭1960年2分27秒
2コーラス
21(白10)
白後半1
太陽のあいつ少年隊1967年
(ジャニーズ)
4分10秒
3コーラス
28(紅13)
紅後半4
河内おとこ節中村美律子1989年2分33秒
2コーラス
33(白16)
白後半7
紅(KURENAI)X1989年4分28秒
冒頭+0.5コーラス半
35(白17)
白後半8
雪國吉 幾三1986年
6年ぶり2回目
2分28秒
2コーラス
37(白18)
白後半9
兄弟船鳥羽一郎1982年
6年ぶり2回目
2分10秒
2コーラス
40(紅20)
紅後半11
遣らずの雨川中美幸1983年
9年ぶり2回目
2分35秒
2コーラス
55(白27)
白後半18
秋桜さだまさし1977年
(山口百恵)
3分46秒
2コーラス
56(紅28)
紅後半19
赤とんぼ
~どこかに帰ろう
由紀さおり1927年
3年ぶり3回目
3分29秒
4コーラス+ラスト
57(白28)
白後半19
帰ろかな北島三郎1965年
19年ぶり3回目
3分54秒
3コーラス

 55ステージ中過去曲オンリーは19、数は前回と同様です。「替え唄メドレー」は除外としました。荻野目洋子本木雅弘はこの年カバーシングルとしてリリースされています。前半第1部にかなり固まっていて、半分以上の10組を占める形になりました。

フルコーラス歌唱(間奏・アウトロ・フェイドアウトは除く)

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
8(紅4)
紅前半4
なごり雪イルカ3分24秒
2コーラス半
3分34秒
2コーラス半
9(白4)
白前半4
神田川南こうせつ3分7秒
2コーラス
3分8秒
2コーラス
14(紅7)
紅前半7
ボーイ・ハント伊東ゆかり2分21秒
1コーラス+サビ
2分28秒
1コーラス+サビ
15(白7)
白前半7
高校三年生舟木一夫2分39秒
3コーラス
3分5秒
3コーラス
16(紅8)
紅前半8
こんにちは赤ちゃん梓みちよ2分35秒
1コーラス
2分23秒
1コーラス
32(紅15)
紅後半6
サヨナラGAO3分11秒
1コーラス半
3分55秒
1コーラス半
34(紅16)
紅後半7
晴れたらいいねDreams
Come True
2分52秒
2コーラス+サビ
3分17秒
2コーラス+サビ
47(白23)
白後半14
劇場の前森 進一3分2秒
2コーラス+ラスト
3分51秒
2コーラス+ラスト
49(白24)
白後半15
三都物語谷村新司3分55秒
2コーラス+サビ
4分13秒
2コーラス+サビ
55(白27)
白後半18
秋桜さだまさし3分46秒
2コーラス
4分18秒
2コーラス
56(紅28)
紅後半19
赤とんぼ
~どこかに帰ろう
由紀さおり3分29秒
4コーラス+ラスト
2分52秒
4コーラス+ラスト
57(白28)
白後半19
帰ろかな北島三郎3分54秒
3コーラス
3分29秒
3コーラス

 フルコーラスは12ステージ。「晴れたらいいね」はメドレー内の1曲にも関わらずフルコーラスでした。1960年代の曲はやはり原曲が短いので、自然にフルコーラスが目立ちます。初出場のGAOが出色ですが、アルバムバージョンになるとフルにならないので若干微妙な部分もあります。

 

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