【今週の総合ソング・チャート“JAPAN HOT100”】
1位 Snow Man
2位 King Gnu
3位 Aimer
4位 INI
5位 優里
6位 Saucy Dog
7位 優里
8位 BE:FIRST
9位 AXXX1S
10位 マカロニえんぴつhttps://t.co/ynTVsdWD3S pic.twitter.com/v95cKc5Gtj— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) April 6, 2022
今週のチャート総評
首位はもちろんSnow Man「ブラザービート」。初動売上80万枚は前作「Secret Touch」より5万枚増、相変わらずの強さです。それ以前の「HELLO HELLO」「Grandeur」と比べると少し低めで、とりあえずはおよそ初週70~80万枚が一つの基準になっていると考えて良いでしょうか。リッピングは当然としてラジオやYouTube指標も1位、楽曲も以前のチャートレビューで書きましたが明るく盛り上がるパーティーチューン。ジャニーズ事務所所属のアーティストがヒットするたびに書いているような気がするのですが、配信未解禁による機会損失が甚だしいです。何とかならないのでしょうか。
今週上位の初登場はSnow Man以外だと9位のAXXX1S「Special Force」。5.8万枚のCDセールスだけでこの順位に到達しています。8人組男性グループで今作が3rdシングル、読みは”アクシス”。コンセプトは『王道+α』らしいです。前作「SUPER HERO」は35位だったので着実に順位を上げています。配信は既に1月9日解禁、アニメ『怪人開発部の黒井津さん』OPテーマにもなっています。ただYouTube再生数6万、Spotifyも前作の8倍とはいえまだ4.8万なので、実際のところはまだまだこれからという段階です。
34位に櫻坂46「五月雨よ」が初登場。今回CD発売の1週間前に配信開始、ただダウンロード6位という少し評価が難しい順位になっています。ストリーミング46位ですが、これは完全にLINE MUSIC効果でSpotifyだけだと10万止まりです。おそらくこのキャンペーンは、他の坂道系にも今後波及しそうな予感がします。また35位にはK-POPのNCT DREAM「Glitch Mode」が初登場。YouTube20位だけでなく、ストリーミングも29位発進と稼いでいます。同タイトルのアルバムは2位でこちらも好調なスタート。
37位のサカナクション「月の椀」はダウンロード7位・ラジオ3位。今週発売のアルバム『アダプト』は総合4位ですが、ダウンロードでは1位となっています。41位にはSaucy Dog「魔法にかけられて」が初登場。44位の7ORDER「パスボール」はCDセールス4位を記録しています。その他OMI、TREASURE、チャン・グンソクの新曲が初登場Hot100入りとなっています。
先週1位の乃木坂46「Actually…」は今週もCDセールス3位で総合11位。先週4位のINI「CALL 119」はまだLINE MUSICキャンペーン期間中で4位、なんとこれがストリーミング要素1位でした。ロングセラー組のポイント低下が今週は全体的に目立っています。ただSaucy Dogは新曲配信開始につき、「シンデレラボーイ」が先週よりポイント・順位ともにアップとなりました。
Tani Yuuki「W / X/ Y」はさらに最高位上昇で12位。ストリーミングは今週6位ですが、最新のSpotifyランキングではついに2位にまで上昇しました。3/25にTHE FIRST TAKE初登場、これが大きなきっかけになっています。そろそろMステかCDTVライブあたりの地上波歌番組出演があってもおかしくない頃で、そうなるとさらに反響を呼んで大ロングセラーになりそうな予感がします。1/26記事でレビューはしましたが、正直この時はここまで順位が上がるとは思っていませんでした。
Mステ歌唱の影響で優里「シャッター」は30位→19位、同じくあいみょん「双葉」も20位まで順位を上げています。一方Mr.Children「永遠」と藤井風「まつり」、Mrs.GREEN APPLE「ニュー・マイ・ノーマル」は少しランクダウン。ここからどれくらい粘れるかが今後のポイントになりそうです。
今週のピックアップ曲
AXXX1S「Special Force」
打ち込み編曲の明るいアップテンポ、アニメのオープニングテーマにはピッタリの曲調です。意外とサビ前半のコード進行がクセになる楽曲で、聴きやすく素直にスッと頭に入る内容ではないかと思いました。特別強いインパクトとまでは言いませんが、アニメの視聴者にとっては必ず1回は耳にすることになるわけなので、まだまだブレイク前の彼らにとってはそれだけで非常に大きな意味があります。
ただファンになる要素を挙げるとすれば、曲ではなく爽やかなメンバーのルックスに拠る部分が大きいという印象も持ちました。少し供給過多の傾向に入りつつあるボーイズグループ界隈にどこまで食い込めるかは未知数で、ジャニーズ以外にも大きな陣営が出来つつある状況ですが、それだけに彼らには頑張って欲しいです。
あいみょん「双葉」
先日Mステで見た時のツイートを、そのままこちらにも引用することとします。あえて古風な色彩調整の4:3サイズにした映像も、良い味を出しています。再生数ランキングはこちらで既に作っていますが、この曲も夏くらいにはランクインするのではないかと思われます。
「双葉」はNHKで放送された18祭のテーマソング。春というイメージにピッタリで、「青春」という言葉もよく似合う爽やかさ。あいみょん的には”歌っていそうで実はあまり歌っていない”楽曲という印象、もちろん今回も素晴らしい曲です
— カーシー (@Kerseemuzik) April 1, 2022
櫻坂46「五月雨よ」
最年少の山崎天がセンター、表題曲は櫻坂2期生から森田ひかる・田村保乃に続いて3人目の選抜になりました。
前々回レビューした乃木坂46「Actually…」は何年か前の欅坂46に近い印象もありましたが、こちらもこちらで往年の乃木坂46に近いテイストの楽曲です。音域がやや低めでサビ以外のボーカルはやや苦戦している様子ですが、弦楽器中心の編曲でメロディーは本当に美しく仕上がっています。
新章の始まりを感じさせる雰囲気は「4月」「春」「新生活」といったキーワードにもピッタリ、一方2時間ほどのワンマンだと終盤でより映えそうな楽曲のようにも感じました。櫻坂46のランキング記事を見る限りYouTubeは600万台目安、現在ここまで253万再生。再生数の多さと曲の評価は必ずしも連動しないですが、Buddiesと呼ばれるファン以外にも長く愛される大ヒット曲・1000万再生達成を目指して欲しい所です。
サカナクション「月の椀」
「プラトー」「ショック!」以降、サカナクションはMusic Videoではなく”Music Live Video”が続きます。この作品もオンラインライブの際に撮影された物で、毎度毎度その新しさとクオリティーの高さに驚かされるわけですが。
そもそも”月”をテーマにした曲は、自分調べではありますが名曲になる率が極めて高いです。これをサカナクションが手掛ければ、名曲になるのは必然。サウンドワークで聴かせるのはいつものことですが、今作は歌詞に合わせた美しいメロディーが大きなポイント。風流な味わいをあらためて感じさせる内容となっています。8曲入りのコンセプトアルバム『アダプト』は、次回のアルバムレビューで取り上げる予定です。
Saucy Dog「魔法にかけられて」
「シンデレラボーイ」がまだまだロングセラー中のSaucy Dogですが、3/25に配信で新曲をリリースしました。既にYouTubeで126万再生、Spotifyでは現在72万。新曲も是非もっと多くの人に耳を傾けて欲しい、とは制作側が最も感じていることではないかと思いますが。
シチュエーションはカップルの2人ですが、”愛してる”というフレーズ以外はカップルではなく友人同士でも十分成立する歌詞に仕上がっています。したがって、共感度は彼らのファンが多いと思われる若い世代でなくても高いのではないかと感じました。シンプルな演奏は歌詞の出来が作品の完成度に大きく左右されますが、その意味では今回の新曲も非常に良い内容です。半年後にはそれこそ、「ドライフラワー」筆頭に多数ランクインさせている優里に近い存在になるのかもしれません。
カラオケは現在も「ドライフラワー」が1位ですが、2位も現在「シンデレラボーイ」が6週連続となっています。そろそろ順位が入れ替わってもいい頃ですが、どうなるでしょうか。
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