紅白歌合戦・谷村新司の軌跡~ステージ編(1995~2009)~

第46回(1995年)「君のそばにいる」

ステージ

作詞・作曲:谷村新司
前歌手:米米CLUB、松田聖子
後歌手:藤あや子、吉 幾三

曲紹介:古舘伊知郎(白組司会)
踊り:宝塚歌劇団月組 振付:山田 卓

 これまでの8年は終盤の曲順でしたが、この年は異例の白組後半3番手。ステージや曲調もまた過去の谷村さんとは異なる内容でした。なおこの年は長年所属したポリスターを離れて、シングル「メシアふたたび」をビクターエンタテインメントからリリース。その後ポニーキャニオンに移籍、シングル「君のそばにいる」とアルバム『I・T・A・N』を発売しました。

 後半開始から5分超のステージが4つ続いた後、古舘さんが当時宝塚を退団したばかりの審査員・天海祐希にインタビュー。そこから曲紹介に入ります。「歌い出しはね、囁くように、森本レオのナレーションのような感じでいくところが多いんですけども今日はアップテンポ、ラテン入ってます。もうお茶の間のお父さんもしあったら、マラカス持ってリズム刻んでください。こちらの「君のそばにいる」、月組の皆さんが駆けつけてくださいました!」

 天海さんは紅白直前まで宝塚歌劇団月組のトップスター、前年彼女が主演を務めた公演『エールの残照』は谷村さんが提供する「風のシャムロック」が主題歌でした。紅白で宝塚歌劇団との共演が実現したのは、こういった部分が背景にあります。なお紅白歌合戦に宝塚歌劇団が登場するのは連続テレビ小説『虹を織る』の応援で登場した第31回(1980年)以来15年ぶり、ステージでダンスを披露するのは「ベルサイユのばら」がブームになった第26回(1975年)以来20年ぶり、出場歌手との共演は現役の団員であった第22回(1971年)・真帆志ぶきのステージ以来24年ぶりでした。

 ステージは「君のそばにいる」のイントロに乗せた宝塚歌劇団月組の踊りから始まります。約30名の団員が勢ぞろいで鮮やかなダンスを披露する間に谷村さんが後ろでスタンバイ、一通りショーが終わった後に加わって歌に入ります。

 歌に乗せて宝塚の団員も一緒にダンス、間奏では谷村さんも回転などを取り入れた踊りを軽く披露しています。いつものように2コーラス半のフル歌唱、ラストサビは新しい月組スターの久世星佳(男役)・風花舞(娘役)ペアが前で踊る中、歌劇団メンバーに囲まれての歌唱でした。終始ノリノリの笑顔で歌っていたのは、言うまでもありません。

 なお歌唱後に登場した紅組司会・上沼恵美子によると、「谷村新司さんは紅の応援ですよ。さっきあたしお寿司頂きましてん。白で出てますけど気持ちは紅でしょう、ハハハハハ(下品な笑い)」。男女が雌雄を決する紅白歌合戦でありますが、谷村さんの女性好きはアリス時代からよく知られる話でした。

応援など

 この年は前年までにあった軽妙な司会者とのやり取りは無し、オープニングとエンディング以外は小沢健二「ラブリー」の応援に登場したのみでした。

 トリ前で歌唱した森進一「悲しみの器」が、谷村さんの楽曲提供で作詞作曲にクレジットされています。ちなみに紅白歌合戦歌唱曲で初の楽曲提供は第33回(1982年)、高田みづえが歌う「ガラスの花」でした。

第47回(1996年)「愛に帰りたい」

ステージ

作詞・作曲:谷村新司
前歌手:堀内孝雄、藤あや子
後歌手:石川さゆり、細川たかし

曲紹介:古舘伊知郎(白組司会)

 谷村さんが紅白で歌う新曲は全てタイアップがついています。そのためオリコンで計上されるCD売上よりも印象的な作品は多いです。前年の「君のそばにいる」は味の素のほんだしCMソング、この年の「愛に帰りたい」はNECのPC-98シリーズのCMソングとしてお茶の間にお馴染みの曲でした。ただオリジナルアルバムどころかベストアルバムにも全くと言っていいほど収録されず、サブスクでも数少ない未解禁曲と化している現状もあります。

 「谷村新司さんは1970年、大陸横断バスで2年の歳月をかけてアメリカ各地を回りました。そしてその時、あぁ~色んなところに住んでいる人と、自分は歌を通じて触れ合っていくんだ、そんな自分の役割を決意した、若干22歳・まだ彼がアマチュアだった頃のことです。この紅白歌合戦は世界四十数ヶ国に放送されております。さあ、谷村さんのこの歌は彼の世界へのメッセージ。「愛に帰りたい」、早速お聴き頂くことに致しましょう!」。バンドセットの準備があるため30秒の時間を必要としましたが、それをトークではなく曲紹介だけで持たせる古舘さんの司会技術が光っています。

 コンサート仕様の生演奏、キーボード2人(うち1人はサックス兼任)体制でパーカッションも入る豪華さです。ドラムのスネアのみをバックにしたコーラスとのアカペラから始まり、1番前半から何度も歌い上げる場面が入ります。一定以上の声量を必要とする力強い歌唱は大迫力、バンド演奏も大変な聴き応え。所々間奏などで、リズムを取るようにマイクオフで叫ぶ場面も絵になります。

 終盤は手拍子を促すような演奏もあり、コンサートのフィナーレを見ているかのようでした。隠れた名ステージかつ隠れた名曲、サブスク解禁が待たれる所でしたが、2023年2月にようやくの解禁となっています。

応援など

 この年もオープニング・前半ラスト・エンディング出演と渥美清追悼企画「男はつらいよ」出演のみで、歌以外の出番は少なめでした。

第48回(1997年)「櫻守」

ステージ

作詞・作曲:谷村新司
前歌手:加山雄三、坂本冬美
後歌手:都はるみ、細川たかし

曲紹介:中居正広(白組司会)

 「谷村さんがこんなことをおっしゃってました。21世紀になっても、心に残る歌を歌い続けたいとおっしゃっていました。さあ、それでは歌って頂きましょう。「櫻守」、谷村新司さんです、どうぞ」。この年はバンドセット未使用なので、前年と比べると曲紹介は10秒足らずの短さです。

 樹木のセットは直前に歌った坂本冬美と同様ですが、ピンクに照らすことで桜らしさを演出していました。”はらり はらり”という歌詞通り、後ろで桜吹雪を降らせています。もっとも北島三郎のような爆雪と比べると、歌手本人に被るようなことの無いささやかさです。

 漢数字を示す歌詞を手で表現するシーンもありましたが、ステージは渋く優雅に2コーラスという内容でした。珍しくフルコーラスではありませんが、演奏時間は約3分半と一定の長さが保証されています。

応援など

 前半では初の白組司会を務める中居正広の激励に、国分太一と一緒にビールのジョッキを持ちながら登場。そのまま紅白歌手が入り交じる山川豊「酒場のろくでなし」の曲紹介、「台本には”寸劇”と書いてあります」とわざわざ伝える一幕もありました。

 トップバッターのT.M.Revolution「WHITE BREATH」では全歌手総出で白いハンカチを振り、前半ラストの南こうせつ「うちのお父さん」では打楽器を演奏する姿が映っています。後半では企画コーナー参加もありました。

第49回(1998年)「チャンピオン」

ステージ

作詞・作曲:谷村新司
前歌手:さだまさし、長山洋子
後歌手:石川さゆり、細川たかし

曲紹介:中居正広(白組司会)、木村拓哉

 スポーツヒーローショーに登場したサッカーW杯日本代表・ジュビロ磐田の中山雅史選手がこちらにも登場。「どうもー、再び中山です」と挨拶しています。21世紀への抱負をコメントしたもらえた後で、横にいる木村拓哉が古畑任三郎(田村正和)のモノマネ。「2001年、2000年に向けては体がついていく限り、ぼちぼち頑張っていきたいと思います…」「それでは皆さん聴いてください、谷村新司さんで「チャンピオン」」。中居さんが木村さんに振る形で曲紹介しましたが、なぜか「ちょっと人の仕事を取らないように」とのツッコミが入りました。なお木村さんは当時『SMAP×SMAP』のコントで古畑拓三郎のキャラクターをたびたび披露、本家のドラマにもスマスマが始まる前に犯人役で出演しています。

 さてこの年の谷村さんのステージはひと味もふた味も違います。アリス時代の曲を谷村さんソロとして演奏するのも初めてですが、衣装も黒いジャンパーに帽子を被ったロックスタイル。バックバンドに女性コーラスも引き連れて、イントロには”You’re King of Kings, Champion”の歌詞でコーラスも入るアレンジ。間奏に入るたびに入る”アォ!”の叫び、ラストサビではジャンパーを脱いだチョッキ姿になっています。

 音の厚味と迫力に満ちた生演奏は20年前のアリス時代を超えるような内容で、平成10年という時代に合わせて進化した圧巻のステージでした。この年の紅白歌合戦は郷ひろみ「セクシー・ユー」や西城秀樹「傷だらけのローラ」もそうですが、リアレンジされた往年の名曲のステージが特に光っています。終盤のSMAP安室奈美恵和田アキ子だけでなく、全編にわたって極めて内容の濃い紅白であったのは言うまでもありません。

応援など

 前半のスポーツヒーローショーではエスコート役として登場。まだオリンピックで銀メダルを獲得する前の競泳・田島寧子選手と腕を組んで入場して、マイクを向ける役でした。

 橋幸夫「いつでも夢を」の全員参加には加わりますが、後半にあったハーフタイムショーは不参加でした。その代わりに直前のGLAY「誘惑」の曲紹介で、応援で登場した中山エミリ藤崎奈々子の後ろに山本譲二山川豊鳥羽一郎と顔見せのみで登場しています。

第50回(1999年)「昴-すばる-」

ステージ

作詞・作曲:谷村新司
前歌手:森 進一、石川さゆり
後歌手:天童よしみ、五木ひろし

曲紹介:中村勘九郎(白組司会)

 「白組は谷村さんをお迎え致しております。谷村さんの歌は志があります。ですから聴いてる者の心がグッとくるんです。この名曲、「昴-すばる-」。お聴きください!。勘九郎さんの曲紹介はイントロに乗せられる形、直前の石川さゆりが終わってからすぐの演奏でした。

 曲名テロップに星が動くアニメーションあり。後ろから直線状に光るライトだけでなく、床面にも天井からの照明で星の柄を作っています。満天の星空で歌うイメージの演出を、バッチリ表現するステージでした。その美しさに谷村さん自身も、歌いながら感激している様子です。

 歌声はこれまでの3度と大きく変わらない名歌唱、構成も間奏が僅かに短くなる程度でしっかり2コーラス半が確保されています。50回記念ということでこの年の終盤は過去曲が非常に多く、ラスト各5組は9曲連続過去曲・トリ2つ前の「昴-すばる-」を含めた5曲がトリ歌唱ありという重厚さでした。

応援など

 前半はSomething ELseの応援でギター演奏と、「21世紀の君たちへ~A Song for Children~」全員合唱参加がありました。スティーヴィー・ワンダーの作曲でさだまさしが日本語詞を担当しましたが、谷村さんはそのさださんと一緒に締めのパートを歌っています。

 後半は各界のアスリートが集うスポーツヒーローショーに登場。谷村さんがエスコートしたのは当時世界選手権3連覇、現在はオトボケ系のタレントとして活躍しているレスリングの浜口京子選手です。

第51回(2000年)「アリス・ミレニアム・スペシャル」

ステージ

歌唱曲1:「冬の稲妻」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
歌唱曲2:「ジョニーの子守唄」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
歌唱曲3:「チャンピオン」(作詞・作曲:谷村新司)
前歌手:前川 清、ピンク・レディー
後歌手:川中美幸、森 進一
曲紹介:和泉元彌(白組司会)

 ステージについては紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(平成の再結成組編)で記述済なので、そちらを参照してください。3曲で演奏時間5分53秒、非常に内容の濃い贅沢な内容でした。

応援など

 劇団四季のメンバーが直々に登場した「ライオンキング」のステージにコーラス参加。衣装もこのミュージカル仕様です。なお堀内孝雄も隣で参加していましたが、ドラム担当の矢沢透は不参加でした。

 「上を向いて歩こう」の全員合唱は花*花の2人と一緒に参加。彼女たちは兵庫県の高砂、谷村さんは大阪なので同じ関西出身です。アリスのステージ終了後は民謡のショーコーナーに参加、帽子を被ったまま「ソーラン節」などを歌っています。

第52回(2001年)「陽はまた昇る」

ステージ

作詞・作曲:谷村新司
前歌手:CHEMISTRY、キム・ヨンジャ
後歌手:森 昌子、美川憲一

曲紹介:阿部 渉(白組司会)

 「辛い出来事が多い中で、僕が一言お伝えしたいのは、朝の来ない夜はない。そのことだけを考えて歌いたいと思います」。谷村さんが直々に視聴者へメッセージを贈ります。21世紀最初の年はアメリカ同時多発テロ事件が9月11日に発生、世界の平和が大きく脅かされた年でした。12年ぶりに紅白で「陽はまた昇る」が選曲されたのは、おそらくこれが背景にあったからではないかと思われます。

 夕焼けの背景をバックにして熱唱する、極めてシンプルな演出のステージでした。2コーラスで約3分40秒、12年前と比べるとサビの繰り返しがない分短めです。

応援など

 前半は13年ぶりに復活した歌手席応援に参加後、トリの加山雄三「旅人よ」でギター演奏。マイクを共用したのは盟友・堀内孝雄TOKIO松岡昌宏でした。

 後半では翌年開催のFIFAワールドカップに因んだショーコーナーに登場。加山雄三やダンサーと一緒に、アフリカ音楽を奏でる姿が見られます。

 後半はウルフルズ&Re:Japan「明日があるさ 新世紀スペシャル」の曲紹介に参加。「僕も高校生の頃、この歌をよく歌いました。いい歌はこうやって歌い継がれていくんだな、ちょっと感激ですね」とコメント後、ステージでスタンバイしているウルフルズのメンバーに手を振っています。

第53回(2002年)「昴-すばる-」

ステージ

作詞・作曲:谷村新司
前歌手:SMAP、中島美嘉
後歌手:中島みゆき香西かおり

曲紹介:阿部 渉(白組司会)
二胡演奏:チェン・ミン

 ついに5回目となった「昴-すばる-」の歌唱。今では5回以上同一歌手に歌われた曲も多くなり、「津軽海峡・冬景色」「天城越え」に至っては10回を超える回数になっていますが、当時は千昌夫「北国の春」以来史上2回目の記録でした(なお同年に北島三郎「帰ろかな」も5回目の歌唱)。

 「さて、この第53回NHK紅白歌合戦は世界のおよそ90の国と地域で放送されています。今年、中国と日本は国交正常化30年を迎えました。続いては今年9月に北京でコンサートを開いた谷村新司さんです。メッセージを頂いています。」

 「僕が初めて中国を訪れたのは20年前、アリスのコンサートを開いた時です。これからも日本と中国の架け橋として、中国の人々と関わっていきたいです。」

 「今夜はその中国を代表する二胡奏者、チェン・ミンさんとの共演です。中国でも多くの人々に愛されている歌、「昴-すばる-」。谷村新司さんです」

 星空の背景をバックに、真っ黒なチャイナ服スタイルで登場した谷村さん。アップで映る顔は、これまでの紅白と比べても格段に暗めです。5回目の演奏ですが、これまでと大きく異なるのはやはりアレンジ。チェン・ミンが飛び石ステージで奏でる二胡の演奏が1回目の間奏以降絶え間なく響き渡り、アジアンテイストを見事に演出していました。トリやその近辺で歌われることの多かった「昴-すばる-」ですが、紅白歌合戦でのアレンジはこの5回目が一番優れていたかもしれません。

応援など

 「二人のアカボシ」で初出場のキンモクセイの曲紹介にさだまさしと登場。小澤征悦も交えてトリオ漫才みたいなやり取りを披露しましたが、小澤さんのボケの精度が低すぎて不発に終わりました(やり取りの内容はこちらにて掲載)。後半は『紅白Ring Show』に参加しますが、司会者からの指名は無しでした。

第54回(2003年)「いい日旅立ち・西へ」

ステージ

作詞・作曲:谷村新司
前歌手:綾戸智絵華原朋美
後歌手:ZONE、さだまさし

曲紹介:阿部 渉(白組司会)

 史上最多の全62組出場となったこの年の紅白歌合戦、その中には普段テレビに出演しないアーティストも含まれていました。これまで16回全て後半での出場だった谷村さんですが、この年はついに前半20時台の出番に回ります。「いい日旅立ち・西へ」はこの年10月に鬼束ちひろに提供したJR西日本のCMソング、北へ向かう「いい日旅立ち」の歌詞を変えてのリリースです。セルフカバーはこの年12月のアルバム『アリガトウ』に収録されていました。ちなみに鬼束さんは他にも「月光」「infection」「流星群」「私にワルツを」など多数の名曲・ヒット曲を発表していましたが、紅白出場は不思議なことに一度もありません。

 「さて、素晴らしいニッポンを代表する名曲中の名曲・「いい日旅立ち」。多くの人を旅へと誘ってきたこの歌に、今年西日本をテーマにした新しい詞が書き加えられました。さらに愛される歌になればという想いを込めて。谷村新司さん、「いい日旅立ち・西へ」。」

 ドライアイスが床面に舞う演出で、歌う谷村さんの姿がやや隠れ気味です。照明は1番が朝焼け仕様、2番はやや濃いめの青色で、サビ以降は澄み切った青空をイメージした内容でした。2コーラス歌唱ですが、前年までと比べると声量はやや抑え気味でした。どことなく、髪の毛に白い部分が目立ち始めているようにも見えます。

応援など

 この年の歌以外の出番は後半のRING SHOWのみです。沖縄アレンジの「雪」を輪唱で、堀内孝雄さだまさし後藤真希と一緒に歌っています。ただ時間が完全に押している上に人数多くグダグダで、特にツッコミを入れられることなくそのままコーナー終了となりました。

第56回(2005年)「アリス プレミアム 2005」

ステージ

歌唱曲1:「狂った果実」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
歌唱曲2:「遠くで汽笛を聞きながら」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
前歌手:森 進一、AI
後歌手:夏川りみ、Def Tech
曲紹介:みのもんた(総合司会)、山根基世(総合司会)

 ステージについては紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(平成の再結成組編)で記述済なので、そちらを参照してください。「遠くで汽笛を聞きながら」は、第47回(1996年)に堀内さんが歌って以来9年ぶりのパフォーマンスです。

応援など

 オープニングとエンディングの出演のみに留まっています。後半最初の「世界に一つだけの花」全員合唱も、直後に堀内さんが倖田來未の応援に参加したこともあって不参加でした。

第60回(2009年)「チャンピオン」

ステージ

作詞・作曲:谷村新司
前歌手:五木ひろし、(企画ステージ)、木村カエラ
後歌手:中島美嘉、ゆず
曲紹介:阿部 渉(総合司会)、嵐

 ステージについては紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(平成の再結成組編)で記述済なので、そちらを参照してください。ライブアレンジの、非常に見応えあるステージでした。

応援など

 オープニングとエンディング、後半最初の「歌の力」全員合唱に参加しています。この頃になると既に完全に白髪姿、またステージとエンディング以外は眼鏡をかけての出演でした。

おわりに

 谷村さんは2004年から中国・上海音楽学院の教授に就任しました。そのため第55回の紅白歌合戦は辞退となっています。アリスとしては第56回・第60回に出場していますが、ソロでは第54回の「いい日旅立ち・西へ」が今のところ最後になっています。2006年以降も「風の暦」「夢人~ユメジン~」「今ありて」などが引き続きヒットしますが、紅白で歌う機会はありませんでした。

 アリスとしての再出場も期待されましたが2023年に病気のため療養生活、活動も休止状態となりました。そのまま10月に74歳で逝去、非常に残念という一語に尽きます。多くの名曲が発表され、紅白歌合戦でも数多く歌われてきました。もしかすると2023年の紅白では「いい日旅立ち」か「昴~すばる~」辺りを誰かが歌うことになるかもしれません。あらためてご冥福をお祈りします。

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