紅白歌合戦・堀内孝雄の軌跡~ステージ編(1996~2009)~

第47回(1996年)「遠くで汽笛を聞きながら」

ステージ

作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄
前歌手:さだまさし、島倉千代子
後歌手:藤あや子、谷村新司

曲紹介:古舘伊知郎(白組司会)

 歌う前に古舘さんとのトークあり。「実はアリス時代にこの歌はお蔵入りしまして。その歌がなんと自分の永遠の曲になるとは。わかんないものですねぇ」と、今回歌う楽曲について語っています。1976年に発表された楽曲はアルバム『ALICE V』収録で後にシングルカット。バンドが解散してからも、谷村さん堀内さん双方がソロでよく披露しています。当時の古舘さんはテレビで滅多に歌わない曲と説明していましたが…。「皆さんこの大晦日のこの一瞬、寒いと思いますけどちょっと窓を開けてみたらどうでしょうか。普段は街の騒音にかき消されている何かが聴こえてくるかもしれません。「遠くで汽笛を聞きながら」」

 バンドセットあり、堀内さんもギターを演奏しながら歌います。ギターよりもキーボードが目立つ編曲、ただそれよりもやはり生音の温かみが非常に伝わるアレンジです。2コーラス終了後に「Alright!」と叫ぶ堀内さん、ワンマンライブさながらのステージです。

 間奏も含めて3コーラス、アウトロもたっぷり含まれた堂々のフル歌唱。大人の歌謡曲路線も良いですが、やはり堀内さんの原点はフォークソングであることを再確認できた内容でした。なお紅白でアリス時代の曲をソロで歌った年は他に無し、「君のひとみは10000ボルト」「南回帰線」といった紅白出場前のヒット曲も残念ながら歌う機会は訪れませんでした。

応援など

 映画『Shall we ダンス?』とマカレナダンスが流行した1996年、紅白でもこの2つを混ぜ合わせたショーコーナーが企画されました。堀内さんはマカレナパートに出演、情熱的な衣装でスペイン風のダンスを踊っています。ただ締めで片脚を上げるポーズはバランスが取れず、ズッコケた結果周りにいる出演者から笑われてしまってます。

第48回(1997年)「愛しき日々」

ステージ

作詞:小椋 佳 作曲:堀内孝雄
前歌手:山川 豊、Every Little Thing
後歌手:香西かおり、(ショーコーナー)、松たか子

曲紹介:中居正広(白組司会)

 中居「さて続いては白組・堀内孝雄さんです。さあ堀内さんにですね一度会ったらお伺いしたかったことがあるんですけども、いつもあのステージ上で間奏なりコーダで「サンキュー!!」とおっしゃるじゃないですか。あの正しい言い方じゃないですけど、なんか…」
 堀内「正しい言い方?これはあのなるべく遠くに向かって、そして届くように、そして心の中はどこか感謝の気持ちを忘れずに、高らかに。サン、キュー!! これでございます」
 中居「サンとキューの間に…サン、キュー!」
 堀内「いやダメ、サン、キュー↑!!
 中居「あっ、キュー↑ですね!はい、分かりました。ありがとうございました」
 堀内「失礼しましたー!」
 中居「さあ堀内孝雄さんに歌って頂きましょう。名曲でございます。「愛しき日々」」

 この年の歌前トークは、堀内孝雄さんによるサンキュー講座でした。サンとキューで少し間を空けるというご教授でしたが、それ以前の紅白を見る限りでは全て一息で語尾も上げずにサンキュー!と挨拶しているような気がします。

 楽曲は2年連続ではぐれ刑事主題歌と異なる、過去曲になりました。ただ「愛しき日々」は6年前に歌ったばかり、アリス時代の名曲を歌った前年と比べるとやや物足りない選曲です。原曲と比べてややリズムをズラす歌唱でした。最後の「サンキュー!」はやはり間を空けず一息に、ただ表情と右手をグーにする腕は確かに気持ちがこもっています。

応援など

 前半ラストの南こうせつ「うちのお父さん」ではギター演奏で応援、後半は加山雄三の還暦記念ステージにコーラスで参加。トップバッターのT.M.Revolutionも含めて、この年は白組ステージの応援参加が堀内さんに限らず多めです。

第49回(1998年)「竹とんぼ」

ステージ

作詞:荒木とよひさ 作曲:堀内孝雄
前歌手:GLAY、(ハーフタイムショー)、川中美幸
後歌手:Kiroro、武田鉄矢(海援隊)

曲紹介:中居正広(白組司会)、草彅 剛、香取慎吾

 草彅剛香取慎吾が登場、2人が飛ばす竹とんぼで紅白の勝敗を占います。まず香取さんが白組の占い、そこそこの距離を飛ばして後方に着地。そして草彅さんもついでという形で紅組を占いますが、ほとんど飛ばないはずが前にうまく飛んでこちらの方が優勢という結果に。「白組よりいいじゃねぇかよ~」と2人からツッコミが入ります。というわけで、「勝利の大飛行、堀内孝雄さん「竹とんぼ」、どうぞ!」と曲紹介。なおこの年の紅白歌合戦は白組相手にそこそこの差をつけて紅組勝利、結果的に竹とんぼ占いは大当たりでした。

 この曲も例のごとくドラマ『はぐれ刑事純情派』主題歌ですが、イントロ・間奏でセリフが入る構成はこれまでと違う構成でした。CD売上は「東京発」の1995年以降やや頭打ち状態でしたが、この曲は1993年の「影法師」に次ぐヒットを記録しています。

 舞台上手側やや端の方で冒頭のセリフ、歌いながら歩いてセンターに向かうオープニングです。紅白では星空の背景をバックにして歌うことが多かった堀内さんですが、この年は夕焼けのイメージでした。例の「サンキュー!」は1番歌唱後セリフ前、締めは「ありがとうございましたー!」。後半5番手で川中美幸「二輪草」とのヒット演歌対決は、前年までしっくり来ない時間帯・対戦カードが多かった中でもっともハマっていた組み合わせでした。

応援など

 前半は山本譲二「俺がいるじゃないか」のステージ応援に参加。鳥羽一郎他と一緒に、大きな纏を持ち上げています。それ以外はオープニング・エンディング・橋幸夫「いつでも夢を」のステージ参加がありました。

第50回(1999年)「続・竹とんぼ-青春のしっぽ-」

ステージ

作詞:荒木とよひさ 作曲:堀内孝雄
前歌手:中村美律子Kiroro
後歌手:伍代夏子、TOKIO

曲紹介:中村勘九郎(白組司会)、稲垣吾郎

 好評だった「竹とんぼ」は続編も作られてまたヒット、紅白でも前半ですがめでたく歌われる形になりました。曲紹介は稲垣吾郎の他にどーもくんうさじいも参加、会場を盛り上げます。NHKBSのイメージキャラクターだったどーもくんは1998年12月に誕生、これが紅白初登場でした。「白組勝利じゃ!バンザーイ!(うさじい)」「どーもー」と、声も出しています。「それではアリスでデビューして28年、いまや演歌の顔となられました。堀内孝雄さん、「続・竹とんぼ」」。うさじいが暗転するまで、曲フリのポーズを続けているのが引きの映像で確認できます。

 舞台中央、コロシアムのような大型セットで、夜空イメージの照明の中で歌うステージでした。天井の照明で、床面に星空を作る演出は後半・谷村新司「昴-すばる-」でも採用されています。

 「サンキュー!」「ありがとうーございましたー!」は前年と同様のタイミング、2コーラス歌唱と大きなアクションもそのままです。派手な演出はありませんが、その方がかえって歌の良さが引き立っているような気がします。その年発表の演歌メインの時間帯でしたが、威勢の良い挨拶もあって拍手は他のどの歌手よりも大きいように聴こえました。

応援など

 前半ラストは「21世紀の君たちへ~A Song for Children~」全員合唱に参加。紅色のスーツで、松たか子と一緒に歌うシーンがあります。

 後半のスポーツヒーローショーでは、柔道の阿武教子選手と前田桂子選手をエスコート。ただ本来の台本から変更があったようで、進行の久保純子アナはそれを知らされず「エスコートは木梨憲武さんです」とアナウンス。思わず「違います」とアピールする堀内さん、即座に訂正アナウンス。ただコメントしようとマイクを向けられた阿武選手は、突然の出来事に当然ながら動揺しています。木梨さんは野猿のステージで全身白塗りのパフォーマンス、それどころではなかったのかもしれません。

第51回(2000年)「アリス・ミレニアム・スペシャル」

ステージ

歌唱曲1:「冬の稲妻」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
歌唱曲2:「ジョニーの子守唄」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
歌唱曲3:「チャンピオン」(作詞・作曲:谷村新司)
前歌手:前川 清、ピンク・レディー
後歌手:川中美幸、森 進一
曲紹介:和泉元彌(白組司会)

 ステージについては紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(平成の再結成組編)で記述済なので、そちらを参照してください。3曲で演奏時間5分53秒、非常に内容の濃い贅沢な内容でした。

応援など

 劇団四季のメンバーが直々に登場した「ライオンキング」のステージにコーラス参加。衣装もこのミュージカル仕様です。なお谷村新司も隣で参加していましたが、ドラム担当の矢沢透は不参加でした。

 「上を向いて歩こう」の全員合唱は八代亜紀と一緒のマイクを使用。終盤に”一人ぼっちの夜”と歌う箇所で、仲良く人差し指を立てるポーズで歌っています。谷村さん同様、後半は民謡をテーマにしたショーコーナー出演もありました。

第52回(2001年)「酒と泪と男と女」

ステージ

作詞・作曲:河島英五
前歌手:美川憲一、石川さゆり
後歌手:川中美幸、さだまさし

曲紹介:阿部 渉(白組司会)

 「男の弱さ、男の切なさ、男の生きざま。河島英五さんの歌には、そんな思いが込められていました。今年、突然帰らぬ人となった河島英五さん。今夜は親友であり、良きライバルでもあった堀内孝雄さんが歌います。「酒と泪と男と女」」

 アリス時代からの盟友で、この年48歳の若さで急逝した河島英五を追悼するステージです。大きなスクリーンに映る生前の河島さんとデュエットする演出は、紅白歌合戦始まって以来の試みでした。

 最新の技術導入だけでなく記録・記憶ともに極めて強く残るパフォーマンス、歴代の紅白歌合戦でも最上位に入る名ステージです。多くあった追悼ステージでも、特に印象深い内容でした。これについては紅白名言集解説・58~紅白史上屈指の追悼ステージ~で詳しく書いているので、そちらを参照してください。

応援など

 前半は山川豊「泣かないで」のステージに参加。ボクシングのトレーナーをやっていると話す山川さん、コーラス隊担当で一緒に舞台に向かう前に「カーン!」とよく響くゴングの音を表現。その後は布施明美川憲一などと一緒に、コーラスと変な振り付けで場を盛り上げます。また前半トリの加山雄三「旅人よ」にもコーラスで参加、TOKIO松岡昌宏の横で盟友・谷村新司とのツーショットがありました。

第53回(2002年)「かくれんぼ」

ステージ

作詞:荒木とよひさ 作曲:堀内孝雄
前歌手:山本譲二、田川寿美
後歌手:藤あや子、(ショーコーナー)、TOKIO

曲紹介:稲垣吾郎、阿部 渉(白組司会)

 第42回(1991年)以降演奏を担当するオーケストラは舞台裏もしくは別スタジオ使用になりましたが、この年は前半の演歌4組に限ってステージ上のオーケストラ演奏が復活しています。その中の3組目として登場、曲紹介を担当したのは阿部アナを激励しに来た稲垣吾郎でした。

 「続いて、白組は堀内孝雄さんです。私の歌で皆さんが心に何かを感じてくれれば、それが私の幸せです。堀内さんからのメッセージです」。ゴローさんが台本を手にして読み上げた後に、2人揃って曲名を紹介します。

 「もういいかい」「まーだだよ」のSEが流れる中で登場する堀内さん。担当していたのは矢口真里中澤裕子ですが、特に矢口さんは当時モーニング娘。のメンバーなので生というわけにはいかなかったようです。手拍子する動きに応える観客席、「ありがとうございます」と挨拶して歌に入る温かい雰囲気。

 1コーラス半ではありますが、オケバックの生演奏・手拍子・タバコを吸う音と動きまで入れる表現力・間奏「サンキュー!」「今年も一年、ありがとうございましたー!」と締める内容はかなり高い密度でした。大ヒット曲ではありませんが、個人的には平成の中でも間違いなく上位に入る名ステージです。

応援など

 この年は後半『紅白Ring Show』に参加しますが、司会者からの指名は無かったのであまり目立ってはいません。ただ立ち位置は谷村新司の真後ろ、第51回の再結成以来2人一緒に映る場面はそれ以前より増加しているような気がします。

第54回(2003年)「河」

ステージ

作詞:たきのえいじ 作曲:堀内孝雄
前歌手:鳥羽一郎、神野美伽
後歌手:石原詢子、伊藤多喜雄

曲紹介:阿部 渉(白組司会)、藤田まこと(声)

 「続いて白組は堀内孝雄さんです。堀内さんの歌への想いを、友人でもある藤田まことさんに伝えて頂きましょう」「最近さっぱり明るいニュースがないなぁ。おいそこの背中丸して歩いてるオッサン。諦めたらアカンで。頑張ってな。ええ。時代という河を超えていこうやないか!」「堀内孝雄さん、「河」」

 この年も演歌が間髪無く続く演出の中で登場、直前の芝居も小林幸子山本譲二から五木ひろし川中美幸矢口真里に交代、屋台のセットが登場します。上に書いた通り曲紹介は白組司会の阿部渉アナですが、メインは長年主題歌を担当している『はぐれ刑事純情派』の主演・藤田まことの事前録音です。

 五木・川中夫妻に娘の矢口さんという家族設定で、堀内さんの曲を後ろで聴きます。そこで客として登場するのが、なんと先ほど声の出演をしていた藤田まこと。いつものように1コーラス歌い切って「サンキュー!」後、藤田さんが堀内さんの肩を叩いて呼びかけます。「おっ!」と思わずビックリする堀内さん、本人には事前に知らされていないサプライズでした。「どうも、来年も頑張ってね」と直接メッセージ、繰り返しのサビは堀内さんの横で藤田さんもマイクオフで歌うデュエットになりました。

 「サン、キュー!」「やられたー!」と、最後は藤田さんが堀内さんのマイクを横取りして例の挨拶。もう少し余韻の欲しい所でしたが、次のステージが間髪入れずの花柳社中ステージなのですぐに舞台裏に去ります。ちなみに藤田さんは第20回(1969年)以来34年ぶりの紅白ゲスト出演、この年出演した大河ドラマ『武蔵』でスタッフと揉めていた中での登場でした。

応援など

 この年の歌以外の出番は後半のRING SHOW、沖縄アレンジの「雪」を輪唱で、谷村新司さだまさし後藤真希と一緒に歌っています。ただ時間が完全に押している上に人数多くグダグダで、特にツッコミを入れられることなくそのままコーナー終了となりました。

 阪神タイガース優勝で盛り上がった2003年、細川たかし「浪花節だよ人生は」のステージにタイガースのハッピを着て応援登場しています。ただ大阪出身ではあるものの、堀内さんがタイガースファンだという明確なソースはありません。

第55回(2004年)「カラスの女房」

ステージ

作詞:荒木とよひさ 作曲:堀内孝雄
前歌手:山本譲二、川中美幸
後歌手:BoA、EXIKE

曲紹介:阿部 渉(白組司会)

 「カラスの女房」はこの年ニューバージョンとしてシングルリリース、「河」に続く『はぐれ刑事純情派』主題歌になりました。元々は1998年にモーニング娘。時代の中澤裕子ソロデビューシングルとして提供した曲で、セルフカバーにあたります。堀内さんはモー娘結成以前からアップフロントに所属、したがってハロプロと関係の深い歌手でもあります。

 「脇目も振らずに生きてきた人生。でも最近ふと立ち止まることが多くなったと言う堀内孝雄さん。心のどこかに隙間風が吹き抜け、そんな寂しさを女心に託して歌います。「カラスの女房」」

 小芝居が後ろで展開されている川中美幸「おもろい女」から続けざまのステージ、彼女が歌っている間にたこ焼き屋台の客として椅子に座っています。店主は氣志團綾小路翔早乙女光、堀内さんが歌っている間に休憩タイムに入ります。

 サビに入ると割烹着を着た小林幸子が登場。歌詞に合わせるかのように、電信柱の前で誰かを待っている様子です。「サンキュー!」と挨拶する間に屋台に向かう幸子さん、そのまま客としてお酒を飲み干します。おそらく旦那は堀内さんという設定のようで、2番サビで幸子さんに向かって歌う場面がありました。

 カラスの女房こと幸子さんは割烹着の下に黒い着物を着ています。「ありがとうございましたー!」と挨拶後、幸子さんが堀内さんの肩を組むという演出でした。

応援など

 前半はオープニングと「上を向いて歩こう」全員合唱に参加、後半は鳥羽一郎「大阪湾」の応援に顔を出しています。漁師の姿で大漁旗を振るシーンは演歌歌手の応援としては違和感ないですが、元アリスと考えれば当時全く想像できなかった光景でした。それは松平健「マツケンサンバⅡ」の応援シーンについても同様です。

第56回(2005年)「アリス プレミアム 2005」

ステージ

歌唱曲1:「狂った果実」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
歌唱曲2:「遠くで汽笛を聞きながら」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
前歌手:森 進一、AI
後歌手:夏川りみ、Def Tech
曲紹介:みのもんた(総合司会)、山根基世(総合司会)

 ステージについては紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(平成の再結成組編)で記述済なので、そちらを参照してください。「遠くで汽笛を聞きながら」は、第47回(1996年)に堀内さんソロで歌って以来9年ぶりのパフォーマンスです。

応援など

 この年は後半最初、倖田來未の曲紹介にエロかわいいお姉さんを応援するおじさん代表として登場。前川清布施明とともにいかにもという格好で彼女の曲紹介に参加、そのまま舞台袖に残って早替えに驚く表情を見せています。カメラを首に下げて眼鏡をかける堀内さんも、昔ではあまり考えられなかった光景です。もっとも全体的な内容はセクハラ要素満載、令和の現在だとそこそこの苦情が来ても不思議ではありません。なお3人と一緒にいた司会者はみのもんたでした。

第57回(2006年)「愛しき日々」

ステージ

作詞:小椋 佳 作曲:堀内孝雄
前歌手:スガシカオ、伍代夏子
後歌手:平原綾香、美川憲一

曲紹介:中居正広(白組司会)、三宅民夫(総合司会)

 紅白では9年ぶりの「愛しき日々」、奇しくも白組司会は当時と同じ中居さんでした。たださすがにサンキュー講座は開かれず、歌の直前は審査員の内野聖陽(翌年の大河『風林火山』主演)による番宣と仲間由紀恵(この年の大河『功名が辻』主演)のツーショットがメインです。「さあ続いて参りましょう、続いて白組ですけども、今年歌手生活35周年を迎えることになりました堀内孝雄さん。名曲です、「愛しき日々」」

 この年は演歌系のステージ中心に応援メッセージがイントロで入る、『思い出のメロディー』に近い進行でした。「団塊の世代にいつも元気・勇気・やる気の応援歌を歌ってくれてサンキューです。これからも団塊の世代の人たちのために歌い続けてください」。神奈川県の女性視聴者(名前も読み上げられましたがここでは割愛します)からのメッセージが、総合司会の三宅民夫アナによって読み上げられます。

 スタンダードナンバーということもあって、9年前よりもさらにリズムをずらして歌っています。ただ年齢が50代後半に入ったこともあって、声量がやや落ち着いたようにも聴こえました。白組ではこの時期から演歌・歌謡曲系を中心に常連の落選が相次いでいましたが、その予感は翌年まさに的中する形となります。「皆さま1年間、ありがとうございましたー!サンキュー!」、ラストは畳み掛けるような挨拶でした。

応援など

 この年も前年に引き続いて布施明前川清との3人チームでショーコーナーに登場。流行語にもなったちょい悪オヤジをテーマにしたファッションで登場、Gパンにサングラスというあまり見ない姿を披露しています。

第60回(2009年)「チャンピオン」

ステージ

作詞・作曲:谷村新司
前歌手:五木ひろし、(企画ステージ)、木村カエラ
後歌手:中島美嘉、ゆず
曲紹介:阿部 渉(総合司会)、嵐

 ステージについては紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(平成の再結成組編)で記述済なので、そちらを参照してください。ライブアレンジの、非常に見応えあるステージでした。

応援など

 オープニングとエンディング、後半最初の「歌の力」全員合唱に参加しています。この頃になると既に完全に白髪姿、またステージとエンディング以外は眼鏡をかけての出演でした。

おわりに

 72歳・デビュー50周年を迎えた2022年も現役、予想リストには入れませんでしたが今年の紅白はアリスとしての出演も期待されます。もっともメンバー全員72~73歳、出場となれば最年長記録の記事を見ても分かる通り全く前例のないケースとなります。果たしてどうなるでしょうか。

 ちなみにソロシングルは2018年を最後にリリース無し。アップフロント所属のため1980年代以降の楽曲がサブスク解禁されていないのが非常に惜しいところです。『はぐれ刑事純情派』は2006年まで主題歌を担当、結果的には紅白出場の時期とピッタリ重なりました。

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