1998年・第49回は平成の紅白歌合戦でもっとも高い視聴率を記録しました（※関東地区。低下した地域もあり）。思い切った抜擢やそれに見合うステージの質の高さなど、平成始まって以来の紅白歌合戦・音楽シーンの進化を感じさせた回です。
演奏時間＆構成表 1（第49回・1998年）
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
| 曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 | フル再生時間 構成 |
| 1（紅1） 紅前半1 | ALL MY TRUE LOVE | SPEED | 3分29秒 冒頭＋1コーラス半 | 5分22秒 冒頭＋2コーラス半 |
| 2（白1） 白前半1 | Rhapsody in Blue | DA PUMP | 3分6秒 冒頭＋1コーラス半 | 4分32秒 冒頭＋2コーラス半 |
| 3（紅2） 紅前半2 | 抱いてHOLD ON ME! | モーニング娘。 | 2分31秒 冒頭＋1コーラス半 | 4分23秒 冒頭＋2コーラス半＋ラップ |
| 4（白2） 白前半2 | Love & Peace | TOKIO | 2分58秒 冒頭＋2コーラス＋サビ | 3分39秒 冒頭＋2コーラス半 |
| 5（紅3） 紅前半3 | 哀愁港 | 田川寿美 | 3分11秒 2コーラス | 5分4秒 3コーラス |
| 6（白3） 白前半3 | きっと どこかで | TUBE | 2分58秒 2コーラス | 3分33秒 2コーラス＋サビ |
| 7（紅4） 紅前半4 | 河内おとこ節 | 中村美律子 | 2分40秒 2コーラス | 4分19秒 3コーラス |
| 8（白4） 白前半4 | 龍神 | 鳥羽一郎 | 2分29秒 1コーラス＋サビ | 4分2秒 2コーラス＋サビ |
| 9（紅5） 紅前半5 | ザッツ ディズニー ファンタジー | 西田ひかる | 3分53秒 5曲 | |
| 星に願いを | 1分2秒 Aメロ×2 | 3分15秒 1コーラス半（原曲） | ||
| ミッキーマウスマーチ | 0分47秒 1コーラス | 2分7秒 2コーラス（原曲） | ||
| ハイホー | 0分24秒 サビ | 2分40秒 1コーラス半（原曲） | ||
| スーパーカリフラジリスティック エクスピアリドーシャス | 0分28秒 サビ | 1分53秒 冒頭＋3コーラス（原曲） | ||
| イッツ ア スモールワールド | 1分12秒 2コーラス | 1分40秒 2コーラス（原曲） | ||
| 10（白5） 白前半5 | アメリカ橋 | 山川 豊 | 2分38秒 1コーラス半 | 4分12秒 2コーラス半 |
| 11（紅6） 紅前半6 | 散歩道 | JUDY AND MARY | 3分2秒 1コーラス半 | 5分6秒 2コーラス半 |
| 12（白6） 白前半6 | 俺がいるじゃないか | 山本譲二 | 2分42秒 2コーラス | 4分17秒 3コーラス |
各ステージ・補足
2年連続紅組トップバッターはこの年もミリオンセラー連発のSPEED、紅組先攻は4年ぶりでした。歌は10月リリースの最新曲「ALL MY TRUE LOVE」、1番からCメロ～間奏～ラストサビの構成で歌います。Cメロ前は1番の歌詞のまま2番の編曲、ラストサビ終盤のCメロは”傷ついても”のワンフレーズだけ残し。やや特殊なカットに聴こえますが、他の歌番組でも大体こんな構成だったような記憶があります。
DA PUMPはこの年初出場、同郷同人数同事務所同アクターズスクール出身と共通点が非常に多いです。夏にリリースされた「Rhapsody in Blue」を1コーラス半、リズムと細かいパート割りで魅せる聴かせるステージでした。
モーニング娘。はデビュー1年目で早くも大ヒット、早々に初出場を飾ります。3rdシングル「抱いてHOLD ON ME!」を歌唱、当時は8人組構成です。サビ（冒頭繰り返し部カット）を歌いきってから間奏→ラストサビ、ラップパートはカット。オリコン週間1位獲得と言っても当時はまだまだミリオンセラーという段階ではなく、演奏時間はこの時期基準で考えると短めです。（ステージレビュー→紅白歌合戦・モーニング娘。の軌跡）
仮面ライダーのヒーローショーを経てTOKIOが歌うのは「Love & Peace」。ギターやベースから放水するなど派手なパフォーマンスを見せていました。2コーラス半の歌唱ですがCメロはカット、あとは冒頭直後のイントロやアウトロも一部カットされています。
田川寿美は「哀愁港」が堂々ヒットして3年ぶりの紅白復帰。イントロがカット気味だった代わりに間奏はカット無し、1番と3番の2コーラス。紅組演歌の先輩がステージで応援、後半は涙を浮かべながらの歌唱でした。
TUBEは5年ぶりの復帰、この年ヒットした「きっと どこかで」を披露。ストリングスのアレンジは原曲に無いものです。2コーラス歌唱、ラストサビこそカットでしたが間奏・アウトロはカット無し。（ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史）
中村美律子は6回目の出場ですが、「河内おとこ節」の歌唱は早くも3回目。紅組歌手有志が太鼓やお囃子などで応援する演出でした。3年前と歌唱構成は全く同じですが、歌唱時間は2秒増加。
鳥羽一郎の「龍神」は、日本レコード大賞で最優秀歌唱賞を受賞した曲でした。横浜から贈られた大きな龍の飾り物を、後ろで白組歌手が終始掲げながらグルグル回っています。間奏無しの1コーラス半、したがって歌唱時間はかなり短めでした。（ステージレビュー→紅白歌合戦・鳥羽一郎の軌跡）
西田ひかるは5年ぶり出場、この回は持ち歌ではなくディズニーソングメドレーの担当でした。過去3回の出場はいずれもかなりの短時間でしたが、この回の演奏時間はお釣りが来るほどの長さです。ディズニーの原曲はどれが原曲なのかよく分からないので、個人の判断基準でそれらしいトラックを原曲としました。歌詞は全編日本語詞、「ミッキーマウスマーチ」は全体的に少しリズムをずらした歌唱、「ハイホー」は現在ストリーミングで聴ける歌詞と異なる内容です。見ごたえのあるステージで内容は充実していましたが、冷静に考えるとそもそもなぜ彼女が出場歌手として復帰になったのかよく分かりません。
山川豊は「アメリカ橋」を歌唱、当時はかなり長い間オリコン週間100位前後にランクインしていました。1コーラス半の歌唱、間奏でコーラスを担当する白組歌手がマジックを披露する演出です。なお曲紹介でTOKIOが、第11回で平尾昌晃が歌った「ミヨちゃん」の替え歌を本人立ち会いのもと歌う場面がありました。
前回ポリープ手術のため辞退だったJUDY AND MARYは2年ぶりの出場。ドラマ主題歌でヒットした「散歩道」を歌います。間奏カット無しの1コーラス半、ラストサビは後半のみの歌唱でアウトロ無しでした。なお曲紹介でセサミストリートのキャラクターが応援、ビッグバードの前回登場は5年前の西田ひかる歌唱前でした。（ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史）
山本譲二は飛び飛びの出演で今回2年ぶり、歌は「俺がいるじゃないか」。こちらも後ろで纏を持ったりハシゴ芸を見せたりするパフォーマンス、白組は3組連続で後ろのパフォーマンス優先の演歌ステージが続きます。
なおこの後スポーツ選手が続々登場するスポーツヒーローショーが約5分入りますが、歌唱曲がないので表からは除外します。一応エンディングで、児童合唱団による「翼をください」サビの歌唱が41秒ありました。
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