歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間＆構成表（第54回・2003年その5）

演奏時間＆構成表 5（第54回・2003年）

　演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

各ステージ・補足

　和田アキ子の代名詞的な楽曲「古い日記」は、意外にもこの時が紅白初歌唱でした。ヒップホップテイストのリミックスが施され、間奏では黒人コーラスによるラップまで追加されています。2コーラスで3分に満たない原曲なので、当然フルコーラス歌唱。最後に歌い出し一節2回繰り返しもありました。

　五木ひろしは新曲「逢えて…横浜」を2コーラス。前半に回される中堅どころならば1コーラス半短縮もありえる曲ですが、ここでは2番転調の上アウトロもトリ仕様の大盤振る舞い。なお2回目サビは2番ではなくラストサビの歌詞でした。（ステージレビュー→紅白歌合戦・五木ひろしの軌跡）

　石川さゆりも紅白では意外な初歌唱「能登半島」、ヒットしたのは「津軽海峡・冬景色」と同じ1977年でした。2コーラス後のアウトロが原曲から大きく変更、こちらもトリで歌っても全くおかしくない雰囲気です。

　北島三郎は7年ぶり「風雪ながれ旅」、大量の紙吹雪はこの年に関して言うと全てサブちゃんの立ち位置より後ろでした。原曲と比べてもやや遅めのテンポで1番と3番、そのため演奏時間は同じ2コーラスながら大トリで歌った第32回よりも長いです。

　この年の紅白終盤4組は全て2003年発表の曲で組まれました。まずは1998年の「二輪草」以降ずっとヒットしている川中美幸が初のトリ前、母親を題材にした「おんなの一生～汗の花～」を歌います。1番と3番の2コーラス。

　氷川きよしは出場4回目でトリ前に大抜擢。股旅演歌とは全く異なるテイストの「白雲の城」を、伸びのある歌声で聴かせます。1番と3番に台詞パートもあり、アウトロもトリに近い雰囲気にアレンジされていました。

　天童よしみはベトナムで古くから伝わる楽曲のカバー「美しい昔」、外国曲のトリは紅白始まって以来初の出来事でした。1コーラスが非常に長いため構成は1コーラス半、2コーラス目は前半2番の歌詞・後半ラストの歌詞を歌っています。

　SMAP「世界に一つだけの花」はこの年2位以下を大きく引き離す年間最大CDセールスを記録、既に国民的ヒット曲と化していました。グループの紅白トリは前例がなかったため議論も多くありましたが、最終的には史上初の大トリ抜擢という結果になっています。演奏前の5人のメッセージを経て（計測対象外・0分45秒）、ステージはシングルバージョンほぼフルコーラス（1回目・2回目間奏繰り返しがそれぞれ1回少なめ）。最後はファンファーレまでプラスされました（計測対象外・16秒）。エンディングの会場投票・視聴者投票は圧倒的な差で白組、そしてゲスト審査員さえも全員が白組に投票してストレート勝ち。この結果が、大トリ抜擢の正しさを証明する形になっています。（ステージレビュー→紅白名言集解説・82～世界に一つだけの花～）

第54回（2003年）・まとめ

演奏時間ランキング（企画コーナーは除外）

　フルコーラスの長渕剛が最長ステージ、SMAPは冒頭メッセージを含めると長渕さんを超える形になります。一方短い方は特に第1部で2分30秒以下のステージが続出。全ステージ平均は第1部が2分51秒（10秒減少）、第2部が3分16秒（13秒減少）、全54ステージの平均は3分3秒（13秒減少）とステージ数を増やした分演奏時間に大きなしわ寄せがくる結果になりました。

複数曲歌唱のステージ

　1組でのメドレーはゆずのみでしたが、2組以上共演で複数曲歌唱が2つありました。

NHKホール以外のステージ

　前回の平井堅・中島みゆきから復活した中継ステージを項目化しました。この年はテレビ出演が当時レアだった2組が中継になっています。

過去曲/カバー曲のステージ（新曲が含まれるメドレー除外）

　58ステージ中過去曲オンリーは17、前回より9ステージも増加しています。シングル表題曲カバー「Choo Choo TRAIN」「元気を出して」「曼珠沙華」は表から除外しましたが、これらを含めると20を超えます。

フルコーラス歌唱（間奏・アウトロ・フェイドアウトは除く）

　フルコーラスは6ステージで前回と変わらず。この年は第1部でフルコーラス一切無しでした。長渕剛はフルコーラスより歌唱パートが多い、珍しいケースになっています。