- 第29回(1978年):白組応援団長
- 選出の背景
- 時系列順に振り返る
- オープニング
- 白1:郷ひろみ「バイブレーション」
- 白2:平尾昌晃・畑中葉子「カナダからの手紙」
- 白3:狩人「国道ささめ雪」
- 白4:野口五郎「グッドラック」
- 紅5:芹 洋子「坊がつる讃歌」
- 白5:角川 博「許してください」
- 白6:西城秀樹「ブルースカイブルー」
- 白8:さとう宗幸「青葉城恋唄」
- 白9:原田真二「タイム・トラベル」
- 白10:加山雄三「海、その愛」
- 白11:新沼謙治「北挽歌」
- 白12:細川たかし「港夜景」
- 紅12:高田みづえ「花しぐれ」
- 白13:千 昌夫「北国の春」
- 応援合戦
- 白14:フランク永井「公園の手品師」
- 民謡合戦
- 白15:内山田洋とクール・ファイブ「さようならの彼方へ」
- 白16:菅原洋一「恋歌師」
- 白17:春日八郎「さよなら宗谷」
- 白18:五木ひろし「熱愛」
- 応援合戦2
- 白19:北島三郎「与作」
- 白20:三波春夫「さくら日本花の旅」
- 紅21:由紀さおり「トーキョー・バビロン」
- 白21:布施 明「めぐり逢い紡いで」
- 白22:村田英雄「人生劇場」
- 応援団長同士のやり取り
- 白23:森 進一「きみよ荒野へ」
- 白24:沢田研二「LOVE(抱きしめたい)」
- エンディング
- 第41回(1990年):白組司会
- 選出の背景
- 時系列順に振り返る
- オープニング
- 白1:光GENJI「CO CO RO」
- 白2:吉田栄作「心の旅」
- 白3~4:少年隊、チェッカーズ
- 白5:ガリー・バレンシアーノ「I know what you want」
- 白6:新沼謙治「渋谷ものがたり」
- 白8:尾崎紀世彦「また逢う日まで」
- 白10:忍者「お祭り忍者」
- 白11:たま「さよなら人類」
- 白12:植木 等「スーダラ伝説」
- 白13:郷ひろみ「Wブッキング」
- 白14:西田敏行「もしもピアノが弾けたなら」
- 白15:アレクサンドル・グラツキー「ソング」
- 白16:堀内孝雄「恋唄綴り」
- 白19:さだまさし「風に立つライオン」
- 白21~23:吉 幾三、細川たかし、G-クレフ
- 白24:布施 明「シクラメンのかほり」
- 白26:五木ひろし「心」
- 白27:北島三郎「山」
- 白28:谷村新司「いい日旅立ち」
- 白29:森 進一「おふくろさん」~エンディング
第29回(1978年):白組応援団長
選出の背景
前回1977年・第28回に応援ゲストとして登場した西田さんですが、早くも白組応援団長に大抜擢。この年はTBSで9月に放送された『雲を翔びこせ』でドラマ初主演(渋沢栄一役)、さらに『西遊記』の猪八戒役で大きな話題になりました。なお対する紅組の応援団長は浅茅陽子、こちらは2年前の連続テレビ小説『雲のじゅうたん』主演で既に国民的女優になっています。2人はこの年TBSのドラマ『三男三女婿一匹』で共演歴もあり、おそらくですが放送前から息の合ったやり取りが期待されていたのではないかと思われます。
時系列順に振り返る
オープニング
客席からの入場行進、白組司会・山川静夫アナに続いて登場。前年の勝利が白組ということで、返還する優勝旗を手にしています。歩きながら、椅子に座っている観客と握手する姿が映りました。
応援団長の2人は、両司会のやり取りの後にあらためて紹介されます。
「今年もやっぱり白組勝利ということで、もう決まってますんで」
「とんでもございませんね、紅の申し子・私がおりますから」
「申し子?なーに(2人じゃれ合った後に)絶対勝ちましょう、ね、ね!」
白1:郷ひろみ「バイブレーション」
オープニングで白いジャケットを着ていましたが、早くも脱いで応援態勢。トップバッターの郷ひろみを盛り上げます。「イエーイ!ヒロミ!フィーバー!」と大声で叫び、マイクを渡す西田さん。白組応援席のセンターに立って歌手を先導、リズムに乗って大きく体を揺らしながら盛り上げます。
白2:平尾昌晃・畑中葉子「カナダからの手紙」
大きなエアメールのセットが目の前にあるため映らず。ただ直後の演奏バンド紹介で、再び白いスーツを着て大きなアクションをする姿が映っていました。
白3:狩人「国道ささめ雪」
国道を模した曲紹介、「1」「9」「7」「8」の標識に書かれてある地名を説明した後に頭文字をもじって「1978年は白大勝利、ヤッター!」。山川アナの決めゼリフと同時に、後ろで踊りながら歌手席を盛り上げる西田さんが映っていました。歌唱中も最前列にて独特の動きで踊る西田さん、はっきり言わせて頂くと目立ちまくっております。天性の明るさが成せる業ですが、白組歌手の応援もそれに合わせて他の年以上に盛り上がっているように見えます。
その後に浅茅さんと漫才のようなやり取り、本番中に3度ありました。お互いに勝利を確信して笑いが止まらないながらも、結局は「大丈夫かなぁ」で締めるオチ。この時点では浅茅さんとの勝負は互角という印象でしたが…。
白4:野口五郎「グッドラック」
原曲と比べてあまりにもテンポが速くなり、バラードがアップテンポになったようなステージでしたが、西田さんはそれに合わせてまた独特の踊りでハイテンション状態でした。なお先ほどのやり取りから研ナオコのステージまで約2分、その間にスーツから着流しの和服に着替えております。
紅5:芹 洋子「坊がつる讃歌」
大体の場合紅組歌手のステージだと白組側は休憩しているものですが、西田さんはこのときも体を揺らして聴いておりました。
白5:角川 博「許してください」
山川アナが講談師に扮した曲紹介、西田さんはその助手みたいな扱いで「山川静夫」から「角川 博」へ名札のめくりを担当しました。イントロで角川さんをエスコートした三波春夫先生を歌手席に戻す西田さん、村田英雄先生と談笑する姿も映っております。あとは芹さんが歌う前に、初出場のステージが近づく角川さんに声をかけるシーンも映っていました。
白6:西城秀樹「ブルースカイブルー」
マイクオフですが、ヒデキ登場とともに明らかに大声で叫んでいる様子が映っています。最前列で曲に合わせてツイストのように踊る西田さんは、引きのアングルでも思いっきり目立っていました。この後の中間審査は白組優勢、直後に登場した南カリフォルニア大学チアガールの踊りをガン見しながら歌手席に戻るシーンが映っております。
白8:さとう宗幸「青葉城恋唄」
ツイストのステージは暗転の上にバンドセットありなので歌手席全く映らず。ただこの後の宗さんのステージは映るシーンありました。序盤と比べて座っている歌手が明らかに少なくなっていますが、その中でもひとり立ち上がって応援しています。
白9:原田真二「タイム・トラベル」
バンドセットの真後ろ、さすがに歌と演奏で思いっきり聴かせるこのステージは座っている様子でした。
白10:加山雄三「海、その愛」
連続テレビ小説『わたしは海』からの応援では、”白が勝つ”と連想されるシーンでの盛り上げに従事。ステージでは慶應義塾大学ワグネル・ソサィエティー男声合唱団の後ろに隠れていましたが、最後の遠目のショットでアウトロとともに扇子を振って盛り上げる姿が映っておりました。
白11:新沼謙治「北挽歌」
相手の浅茅陽子も出来る限り紅組歌手席に出てきて頑張っていますが、西田さんはここまでほとんど出ずっぱり状態。このステージもリズムに合わせて、ひとり立ち上がりながら応援する様子が映っています。
白12:細川たかし「港夜景」
紋付き袴姿から白いジャージに着替え。白組歌手席を先導して、総立ちの応援になっています。細川さんが歌い終わった後になぜか大きくジャンプして大はしゃぎ。それを見てすぐ後ろにいた加山雄三も小さく跳んでおります。
紅12:高田みづえ「花しぐれ」
ダンサーに隠れていて映るシーンは少ないですが、紅組のステージでありながらしっかり立ってノリノリであったことは確認できました。言うまでもなく、当時の応援団長としては異例の動きです。
そのテンションのまま再び応援団長同士のやり取り。「岩下(志麻)さん、お久しぶりでございます。よろしくお願いします。八千草(薫)さんも」と勝手に審査員席に挨拶、思わず浅茅さんがツッコミを入れていました。台本とは言えここはオチ以外フリーだったと思われますが、西田さんのアドリブ力がここで大きく光っています。
白13:千 昌夫「北国の春」
「北国の春」にノリノリの西田さん。出場歌手には扇子が用意されていますが西田さんには無く、マイクを片手に腕を振っておりました。
応援合戦
この時期の演目は紅組・ラインダンス対白組・組体操。ただ先ほどのジャージ姿で出てくるかと思いきや、火消し姿での登場でした。「ワッショイ、ワッショイ」「ヨイショ!」と、大きな声を出して盛り上げています。動きもほぼ全力疾走に近く、かなりの体力消費だったものと思われます。
白14:フランク永井「公園の手品師」
さすがに相当疲れたということでしょうか、ここでは歌手席不参加。
民謡合戦
フランクさんが歌い終わった後にまた着替えて登場。今度は着流し姿に衣装を替えて、金沢明子と原田直之が参加する民謡合戦の進行を浅茅さんと務めます。
白15:内山田洋とクール・ファイブ「さようならの彼方へ」
太田裕美が歌っている間にオープニングの衣装に着替え、また最前列で応援に参加します。
白16:菅原洋一「恋歌師」
しんみりと体を揺らしながら聴いています。
白17:春日八郎「さよなら宗谷」
紅組応援がこの時間帯連発、浅茅さんが司会・森光子の助手みたいな役割でたびたび登場しますが、西田さんはあくまで白組歌手のステージを応援。ここでも手拍子しながら体を揺らしています。
白18:五木ひろし「熱愛」
歌手席が合唱団の真後ろ、この後の出番の関係もあってここは不参加。五木ひろし大絶唱のステージでした。
応援合戦2
歌舞伎の連獅子に扮し、太鼓を叩くどの紅組歌手よりも目立っていた浅茅陽子に対し、白組歌手による「軍艦マーチ」の鼓笛隊を先導するだけの西田さん。しかも鳴らされる音は後ろのオケによるもので出場歌手は全く演奏しておらず、負担の差が非常に大きくなっています。とは言えあくまで白組歌手よりも目立たない立ち位置、一見の音楽好き視聴者から見ると好感を持てるのはやはり浅茅さんよりも西田さんのような気はします。浅茅さんの方に若干攻撃的なセリフがあったのも、段取り上仕方が無いとは言えややマイナスでしょうか。
白19:北島三郎「与作」
歌い出しは不参加でしたが、曲の途中からは前列で応援する姿が映っていました。
白20:三波春夫「さくら日本花の旅」
花柳社中の方々が目立っているのであまり映っていませんが、普通に応援しています。序盤~中盤と比べると、ひとり目立つシーンは少なくなりました。
紅21:由紀さおり「トーキョー・バビロン」
白組歌手が全員着席する中、また1人だけ立って体を揺らす姿が映り込んでいます。ちなみにこのステージ、肝心の浅茅陽子は着替えに時間がかかっているのでしょうか紅組応援席にいません。
白21:布施 明「めぐり逢い紡いで」
歌唱力のバラードということで、しんみり体を揺らす姿は映りますが目立たず。
白22:村田英雄「人生劇場」
古賀政男追悼ステージのため、応援モードではありません。映るシーン無しでした。
応援団長同士のやり取り
「いやもう、嬉しくてしょうがないんですよ」
「なぜ?」
「白が勝ったんですもんだって」
「まだそんなこと決まりませんよ、紅が頂きますありがとうございます」
「(腕を回して白組歌手を煽る)」
最後は前2回と同じオチでしたが、西田さんが盛り上げてるシーンは明らかに浅茅さんが押されているように見えました。トリは両組伝説級の互角ステージ、これは勝負を決めることは出来ません。ただチームワークという面で見るとこの瞬間に白組の勝利が決定したような気がしています。
白23:森 進一「きみよ荒野へ」
まだトリではありませんが、西田さんはもう三波春夫や千昌夫と肩を組んでの応援になっていました。曲の後半ではもう1列に肩を組む、当時の白組歌手お馴染みの光景になっています。
白24:沢田研二「LOVE(抱きしめたい)」
後ろで肩を組まれるのが嫌だったというジュリーのエピソードもありますが、暗転でほぼ映っていないとは言えしっかり肩を組んでいるシーンは映っています。
エンディング
最終審査は白組優勝、決定の瞬間思わず司会の山川アナを担ぎ上げる西田さん。喜びとともに、真っ先に紅組応援団長、浅茅さんの方を向いて握手するシーンもありました。
この時期の紅白は近年のような数ステージのみのクローズアップやファン投票で決まる要素は少なく、チームワークでどちらの票に入れるかと話す審査員も多くいる時代でした。西田さんが白組歌手を盛り上げるシーンは浅茅さんのそれと比較しても明らかに多く、後年の立場から見るとそのまま仕事の差として表れているような印象もありました。もっともこれは浅茅さんがどうというわけではなく、ただただ西田さんが凄すぎたというのが実際のところであります。この後すぐ1990年・第41回白組司会についても書きますが、司会の自由度が少なく海外中継などあまりにも初めての段取りが多かったこの時より第29回・白組応援団長の方が西田さんの長所を爆発させていたことはいち紅白ファンとして強くアピールしたいところです。
第41回(1990年):白組司会
選出の背景
この年は大河ドラマ『翔ぶが如く』の主演・西郷隆盛役を1年間演じました。前年に審査員として出演していますが、審査員の次の年に司会となるのは異例のこと(前例はあり)。この司会選出で、史上初にして現在でも唯一となる紅白歌手・応援・審査員・司会のグランドスラム達成となりました。相手の紅組司会は当時好感度ナンバーワン女優と言われた三田佳子。本格的に初の2部制を導入、日本だけでなく海外まで規模を広げた初の試みに相応しい豪華な人選です。
時系列順に振り返る
オープニング
入場行進を終えて舞台袖から登場。袴の衣装に鉢巻を巻いた西田さんは駆け抜けるように白組側から、一方の三田さんは大女優のオーラを纏いながらややゆっくりめに登場します。審査員紹介に会場審査員の選定など、ここ最近と比べても段取りの多いオープニングを経て、トップバッター登場の前に三田さんと握手。
白1:光GENJI「CO CO RO」
三田さんがDreams Come True「笑顔の行方」を紹介した後、イエーイ!という西田さんの声がマイクに入ります。紅組先攻で白のトップバッターは光GENJI。応援団長だった12年前と比べると、落ち着いた進行です。
「さあ、今年の白組はですね、あったかい心、こういうテーマでいきたいと思うんですが、皆さんよろしゅうございますか?」「心のこもった声援ありがとうございます」「(五木ひろしがこの後に「心」を歌うことを紹介した後)白組トップバッターでお送りするのが、光GENJIの、「CO CO RO」!」
白2:吉田栄作「心の旅」
白組ベテラン陣4名が登場、「昔の私を見ているよう」とさだまさしが切り出した後に白シャツ+Gパン姿の吉田栄作を送り出す進行。
白3~4:少年隊、チェッカーズ
歌い終わり、上に黒いジャケットを着た吉田栄作と一緒に進行。3人への黄色い声援に西田さんが「ありがとう」と応える場面もありますが、ここも台本を逸脱しないノーマルな進行に終始。曲名を忘れたというのは当然台本で、吉田さんがカッコよく英語のタイトル「FUNKY FLUSHIN’」をコール。彼は当時トレンディドラマ出演で圧倒的人気、少年隊の後はチェッカーズの曲紹介にも登場。露骨に視聴率稼ぎに走っている状況です。
白5:ガリー・バレンシアーノ「I know what you want」
紺色のスーツ姿に帽子を被るファッションで、フィリピンの国民的歌手を紹介。この時点で既に押しているのでしょうか、内容は彼についての説明のみで全部喋り終わらない間に演奏開始となりました。
白6:新沼謙治「渋谷ものがたり」
まだ歌手としてではなく、バラエティタレントとして渋谷の街からレポートする森口博子とやり取りしますが特筆すべき場面はここも無し。アメリカへの衛星中継は原則総合司会の松平定知アナが進行を担当、久保田利伸&アリスン・ウィリアムズの曲紹介は出番無し。間に紅組ステージ2つ、さらに6分近いマジックショーもあって結果西田さんはこの間20分近く出番無しという異例の事態発生。ただ本当に酷かったのはこの後です。
白8:尾崎紀世彦「また逢う日まで」
尾崎さんがVサインのルーツではないかということを説明、耳の横にもみ上げをつけて曲紹介。久々に映るも持ち時間ほんの僅か、ついでに言うと肝心の演奏もテンポアップ気味。紅組の三田さんが大女優らしい自由奔放な喋り、明らかに時間が押していると思える応援もあるため、完全にしわ寄せが白組側の西田さんにいっているような状況です。しかも白組前半最後の長渕剛はドイツからの中継ということもあって松平アナの担当、シンディー・ローパーも含めて西田さんはまたまた長時間出番無し。そのまま第1部終了、1時間35分のうち後半50分間の出演はなんと僅か15秒。19時台からの放送は初めてのため手探り状態の面もありましたが、さすがにこれだけ長く司会者(アナウンサーが担当した総合司会を除く)が登場しない紅白は前例は当然として後年にも存在しません。
白10:忍者「お祭り忍者」
宮沢りえが芝浦のビルで大暴れした後の曲紹介は、同事務所の少年隊・光GENJIの応援に終始。西田さんのセリフは「先輩から一言ー!」「いけー!」「おめでとさーん!」のみ、第2部が始まったばかりというのに早くも押しの進行でカットの跡が見える状況です。
白11:たま「さよなら人類」
また視聴率対策で吉田栄作が登場。この後に歌うたまを”ポチ”とひとボケしてツッコミを入れられる場面がありましたが、会場全くウケず。
白12:植木 等「スーダラ伝説」
B.B.クィーンズが「おどるポンポコリン」で大盛り上がり、スタンバイする白組側もテンション高い様子。その流れで「向こうはポンポコリンなら何?ガハハハハ!」と話す植木さん、一緒に大笑いしながら「こっちもパーっと賑やかにいきますかね!」と大先輩をステージに送り出します。「スーダラ節」を筆頭とするヒット曲メドレーは西田さんを含む白組歌手が後ろで一緒に大盛り上がり、ここは喜劇役者としての顔も持つ西田さんのノリノリな様子が思いっきり映っていました。
白13:郷ひろみ「Wブッキング」
植木さんのステージ後にちょっとした中間審査、その流れで当時「ごめんくさい」「あーりませんか」が流行語になったチャーリー浜が登場。ギャグを言うために今日の予定を全部キャンセルしたと松平アナに説明された後、思わず握手で出迎える西田さんでした。この後は台本通りの曲紹介です。「紅白は久々の出場です。もうひと回りもふた回りも大きくなって戻ってきてくれました。「Wブッキング」、郷ひろみさん!」
白14:西田敏行「もしもピアノが弾けたなら」
紅組のEVE「イマジン」のステージを経ていよいよ歌の出番、9年前とは全く異なるカジュアルな格好に着替えてステージに向かいますが、ジョージ・カールという先客がいる様子。マイクを頭にぶつけたり帽子で色々遊んだり上着を脱いだり着たりマイクコードを絡ませたり急にハーモニカを吹き出したりなど、ラスベガス仕込みのコミカルなショーが計5分。観客として最後は大きな拍手で盛り上げていましたが、早く歌に入って欲しいと感じた視聴者は当時少なからずいたのではないかと思われます。
「私に紹介させてくださる?それでは今日は羽田健太郎さんのピアノで、西田敏行さんのあったかい歌をお聴きください。「もしもピアノが弾けたなら」」、紅組司会による曲紹介に「三田さんのために歌いたいと思います」と返す西田さん。ピアノを置いている台に2人で座る演出、西田さんの歌を真横で聴く三田さんの構図です。クラシックの名曲をアレンジする間奏はこの紅白限りの編曲、羽田さんのピアノも文句無しの名演奏でした。歌い終わり、三田さんの肩に寄り添う西田さんはこの紅白でもトップクラスの名ショット。紅白に限らず映画・ドラマでの共演も多い2人、三田さんのブログにはこの紅白も含めた西田さんとの思い出が綴られています。歌い終わった後もステージに残って一緒に司会、この年逝去した浜口庫之助の追悼で歌う青江三奈を出迎えるシーンもありました。
白15:アレクサンドル・グラツキー「ソング」
前半で着た紺色のスーツで再び登場、ソ連からのお客様という形でアレクサンドル・グラツキーを紹介します。北島三郎、鳥羽一郎とのやり取りもありました。
白16:堀内孝雄「恋唄綴り」
前半から応援でたびたび登場するオール阪神・巨人師匠と一緒に曲紹介。紅組側の今いくよ・くるよ師匠と宮川花子師匠の紅組応援マシンガントークはうるさいの一言に尽きる状況でしたが、白組側の阪神・巨人師匠はそれと比べると幾分節度はありました。「ランニングシャツで出たんがね、たまさん初めてでしょうね」と巨人師匠が話す場面もありましたが、ここは西田さんがしっかり進行して曲紹介に繋げています。
白組・紅組17組目は両方ともブラジルからの中継、18組目も白組は韓国からの中継。この3組は両組司会とも出番無しでした。
白19:さだまさし「風に立つライオン」
海外から見た日本をテーマに、谷村新司と少しやり取りした後に曲紹介。小林幸子を挟んだ後、両組20組目も中継のため司会の出番は無し。
白21~23:吉 幾三、細川たかし、G-クレフ
吉幾三の曲紹介は西田さんが映るシーン無し。細川たかしの曲紹介はダンサーの準備で多少時間があったため、音を止めてワンショットで映る場面ありました。インストゥルメンタルグループのG-クレフもある程度説明が必要なため丁寧な紹介あり。この3組の対決、紅組の演歌歌手3名は司会者映る場面無しのメドレー状態、ここに来てようやく三田さんより西田さんの方が映る機会多くなってきました。
白24:布施 明「シクラメンのかほり」
「目には目を、」「(布施)花には鼻を、ですか?」、一応大笑いするものの布施さんのジョークは全くウケず。「みなさんも大好きだと思います。この花でいっぱいにしましょう。「シクラメンのかほり」、布施明さんです」、ちなみに紅組の対戦相手は八代亜紀「花束(ブーケ)」でした。
白26:五木ひろし「心」
鳥羽一郎の曲紹介はワンショット無し。五木ひろしの曲紹介は「CO CO RO」を歌った光GENJIが登場、演歌とは思えない若い女性からの歓声が湧く中の曲紹介でした。
白27:北島三郎「山」
植木等と一緒に登場。おそらくトークする段取りだったと思われますが、時間無く”頼れる親父”をキーワードにした曲紹介に終始。
白28:谷村新司「いい日旅立ち」
「私は以前中国を旅した時に、ある日本人のアーティストの作った歌が大変多くの人たちに歌われていました。谷村新司さん作詞作曲の「昴」という歌でした。そして21世紀に伝えたい歌として、この谷村新司さん作詞作曲による「いい日旅立ち」も熱い熱い支持を受けました。お聴きください。谷村新司さんによる、「いい日旅立ち」です」」。
白29:森 進一「おふくろさん」~エンディング
「私がご紹介する最後の曲になりました。自然を大切にしよう地球を守ろう、いろんなことが言えると思います。でもその思いの根っこになるのは、やっぱり家族なんじゃないでしょうか。おふくろさんを愛するように自然を、地球を愛せれば最高なんじゃないでしょうか。もうおわかりですよね。森進一さん、「おふくろさん」です!」。大トリの曲紹介もやや早口、最後まで慌ただしい進行でしたが西田さんの司会そのものは終始安定していました。
エンディング、審査はボール投げの結果4対13で白組の圧勝。優勝旗をもらった瞬間、ステージ上を駆け回る姿にようやく本来の明るさ全開といったところでしょうか。
12年前に担当した応援団長の時と比べて制約は非常に多く、振り返ると完全に持ち味発揮とは言えない司会ぶりでした。とは言えこの条件の中で出来る限りのことをやってきたのはやはり見事の一語に尽きます。
次の記事は歌手としての西田さんを振り返ります。特に第32回・第33回についてはステージ以外に応援でも大活躍だったので、そちらも振り返っていくことにします。
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