歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第34回・1983年その3)

演奏時間&構成表 3(第34回・1983年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

 その1はこちらその2はこちらを参照してください。

曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
構成
フル再生時間
構成
34(紅16) ガラスの林檎 松田聖子 3分19秒
2コーラス半
3分57秒
2コーラス半
35(白16) さらば‥夏 田原俊彦 2分59秒
1コーラス+ラスト
3分40秒
2コーラス+ラスト
36(紅17) 日本海 八代亜紀 2分49秒
2コーラス
4分13秒
3コーラス
37(白17) 漁歌 北島三郎 2分57秒
2コーラス
4分0秒
2コーラス+サビ
38(紅18) 泣かせて 研ナオコ 2分32秒
1コーラス+ラスト
4分26秒
2コーラス+ラスト
39(白18) アマン 菅原洋一・
シルヴィア
3分12秒
2コーラス
3分34秒
2コーラス+サビ
40(紅19) 越冬つばめ 森 昌子 2分58秒
2コーラス
4分3秒
2コーラス+サビ
41(白19) 細雪 五木ひろし 2分44秒
2コーラス
4分28秒
3コーラス
42(紅20) ふたたびの 小林幸子 2分43秒
2コーラス
4分31秒
2コーラス半
43(白20) 冬のリヴィエラ 森 進一 3分23秒
2コーラス
4分33秒
2コーラス半
44(紅21) あさくさ物語 水前寺清子 3分25秒
2コーラス
4分16秒
2コーラス半
45(白21) 矢切の渡し 細川たかし 2分34秒
2コーラス
3分53秒
3コーラス

各ステージ・補足

 松田聖子はバラードの名曲「ガラスの林檎」、彼女にとって最大セールスを記録したシングルです(両A面の「SWEET MEMORIES」の存在も大きかったですが)。間奏・アウトロの一部とラストフレーズ繰り返し以外はフルコーラス、曲順だけでなく歌唱時間も過去3回と比べて格段に向上しました。

 田原俊彦はポール・アンカが楽曲提供した「さらば‥夏」、この曲で日本歌謡大賞を受賞しています。1コーラス・サビ2回繰り返し後に間奏を経てラストに移行。セリ下がりで退場時にもラストパートと同じメロディーの演奏あり、演奏時間はこのシーンも含めることとします。(ステージレビュー→紅白歌合戦・田原俊彦の軌跡

 八代亜紀の「日本海」は、狩人なども歌唱する競作曲でした。1番と3番の歌唱、演歌歌手らしい歌いっぷりのステージです。

 北島三郎の「漁歌」も北原ミレイなどと競作。大量の大漁旗をバックに2コーラス、歌詞以上に港笛の音をイメージしたようなスキャットが圧巻でした。51回歌った紅白の中でも、一番声の調子が絶好調だったステージにも見えます。

 研ナオコはイントロのピアノソロがフェイドイン気味、歌い出しも冒頭のフレーズがマイクオフというハプニングが発生しました。Aメロを2回繰り返す1番の後にラストのタイトルフレーズ繰り返しで終了。演奏時間こそ前年より長いですが、2年連続でやや消化不良なステージです。テンポも原曲より若干速めでした。

 菅原洋一はデュエット曲「アマン」、相手は前年まで3年連続ロス・インディオスと一緒に出演していたシルヴィア。2コーラスを、大人のムードたっぷりに歌います。原曲よりテンポは少しゆっくりです。番組コンセプトと異なるため紅白の歌唱例は少ないものの、1980年代は男女デュエットの歌謡曲がカラオケ中心に多くヒットした時期でもありました。

 森昌子は不倫をテーマにした代表曲「越冬つばめ」を、涙を流しながら2コーラス歌唱。この年の日本レコード大賞最優秀歌唱賞受賞曲でもありました。

 五木ひろしは純和風演歌「細雪」、1番と3番の歌唱でした。13回目の出場にして、初めて和服で臨んだ紅白です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・五木ひろしの軌跡

 小林幸子はこの年のヒット曲「ふたたびの」を1コーラス半歌唱、原曲と同じく後半サビで転調しています。ややテンポ速めの演奏で、軽快さをアピールしています。ベルサイユのばらをイメージしたという衣装、この年から幸子さんの衣装はコンセプト化し始めます。

 森進一は大滝詠一の提供で話題になった「冬のリヴィエラ」を歌唱。こちらは原曲よりかなり遅めのテンポでした。2コーラス歌唱、その後はまるまるカットされています。

 水前寺清子は出場19回目にして初の紅組トリ、「あさくさ物語」を2コーラス。「いっぽんどっこの唄」の歌い出しインストが、登場曲として追加されています。1ヶ月前に父親を亡くしたこともあって、涙を浮かべながらのステージでした。

 「心のこり」以降なかなかヒットが出なかった細川たかしは「北酒場」が大ヒット、この年の「矢切の渡し」はさらに大ヒットでミリオンセラー、史上初の日本レコード大賞2年連続受賞となりました。紅白歌合戦も初の白組トリにして大トリ、まさに人生最高の日だったのではないかと思います。レコ大受賞の際は大泣きしていましたが、紅白も感激で涙が止まらないステージでした。それでも1番と3番、詰まる場面は全く無くしっかり歌い切っています。なお歌唱終了時点でおよそ2分10秒、原曲には存在しないトリ仕様のアウトロがかなり長々と演奏されるエンディングになりました。

第34回(1983年)・まとめ

演奏時間ランキング(企画コーナーは除外)

順位 曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
1 29(紅14) 浪花恋しぐれ 都はるみ・岡 千秋 3分50秒
2 13(白6) 晴れのちBLUE BOY 沢田研二 3分25秒
3 44(紅21) あさくさ物語 水前寺清子 3分25秒
4 43(白20) 冬のリヴィエラ 森 進一 3分23秒
5 34(紅16) ガラスの林檎 松田聖子 3分19秒
38 21(紅10) 夏色のナンシー 早見 優 2分19秒
39 1(紅1) 家路 岩崎宏美 2分17秒
39 5(紅3) UNバランス 河合奈保子 2分17秒
41 20(白9) 夢芝居 梅沢富美男 2分4秒
42 31(紅15) 大阪ブルース 青江三奈 2分2秒

 1分台のステージ無し、3分台のステージがいよいよ珍しい物では無くなった紅白でした。全ステージ平均は2分44秒、2分40秒台に突入したのはこの年が初めてます。

フルコーラス歌唱(間奏・アウトロ・フェイドアウトは除く)

曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
構成
フル再生時間
構成
27(紅13) CAT’S EYE 杏里 2分24秒
2コーラス+サビ
3分9秒
2コーラス+サビ
32(白15) 東京シャッフル サザンオールスターズ 3分15秒
1コーラス半
3分7秒
1コーラス半

 フルコーラスは2曲と少なめですが、松田聖子などほぼフルコーラスのステージもいくつかありました。この年は1コーラス丸ごとではなく、Aメロもしくはサビの一部だけカットという構成がそれ以前の紅白と比べて目立ちます。その分カットパートが少なくなり、演奏時間の増加に繋がった部分もありそうです。

テンポアップが目立ったステージ

曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
構成
フル再生時間
構成
1(紅1) 家路 岩崎宏美 2分17秒
1コーラス半
4分16秒
2コーラス半
10(紅5) 悲しきクラクション 榊原郁恵 2分31秒
1コーラス半+ラスト
3分55秒
2コーラス+ラスト
12(紅6) お久しぶりね 小柳ルミ子 2分49秒
1コーラス半
3分54秒
2コーラス

 序盤でいくつかテンポ速めのステージはありますが、前年ほど目立った印象はありません。森進一「冬のリヴィエラ」のように、明らかに遅くなっているステージもありました。

バンドスタイルのステージ

曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
構成
フル再生時間
構成
2(白1) ギャランドゥ 西城秀樹 2分34秒
2コーラス+ラスト
3分9秒
2コーラス+ラスト
13(白6) 晴れのちBLUE BOY 沢田研二 3分25秒
2コーラス+ラスト
3分49秒
2コーラス+ラスト
22(白10) メリーアン アルフィー 2分29秒
2コーラス
4分45秒
3コーラス
27(紅13) CAT’S EYE 杏里 2分24秒
2コーラス+サビ
3分9秒
2コーラス+サビ

 ステージにバンドセットが無くても、専属バンド持ち込みのステージが存在しています(西城秀樹はテロップで演奏:MARTY BANDと記載)。その一方で、サザンオールスターズは本来楽器を演奏するメンバーが踊るというまさかのステージ。バンド形態のアーティストが紅白で全く楽器を持たないケースは、後年を含めても他にありません。

 

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