演奏時間&構成表 3(第28回・1977年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
37(紅19) | 津軽海峡・冬景色 | 石川さゆり | 2分24秒 2コーラス |
3分45秒 2コーラス半 |
38(白19) | 昔の名前で出ています | 小林 旭 | 2分4秒 2コーラス |
3分52秒 3コーラス |
39(紅20) | 京都 北嵯峨 別れ寺 | 島倉千代子 | 2分19秒 2コーラス |
3分52秒 3コーラス |
40(白20) | 三波のハンヤ節 西郷隆盛 | 三波春夫 | 2分27秒 2コーラス |
3分25秒 3コーラス |
41(紅21) | 夜へ急ぐ人 | ちあきなおみ | 2分25秒 1コーラス半 |
4分16秒 2コーラス+台詞 |
42(白21) | 旅愁~斑鳩にて | 布施 明 | 2分32秒 2コーラス |
4分10秒 3コーラス |
43(紅22) | なみだの棧橋 | 森 昌子 | 2分35秒 2コーラス |
4分18秒 3コーラス |
44(白22) | 望郷詩 | 春日八郎 | 2分34秒 2コーラス |
4分4秒 3コーラス |
45(紅23) | しあわせ岬 | 都はるみ | 2分33秒 2コーラス |
3分56秒 3コーラス |
46(白23) | 東京物語 | 森 進一 | 2分31秒 2コーラス |
3分13秒 2コーラス |
47(紅24) | おんな港町 | 八代亜紀 | 2分21秒 2コーラス |
3分10秒 2コーラス半 |
48(白24) | 灯りが欲しい | 五木ひろし | 2分41秒 2コーラス |
4分16秒 3コーラス |
各ステージ・補足
現在も紅白歌合戦に出場を続けている石川さゆりが初出場、楽曲は初の大ヒットを記録した「津軽海峡・冬景色」でした。後年に幾度となく歌われている曲ですが、初出場は間奏も一部カットで2コーラスのみ。それでも19歳でありながら、これだけ後半の曲順に抜擢されるのは演歌とは言えなかなかないことです。(ステージレビュー→紅白名言集解説・79~記念すべき石川さゆりの紅白初出場~)
1950年代後半~1960年代にも多くの大ヒット曲を残した小林旭は、意外にもこの回が初出場。1番と3番を歌唱。よく聴くと原曲より少しテンポが速く、演奏時間も銀幕の大スターにしては意外過ぎる短さでした。
島倉千代子は哀愁漂う演歌を2コーラス、1番と3番の歌唱で聴かせるステージでした。最多出場・前々回大トリという配慮もあるでしょうか、アウトロの締めが少し豪華になっています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・島倉千代子の軌跡)
三波春夫は花柳社中と女性コーラスが非常に目立つ明るいステージ。1番と3番の歌唱、1番で西郷どんを紹介した後すぐに征韓論・西南戦争の話に飛んでしまいます。(ステージレビュー→紅白歌合戦・三波春夫の軌跡)
現在でも紅白ファン・ちあきさんのファンだけでなく歌謡曲ファンにとっても伝説になっているちあきなおみ「夜へ急ぐ人」。ただフルコーラスと比較するとかなり短めで、間奏の台詞もカットされています。テンポも実は原曲よりかなり速め、これが余計におどろおどろしさを強調するような形になったような気もします。(ステージレビュー→紅白歌合戦・ちあきなおみの軌跡)
布施明は松本隆の文学的歌詞が印象的な「旅愁~斑鳩にて」の1番・2番を歌唱。(ステージレビュー→紅白歌合戦・布施明の軌跡)
初出場から4年間ずっと演奏時間という面で扱いが悪かった森昌子ですが、この年は初めて終盤に抜擢されました。歌い上げる箇所が多い「なみだの棧橋」の1番・3番を歌唱、ステージもこれまでとは一味違う圧巻の内容です。
春日八郎は1番と3番を歌唱。紅白でその年発表の曲を歌うのは、第19回以来9年ぶりでした。3番の歌詞が、原曲から一部変更されているようです。
都はるみも1番・3番の歌唱。ラストの1フレーズ繰り返しは、原曲にはないアレンジでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・都はるみの軌跡)
森進一は原曲が2コーラスしかないため、ラストに曲名を繰り返し歌う部分以外フルコーラスでした。ただ明るい曲ということもあってテンポは原曲よりかなり速め、歌以外はほとんどカットという編曲です。
八代亜紀は自身初の紅組トリ、歌唱曲は軽快な曲調の「おんな港町」でした。したがってトリであるにも関わらず、テンポは原曲より速いです。最後はトリならではののアレンジが、5秒ほど追加されました。
3年連続トリの五木ひろしは、「灯りが欲しい」で自身初の紅白大トリステージです。1番と3番の歌唱。間奏はほぼ全カットでしたが、トリ仕様のエンディング15秒が最後に尺を稼ぐ形となりました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・五木ひろしの軌跡)
第28回(1977年)・まとめ
演奏時間ランキング
順位 | 曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 |
1 | 27(紅14) | 虚空太鼓 | 水前寺清子 | 3分2秒 |
2 | 22(紅11) | マイ・ラグジュアリー・ナイト | しばたはつみ | 2分47秒 |
3 | 28(白14) | 終着駅は始発駅 | 北島三郎 | 2分46秒 |
4 | 48(白24) | 灯りが欲しい | 五木ひろし | 2分41秒 |
5 | 12(紅6) | 悲恋白書 | 岩崎宏美 | 2分36秒 |
44 | 21(白11) | 愛のメモリー | 松崎しげる | 2分3秒 |
44 | 25(白13) | もえる草原 | 加山雄三 | 2分3秒 |
45 | 14(紅7) | やさしい悪魔 | キャンディーズ | 2分0秒 |
46 | 15(白8) | 青春時代 | 森田公一とトップギャラン | 1分59秒 |
47 | 20(紅10) | 街角のラブソング | 南 沙織 | 1分56秒 |
48 | 8(紅4) | ギター流して今晩わ | 西川峰子 | 1分52秒 |
意外にもこの年の最長ステージは水前寺清子「虚空太鼓」。第23回ではポップス系の方がやや長めでしたが、この年は全体的にポップス系よりも演歌系の方が長い傾向にあります。西川峰子が2年連続で最短演奏時間になっています。全ステージの平均はおよそ2分20秒で前回より4秒減。ただ終盤がほぼ2分30秒超えということもあって、2年前の第26回よりは長いです。
フルコーラス歌唱(間奏・アウトロ・フェイドアウトは除く)
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
17(白9) | 奥様お手をどうぞ | 菅原洋一 | 2分13秒 2コーラス |
2分15秒 2コーラス |
25(白13) | もえる草原 | 加山雄三 | 2分3秒 2コーラス |
2分48秒 2コーラス |
27(紅14) | 虚空太鼓 | 水前寺清子 | 3分2秒 2コーラス |
3分49秒 2コーラス |
菅原洋一は歌詞の構成が異なりますが、2コーラスは共通なのでフルと看做します。岩崎宏美、いしだあゆみ、森進一が最後の繰り返し以外フルコーラスで惜しい所でしたが、やはり前回と比べると明確に少なくなっています。
テンポアップが目立ったステージ
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
4(紅2) | ウォンテッド(指名手配) | ピンク・レディー | 2分16秒 冒頭+1コーラス半 |
3分22秒 冒頭+2コーラス |
6(紅3) | 九月の雨 | 太田裕美 | 2分30秒 2コーラス |
4分24秒 3コーラス |
9(白5) | 失恋レストラン | 清水健太郎 | 2分8秒 1コーラス半 |
3分48秒 2コーラス半 |
13(白7) | ボタンを外せ | 西城秀樹 | 2分21秒 2コーラス |
2分57秒 2コーラス+サビ |
14(紅7) | やさしい悪魔 | キャンディーズ | 2分0秒 1コーラス半 |
3分37秒 2コーラス |
15(白8) | 青春時代 | 森田公一と トップギャラン |
1分59秒 2コーラス |
2分57秒 2コーラス半 |
16(紅8) | フィーリング | ハイ・ファイ・ セット |
2分16秒 1コーラス半 |
4分29秒 2コーラス+サビ |
20(紅10) | 街角のラブソング | 南 沙織 | 1分56秒 1コーラス+サビ |
3分26秒 2コーラス |
25(白13) | もえる草原 | 加山雄三 | 2分3秒 2コーラス |
2分48秒 2コーラス |
31(紅16) | 港・坂道・異人館 | いしだあゆみ | 2分17秒 2コーラス |
3分16秒 2コーラス |
41(紅21) | 夜へ急ぐ人 | ちあきなおみ | 2分25秒 1コーラス半 |
4分16秒 2コーラス+台詞 |
46(白23) | 東京物語 | 森 進一 | 2分31秒 2コーラス |
3分13秒 2コーラス |
47(紅24) | おんな港町 | 八代亜紀 | 2分21秒 2コーラス |
3分10秒 2コーラス半 |
前回でも9つピックアップしましたが、今回は13ステージをピックアップ。それ以外で少し速くなっているステージも多く、アップテンポでほぼ原曲通りは岩崎宏美・山口百恵・沢田研二くらいしかいない状況でした。5年前の第23回と比べてステージ数は2つ増加、その中でゲストの応援などに割かれる時間も増加。そうなると自然と押し気味の進行になり、ステージで調整する事例も自然に多くなるというわけです。
これは生演奏主体だからこそ出来た話で、事前録音主体の今では到底不可能。そのため台本やアドリブも、現在よりこの時代の方がまだ多少余裕があってリズム良く進行しているようにも見えます。
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