演奏時間&構成表 2(第35回・1984年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
12(紅6) | ふたりの春 | 川中美幸 | 2分25秒 2コーラス |
3分58秒 3コーラス |
13(白6) | 旅先の雨に | 新沼謙治 | 2分30秒 1コーラス+サビ |
4分39秒 2コーラス+サビ |
14(紅7) | 十戒(1984) | 中森明菜 | 2分27秒 2コーラス+サビ |
3分36秒 2コーラス半 |
15(白7) | ケジメなさい | 近藤真彦 | 3分14秒 1コーラス半 |
4分3秒 2コーラス+サビ |
16(紅8) | Rock’n Rouge | 松田聖子 | 3分19秒 2コーラス |
4分15秒 2コーラス |
17(白8) | 2億4千万の瞳 | 郷ひろみ | 2分57秒 1コーラス半 |
4分4秒 2コーラス |
18(紅9) | 浪花節だよ人生は | 水前寺清子 | 2分25秒 2コーラス |
3分58秒 3コーラス |
19(白9) | 浪花節だよ人生は | 細川たかし | 2分30秒 2コーラス |
4分0秒 3コーラス |
20(白10) | 涙のリクエスト | チェッカーズ | 2分55秒 冒頭+1コーラス半 |
3分45秒 冒頭+2コーラス |
21(紅10) | 渚のはいから人魚 | 小泉今日子 | 2分37秒 冒頭+1コーラス半 |
4分10秒 冒頭+2コーラス半 |
22(白11) | 冬の海 | 村田英雄 | 2分15秒 2コーラス |
(演奏時間不明) 3コーラス |
23(紅11) | 冬仕度 | 牧村三枝子 | 2分13秒 2コーラス |
4分5秒 3コーラス |
24(白12) | AMAPOLA | 沢田研二 | 3分28秒 1コーラス半 |
4分24秒 2コーラス |
25(紅12) | 桃色吐息 | 髙橋真梨子 | 3分9秒 冒頭+2コーラス |
3分33秒 冒頭+2コーラス |
26(白13) | チャールストンにはまだ早い | 田原俊彦 | 2分36秒 2コーラス |
3分20秒 2コーラス+サビ |
27(紅13) | 今さらジロー | 小柳ルミ子 | 2分52秒 2コーラス |
4分3秒 2コーラス+サビ |
28(白14) | 娘よ | 芦屋雁之助 | 2分56秒 2コーラス+台詞 |
4分34秒 3コーラス+台詞 |
29(紅14) | 東京めぐり愛 | 石川さゆり | 2分45秒 2コーラス |
4分25秒 3コーラス |
30(企2) | 津軽じょんから節 | 細川たかし 五木ひろし 沢田研二 北島三郎 芦屋雁之助 郷ひろみ 田原俊彦 近藤真彦 |
2分18秒 2コーラス |
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祇園小唄 | 森 光子 都はるみ 紅組歌手全員 |
2分5秒 2コーラス |
各ステージ・補足
川中美幸は得意の夫婦演歌を1番と3番、間奏を大半カットする編曲でした。
新沼謙治は小椋佳の提供曲を歌唱しましたが、残念ながらヒットはしていません。1コーラスが長いため、歌唱は1番とラストサビ・間奏無しでした。
後年の出来事を含めて考えると紅白史に残る黒歴史とも言えなくもない各2組・計4名の「うわさのカップル対決」、中森明菜はこの年のヒット曲「十戒(1984)」の歌唱でした。1980年代に入ると超高速演奏はそれ以前と比べて少なくなりましたが、このステージは当時を思い出すような爆速テンポでした。間奏無しで2コーラス・さらにラストサビという構成です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・中森明菜の軌跡)
近藤真彦は「ケジメなさい」、この年の大ヒット曲ですが後年から考えると皮肉にも聞こえるタイトルです。1コーラス半、後半サビは1番の歌詞繰り返しでした。
松田聖子の「Rock’n Rouge」はイントロこそ原曲通りですが、歌に入った途端テンポが少し速くなります。ただカットは間奏の一部分とアウトロのフェイドアウト部のみ、歌に関してはフルコーラスでした。
郷ひろみは近年の紅白常連曲「2億4千万の瞳」、この年リリースなので当然初歌唱です。1コーラス歌唱後、間奏を経て2番にいくかと思いきやサビに移行するという構成でした。
紅白史上、現在でも唯一の同曲対決「浪花節だよ人生は」。紅組の水前寺清子は祭りの櫓のようなセットの上で歌います。1番と3番の歌唱、イントロからそれだと分かる超高速演奏でした。
細川たかしの「浪花節だよ人生は」はレコ大最優秀歌唱賞。賑やかさを強調した紅組と比べてこちらは三味線奏者2名をバックにどっしり…と言いたい所でしたが、歌い出しから歌詞を大きく間違えるハプニング。1番と2番の歌唱ですが、「どうもすみませんでした」と謝る姿ばかりが印象に残るステージになってしまいました。チータほどではないですが、こちらもテンポはやや速めです。
攻守交代、白組トップバッターはこの年に大ブレイクしたチェッカーズでした。「涙のリクエスト」を1コーラス半、1番歌唱後は間奏無しで2番Bメロに移行。アウトロが若干短くなっていますが、初出場ながら一定以上の演奏時間が確保されています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・チェッカーズの軌跡)
トップアイドルの仲間入りした小泉今日子も初出場、キュートに「渚のはいから人魚」をパフォーマンス。少し速いというより慌ただしいと言った方がしっくり来るテンポの演奏になっていました。間奏後、キリのいい所で2番Bメロに移行。そのままサビを1回歌唱してアウトロという構成です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・小泉今日子の軌跡)
村田英雄は珍しく男一匹とも夫婦とも関係ない演歌でした。かろうじて歌詞は検索できましたが、演奏時間は調査中です。歌は1番と3番を歌唱。なおイントロで、紅組司会の森光子が間違えて次のステージの曲紹介をするハプニングが発生しています。
あらためて紹介されたステージは牧村三枝子「冬仕度」。1番と2番の歌唱。この演歌対決は両方ともあまりヒットしていない新曲だったせいでしょうか、演奏時間は比較的短めです。村田先生は分からないですが、牧村さんは原曲よりも確実にテンポ速めでした。
沢田研二は「AMAPOLA」を歌唱。レーベル移籍の過渡期ということもあって、演奏はいつもの専属バンドと異なる東京フィルハーモニー交響楽団でした。1番が英語・2番が日本語という構成ですが、紅白は1番日本語・カット無しの間奏を経て2番後半を日本語(歌詞は同じ)で歌う歌唱。原曲との比較だけで考えると、かなり変則的な構成です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・沢田研二の軌跡)
10年ぶりの紅白、ソロでは初出場の髙橋真梨子は大ヒットした「桃色吐息」を歌唱。冒頭から1番Aメロ~Bメロ歌唱後、サビを飛ばして間奏→2番に移る構成でした。同じメロディー繰り返しのラストサビではなく1番サビをカットする構成は、なかなか珍しいような気がします。
田原俊彦は「チャールストンにはまだ早い」、年を経るごとにダンサブルになっています。ただテンポはイントロからそれだと分かるくらいに超高速、踊りながら歌うので並の歌手以上に負担が凄そうです。最後のサビ繰り返しはカットでしたが、間奏はフルパフォーマンスでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・田原俊彦の軌跡)
トシちゃん以上にダンサブルになっているのは、14年連続出場のベテラン・小柳ルミ子。前回の「お久しぶりね」以上に鮮やかなステージを展開していました。テンポ速めの2コーラス歌唱、間奏はまるまる早替えとテレビ実況の時間に充てられています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・小柳ルミ子の軌跡)
芦屋雁之助は53歳での紅白初出場、年間セールス10傑に入る大ヒット曲「娘よ」を和服姿で歌います。1番と3番の歌唱、台詞の披露もありでした。意外と1コーラス長め、そのためアウトロはカット気味です。
前回は妊娠中のため応援のみの出演だった石川さゆりですが、この年は2年ぶりの紅白ステージ。大関の琴風関とのデュエット曲「東京めぐり愛」歌唱ですが、1番の男性パートは水前寺清子・都はるみ・八代亜紀・小林幸子が男装姿で代役を務めます。相撲力士の紅白出演は審査員中心に珍しいことではないのですが、琴風・北の富士・増位山などなぜか歌の上手い人に限って1度も出演がありません。なお2番はさゆりさんのみの歌唱でした。
この年は企画コーナーが1つ減って2つに変更、両司会の故郷にちなんだパフォーマンス対決となっています。白組は鈴木健二アナが疎開先として選んだ青森県弘前市から、「津軽じょんがら節」とねぷた祭りのパフォーマンス。「津軽じょんがら節」の歌唱は細川たかし、演奏は三味線が五木ひろし、太鼓が沢田研二でした。一方紅組は森光子の故郷・京都がテーマ。紅組歌手全員が和服姿で踊る中、同じ京都出身の都はるみと2人で「祇園小唄」を歌唱。ただこの年ははるみさんの引退紅白、実質的には両司会よりもはるみさんメインの企画だったと考えるのが適当かもしれません。
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