記念すべき第50回、この年は初めて本番後にBSで年明けイベントが放送されました。豪華な企画コーナーや名曲の再演など記念色が非常に強い紅白歌合戦でしたが、こうなると肝心のリアルタイムという部分で弱くなるのが難点。前半や中盤はともかく、過去に紅白で歌った曲が連発の終盤は逆に退屈な印象もありました。
なお第45回~第49回までは4記事に分けていましたが、第50回以降は19時半・19時20分放送開始となったのでまた5記事に分ける形とします。
演奏時間&構成表 1(第50回・1999年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 | フル再生時間 構成 |
1(紅1) 紅前半1 | LOVEマシーン | モーニング娘。 | 2分59秒 1コーラス+サビ2 | 5分1秒 2コーラス+サビ2 |
2(白1) 白前半1 | We can’t stop the music | DA PUMP | 2分55秒 冒頭+1コーラス半 | 4分19秒 冒頭+2コーラス半 |
3(紅2) 紅前半2 | 春 ~spring~ | Hysteric Blue | 2分34秒 1コーラス半 | 4分6秒 2コーラス半 |
4(白2) 白前半2 | ラストチャンス | Something ELse | 2分38秒 1コーラス半 | 4分57秒 2コーラス半 |
5(紅3) 紅前半3 | だんご3兄弟 | 茂森あゆみ・ 速水けんたろう | 2分41秒 2コーラス | 2分6秒 2コーラス |
6(白3) 白前半3 | 足摺岬 | 鳥羽一郎 | 3分2秒 2コーラス | 4分45秒 3コーラス |
7(紅4) 紅前半4 | 一緒に… | MAX | 2分56秒 冒頭+1コーラス+サビ | 5分15秒 冒頭+2コーラス+サビ |
8(白4) 白前半4 | サバイバル | GLAY | 3分35秒 2コーラス+サビ | 4分34秒 2コーラス+サビ2 |
9(企1) | 伝説のスポーツヒーローショー | |||
フラワー | KinKi Kids | 1分2秒 サビ×2 | 5分13秒 冒頭+2コーラス半 | |
10(紅5) 紅前半5 | 津軽の花 | 原田悠里 | 2分42秒 2コーラス | 3分41秒 2コーラス半 |
11(白5) 白前半5 | 冬の酒 | 吉 幾三 | 3分8秒 2コーラス | 4分1秒 2コーラス+サビ |
12(紅6) 紅前半6 | 夢のしずく | 松たか子 | 3分18秒 冒頭+1コーラス半 | 5分4秒 冒頭+2コーラス半+ラスト |
13(白6) 白前半6 | あの紙ヒコーキ くもり空わって | 19 | 2分44秒 1コーラス+サビ | 4分22秒 2コーラス+サビ |
各ステージ・補足
トップバッターはこの年社会現象級の大ヒットになったモーニング娘。の「LOVEマシーン」。数字もミリオンセラーですが、それ以上に楽曲のインパクトが強かったです。1コーラスから長い間奏の後半→ラストサビ、アウトロ短縮の構成。あと10秒くらいは長く出来るのではないかという印象もありました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・モーニング娘。の軌跡)
2年連続トップバッターのDA PUMPは「We can’t stop the music」、冒頭からKENが紅白向けのMCラップを披露。会場のテンションを上げるパフォーマンスを終始見せていました。冒頭→1番AメロBメロ→1番サビ→2番サビ後半→間奏→ラストサビ1回目→ラストという構成。日本語と英語のマッシュアップテイストのサビが特徴的でしたが、メインの日本語を歌うISSAのマイクがやや小さいようにも聴こえました。
初出場のHysteric Blueはスヌーピーのキャラクターが応援に参加、会場を盛り上げます。ブレイク曲「春 ~spring~」をパフォーマンス。Bメロ前半までが1番の歌詞、Bメロ後半から2番以降に至る構成でした。アウトロのリフレインが1回少なくなっています。ただ生演奏で無いのは仕方ないとしても、メンバーが楽器を持たないうちに音が鳴る冒頭はもう少しやりようがあったのではないかと思います。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史)
Something Elseの3人はギター&ベースの構成、「ラストチャンス」は事前録音ではなく生演奏でした。やや速めのテンポですが、3人の音とコーラスがシンプルに伝わるステージです。1コーラス半、ラストサビ以降はかぐや姫やゴダイゴといったレジェンド級のメンバーを含む白組歌手がギターやタンバリンで参加。紅白ならではの豪華共演を、視聴者・演者ともども楽しめたステージです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史)
この年は「だんご3兄弟」が『おかあさんといっしょ』から突如大ヒット、社会現象になった年でした。当然NHKで放送されている紅白歌合戦がこれを無視するわけにはいかず、年末の音楽特番は独占という形で茂森あゆみ・速水けんたろうによるステージが披露されます。キッズダンサーに人形劇のキャラクターが大集合、cobaのアコーディオンで編曲も原曲より進化。歌のおにいさん・おねえさんによるダンスまで加わりました。原曲は間奏無しですが、ここではcobaメインのタンゴ風パートも追加。結果音源の演奏時間を大きく上回るステージになりましたが、それでも元が短すぎるので結局3分に満たない長さだったりします。
だんごの対戦相手は白組の適任者が難しく、結果として選ばれたのはなんと鳥羽一郎の「足摺岬」でした。どでかいクジラのみこしに弟が乗るという賑やかなお祭り演出で対抗します。1番と2番の歌唱でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・鳥羽一郎の軌跡)
MAXはバラードで新境地を見せた「一緒に…」を歌唱。ダンサーが宙吊りになる演出が見どころでした。冒頭+1コーラス+間奏+ラストサビの構成で、2回ある間奏・アウトロはいずれもカット部分あり。
GLAYはこの年「Winter, again」で日本レコード大賞を受賞、CD売上もそちらの方が上でしたが、紅白はビデオシングルとして話題になった「サバイバル」のパフォーマンス。幕張メッセでの年越しライブ開催のため、大ヒットミュージシャンとしては異例の前半4番手という曲順でした。当然ここまでの7組と比べて演奏時間も長めですが、最後の2回繰り返しは惜しくも1回のみでフルコーラスにはならず。歌舞伎の口上スタイルの曲紹介で無ければ演奏できたような気もしますが、セッティング準備という意味合いもあるのでこればかりは仕方ない所でしょうか。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史)
紅白各4組終わったところで、国民栄誉賞受賞の王貞治・山下泰裕・九重貢(元横綱・千代の富士)が勢揃いするショーがありました。そのプレゼンターとしてKinKi Kidsが登場、この年ミリオンセラーを記録した「フラワー」のサビを一節歌います(歌詞はラストサビ2回繰り返し箇所)。豪華な共演であることは間違いないですが、正直申し上げますと色々な事情が垣間見える場面でもありました。内容は御三方による未来の子どもたちへのメッセージがメイン、全体では約4分半の時間を費やしています。
原田悠里は1980年代後半でも「木曽路の女」がヒットしていましたが、初出場は「津軽の花」がロングセラーになったこの年でした。詩の舞台になった青森から小さなねぶたの応援が入ります。2コーラス半の曲ですが、当時はまだ1コーラス半化せずしっかり1番・2番の2コーラス(ただ間奏とアウトロは短縮気味)。
吉幾三はこの頃になると新曲はオリコン週間100位に入るか入らないかという状況でしたが、ここでは「雪國」「酒よ」ではなく普通にこの年発表の「冬の酒」を2コーラス歌唱(間奏カットあり)。2番がやや感極まり気味になるのも例年通りでした。
司会→歌手→不出場→歌手という推移で2年ぶり出場の松たか子、この年の歌唱は自身が作詞作曲を担当した「夢のしずく」。冒頭に歌詞を間違える場面がありました。冒頭→1番AメロBメロ→1番サビ前半→2番サビ後半→Cメロ→ラストサビ2回という構成、2回目のCメロはカットでした。
19はブレイク曲「あの紙ヒコーキ くもり空わって」を歌唱。曲紹介ではイラストレーター・326も参加、ステージでも彼の書いたキャラクターが多数登場します。歌は1番+ラストサビ、各音楽番組とほぼ同じ構成でした。
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