歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第39回・1988年その2)

演奏時間&構成表 2(第39回・1988年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
19(紅10)津軽じょんがら節岸千恵子3分15秒
3コーラス
4分2秒
3コーラス
20(白10)RunnerBAKUFU-SLUMP3分44秒
2コーラス半
4分47秒
2コーラス半
21(紅11)オン・マイ・オウン島田歌穂3分6秒
3パート
4分0秒
3パート
22(白11)星に願いをタイム・ファイブ2分44秒
1コーラス半
2分52秒
1コーラス半
23(紅12)未成年益田宏美3分16秒
1コーラス半+ラスト
4分13秒
2コーラス+ラスト
24(白12)COME ON EVERYBODY
’88 FINAL MEGA-MIX
TM NETWORK5分16秒
2コーラス+サビ
4分56秒
2コーラス+サビ
25(紅13)アヴェ・マリア佐藤しのぶ4分25秒
2コーラス
6分13秒
3コーラス
26(白13)マイ・ウェイ加山雄三3分35秒
2コーラス
4分41秒
2コーラス
27(紅14)人生いろいろ島倉千代子3分15秒
2コーラス+サビ
3分53秒
2コーラス+サビ
28(白14)恨五百年チョー・ヨンピル3分1秒
2コーラス
5分27秒
4コーラス
29(紅15)乱れ花大月みやこ2分45秒
2コーラス
4分25秒
3コーラス
30(白15)いやんなっちゃうなァ尾形大作2分17秒
1コーラス半
4分33秒
3コーラス
31(紅16)憂き世川瀬川瑛子2分49秒
2コーラス
4分39秒
3コーラス
32(白16)男の港鳥羽一郎2分35秒
2コーラス
4分24秒
3コーラス
33(紅17)愛のセレブレイション小柳ルミ子2分54秒
2コーラス
3分31秒
2コーラス(原曲)
34(白17)ラ・クンパルシータ菅原洋一2分41秒
2コーラス
(詳細不明)

各ステージ・補足

 岸千恵子は当時『笑っていいとも』にも出演したゆさぶり民謡の歌い手。テレビの画面からはみ出てしまうほどの大きな動きで、「津軽じょんがら節」を歌います。歌詞は検索サイトで新節と呼ばれる内容ですが、3番は”出雲は安来”のくだりが入る音源と異なる歌詞でした。

 BAKUFU-SLUMP(爆風スランプ)はまだ大ヒットする前の「Runner」を歌唱。イントロ・1回目の間奏・アウトロは半分以上カットされていますが(3回リフレインする箇所が1回に変更)、歌は最後のサビ繰り返し以外フルコーラス。選出時点ではまだ色物感が少々残っていましたが、このパフォーマンスきっかけに翌年さらにヒット。一気にベストテン常連のロックバンドに登り詰めます。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(怒涛の1980年代編)

 島田歌穂は1987年初演の『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役で知名度上昇、前回の岩崎宏美(ファンティーヌ役)に続き同作の劇中歌を歌唱します。2パート目の後半がカットされていますが、それ以外はフルコーラスでした。日本語詞での歌唱ですが、現在サブスクに配信されている音源は英語での歌唱です。

 タイム・ファイブダークダックス以来、紅白では12年ぶりのコーラスグループ出場です。「星に願いを」の英語詞を、完全アカペラアレンジで歌い切りました。後年何度もショーコーナーで歌われているこの曲ですが、紅白で披露されるのはこれが初となります。なおサブスク配信でも、当時と同じパート分けで『スーパー・ハーモニー』に収録されています。

 益田宏美はこの年結婚、この紅白をもって岩崎宏美から芸名も変更となります。「未成年」はこの年12月16日に発表されたばかりの新曲でした。2コーラスの曲ですが、2番はBメロ以降の歌唱です。間奏は原曲と異なる内容で、Aメロのメロディーがそのままなぞられていました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・岩崎宏美の軌跡

 TM NETWORKは当時の最新曲「COME ON EVERYBODY」を紅白のステージ用にミックス、”’88 FINAL MEGA-MIX”という紅白始まって以来初めてサブタイトルが付加されました。イントロと2番終わりの間奏に新しい演奏パート追加、フェイドアウト終わりから1番サビ終わりの歌詞を追加して終わるアレンジに変更。したがって演奏時間は原曲超え、紅白歌合戦で初となる5分超えのステージになりました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(怒涛の1980年代編)

 佐藤しのぶはシューベルトの「アヴェ・マリア」を、1番ドイツ語2番日本語で歌唱。もっとも歌詞そのものは1コーラス、2番は日本語の訳詞を歌ったに過ぎません。2023年に佐藤さん歌唱の音源も解禁、6分近い演奏時間でした。

 3年連続白組司会兼任の加山雄三、この年は持ち歌ではなくカバーの「マイ・ウェイ」を選曲。フランク・シナトラの歌唱で大ヒットになった曲ですが、51歳を迎えた若大将は当時のフランクに近い年齢になっていました。フルコーラスの大熱唱ですが、テンポはシナトラ盤と比べるとかなり速めでエンディングはほぼカットでした。なお若大将のカバーも後にレコーディング、サブスク配信もされています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・加山雄三の軌跡

 中間審査を挟んで、演歌メインの終盤トップバッターは紅白に帰ってきた島倉千代子。大ヒット曲「人生いろいろ」を、観客の手拍子も入る中で熱唱します。サビの繰り返しが1回少ないもののほぼフルコーラス、ラストサビ途中でテンポが急に速くなるアレンジでした。最終的には10代~20代の時に多く量産したヒット曲以上に歌い継がれる楽曲になっています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・島倉千代子の軌跡

 チョー・ヨンピルは民族衣装を身にまとって、韓国民謡「恨五百年」を2コーラス。1コーラス目は後半部分(2番にあたると思われますが)がカットされています。テロップは原語のみの他曲と異なり、ハングルの韓国語と日本語訳が併記されていました。

 大月みやこは「乱れ花」を歌唱、1番と3番の構成です。

 尾形大作も1番と3番…と言いたいところでしたが、3番は間奏無しサビのみで大幅カット。この辺りは曲紹介もイントロに乗せてという状態でステージの合間無し、時間調整しやすい箇所であったことは確かでした。

 瀬川瑛子は間奏カット気味ながらも1番と2番の歌唱。「憂き世川」は一応大ヒット曲で、さすがに「命くれない」ほどではないもののオリコン年間27位の高セールスを記録しています。

 鳥羽一郎は3年ぶりの復帰。2年前のシングル曲「男の港」が歌われることになった背景には、この年『のど自慢』で一番多く歌われたという実績がありました。1番と3番の歌唱ですが、こちらも間奏カット気味です。なお歌詞テロップで、”鶴御崎”が”鶴見崎”と表記されるミスがありました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・鳥羽一郎の軌跡

 小柳ルミ子は1983年に全世界でヒットした「愛のセレブレイション」を披露。完全ミュージカル仕様のステージで、歌も事前録音という状況でした。一応フルコーラスですが、2番サビは本人の歌声ではなくコーラスパートになっています。歌詞はラストの一節以外日本語詞です。ちなみに翌年の結婚披露宴で、当時の相手と一緒に踊ったのはこの曲だったと言われています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・小柳ルミ子の軌跡

 菅原洋一は8年前の紅白でも歌った「ラ・クンパルシータ」を、スペイン語で歌います。当時よりもテンポはゆったりで間もたっぷり、演奏時間もやはり20秒ほど長くなっていました。

 

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