歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第24回・1973年その3)

 

演奏時間&構成表 3(第24回・1973年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

 その1はこちらその2はこちらを参照してください。

曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
構成
フル再生時間
構成
37(特1) 桑港のチャイナ街
(1950年)
渡辺はま子 2分7秒
2コーラス
3分26秒
3コーラス
38(徳2) 長崎の鐘
(1949年)
藤山一郎 2分23秒
2コーラス
3分35秒
3コーラス
39(紅19) いっぽんどっこの唄
(1966年)
水前寺清子 2分2秒
2コーラス
3分17秒
3コーラス
40(白19) 大利根無情
(1959年)
三波春夫 2分15秒
2コーラス・台詞1回
3分49秒
3コーラス+台詞2回
41(紅20) 夜間飛行 ちあきなおみ 3分0秒
2コーラス
3分28秒
2コーラス
42(白20) ふるさと 五木ひろし 2分38秒
1コーラス半
3分13秒
2コーラス
43(紅21) 涙の連絡船
(1965年)
都はるみ 2分55秒
2コーラス
4分49秒
3コーラス
44(白21) 君こそわが命
(1967年)
水原 弘 2分41秒
2コーラス
3分36秒
3コーラス
45(紅22) からたち日記
(1958年)
島倉千代子 3分5秒
2コーラス・台詞2回
3分33秒
3コーラス+台詞3回
46(白22) 帰ろかな
(1965年)
北島三郎 3分12秒
2コーラス
3分29秒
3コーラス

各ステージ・補足

 紅白歌合戦史上初のゲスト歌手は、やはり特別出演の肩書で登場した渡辺はま子藤山一郎になるでしょうか。両名とも当時60歳前半、紫綬褒章受章に伴う出演でした。「桑港のチャイナタウン」は1番+3番、「長崎の鐘」は1番+2番の歌唱。どちらかと言うと古関裕而のパイプオルガン演奏、原曲と異なりラストのフレーズを繰り返し歌った藤山先生の方が扱いは大きかったです。

 この年紅組司会の水前寺清子は、1966年・2回目の出場時に歌った「いっぽんどっこの唄」を歌唱。ファン中心に客席は盛り上がりましたが、当時フルコーラスだったのに対してこの回は1番と3番のみの2コーラス。

 三波春夫の「大利根無情」も4年前の初歌唱時はフルコーラスでしたが、この回は1番と3番のみの2コーラス。見どころの台詞パートも後半のみでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・三波春夫の軌跡

 ちあきなおみの「夜間飛行」は堂々フルコーラス。前年1コーラス半だった「喝采」と比べると、紅白ではこちらの方が価値が高いように思います。アウトロもドラムロールが加わる、紅白オリジナルでより格調高い内容でした。ただ演奏は原曲よりやや速めです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・ちあきなおみの軌跡

 五木ひろしの「ふるさと」もテンポは原曲よりやや速め。こちらは2番Aメロの後半がカットされました。ただやはりこの年の日本レコード大賞受賞歌手、一定の演奏時間はしっかり確保されています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・五木ひろしの軌跡

 都はるみは初出場の時に歌った「涙の連絡船」を8年ぶりに紅白で披露。1番と3番のフルコーラス、イントロや間奏の演奏時間は初出場時よりも大幅に増えています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・都はるみの軌跡

 水原弘の「君こそわが命」は1番と2番を歌唱。トリ前ということで、ラストの貯めが原曲より長くなっています。

 島倉千代子の「からたち日記」は大幅に構成が変わっています。本来1番の後に入る台詞がイントロで入り、その後に1番を歌唱。次に入った台詞は原曲だと2番の後に入る台詞ですが、その後に歌ったのは3番ではなく2番でした。テンポは曲調が変わるほど遅め、おそらく紅白史上でもトップクラスに遅くしているのではないかと思われます。(ステージレビュー→紅白歌合戦・島倉千代子の軌跡

 北島三郎の「帰ろかな」も”装いも新たに”という曲紹介が示す通り、原曲と比べてアレンジが大幅に変わっています。テンポも原曲より大幅に遅くなっています。合唱と独唱で始まるオープニングは本来のイントロと全く異なる内容、間奏は童謡「七つの子」を流用。ラストも最後のワンフレーズを1回追加、その後は大トリらしいアレンジでの締め。このステージに特に力を入れたことがよく分かる編曲でした。なお「七つの子」が入るアレンジは、平成の紅白で再度歌われる際にも多用されています。

第24回(1973年)・まとめ

演奏時間ランキング

順位 曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
1 1(紅1) 漁火恋唄 小柳ルミ子 3分22秒
2 24(紅12) ウナ・セラ・ディ東京 ザ・ピーナッツ 3分15秒
3 46(白22) 帰ろかな 北島三郎 3分12秒
4 45(紅22) からたち日記 島倉千代子 3分5秒
5 41(紅20) 夜間飛行 ちあきなおみ 3分0秒
42 10(白5) さそり座の女 美川憲一 2分0秒
43 2(白1) 甘い十字架 布施 明 1分59秒
44 5(紅3) せんせい 森 昌子 1分55秒
45 28(白14) はじめは片想い にしきのあきら 1分45秒
46 7(紅4) 色づく街 南 沙織 1分40秒

 この年最も長いステージは、なんとトップバッターの小柳ルミ子でした。それ以外も全体的に、紅組の方が白組よりも演奏時間は長い傾向があります。前年に無かった3分台のステージが5つあったのに対して1分台も2→4に増加、少し出場歌手間の差が大きくなりました。なお全ステージの平均はおよそ2分27秒です。

フルコーラス歌唱(間奏・アウトロは除く)

曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
構成
フル再生時間
構成
1(紅1) 漁火恋唄 小柳ルミ子 3分22秒
2コーラス
3分26秒
2コーラス
3(紅2) ブルー・ライト・ヨコハマ いしだあゆみ 2分44秒
1コーラス半
3分5秒
1コーラス半
8(白4) 街の灯り 堺 正章 2分58秒
1コーラス半
3分36秒
1コーラス半
9(紅5) ジェット最終便 朱里エイコ 2分40秒
2コーラス
3分22秒
2コーラス
11(紅8) 笑って許して 和田アキ子 2分17秒
2コーラス
2分42秒
2コーラス
22(紅11) 狙いうち 山本リンダ 2分1秒
2コーラス
2分22秒
2コーラス
24(紅12) ウナ・セラ・ディ東京 ザ・ピーナッツ 3分15秒
1コーラス半
3分23秒
1コーラス半
29(紅15) 恋文 由紀さおり 2分52秒
2コーラス半
2分34秒
2コーラス半
31(紅16) 恋の十字路 欧陽菲菲 2分59秒
2コーラス
2分53秒
2コーラス
41(紅20) 夜間飛行 ちあきなおみ 3分0秒
2コーラス
3分28秒
2コーラス

 歌唱曲の違いもあるので一概には言えないですが(例えば原則3コーラスの演歌はほぼ2コーラスにならざるを得ないので)、こう見ると紅組の方が露骨に扱いが良いようにも見えます。フルコーラスでもそんなに問題無さそうな布施明沢田研二がバッサリ切られたのと比べると紅組はそういった例が少なく(南沙織くらいでしょうか)、やはり対照的な結果に思えます。

テンポアップが目立ったステージ

曲順 楽曲 アーティスト 演奏時間
構成
フル再生時間
構成
2(白1) 甘い十字架 布施 明 1分59秒
1コーラス半
2分55秒
2コーラス
10(白5) さそり座の女 美川憲一 2分0秒
2コーラス
3分15秒
2コーラス半
22(紅11) 狙いうち 山本リンダ 2分1秒
2コーラス
2分22秒
2コーラス
26(白13) 男の子女の子 郷ひろみ 2分5秒
1コーラス半
2分57秒
2コーラス
32(白16) 危険なふたり 沢田研二 2分5秒
1コーラス
3分25秒
1コーラス半

 この年はあまり速いテンポが目立つステージはありません。逆に菅原洋一・ チェリッシュ・ 欧陽菲菲島倉千代子北島三郎など原曲より遅いステージも目立ったくらいです。過去曲が多かったこともあって、両組トリやザ・ピーナッツ西郷輝彦など原曲と大幅にアレンジを変えたステージも目立っていました。

 

 

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