今回は1975年・第26回のステージ演奏時間・構成の一覧を作成します。
NHKホールでの紅白は3年目、前回は比較的シンプルな構成でしたが今回は応援団長制度が復活。非常に賑やかな紅白歌合戦になりました。
演奏時間&構成表 1(第26回・1975年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 | フル再生時間 構成 |
1(白1) | 心のこり | 細川たかし | 2分0秒 2コーラス | 3分35秒 3コーラス |
2(紅1) | ロマンス | 岩崎宏美 | 2分9秒 サビ+1コーラス半 | 3分18秒 2コーラス |
3(白2) | 花のように鳥のように | 郷ひろみ | 2分20秒 1コーラス半 | 3分0秒 2コーラス |
4(紅2) | 人恋しくて | 南 沙織 | 2分18秒 サビ+1コーラス半 | 4分25秒 サビ+3コーラス |
5(白3) | 明日の前に | 堺 正章 | 2分8秒 2コーラス | 3分57秒 4コーラス |
6(紅3) | さすらい | 藤 圭子 | 2分1秒 3コーラス | 3分33秒 5コーラス |
7(白4) | 初恋の絵日記 | ずうとるび | 1分51秒 1コーラス半+台詞2 | 2分52秒 2コーラス半+台詞 |
8(紅4) | 年下の男の子 | キャンディーズ | 2分17秒 2コーラス | 3分34秒 2コーラス半 |
9(白5) | 細雪 | 三善英史 | 2分9秒 1コーラス半 | 3分14秒 2コーラス |
10(紅5) | ペパーミント・ キャンディー | チェリッシュ | 2分12秒 1コーラス半 | 3分0秒 2コーラス半 |
11(白6) | 港のヨーコ・ ヨコハマ・ヨコスカ | ダウン・タウン・ ブギウギ・バンド | 2分48秒 4コーラス | 4分36秒 5コーラス |
12(紅6) | もっと自由に | 和田アキ子 | 1分58秒 2コーラス | 2分50秒 3コーラス |
13(紅7) | はじめての出来事 | 桜田淳子 | 2分20秒 2コーラス | 3分16秒 2コーラス半 |
14(白7) | 白い教会 | 西城秀樹 | 2分30秒 2コーラス | 3分35秒 2コーラス+サビ2 |
15(紅8) | オブ・ラ・ディ・ オブ・ラ・ダ | 佐良直美 | 2分15秒 3コーラス+サビ | 3分8秒 4コーラス |
16(白8) | 女の純情 | 殿さまキングス | 1分51秒 2コーラス | 3分33秒 3コーラス |
17(紅9) | あなたを待って三年三月 | 森 昌子 | 1分51秒 2コーラス | 3分10秒 3コーラス |
18(白9) | 赤い恋のバラード | にしきのあきら | 1分48秒 1コーラス半 | 3分42秒 2コーラス半 |
19(応援) | 「ベルサイユのばら」より 愛あればこそ | 安奈 淳、榛名由梨 宝塚歌劇団月組 | 2分17秒 1コーラス半 | 3分29秒 2コーラス半 |
各ステージ・補足
新人賞を争った2人がトップバッター、先攻は細川たかしの「心のこり」。初出場から半音上げのキー設定は、流石といった所でしょうか。テンポも若干速くなっています。1番と3番の歌唱。
岩崎宏美の「ロマンス」はサビから入る原曲、かなり変則的な構成です。紅白のステージは間奏に入る1フレーズを飛ばして、ラストサビ繰り返し直前の歌詞に飛ぶ構成でした。テンポはこちらも若干速くなっています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・岩崎宏美の軌跡)
郷ひろみは過去2回と異なり原曲通りのリズム。間奏もカット無しですが、2番は後半のAメロから入ってそのまま締めるという構成でした。
南沙織の「人恋しくて」はサビから入る構成ですが、イントロは丸々カット。原曲は同じフレーズ繰り返しのみですが、ステージはここで1番の歌詞を追加。1コーラス目はサビ終わりに1番ではなく2番の歌詞、間奏の後は3番の中盤から歌い始めるという構成でした。バラードですが、テンポはほんの少しだけ速め。(ステージレビュー→紅白歌合戦・南沙織の軌跡)
堺正章は4コーラスの原曲。紅白では1番と4番・ラストサビ繰り返しで歌われました。なお最後に挨拶したまま動かない小ボケをかましますが、ここは演奏時間に含めないものとします。
藤圭子の「さすらい」はなんと5コーラス。1コーラスが非常に短い曲ですが、紅白は1番+4番+間奏+5番という構成でした。
ずうとるびは冒頭とラストに台詞あり、ラストの内容はアレンジされていました。原曲通りのリズム、間奏でダンスパートもありましたが演奏時間はかなり短めです。
キャンディーズは「年下の男の子」でこの年初出場。イントロからそれだと分かる超高速演奏、ランちゃんがサビでついていけなくなる一幕もありました。2コーラス歌唱、ラストサビは2回繰り返しのところが1回になっています。
三善英史は演歌ですが2コーラスの原曲。ただ大ヒット曲でない以上フルで歌えるはずもなく、1コーラス半の歌唱とされました。
チェリッシュはバンドを演奏ゲストに迎えてのステージ、やや速めのテンポでの演奏です。間奏が本来の原曲と全く異なる、「てんとう虫のサンバ」のメロディーを流用した内容になっていました。1コーラス半、フェイドアウトで終わる部分はサビのラストフレーズ繰り返しというアレンジになっています。
宇崎竜童率いるダウン・タウン・ブギウギ・バンドはバリバリの生演奏。歌割りは4番のみカットで間奏のギターソロもほぼバッチリというかなりの好待遇でした。楽曲自体が流行語になるほど革命的な内容ですが、ラストに紅組司会・佐良直美とコントのように締めた後で紅組に連れられて奥さんの阿木耀子登場というのも当時では画期的な演出です。台詞メインの曲ということもあって、テンポはかなり速めです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史)
和田アキ子は阿木耀子・宇崎竜童夫妻の提供作品「もっと自由に」をジャズテイストで歌い上げます。間奏ありの2コーラス(1番+3番)歌唱ですが、演奏時間は2分を切りました。
6組終了後に中間審査を経て攻守交代、桜田淳子は自身の最大ヒット曲「はじめての出来事」を2コーラス歌います。イントロから明らかに原曲より速い演奏でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・桜田淳子の軌跡)
西城秀樹はイントロでパイプオルガン演奏あり、照明で十字を作るという凝ったステージですが、歌は1コーラスと2番Aメロ後半カット+サビ途中まででした。”君の愛は”と歌った直後に突然終了するような構成、この曲の聴きどころでもあるラストの叫びもカットです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・西城秀樹の軌跡)
佐良直美はかの有名なビートルズのカバーですが、歌詞は紅組勝利をテーマにした原曲と全く異なる内容でした。ステージが始まる前にバグパイプ演奏の応援がありましたが、演奏時間には含めていません。というよりこれが邪魔で本来の演奏が全く聴こえず、一度前に出た後に一旦後ろに引っ込むというハプニングが発生しています。なお表にある原曲の演奏時間はビートルズの物で、おそらく佐良さんはレコーディングさえもしていないと思われます。
殿さまキングスは1番と3番を歌唱。1コーラスが短いので、2分を切るステージでした。
森昌子は1番と2番を歌唱。若干テンポが速くなっています。これも2分を切る演奏時間。
にしきのあきらも後ろにダンサーが入るので、テンポが若干速くなっていました。1コーラス半の構成ですが、ラストの”半”の部分も後半カット。3曲連続で1分台、この時間帯は曲紹介もカメラが司会者に切り替わらないメドレー方式で非常に慌ただしかったです。
この年は宝塚歌劇団『ベルサイユのばら』が大ヒット、ベルばらブームが巻き起こりました。紅白でも「愛あればこそ」をオスカル役の安奈淳とアンドレ役の榛名由梨がゲスト出演、宝塚歌劇団月組の団員も連れて華やかなステージを再現します。ステージは間奏のダンスもしっかり入り、前の3ステージよりも明らかに長く大事に作られていました。なお比較対象の原曲はストリーミング配信されている安奈淳のソロ歌唱を基準とします。
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