歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第28回・1977年その2)

演奏時間&構成表 2(第28回・1977年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。なお、その1はこちらをご覧ください。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
15(白8)青春時代森田公一と
トップギャラン
1分59秒
2コーラス
2分57秒
2コーラス半
16(紅8)フィーリングハイ・ファイ・
セット
2分16秒
1コーラス半
4分29秒
2コーラス+サビ
17(白9)奥様お手をどうぞ菅原洋一2分13秒
2コーラス
2分15秒
2コーラス
18(紅9)ラブ・ミー・テンダー
~ハウンド・ドッグ
佐良直美2分21秒
ラブ・ミー・テンダー1分3秒
1コーラス
2分42秒
3コーラス(原曲)
ハウンド・ドッグ1分18秒
3コーラス
2分16秒
6コーラス(原曲)
19(白10)風の街三橋美智也2分12秒
2コーラス
3分9秒
3コーラス
20(紅10)街角のラブソング南 沙織1分56秒
1コーラス+サビ
3分26秒
2コーラス
21(白11)愛のメモリー松崎しげる2分3秒
1コーラス半
3分57秒
2コーラス半
22(紅11)マイ・ラグジュアリー・ナイトしばたはつみ2分47秒
1コーラス半
3分55秒
2コーラス
23(白12)北国の春千 昌夫2分22秒
2コーラス
4分4秒
3コーラス
24(紅12)夜更けのレストラン和田アキ子2分15秒
2コーラス
3分4秒
2コーラス+サビ
25(白13)もえる草原加山雄三2分3秒
2コーラス
2分48秒
2コーラス
26(紅13)イミテイション・ゴールド山口百恵2分33秒
冒頭+2コーラス
3分22秒
冒頭+2コーラス半
27(紅14)虚空太鼓水前寺清子3分2秒
2コーラス
3分49秒
2コーラス
28(白14)終着駅は始発駅北島三郎2分46秒
2コーラス
4分28秒
3コーラス
29(紅15)う・ふ・ふ由紀さおり2分18秒
2コーラス
3分18秒
2コーラス半
30(白15)男だけの唄村田英雄2分21秒
3コーラス
(詳細不明)
31(紅16)港・坂道・異人館いしだあゆみ2分17秒
2コーラス
3分16秒
2コーラス
32(白16)おまえにフランク永井2分21秒
2コーラス
3分31秒
3コーラス
33(紅17)みなとブルース青江三奈2分34秒
2コーラス
(詳細不明)
34(白17)思い切り橋内山田洋と
クール・ファイブ
2分6秒
冒頭+2コーラス
3分22秒
冒頭+3コーラス
35(紅18)星の砂小柳ルミ子2分26秒
サビ+変則2コーラス
3分23秒
サビ+変則3コーラス
36(白18)勝手にしやがれ沢田研二2分35秒
2コーラス
3分31秒
2コーラス半

各ステージ・補足

 森田公一とトップギャランは名曲「青春時代」を演奏。森田さんを筆頭とする演奏は特にラストが見事でしたが、構成は間奏カットの2コーラス・テンポかなり速めでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史

 ハイ・ファイ・セットの歌唱曲は最大ヒットを記録した「フィーリング」。ボーカル・山本潤子がかなりの緊張で音を外し気味ですが、歌声とハーモニーは見事でした。1コーラス半、2番は出だしパートからサビに飛ぶ構成。フェイドアウトで終わる原曲と違い、こちらはラストのロングトーンで少しずつ音が上がるアレンジでした。テンポはこちらも原曲よりかなり速いです。

 菅原洋一が歌う「奥様お手をどうぞ」は、この年に逝去したビング・クロスビー追悼の意味を込めてのステージです。CDに収録されている2コーラスは日本語詞ですが、紅白は1番英語、2番日本語の1番を歌う構成でした。

 佐良直美もこの年に逝去したエルヴィス・プレスリーの追悼、2曲を歌う豪華メドレーでした。「ラヴ・ミー・テンダー」は1番、「ハウンド・ドッグ」は1番・2番・3番(歌詞は1番と同じ)を全編英語で歌唱。なお佐良さんのエルヴィスカバーは、このステージ以外で確認出来ていません。

 三橋美智也はこの年発表の「風の街」、紅白で自身の新しい曲を歌うのは12年ぶりでした。ニューフォークと曲紹介で呼ばれていますが、残念ながらヒットはしていません。1番と2番の歌唱。

 南沙織の「街角のラブソング」はAメロ2回+サビの1番とAメロ1回+サビ2回の2番、紅白の歌唱は1番フルとラストサビでした。またまた原曲より相当速い演奏、若干アウトロを残していますが、それでも2分を切る短さです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・南沙織の軌跡

 松崎しげるはこの年初出場、現在でも広い世代に知られている大ヒット曲「愛のメモリー」を大熱唱。1コーラス半でラストの絶唱も4小節程度でしたが、会場と白組歌手席からは大きな拍手が起こりました。なお応援で登場した西田敏行(後に唯一の紅白グランドスラムを達成)は、この時が紅白初出演。

 しばたはつみは当時番組で共演していたピアニスト・世良譲の演奏。弦楽器が目立つ原曲と異なるアレンジは、大変聴き応えがありました。間奏無しの1コーラス半ですが、2回目のサビは原曲にはない半音上げの編曲。最後は原曲よりも長く歌い上げるロングトーン、この年10組いた初出場歌手でもっとも大事に作られたステージだったように思います。

 千昌夫は6年ぶりの紅白出場、1番と3番を歌います。合計6度紅白で歌われることになる「北国の春」ですが、初歌唱の時はイントロとアウトロが相当カットされていました。

 和田アキ子はアダルトな雰囲気の歌謡曲「夜更けのレストラン」を歌唱。サビ繰り返しカットの2コーラスはほぼフルに近いですが、演奏は原曲よりやや速くなっています。

 加山雄三はこの年の紅白で数少ないフルコーラス歌唱。見応えのあるステージです。ただイントロ・間奏のカット部分は多め、演奏テンポは原曲よりかなり速めでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・加山雄三の軌跡

 山口百恵はこの年出す曲全てが大ヒット、おそらく当時の予想も盛り上がったと思われますが紅白で歌ったのは「イミテイション・ゴールド」。アップテンポですがほぼ原曲通りのスピードで2コーラス(勿論冒頭もあり)、構成や演奏時間だけでなく前半ラストの曲順・対戦相手も含めて大ヒット歌手に相応しい待遇となっています。

 紅組歌手ラインダンスと白組歌手組体操の余興を経て、攻守交代後のトップバッターは水前寺清子。2コーラスでフルなので1コーラスが長く、若手なら問答無用で1コーラス半になる所ですが、司会経験もある大ベテランなのでしっかり2コーラス・フルコーラスでした。

 北島三郎は3コーラスの楽曲、そうなるとフルにはならず1番と3番の歌唱。ただこちらも1コーラスはやや長いので、この年の紅白では結果的に長い演奏時間のステージになっています。

 由紀さおりは宇崎竜童作曲のアップテンポな歌謡曲、したがって原曲よりもやや速い演奏でした。「男ってダメ」「紅組の勝利よ」と、歌詞を一部アレンジしています。

 村田英雄の「男だけの唄」は検索をかけても歌詞さえヒットせず、フルコーラスが全くもって不明な楽曲となっています。ただ演奏時間は前半のヒット歌手よりも長い2分20秒台、この年は若手よりベテランの方が演奏時間に関して言うと優遇されている紅白なのかもしれません。

 いしだあゆみは神戸をテーマにした歌謡曲を2コーラス。ラストのフレーズ繰り返しがカットされた以外は、フルです。小気味良いテンポは原曲よりかなり速め、むしろ原曲がややもったりしている印象もあります。

 フランク永井の「おまえに」は1966年発表の曲ですが、この年に再発売されてロングセラーを記録しました。3年前の紅白同様1番と2番を歌唱、演奏時間は当時より8秒長くなっています。アウトロがかなり派手にアレンジされていました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・フランク永井の軌跡

 青江三奈は当時の紅白含めた歌番組の歌唱はYouTubeにアップされていますが、レコード音源や歌詞サイトでは検索結果無し。全曲集にも基本収録されていないので、フルコーラスが分からない曲になっています。演歌2コーラス、この構成だと今回の紅白では長い部類に入ります。

 内山田洋とクール・ファイブは冒頭サビも含めた2コーラス。1コーラスが短いため、演奏時間は比較的短め。アウトロがしっかり残った上でこの長さでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・内山田洋とクール・ファイブの軌跡

 小柳ルミ子はこの年大ヒットした「星の砂」を歌唱。従来の歌謡曲と比べてかなり変則的な構成ですが、ここはステージレビューを見てもらった方が早いかもしれません。ラストは、原曲よりかなりタメを作る編曲でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・小柳ルミ子の軌跡

 沢田研二はこの年日本レコード大賞を受賞した「勝手にしやがれ」を歌唱。ほぼ原曲通りのリズム、ラストはサビ繰り返し無しでアウトロも短くなっていますが、前半のポップス系と比べればはるかに好待遇。1977年を彩る大ヒット曲に相応しい充実の内容でした。(ステージレビュー→紅白名言集解説・40~ジュリーの最高峰~

 

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