歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第29回・1978年その3)

演奏時間&構成表 3(第29回・1978年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

 その1はこちらその2はこちらを参照してください。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
37(紅19)雨…小柳ルミ子2分28秒
2コーラス
4分5秒
3コーラス
38(白19)与作北島三郎3分25秒
2コーラス
4分4秒
2コーラス
39(紅20)彼岸花森 昌子2分11秒
1コーラス半
4分10秒
2コーラス半
40(白20)さくら日本花の旅三波春夫2分27秒
7コーラス
4分40秒
14コーラス
41(紅21)トーキョー・バビロン由紀さおり2分35秒
1コーラス半
3分23秒
2コーラス
42(白21)めぐり逢い紡いで布施 明2分45秒
2コーラス
3分9秒
2コーラス
43(紅22)りんどう峠島倉千代子2分29秒
2コーラス
3分33秒
3コーラス
44(白22)人生劇場村田英雄2分17秒
2コーラス+台詞
3分45秒
3コーラス
45(紅23)なんで女に都はるみ2分28秒
3コーラス
(演奏時間不明)
3コーラス
46(白23)きみよ荒野へ森 進一2分26秒
1コーラス半
3分52秒
2コーラス
47(紅24)プレイバックPart 2山口百恵2分23秒
1コーラス半+ラスト
3分23秒
2コーラス+ラスト
48(白24)LOVE(抱きしめたい)沢田研二3分8秒
1コーラス+サビ
5分16秒
2コーラス+サビ

各ステージ・補足

 小柳ルミ子の歌唱曲「雨…」は、この年3曲あった中島みゆき提供曲の1つでした。「かもめはかもめ」「しあわせ芝居」は1コーラス半でしたが、こちらは8年連続出場のベテランということもあって1番と2番の2コーラス。イントロ前半はカットでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・小柳ルミ子の軌跡

 北島三郎は当時NHKで放送されていた番組『あなたのメロディー』で生まれた「与作」を歌唱。本格的にヒットし始めたのは翌年以降でした。1コーラスはかなり長めですが、16年連続出場のベテランということもあって2コーラス歌唱。フルコーラス、と言いたい所ですが1回目の”ホーホー”がカットされています。

 森昌子は前回同様熱唱でした。いよいよアイドル的な立ち位置から本格的な演歌歌手になり始めたと言った所ですが、この年は残念ながら1コーラス半。イントロ前半もカットされています。

 三波春夫は北から南までひたすら桜どころを歌う曲、短い1コーラスが14個あります。紅白のステージは間奏も少し入れながら、7コーラス歌唱。中には2コーラスを無理やり1コーラスにまとめた箇所もありました。最後はこの紅白のみで披露されたと思われる歌詞を歌ってます。(ステージレビュー→紅白歌合戦・三波春夫の軌跡

 10年連続出場となった由紀さおりは「トーキョー・バビロン」を歌唱。1番と2番Bメロ以降を歌う1コーラス半の構成でした。若干原曲よりテンポが速くなっています。

 布施明は大塚博堂の名曲「めぐり逢い紡いで」をじっくり歌唱。過去の紅白では1コーラス半で2番カットのケースが多くありましたが、この年は間奏が若干カットされる程度のフルコーラス歌唱。布施さんの美声を心ゆくまで堪能できるステージでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・布施明の軌跡

 島倉千代子はこの年逝去した作曲家・古賀政男追悼を込めて、1955年発表の「りんどう峠」を紅白初歌唱。1番と3番の2コーラス、キーが半音ほど下がってテンポは原曲よりかなり遅め、節回しもかなり変わっている様子です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・島倉千代子の軌跡

 村田英雄の「人生劇場」も同じく古賀先生追悼、紅白ではその古賀先生が後ろで指揮を振った第22回以来7年ぶり2回目でした。1番と2番の歌唱、間の台詞パートは元々の原曲に存在していない内容です。

 都はるみは「北の宿から」と同じ小林亜星作曲ですが、全くヒットせず後年の全曲集にも収録されていません。ただJOYSOUNDのカラオケでは選曲できるようです。ステージは3コーラスのフル歌唱。3番で囁くように歌う箇所が原曲通りかアレンジなのかも不明です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・都はるみの軌跡

 森進一は演歌というよりバラードといった方が良い楽曲です。1コーラスが長いため、2番はサビのみで原曲にある繰り返しも無しでした。

 この年のトリ対決は演歌でなくポップス、紅組は当時19歳の山口百恵が大抜擢となりました。「乙女座宮」「絶体絶命」、当時発売されて1ヶ月の「いい日旅立ち」もある中で楽曲は「プレイバックPart 2」。原曲よりもかなり速いテンポの演奏でしたが、百恵さんがステージから放つオーラは明らかにそれを凌駕していました。構成は間奏カット無しの1コーラス半、2番はサビ後半以降の歌唱です。(ステージレビュー→紅白名言集解説・11~待ち望んだ百恵ちゃんのトリ~

 沢田研二も「サムライ」「ダーリング」などが大ヒットしましたが、紅白の大トリとして選曲したのは「LOVE(抱きしめたい)」でした。ほぼ2コーラスで5分超の楽曲、そのため紅白のステージは1コーラスとラストサビ・アウトロも原曲通りというシンプルな構成です。それでも演奏時間は3分超、ラストに相応しいステージになっていました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・沢田研二の軌跡

第29回(1978年)・まとめ

演奏時間ランキング

順位曲順楽曲アーティスト演奏時間
138(白19)与作北島三郎3分25秒
248(白24)LOVE(抱きしめたい)沢田研二3分8秒
326(紅13)コーラス・ガール和田アキ子2分47秒
442(白21)めぐり逢い紡いで布施 明2分45秒
512(白6)ブルースカイブルー西城秀樹2分39秒
4423(白12)港夜景細川たかし2分1秒
459(紅5)坊がつる讃歌芹 洋子1分58秒
4618(紅9)迷い道渡辺真知子1分57秒
4731(紅16)東京ラブ・コール西川峰子1分49秒
4810(白5)許してください角川 博1分48秒

 北島三郎の3分25秒はかなり長く、第23回以降ここまでで最も長い演奏時間でした。この年は白組で上位ランクインが多いです。短い方は西川峰子が3年連続ランクイン、翌年以降は出場していないので4回中3回でランクインという結果になりました。全ステージの平均はおよそ2分22秒、前回より2秒増えています。

フルコーラス歌唱(間奏・アウトロ・フェイドアウトは除く)

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
8(白4)グッド・ラック野口五郎2分35秒
2コーラス
3分17秒
2コーラス
24(紅12)花しぐれ高田みづえ2分9秒
2コーラス
3分1秒
2コーラス
26(紅13)コーラス・ガール和田アキ子2分47秒
2コーラス
3分21秒
2コーラス
42(白21)めぐり逢い紡いで布施 明2分45秒
2コーラス
3分9秒
2コーラス
45(紅23)なんで女に都はるみ2分28秒
3コーラス
(演奏時間不明)
3コーラス

 フルコーラスは前回より2つ多くなりました。菅原洋一もフルコーラスのような気はしますが、元が分からないので一旦省いています。演歌不振の割にその年発表の曲を歌うベテランが多く、他の年と比べて楽曲情報が手に入りにくい紅白でもありました。

テンポアップが目立ったステージ

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
3(紅2)シンデレラ・ハネムーン岩崎宏美2分22秒
2コーラス半
3分58秒
3コーラス半
4(白2)カナダからの手紙平尾昌晃・畑中葉子2分11秒
2コーラス
3分3秒
2コーラス半
8(白4)グッド・ラック野口五郎2分35秒
2コーラス
3分17秒
2コーラス
10(白5)許してください角川 博1分48秒
1コーラス半
4分22秒
3コーラス
14(紅7)飛んでイスタンブール庄野真代2分29秒
2コーラス
3分17秒
2コーラス+サビ
31(紅16)東京ラブ・コール西川峰子1分49秒
2コーラス
3分11秒
3コーラス
47(紅24)プレイバックPart 2山口百恵2分23秒
1コーラス半+ラスト
3分23秒
2コーラス+ラスト

 前半は前回と同様にテンポ速めのステージ続出でしたが、中盤以降は比較的落ち着きました。ただトリの山口百恵は相当速い演奏になっています。

 

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