歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第41回・1990年その5)

演奏時間&構成表 5(第41回・1990年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
47(紅24)
紅後半15
花(ブーケ)束八代亜紀2分33秒
冒頭+1コーラス半
4分33秒
冒頭+2コーラス
48(白24)
白後半15
シクラメンのかほり布施 明3分12秒
1コーラス+サビ
4分34秒
2コーラス
49(紅25)
紅後半16
能登はいらんかいね坂本冬美2分39秒
2コーラス
4分37秒
3コーラス
50(白25)
白後半16
演歌船鳥羽一郎2分33秒
2コーラス
4分26秒
3コーラス
51(紅26)
紅後半17
真夜中のシャワーケー・ウンスク2分40秒
2コーラス
3分39秒
2コーラス半
52(白26)
白後半17
五木ひろし2分54秒
2コーラス
4分33秒
3コーラス
53(紅27)
紅後半18
抱かれ上手和田アキ子3分29秒
2コーラス
4分35秒
2コーラス+サビ
54(白27)
白後半18
北島三郎3分7秒
2コーラス
4分48秒
3コーラス
55(紅28)
紅後半19
うたかた石川さゆり3分4秒
2コーラス
5分11秒
3コーラス
56(白28)
白後半19
いい日旅立ち谷村新司4分22秒
2コーラス+サビ
4分32秒
2コーラス+サビ
57(紅29)
紅後半20
千年の古都都はるみ4分17秒
2コーラス
5分29秒
2コーラス+サビ
58(白29)
白後半20
おふくろさん森 進一3分45秒
3コーラス
3分42秒
3コーラス

各ステージ・補足

 八代亜紀の「花(ブーケ)束」はサビから始まる歌い出しですが、そのキーが合わないというハプニングが発生。1番に入ってから合うのは流石プロと言った所でしょうか。冒頭+1コーラス+サビ、最後のサビは半音高いキーでの歌唱でした。

 布施明は3年ぶりの紅白、「シクラメンのかほり」を歌うのは15年ぶり。ギターを弾きながらの熱唱です。少々テンポが原曲より速いようにも聴こえますが、15年前とほぼ同じ構成で演奏時間もあまり変わりありませんでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・布施明の軌跡

 坂本冬美は3回目の出場で初の終盤進出。ヒット曲「能登はいらんかいね」の1番と3番を、冬美さんらしい歌声で決めます。間奏・アウトロといった歌以外の部分は短めでした。

 鳥羽一郎はタイトルが示す通りの、海と漁師をテーマにした演歌です。1番と3番の熱唱、こちらも間奏短め。ただアウトロはカット少なめで、それなりに時間調整されていました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・鳥羽一郎の軌跡

 ケー・ウンスクも3回目の出場で終盤、こちらもヒット曲「真夜中のシャワー」を歌唱。相変わらずタイトな進行で、演奏開始・登場の時点でセット転換(階段の移動)が間に合っていません。間奏短めの2コーラス歌唱。

 五木ひろしの「心」は星野哲郎・船村徹コンビ、白組は2組続けて同じ作詞作曲陣で臨みます。五木さんにとっては今までにないほどの重い演歌調でした。1番と3番の2コーラス。五木さんクラスでも、この年は間奏若干カットです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・五木ひろしの軌跡

 和田アキ子の「抱かれ上手」は、間奏だけでなくイントロも一部カット。前後左右にステップを踏みながら歌っています。歌謡曲調のポップスで演歌より1コーラスやや長めですが、歌の方は2コーラス・ラストサビのみカットでした。

 北島三郎の「山」は、オープニングからせり上がりでの登場に合唱も挿入。昭和のように新曲トリが原曲だったならば、おそらくこの曲が大トリだったものと思われます。1番と3番の歌唱。間奏もそうですが、このステージはアウトロがやや忙しないカット状態でした。

 石川さゆりも前ステージから合間無し、明らかなイントロカットと随分慌ただしいです。ただ歌は落ち着いたもので、1番と3番のコーラス。”さゆり節”という言葉が実にしっくり来る、聴かせるパフォーマンスでした。

 日本を代表する名曲「いい日旅立ち」ですが、山口百恵は紅白でこの曲を歌うこと無く引退。この年に谷村新司のセルフカバーで、ようやく紅白初歌唱となります。ステージにストリングス奏者が一列に並んで演奏する舞台演出でした。ラストサビもしっかり入ってフルコーラス、初出場以来演奏時間は4年連続で4分台をキープしています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・谷村新司の軌跡

 本格的に復活となった都はるみが、この年の紅組トリでした。シングル「小樽運河」のカップリング収録、表題曲でない曲がトリで歌わるのは大変珍しいケースです。イントロがやや短いもののじっくり2コーラス、スケールの大きいバラード(演歌というよりはそちらの方が正確)を感動的に歌い上げました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・都はるみの軌跡

 最後を飾るのは森進一の名曲「おふくろさん」。19年前の紅白でも白組トリでしたが、この年も大トリでの歌唱となりました。間奏も含めたフルコーラスに大トリならではのアウトロも加わって、原曲より長い演奏時間での歌唱になっています。過去曲の大トリは第33回以来8年ぶりでしたが、翌年以降はそちらがスタンダードになっていきます。通算9回目でまだまだトリでの歌唱が予想された森さんは、結果的にこれが最後になりました。

第41回(1990年)・まとめ

演奏時間ランキング(企画コーナーは除外)

順位曲順楽曲アーティスト演奏時間
118(白9)
白前半9
親知らず
いつかの少年
乾杯
長渕 剛15分24秒
237(白19)
白後半10
風に立つライオンさだまさし6分19秒
322(白11)
白後半2
さよなら人類たま4分47秒
440(白20)
白後半11
明日に架ける橋ポール・サイモン4分41秒
524(白12)
白後半3
スーダラ伝説植木 等4分32秒
617(紅9)
紅前半9
I Drove All Nightシンディー・ローパー4分24秒
756(白28)
白後半19
いい日旅立ち谷村新司4分22秒
857(紅29)
紅後半20
千年の古都都はるみ4分17秒
914(白7)
白前半7
Forever Yours久保田利伸
アリスン・ウィリアムズ
4分16秒
1039(紅20)
紅後半11
ぼだい樹鮫島有美子4分9秒
4911(紅6)
紅前半6
人生晴れたり曇ったり瀬川瑛子2分33秒
4947(紅24)
紅後半15
花(ブーケ)束八代亜紀2分33秒
4950(白25)
白後半16
演歌船鳥羽一郎2分33秒
5243(紅22)
紅後半13
松原のぶえ2分32秒
5312(白6)
白前半6
渋谷ものがたり新沼謙治2分29秒
5432(紅16)
紅後半7
ここに幸あり大津美子2分26秒
5434(紅17)
紅後半8
ふりむけばヨコハママルシア2分26秒
5436(紅18)
紅後半9
知床旅情加藤登紀子2分26秒
5745(紅23)
紅後半14
忍ぶ雨伍代夏子2分21秒
5816(白8)
白前半8
また逢う日まで尾崎紀世彦2分16秒

 今回からは上位10ステージと下位10ステージにランキングを拡大します。長尺ステージ1位の長渕剛は圧倒的な数字ですが、その次のさだまさしも紅白史上初の6分台を記録しています。たまも初出場ながらかなりの時間で、第30回の「関白宣言」よりも長い記録を叩き出しています。紅組トップはシンディー・ローパーでした。一方短い方はほとんど演歌、過去曲は原曲が短い尾崎紀世彦大津美子などがランクインしています。全ステージ平均は第1部が3分41秒長渕剛を除外すると3分0秒)、第2部が3分15秒、58ステージの平均は3分4秒でした。

複数曲歌唱のステージ

曲順楽曲アーティスト演奏時間
曲数
18(白9)
白前半9
親知らず
いつかの少年
乾杯
長渕 剛15分24秒
3曲
21(紅11)
紅後半2
S.O.S.
渚のシンドバッド
ウォンテッド(指名手配)
2年目のジンクス
ピンク・レディー4分0秒
4曲
24(白12)
白後半3
スーダラ節
無責任一代男
ドント節
だまって俺について来い
ハイそれまでョ
植木 等4分32秒
5曲

 平成以降は複数曲メドレーのステージが多くなるので、あらためて表にしてみました。もっともこの年はまだ3組のみ、植木等は「スーダラ伝説」の組曲としてシングル発売されているのでメドレーと言うには少し違うかもしれません。

過去曲/カバー曲のステージ(新曲が含まれるメドレー除外)

曲順楽曲アーティスト発表年演奏時間
構成
4(白2)
白前半2
心の旅吉田栄作1973年
(チューリップ)
2分51秒
冒頭+1コーラス+サビ
6(白3)
白前半3
FUNKY FLUSHIN’少年隊1979年
(山下達郎)
2分57秒
1コーラス半+サビ
13(紅7)
紅前半7
トゥナイト
~「ウエストサイド物語」より~
佐藤しのぶ1957年
(ミュージカル)
3分10秒
2コーラス
16(白8)
白前半8
また逢う日まで尾崎紀世彦1971年
19年ぶり2回目
2分16秒
2コーラス
24(白12)
白後半3
スーダラ伝説植木 等1961年~
1964年
4分32秒
5曲
26(紅13)
紅後半4
イマジンEVE1980年
(ジョン・レノン)
3分22秒
2コーラス
27(白14)
白後半5
もしもピアノが弾けたなら西田敏行1981年
9年ぶり2回目
2分50秒
1コーラス半
28(紅14)
紅後半5
恍惚のブルース青江三奈1966年
24年ぶり2回目
2分59秒
2コーラス
29(白15)
白後半6
ソングアレクサンドル・
グラツキー
1980年3分50秒
2コーラス
30(紅15)
紅後半6
津軽あいや節福士りつ青森県民謡2分51秒
1コーラス
32(紅16)
紅後半7
ここに幸あり大津美子1956年2分26秒
2コーラス
33(白17)
白後半8
いつでも夢を橋 幸夫1962年
20年ぶり3回目
2分51秒
2コーラス
35(白18)
白後半9
釜山港へ帰れチョー・ヨンピル1972年2分49秒
2コーラス
36(紅18)
紅後半9
知床旅情加藤登紀子1965年
19年ぶり2回目
2分26秒
2コーラス
37(白19)
白後半10
風に立つライオンさだまさし1987年6分19秒
2コーラス
39(紅20)
紅後半11
ぼだい樹鮫島有美子1827年
(シューベルト)
4分9秒
4コーラス
40(白20)
白後半11
明日に架ける橋ポール・サイモン1970年4分41秒
3コーラス
48(白24)
白後半15
シクラメンのかほり布施 明1975年
15年ぶり2回目
3分12秒
1コーラス+サビ
56(白28)
白後半19
いい日旅立ち谷村新司1978年
(山口百恵)
4分22秒
2コーラス+サビ
58(白29)
白後半20
おふくろさん森 進一1971年
19年ぶり2回目
3分45秒
3コーラス

 過去曲・カバーのリストも今回以降作ることにしました。ただカバーでも、宮沢りえ「Game」や忍者「お祭り忍者」のように新たな歌詞が入っている曲は対象から除外とします。58ステージ中過去曲のみのステージは20、特に後半3組目~11組目はほぼ新曲無しでした。

中継ステージ

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
中継場所
14(白7)
白前半7
Forever Yours久保田利伸
アリスン・ウィリアムズ
4分16秒
1コーラス半
アメリカ
ニューヨーク
18(白9)
白前半9
親知らず
いつかの少年
乾杯
長渕 剛15分24秒ドイツ
ベルリン
19(紅10)
紅後半1
Game宮沢りえ3分10秒
3コーラス
東京
芝浦ビル屋上
33(白17)
白後半8
いつでも夢を橋 幸夫2分51秒
2コーラス
ブラジル
サンパウロ
34(紅17)
紅後半8
ふりむけばヨコハママルシア2分26秒
1コーラス半
ブラジル
サンパウロ
35(白18)
白後半9
釜山港へ帰れチョー・ヨンピル2分49秒
2コーラス
韓国
ソウル
39(紅20)
紅後半11
ぼだい樹鮫島有美子4分9秒
4コーラス
ドイツ
ベルリン
40(白20)
白後半11
明日に架ける橋ポール・サイモン4分41秒
3コーラス
アメリカ
ニューヨーク

 中継ステージは全部で8つありました。ただ当時の状況ではかなり難しい部分も多く視聴者からも不評で、紅白歌合戦における次のステージは第53回(2002年)まで待つ形になります。

フルコーラス歌唱(間奏・アウトロ・フェイドアウトは除く)

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
1(紅1)
紅前半1
笑顔の行方ドリームズ・カム・
トゥルー
3分27秒
冒頭+2コーラス
3分58秒
冒頭+2コーラス
17(紅9)
紅前半9
I Drove All Nightシンディー・ローパー4分24秒
2コーラス半
4分12秒
2コーラス半
18(白9)
白前半9
親知らず長渕 剛5分22秒
3コーラス
5分25秒
3コーラス
いつかの少年長渕 剛5分14秒
2コーラス+サビ
6分7秒
2コーラス+サビ
22(白11)
白後半2
さよなら人類たま4分47秒
3コーラス+Cメロ
5分35秒
3コーラス+Cメロ
23(紅12)
紅後半3
おどるポンポコリンB.B. クィーンズ3分4秒
2コーラス半
3分11秒
2コーラス半
26(紅13)
紅後半4
イマジンEVE3分22秒
2コーラス
3分7秒
2コーラス(原曲)
29(白15)
白後半6
ソングアレクサンドル・
グラツキー
3分50秒
2コーラス
4分29秒
2コーラス
37(白19)
白後半10
風に立つライオンさだまさし6分19秒
2コーラス
8分52秒
2コーラス
40(白20)
白後半11
明日に架ける橋ポール・サイモン4分41秒
3コーラス
4分53秒
3コーラス
56(白28)
白後半19
いい日旅立ち谷村新司4分22秒
2コーラス+サビ
4分32秒
2コーラス+サビ
58(白29)
白後半20
おふくろさん森 進一3分45秒
3コーラス
3分42秒
3コーラス

 フルコーラスのステージも、昭和と比べて多くなりました。トップバッターがフルコーラスというのは、後年でも滅多にありません。この時点で既に扱いが白組に偏り気味なのは、気のせいでしょうか…。

 

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