演奏時間&構成表 2(第33回・1982年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 | フル再生時間 構成 |
14(紅7) | ウエディング・ベル | シュガー | 2分34秒 冒頭+2コーラス | 3分25秒 冒頭+3コーラス |
15(白7) | チャコの海岸物語 | サザンオールスターズ | 2分51秒 2コーラス半 | 3分36秒 2コーラス半 |
16(紅8) | 夏をあきらめて | 研ナオコ | 2分5秒 1コーラス+ラスト | 3分37秒 2コーラス+ラスト |
17(白8) | 愛の讃歌 (1950年) | 菅原洋一 | 3分36秒 1コーラス半 | 3分14秒 1コーラス |
18(紅9) | コモエスタ赤坂 (1968年) | ロス・インディオス &シルヴィア | 2分10秒 2コーラス | 3分33秒 3コーラス |
19(白9) | 君といつまでも (1965年) | 加山雄三 | 2分41秒 1コーラス半+台詞 | 3分20秒 1コーラス半+台詞 |
20(紅10) | 伊勢佐木町ブルース (1968年) | 青江三奈 | 1分56秒 2コーラス | 3分21秒 3コーラス |
21(白10) | 有楽町で逢いましょう (1957年) | フランク永井 | 1分54秒 2コーラス | 3分34秒 3コーラス |
22(紅11) | この世の花 (1955年) | 島倉千代子 | 2分15秒 2コーラス | 3分18秒 3コーラス |
23(白11) | 北国の春 (1977年) | 千 昌夫 | 2分28秒 2コーラス | 4分2秒 3コーラス |
24(企2) | 紅白デュエットメドレー | 出場歌手全員 | 5分51秒 | |
バラが咲いた | 黒柳徹子 山川静夫 | 0分51秒 0コーラス半 | 3分1秒 2コーラス | |
一杯のコーヒーから | 研ナオコ 都はるみ 五木ひろし 桑田佳祐 | 0分43秒 2コーラス | 2分54秒 4コーラス | |
二人の世界 | 島倉千代子 近藤真彦 | 0分47秒 0コーラス半 | 3分59秒 3コーラス | |
小さな喫茶店 | 八代亜紀 田原俊彦 | 0分34秒 0コーラス半 | 3分4秒 1コーラス半 | |
黄色いさくらんぼ | 松田聖子 河合奈保子 三原順子 三波春夫 村田英雄 菅原洋一 | 0分35秒 1コーラス | 3分16秒 3コーラス | |
船頭小唄 | 小林幸子 西田敏行 | 0分43秒 0コーラス半 | 3分31秒 3コーラス | |
二人でお酒を | 森 昌子 石川さゆり 加山雄三 中村雅俊 | 1分13秒 1コーラス | 3分33秒 2コーラス半 | |
25(紅12) | くちなしの花 (1973年) | 牧村三枝子 | 2分10秒 2コーラス | 3分30秒 3コーラス |
26(白12) | 新雪 (1942年) | 新沼謙治 | 1分44秒 2コーラス | 3分27秒 3コーラス |
27(紅13) | なごり雪 (1974年) | 榊原郁恵 | 2分17秒 2コーラス | 3分15秒 2コーラス半 |
28(白13) | 旅の終りはお前 | 山本譲二 | 2分13秒 1コーラス+サビ | 4分10秒 2コーラス+サビ |
29(紅14) | みだれ髪 | 小柳ルミ子 | 2分23秒 1コーラス半 | 3分57秒 2コーラス半 |
30(白14) | ああ上野駅 (1964年) | 西田敏行 | 2分6秒 2コーラス+台詞 | 3分19秒 3コーラス+台詞 |
31(紅15) | セーラー服と機関銃 | 桜田淳子 | 2分47秒 2コーラス | 4分32秒 3コーラス |
32(白15) | 6番目のユ・ウ・ウ・ツ | 沢田研二 | 3分41秒 2コーラス | 4分14秒 2コーラス+サビ |
33(紅16) | あなたひとすじ | 川中美幸 | 2分22秒 2コーラス | 3分50秒 3コーラス |
34(白16) | 噂の女 (1970年) | 内山田洋と クール・ファイブ | 2分20秒 2コーラス | 3分55秒 3コーラス |
35(企3) | 紅白パフォーマンス対決 | 出場歌手全員 | 8分6秒 | |
お江戸日本橋 | 松田聖子 河合奈保子 榊原郁恵 高田みづえ | 0分35秒 | ||
ギッチョンチョン | 小林幸子 石川さゆり | 0分55秒 | ||
木遣りくずし | 青江三奈 都はるみ 八代亜紀 島倉千代子 | 1分6秒 | ||
旅笠道中 | 三波春夫 北島三郎 村田英雄 森 進一 | 1分3秒 |
各ステージ・補足
「ウエディング・ベル」が大ヒットしたシュガーは、女性のみの演奏グループ史上初の紅白出場になりました。メンバー3人だけでなく、セットの後ろにもサポートメンバーが参加しています。1番と3番の演奏、ラストは原曲に無い3人のハモリで締めるアレンジでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(怒涛の1980年代編))
バンドセットの入れ替えに伴う紅白オケの演奏を経て、サザンオールスターズ「チャコの海岸物語」は紅白史・音楽番組史・サザン史などにおいて未だに語り継がれる伝説的なハチャメチャステージでした。堂々のフルコーラスですが、節回しなど歌い方は大幅にアレンジ、というよりデフォルメしています。”国民の皆様…”で始まる曲中の台詞は、もちろん原曲には存在していません。テンポは原曲とほぼ変わらず、冒頭と終わりで合計約40秒収録されている波音SEはカットされています。逆に言うと、SE以外はほとんど原曲と同じ長さのステージです。
笑いを堪えられない様子でステージに登場する研ナオコ、奇しくも歌唱曲は桑田さん提供で大ヒットした「夏をあきらめて」でした。歌だけでなく、スーツをあえて袖に通さないファッションも印象に残ります。ただ構成はまさかの1コーラスとラストパートのみ。あまりヒットしていなかった昨年一昨年でも2コーラス歌唱だったことを考えると、不可解とまで言える扱いの悪さです。
菅原洋一は紅白で13年ぶりとなる「愛の讃歌」を歌唱。フルコーラスという意味では2回目Aメロ前半の歌詞がカットされましたが、その後にピアノ&合唱パートとラストフレーズ繰り返しが加わっています。そのため演奏時間は原曲超え、昭和の紅白では最上位に入る長い演奏時間となりました。
ロス・インディオス&シルヴィアの「コモエスタ赤坂」は元々1968年ロス・インディオスの曲としてのヒットですが、この年の紅白はシルヴィアを加えてのデュエットバージョンです。1番と2番の歌唱、テンポは14年前の原曲と比べてかなり速くなっていました。
加山雄三は前回メドレーの1曲として「君といつまでも」、今回は堂々フルコーラスです。曲紹介の分イントロが長くなっていますが、その分アウトロは若干カット。演奏時間が示す通り、テンポはこちらもかなり速めでした。元々が幾分ゆったりしているとも言えますが…。(ステージレビュー→紅白歌合戦・加山雄三の軌跡)
青江三奈は「伊勢佐木町ブルース」、14年前は例のため息がカズーの演奏で代用されました。ただ当時と比べるとNHKも少しは緩くなったようで、ため息全開のステージでした。もっともキーは原曲より下げ気味でテンポもやけに速く、1番と2番の歌唱だけで演奏時間は2分を切ってしまいました。
フランク永井は紅白で9年ぶりの「有楽町で逢いましょう」ですが、こちらも随分テンポが速いです。イントロ・間奏・1番3番の歌唱は第24回と同様、ただ演奏時間はまさかの1分54秒。9年前より11秒も短くなっています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・フランク永井の軌跡)
島倉千代子はデビュー曲「この世の花」を紅白初歌唱、発表当時はまだ16歳でした。ステレオ新録の時点でキー下げ・テンポ遅めのアレンジですが、紅白もそれに準じたような年相応のステージになっています。1番と3番の歌唱。(ステージレビュー→紅白歌合戦・島倉千代子の軌跡)
千昌夫は紅白4回目となる「北国の春」。イントロが最初からカット無しで演奏されたのは今回が初めてでした。ただ1970年代でも原曲通りだったテンポはこのステージでも若干速め。選曲は確かに名曲紅白ですが、その割にステージでの扱いが全体的に雑過ぎる気がしてなりません。演奏時間は第29回と同様でした。
この年も前半と後半の合間に紅白デュエットショー開催。ただこの回は元々デュエットでない曲が中心です。全体的にどの曲も、原曲よりテンポがかなり速く聴こえます。
牧村三枝子はレコード会社の先輩・渡哲也の「くちなしの花」をカバー。代表曲「みちづれ」も元々は渡哲也の曲なので、この選曲については違和感ありません。渡さんが紅白に出場した8年前同様1番と3番、ただテンポはやはり速めです。
新沼謙治はこの年に逝去した灰田勝彦の代表曲「新雪」ですが、新沼さんにとっては元々持ち歌ではなかったそうです。そのためステージで歌うまでに大変苦労したという逸話があります。1番と3番の歌唱、1コーラスが短いので演奏時間も2分を切っています。
榊原郁恵はフォークソングの代表曲「なごり雪」、紅白史上に残る謎選曲です。2番の歌い出しも間違える始末で、正直申し上げると散々なステージでした。もっとも歌は歌唱力の高さを感じさせる内容、1番終わりに起こった拍手がそれを示しています。
山本譲二はこの年ヒットの「旅の終りはお前」、直前までは11ステージ連続の過去曲&カバーでした。1コーラスとラストサビの構成。前回と同様、情熱的な歌唱ステージを見せています。
小柳ルミ子は1970年代のヒット曲を歌ってもおかしくないキャリアですが、なんとかこの年発表の「みだれ髪」が選曲されました。演歌寄りのバラードを間奏無しの1コーラス半、前年やその前と比べるとこちらもやや短めで印象に残りにくい内容です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・小柳ルミ子の軌跡)
西田敏行は福島県出身ということで、井沢八郎の名曲「あゝ上野駅」をカバー。意外にもこの曲は、ヒット当時の紅白で歌われていません(なぜか1964年・第15回は不出場でした)。歌は1番と3番、間奏の台詞は原曲とは異なるこの紅白オリジナルの内容でした。歌う前に審査員へ挨拶するなどの小芝居も披露、どちらかと言うと本番は歌唱よりもこちらの方だったでしょうか。
桜田淳子はまさかの「セーラー服と機関銃」。紅白で歌われたカバー曲は数あれど、その年のヒット曲を別の出場歌手がカバーした事例は他にありません。1番と2番、最後はサビの繰り返しを1回多くするアレンジでした。テンポもまた原曲よりやや速めです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・桜田淳子の軌跡)
沢田研二はこの年もバンドと一緒に登場する際に25秒のオープニングSEあり。1コーラス半歌唱のステージが目立つこの年の紅白ですが、さすがにジュリーはちゃんと新曲をヒットさせているのでしっかり2コーラスでした。ラストのサビ繰り返しこそ無いものの、演奏時間は貫禄の3分台です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・沢田研二の軌跡)
川中美幸はカラオケで人気という触れ込みの曲紹介、歌唱曲は前年リリースでこの年もヒットした「あなたひとすじ」でした。1番と3番の歌唱、演歌はこの頃から「あなたひとすじ」のようなカラオケ需要を意識した曲が多くなっていきます。
内山田洋とクール・ファイブは12年ぶりに紅白で「噂の女」を歌唱。またまた原曲よりテンポ速め、そのためやや軽く歌っているステージにも見える内容でした。1番と3番の歌唱。(ステージレビュー→紅白歌合戦・内山田洋とクール・ファイブの軌跡)
この年も後半に両軍歌手のパフォーマンス対決、日本調の内容は前回と同様でした。紅組はどちらかと言うとかわいらしさ重視、白組はパフォーマンスというよりお笑い重視のように見える内容です。
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